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属性縛り

転生者の現状

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この世界の技術レベルがどれほどのものなのか不明なので安易に写真を出してこの男を知らないかと聞いて回ることができない。
時折人混みを避けつつ時折写真を確認しながら探していくがなかなか見つからない、貧困街の可能性もあるのでそこを目指して移動しようとすると3人ほどの男が1人の人間に対して暴行を行っていた、治安が特別にいい所意外は日常の光景なので特に気にしないでいたが。
「無属性のくせに一人前に討伐なんてしようとするんじゃない!」
無属性というワードが引っ掛かり足を止め、暴行を受けている人に注目するすると顔が腫れているためわかりにくいが写真の人物と似ている気がする。
一度人混みから離れ写真の人物を確認してからもう一度暴行を受けている人の顔に注目すると、暴行を行っている人に睨んでいる目を見てしまった、それにはどこまでも深い闇を感じてしまい間違っても一緒の仕事に誘ってはいけないような気がした。

「二度と変な考えを起こすんじゃねぇ!」
一通り暴行を終えて立ち去った後に暴行を受けていた人物に近寄る。
「生きてます?」
「なん、とか……」
体を起こして持っている水を少しずつ飲ませつつサヨが回復魔法をかける。
「あなたは日本人ですよね?」
顔の回復を待ってから訪ねてみると目を少し見開く、反応的に日本人を知っていそうなのでこの人物は転生者で間違いないだろう。
「助けてくれてありがとう、話があるのなら家に案内するよ」

案内されて転生者の家に向かうと貧困街近く家に到着した。
「ただいま」
「おかえりお兄ちゃん」
転生者の妹と思われる人物が転生者に飛びつく。
「ごめんな、お客さんが来てるから後でな」
「わかったー」
「狭いけど奥にどうぞ」
「ここには2人で暮らしているのか?」
「そうですね、両親は既に…」
「そうか…」
「いえ、それより僕に用事があって来たのですか?」
「はい、今回あなたをこことは別の街か国に移送するように言われております」
「っ…、それは……」
一瞬転生者の顔が明るくなったが直ぐに暗い顔になった。
「それは…、できません」
「どうしてかな?」
「自分たちは今かなりの税金を滞納している状態なんです、自分はなぜか属性魔法を使うことができないのでギルドでも仕事がなかなかもらえずに滞納額が増え続けているんです、そんな状態で国外に出てしまったら犯罪者として指名手配されてしまって最悪殺されてしまうよ」
「だったらまずはその税金を完済しましょう、私たちも手伝いますのでさっさと片づけてしまいましょう」
「いいのですか?」
「そのために来たのですから」
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