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悪役令嬢を乗せて

シナリオのオワリ

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「あ、いた」
 彼女が右奥の方向を指した、その方向を向くと舞台に立ってなにか叫んでいる男性が見える。
「あれを倒せば終わりですか?」
「おそらくね」
「サヨ」
「うん」
 サヨが長い銃を取り出して大声を出している男性を狙撃する、弾着すると男性はそのまま倒れた、するといつの間にか曇り空だったのがいつの間にか晴れ空になっていた。

「終わった……、みたいね」
「ですね……」
「あっけないわね、あれは確か呼び出す前の会話劇な気がするわ、完全に破たんしたんじゃない」
「……ちょっと見てきますね」
 サヨが何か気になったのかいきなり飛び上がりどこかへ飛び立ったかと思うとすぐに戻ってきた。
「どこ行ってきたの?」
「以前の森の壁になっていたところにいってみたんですけど、普通に向こうに行くことができました、おそらくこれで遠くに行けるハズです」
「そうなの、じゃあ行きましょう、まだあの馬車は残っているのかしら……」
「馬はいませんでしたけど馬車事態は残っていましたよ」
「そうじゃあ馬をまたもらって移動しましょう、そこまで運んでくださるわよね」
「もちろんです、ところで様子を見に行ったりしないんですか?」
「興味ないわ、行きましょう」
「わかりました」
 サヨが彼女と自分を抱えて乗り捨てた馬車のところに向かう。

「これは俺達の物だ!」
 馬車に到着すると、柄の悪い人たちが馬車を運び込もうとと痩せた馬をつないでいるところだった、確かに一度捨ててしまったので所有権を主張されてしまうと弱くなってします。
「それは私の物よ」
 彼女はお構いなしに柄の悪い人たちに食って掛かる。
「お前ら3人程度で俺たちの相手ができるとでも思っているのか?」
「十分じゃない、よろしく」
「あ、ハイ」
 サヨが銃を取り出して相手に対して発砲する。
「十分ね」

「そういえばこの世界って魔法はどんな感じの扱いなんですか」
 放置したせいで汚れた馬車を軽く掃除しながら興味本位で聞いてみる。
「基本的に貴族しか使えないわ、魔法が使えると自動的に貴族になれるのよ、しかもその才能は遺伝するから魔法が使えれば貴族と思っておけば問題ないわね、稀に魔法が使えない両親から突然変異的な感じで使える子が生まれてくることがあるわ、そうなったら判明した時点で速攻どこかの養子にされるわ」
「そうなんですね」
「そっちはどうなの?」
「僕の生まれた世界だったら強弱はありますけど誰でも使えますね、あと魔法が一切使えないとかで差別されたりしないですね、生活にそこまで魔法が使われていないせいでもありますけど」
「何か原作とかあったりは?」
「ないですね、強いて言うなら量産型ですかね」
「何事も普通が何だかんだでいいものよ」
「いろんな世界を行くうちにそれを実感しているところです」
「ねぇ、いままでどんな世界を行ったのか、言える範囲でいいから教えてくれない?」
「いいですよ、まずは……」
 馬車の掃除もおわりついでにゲットした馬を使って移動を始める、今の仕事は特に機密とかがないのでいろいろ、思い出せるかぎり話していく。
 そしていつの間にか国境を越えたようで隣の国に到着すると仕事が終了したことが判明した。
「それでは自分たちはこの編で……」
「ありがとう、本当に助かったわ」
「それが仕事ですから」
「それじゃあ、あなたの幸運を願っているわ」
 こうしてこの世界の仕事は終了した。


「おかえりなさい」
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