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空の旅

簡単な後処理

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「というかこの船って大気圏を出入りできるんだな」
「この世界なら普通の事さ、片道はタダの欠陥品だからね」
「確かにそうですね」
 自分が前世で見てきたフィクションの影響で大気圏の出入りは難しいイメージがあり、自由に出入りできることに驚いてしまったがよくよく考えたらこの世界ならできて当たり前だろう。


「行ってミサイル撃つだけでいいんですよね?」
「あぁ、君たちにこれ以上頼むのはあまり良くないことなんだが、しかしクーデターを行った派閥がちょっと問題でな、早めに終わらせないと長引く可能性が大いにあるんだ」
 当たり前だがこの世界の政治や情勢に詳しくないのでこの辺の話は転生者を信じるしかない。

「じゃあ撃ったらそのまま帰還していい感じかな?」
「そうだね、それでいこう痕跡は残っても君たちは完全にこの世界からいなくなるからいろいろ楽に事後処理ができるからね、あでも一応サヨちゃんの弾薬だけ持っておいていいかな、これを根拠に他の人を説得しておくよ」
「じゃあそれでお願いします」
「その前に船の補給をさせて欲しいかな」
「いやまぁそれくらいはいいですけど……」

 月の近くにある突貫で作られた基地に向かうとまだ作りかけのようで養生テープが大量に使用されていて、通路もビニールや発泡スチロールを使用されており、重力下なら即効で踏み抜きそうで怖い。
 船の燃料入れる機構は優先的に作られたようで、いろんな部品を溶接して継ぎ接ぎの設備に船を接続させて燃料の補給を行う。
 まだ作っている途中なので作業員の目に耐えながら補給を終えて最後の目的地に向かう。

 前方で戦闘の光が見える距離までたどり着き、時折流れ弾が飛んでくる。
「じゃあついたんでサヨちゃんお願いします」
「はーい」
 元気よく船の甲板に出てミサイルコンテナを展開する。

「……撃たないのか?」
「攻撃目標はどれ?」
「あぁそうか言ってなかったね」
 船の機能で戦場を詳しく見る事ができるが同じような船同士が戦っており、細部は違うもののぱっと見では見分けがつかない。
「識別信号があるから誘導するよ」
 サヨの前に敵の位置が識別できるマップが表示される。
「規格が違うから同調できるかわからないから表示していおたよ」
「助かります」
「こっちもだと」
「じゃあ、いっきまーす」
 10発のミサイルが戦場に飛んでいき、大きな光を発する。

「じゃあ僕たちはこれで」
「本当に助かったよありがとう」
「いやいや、これが僕たちの仕事ですから」
「ぜひとも取引をしたいところだけどそれはやめておくよ、それじゃあ助かったよ」

 そして気が付くと日本に帰ってきていた。
「おかえりなさい」
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