異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

仙人掌(さぼてん)

文字の大きさ
上 下
160 / 427
母を訪ねて……

母はいずこに

しおりを挟む
 母が出稼ぎにでて早10年の月日が流れた、遠方に行ったようで見送ってから顔を見ていない、父は自分が生まれてすぐに死んだらしい。
 毎月の振り込みは額自体は不安定になるが必ず振り込まれているので生きているのだろう、手紙で安否確認をしたいのだが、かなりの頻度で住所を変更しているようでもう長いこと送り合ってない。

 頼りがない事が元気の証拠という前世の言葉があったおかげで今日も元気に生きている。

 その振り込みが最近高額になってしまった、正確には桁が3つも増えた、1回の仕送りで豪勢に暮らす事が出来、自分が今住んでいる地域では1年分もあれば良い家が建てたれる、これは明らかにおかしい。
 これは何かあったに違いないし、良くない事に関わっているかもしれない。
 資金に余裕があるので様子を見に行く、振り込み元から特定していくしかない、しかしこの世界にはインターネットが無いので自分の足で探さなければならない。

 幸いにもココは大陸の右端の極東だ、左に向かえば何とかなるだろう、元日本人には極東から逃れる事はできないのか……。
 それにこの世界は銀行機能があるギルドが世界中にあるのでいつでも出し入れでき、資金に困る事はないだろう。


 しかしココは剣と魔法のファンタジーな世界なのである、当然のように魔物が出現するし盗賊も現れる、ちなみに自分には魔法が使えるものの対して動けたり、威力がなかったりで一人旅に耐えれるものではなかった、そもそも自分はこの世界でもニート生活をしているのでギルドにそもそも登録していなかった。

 そこでギルドで旅に同行してもらう人を募集した。

 しかし……。
「そんな条件では誰も受けないと思いますよ?」
 報酬は高めに設定したものの帰還が未定のため長距離移動もあり、最初は金額で飛びついた人が依頼書を眺めていると段々と顔が暗くなり元に戻すのを何回も見た。
 1人で行けば確実に途中で何かに殺されてしまうだろう、行きたくてもいけない気持ちを抑えるために依頼を受けてくれる人がいないか毎日にギルドに通っていた。

 そんな生活を3か月ほど続けているとついにその依頼を受けてくれる人が現れた。
 その人達は男女の2人組で夫婦だそうだ、最近ギルドに加入して一気にランクを上げて周囲の信用を勝ち取ったようで旅行に行きたいと話をしていた時に丁度いいと依頼を受けてくれたようだ、野営をあまりせず、町の宿に基本的に泊まるため実力と信用さえあれば問題はない。

 これでようやく母の元に行ける、今度こそちゃんと親孝行するんだ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【完結】殿下、自由にさせていただきます。

なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」  その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。  アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。  髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。  見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。  私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。  初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?  恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。  しかし、正騎士団は女人禁制。  故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。  晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。     身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。    そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。  これは、私の初恋が終わり。  僕として新たな人生を歩みだした話。  

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ

雑木林
ファンタジー
 現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。  第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。  この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。  そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。  畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。  斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。

処理中です...