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空の旅

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「えー今度こそカスピ海に向けて出発します」
 上に怒られて元気のない転生者が宣言する、その宣言は特に誰も真剣に聞いていないが恐らく言わないといけないのだろう。

 それから目的地のカスピ海までは難なく移動し、自分達の疲れも癒す時間が得られたので化け物の大群を掃討する気力も回復した、サヨも銃の整備が進んでいるようで問題はなさそうだ。

「もうすぐカスピ海だが化け物の群れが先に登場だ、いつも通りに殲滅よろしく」
「了解です」
 もう慣れた手つきでサヨから銃を受け取り船を降りる、降りてすぐに化け物がいるので撃ちながら降りることになる、もうなれた光景だ。
 違いといえばこの地域にいる化け物には水かきがあるようで陸上での動きが遅いような気がする、今回も命中精度の練習を兼ねて撃っていく。
 ここでもなるべくこの世界で取得した弾を使い切っておきたいので1体を倒すのに時間がかかるが練習になるので問題はない。

 水辺が近いのもあって足場が悪く転びそうになる、サヨはどうしているのか見てみると飛んでいたその方が楽なのだろう、自分も飛ぼうと思ったが魔法を使用する必要があるために転生者達の目があるため断念して、足場が悪い中で射撃の練習をしていた。


「アレ、奥の方を見てくれ」
 転生者から驚くような声が通信越しに聞こえてきた、遠くを見てみると、インドで会った巨大な化け物が少し小さくなってこちらに向かってきている。
「これはどういう事だ?」
「もしかして進化の情報が化け物で共有されているのか?」
「そんなバカなことが起こりうるのか?」
「現に目の前にいるじゃないか?」
「もしかしてこっちの世界の兵器が効かなくなったのって化け物に使い続けたせいなのでは?」
「……それもあるかもしれないな、ひとまずはこの辺の化け物は掃討しておいてくれ」
「わかりました」
 

 この世界で手に入れた弾薬を使い切り、持ち込んだ弾薬も多く消費しようやく掃討を終える、大型の化け物もインドで会ったものよりも数段と弱く、数で押せば問題なかった。
 
「さて、今後はどうするか……」
 大型になった化け物の死体回収して分析する、自分はその辺の知識は皆無なため転生者達に任せることにする。

「これは面倒なことになったな」
 研究を終えた転生者達は疲れた様子で部屋から出てくる。
「どうしたんですか、そんなに疲れて?」
「どうやら昔から言われていた通説が証明された、どうやら一部び個体が進化した情報が他の化け物に共有されるようだ、今回の実験で証明されたよ」
 一体どんな実験をしたのだろうか、気になるが聞いたところで理解できそうにないのでやめておく。
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