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ダンジョンは危険がいっぱい

現場復帰から捨て駒へ

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「全部倒した?」
 外から人の気配がしないので質問してみる。
「逃げなかったのは全部巻き込んできたけど、やっぱり途中で何人か潰れちゃった」
 かなり強引にやったようで大量の泥や返り血が付着して汚れている。
「いったん流すよ」
 サヨに近づいて魔法で水を出しておおざっぱに汚れを流す。
「ありがと、これでまとめて何とかできる」
 そういうとサヨが一瞬で横にズレる、サヨがいた場所には付着していた汚れだけ残っておりそのまま下に落ちる。
「それすっごい便利だな?」
「これは私が自分で希望して追加した能力なんだ、水とか使わずに一瞬で汚れを落とす機能っていいじゃん」
「確かに便利だな……、というかこれで仕事は良いのか?」
 とりあえず終わったので上に向かって質問してみる、個人的には早く帰りたい。
「いや、まだっぽい、まだ襲撃が終わってない」
「そっすか……」
 仕事がまだ終わっていないようで抜け始めている気合いを入れ直して武器にあった所に戻る、移動する時にサヨが全力で持たれかかってくるので歩きづらかった。

「あ、反応が消えた、でも襲撃は終わってないから警戒して欲しい……、後コレ使って下さい」
 サヨの武器で敵が来るのを待っていると後ろから少年の声がした、少しの間は機を抜いても良さそうだ、それから目の前に袋が乱暴に落ちてきた。
「何これ?」
「一応いろいろ入っているヤツです」
「ふむ……」
 土埃がついている袋を持ち上げて中身を確認する、中にはパンと水が入っていた、味はまあまあでこれなら持ってきた非常食の方がおいしいほどだ、別に不味くはないのでサヨと2人で分けて食べるが量が少ないので早々に食べ終わる。

「来たようです」
 少しのんびりしていると少年の声が聞こえてきたので警戒する、少しして足音が聞こえてきた。
「ここがあのダンジョンか?」
 無警戒に若い男性が入ってきた、堂々と入ってきたのでワンテンポ遅れて単発で銃撃すると腰にある剣で弾かれてしまった。
「こんなしょぼい攻撃じゃ僕には傷一つつかないよ」
 挑発だろうか冷めた視線をこちらに向ける、とりあえず連射してみるがそれも全部弾かれてしまった。
「多けれゃ良いモンじゃねぇよ」
 少しキレ気味にしているが弾幕があるせいで近づけてこれていない、時折銃を追加して弾幕に緩急をつけてみるがそれらも対応されてしまった。
「サヨって剣術できたっけ?」
 むろん自分はできない。
「私は中距離専門で格闘戦は苦手だよぉ」
 こうなったらハメ技でなんとかするかぁ……。
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