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一番のロボットは何か

半壊

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「そこだ!」
「ここか!」
 わざと作った隙に反応してくれたおかげで反撃のチャンスが出来た、右腕を犠牲に相手の機体の脇腹を掴み宙に浮かせる、できるかどうか分からなかったが相手を持ち上げるだけのパワーはあるようだ。
「なんだと、しかしこの体勢ではそちらも攻撃できまい」
「それはどうかな」
 機体の前面にあるブースターを全力で吹かせる、地上で行動するには不要な個所にあるのだがいつのまにか宇宙で活動できるように改造されており、意外なところで役にたった。
 機体が悲鳴を上げるほど出力を上げると相手の機体の一部が吹き飛んだ。


「決着!」
「いやぁ、すばらしい戦いでしたね」
「そうですね、高速戦闘からの決着は意外な形で終わりましたね」
「はい、私もここまで素晴らしい戦いはいままで数えるほどしか見たことがありません」
「そうですね、これからの戦いは本当に期待できますね」

 相手の機体がバラバラになり勝利したもののこちらの機体にもかなりの損傷をしている、見た目は右手がボロボロなった以外は内部に大きくダメージを受けていた。
「さすがに戻って全部バラさないといけないかな」
 プラモデルのジオラマなどで使われている汚し加工というものがあり、前世でその実物を見たときは本当に戦場で戦った後のようなものになっており感動した記憶がある、それがいま本物のロボットがボロボロになって佇んでいると感動する気持ちもあるにはあるのだが疲労感の方が強い。
「私やこの世界の設備で直せそうにないもんね……」
 サヨは半壊した機体を見て悲しそうな顔をしている。
「もうこれ以上の戦闘は続行不可能っぽいから帰還した方がいいんじゃないかな?」
「そうだね、この子も早く治してあげたいし」
「え、帰っちゃうの?」
 2人で相談していると後ろから自分たちをスカウトしてきた男性が残念そうに話しかけてきた。
「そうですね、この機体が設備じゃ修理できそうにないですからね」
「そんな事はないと思うけどな、少なくとも業界でも最先端の設備を有しているからチューンナップもできると思うけどね?」
「そもそも素材からしてオリジナルなのでここじゃあデチューンしかできないですよ」
「そこまで言うのなら見せてみなよ」
「……少しだけですよ」
 ここで言い争っても仕方ないので納得させるために少しだけ見せることにした、男性の後ろから作業着を着た人が2人現れた、どうやら元から機体調べる気だったようだ。
「無理やりこじ開けたりしてさらに壊さないでくださいよ」
「当たり前だ!」
 変な事にならないように注意した怒られてしまった、どうやら男性は怪しいものの作業着の人たちメカニックのプライドがあるようで少しは信用できそうだ。
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