異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

仙人掌(さぼてん)

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SFにおけるなんかすごい物質

簡易護衛

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「それで何をすればいいのですか?」
 女性の拘束から解放されたので質問してみる、もう逃げも隠れもする気はない。
「そうね、ひとまずは目的地まで護衛してももらおうかしら、2人とも並以上の実力はあるでしょう?」
「ええ、まぁ……」
「その辺の自覚はあるのね、ま詮索はしないでおいてあげる」
「助かります、それどどこまで行けばいいのですか?」
「北山城町って所なんだけどね」
「いやちょっとわからないですね……」
 サヨの方を向いてみるが首を横に振ったので知らないようだ、とりあえず周囲を警戒しながら付いていくことにした。

 閑静な住宅街を抜けると大きなターミナル駅にたどりついた流石にそこまで来ると人通りも多くなってくる。
「ひとまずはここまで来れたわね、そういえば貴方たちお金もっているの?」
「いえ無いです……」
 この世界に来たばかりなのでもちろん持ち合わせていない。
「しょうがないわね、3人分は結構イタイんだから本当にしっかりと働いてもらうからね」
「……わかりました」
 この世界でも電車の移動方法は日本のモノと変わらないようだ、紙のキップを受け取ってから改札を通る。

 ホームに到着すると異世界に来たことが実感できるものが見えた、ホームの間にはレールはなく上にケーブルが張り巡らされていた。
「何、電車がそんなに珍しいの?」
「そうですね、こういった駅は初めてですよ」
「ずいぶん田舎に住んでたのね」
 説明するのも面倒なのでこのまま勘違いさせたままにしよう。
 しばらく待っているとアナウンスと共にホームに電車がやってきた、見た目は前世の日本と変わらないが車輪がなく宙に浮いておりパンタグラフでケーブルに触れているためぶら下がっている様子でもない、それに地面が平らで溝などがないため磁力などで浮いている訳でもないようだ、そのことに関して他の人が当たり前のようにしているのでこの世界での電車はアレが普通なのだろう。

 電車で30分ほど乗り継いで富士山らしき山が見える駅で降りた。
「あの山はいつ見てもきれいね」
「そうっすね」
 あの山自体はきれいなのでとりあえず同意しておく。
「目的地はあの山のふもとだから歩くわよ」
「マジっすか?!」
「交通費がないからしょうがないじゃない」
「すいません」
 お金のことを言われてしまうとぐうの音もでないので渋々歩きだす、あの山のふもとまでは割と距離があるようで到着する頃には完全に太陽が沈んでいるだろう。

「ひとまずはここで1泊するわよ」
「え、お金大丈夫なんですか?」
「この辺は人数に対してじゃなくて部屋数に応じて値段が設定されているから交通費よりも安く済むのよ、明日はかなり動いてもらうからゆっくり休んでなさい」
「わかりました」
「はーい」
 ここは野宿するよりはマシだと思って素直にさっさと寝てしまおう。
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