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悪役令嬢を乗せて

仕事を割り振る基準

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 翌日になり仕事へ向かうと昨日とは違う人がいたが引き継ぎが出来ているようで、部屋に入るなり申し訳なさそうにしていた。
「連日の勤務ありがとうございます」
 連続で出勤するだけでここまで感謝されると他の仕事ができそうにない。

「それで仕事っていうのは?」
「はい、それはですね、転生者が戦闘に巻き込まれるので守り通してほしいのです」
「守り通すんですか?」
「そうですよ、期間はちょっと見えないんですけどとりあえず殺されるのを守り通してほしいんです」
「その守り通す人ってすぐにわかりますか?」
「わかりますよ、裁判にかけられてますから、糾弾されて一人だけ暗いですので見分けるのは簡単ですよ」
「わかりました、そういえば僕らが選ばれた理由ってなんですか?」
「あぁ、あれは基本的にすぐに出発できる人の中から実力的に合う人を選んでいる感じですね」
「でも毎回思うんですけど、サヨの実力ならもっと難しい物でもいけるんじゃないかなと思うんですが……」
「あぁ~、別に冒険や試練じゃなくて仕事ですよ、しっかりと遂行できるような人を割り当てるんですよ、仕事なんですからつまらないとかはあまり考えない方がいいですよ」
「まぁ確かにそうですよね」
 この話をしてそういえば自分は会社員だった事を思い出す、確かに仕事なので確実に遂行できる人員を割り当てるのだろう。

「じゃあ例えばなんですけど、一番難易度が高い物ってどんなあるんですか?」
「そうですね、例えば運命とか世界のルールそのものに介入するとかですね、ほとんど神の領域に行った人達の仕事ですね」
 それは流石に無理だなぁ、神の領域となれば自分では到達できそうにない。
「それからその世界で余生を過して世界が歪みを正すとかですね、それらの条件としては存在するだけで周囲が浄化されるような人ですね」
 おうふ、それも無理だ自分は普通の人間なのでこれも出来そうにない。
「後は単純に戦闘系ですね、サヨちゃんよりもずっと強いのが沢山出てきたり……」
 それも無理だ、サヨに勝つなんて単純に力が及ばない、それを複数なんてこれまた無理な話だ。

「……身の丈にあった仕事をします」
 現状で満足すればいいのだ、高望みさえしなければ不自由のない生活ができるのだから。
「それがいいですよ」
「それじゃあ今回の仕事、行ってきます」
「はい、いってらっしゃい」
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