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オンラインゲームだった世界

嵌め殺しの扉

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 老人に案内されて地下を進んでいく、明りはないがサヨが照明を取り出して周囲を照らしているので火などを使用した松明などの明りよりも十分に明るい。

「ここはどれくらい深いんですか?」
「もうそろそろ着くさ」
 老人の言葉通りに直ぐに古びたレンガと錆びた鉄でできた門が見えてきた。

「この先に装置があるが……」
 老人の顔が暗くなる。
「どうしたんですか?」
「この門を開く方法がねぇんだ」
 老人が申し訳なさそうに云う。

「サヨ行けそう?」
 とりあえずサヨに可能か聞いてみる、力押しで無理やりこじ開けるか最悪溶断すれば何とかなる気がする。
「うーんとりあえず押してみる」
 掴めそうなところはないのでとりあえずサヨは全力で押しこんでみる、すると鉄の方は何もないが古びたレンガの方からミシミシと音がしてくる。
「うーん、無理」
 途中で力尽きたのかへたり込む、お疲れ様と労い頭を撫でておく。
「えへへへ」
「力押しでダメなら溶断するか、別にいいですよね?」
「あぁ、それは構わない」

 老人の許可を貰ったので早速溶断を始める、30センチほどの剣を取り出してサヨとケーブルを介して接続して剣を温めていく、程なくして銀色の刀身が真っ赤になったのでゆっくりと鉄の部分に対して切り込んでいく。
 鉄の成分が純粋に近いようで溶断するのに時間が掛かってしまったがなんとか一人分通れる位には開ける事が出来た。
「さすが俺が見込んだだけはあるな……」
 老人は冷えつつある断面に関心しながら眺めていた。

 門をくぐると大きな広場になっていてファンタジー世界に場違いな機械類が無造作に捨ててあり、その全てが朽ちている。
「いったいなんだココは……」
 老人がオーバーリアクションをしてくれたことにより冷静になることができた、一番近くにある残骸を調べてみると破れた真空管などの部品が見える、これがスピーカー関係でなければおそらくかなり初期の頃のパソコンだろう。

「気持ち悪いからここで待っててもいいかな?」
 サヨが門を一歩進むと顔が一気に青くなりこれ以上進めなくなっている。
「どうしたの?」
「私にとってココは少しでも早く離れたい所なの……」
 サヨにとって、機械類がダメなのだろうか、そういえば前に電波が遮断された空間も気分が悪いと言ってた、という事はこの空間もサヨや機械にとって居心地の悪い場所なのだろう、しかも基本的に自分にべったりくっ付いているのサヨが離れるのでよほどのことだろう。
「すいません、少しで直していいですか?」
「そこの女を解放するのだろう、しょうがない」
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