異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

分かりやすい悪

悪行でも宣伝は基本

休日を十分に堪能し、再び仕事をするために向かう。

「お久しぶりです、ずいぶんと満喫していたみたいですね」
「まぁそうですね」
あの仕事以来サヨの距離がお互いに近くなった気がする、今でも手をつないで話しを聞いている、少し前ならネタ以外ではあり得ない光景だっただろう。

「さて、次の仕事なんですが…」
恥ずかしいのか言いづらそうにしている。
「あの…、宇宙人が攻めてくるので撃退して欲しいのです、以前入手したロボットがあるじゃないですか…、あれで戦ってほしいのですよ」
「それくらいなら別にかまいませんが…」
「よかったぁ」
大げさに安心した様子をみせる、それほどまでに言い難い事だったのだろうか。
「実は、他の人は宇宙人と聞くと笑い飛ばしたりして受けてくれないんですよ…」
苦笑い気味に言う、確かに異世界転生などで魔法などが当たり前になっていたとしても宇宙人はまだ非現実的なイメージが強い。
「その宇宙人との対話は可能なんですか？」
「知能自体は高いようだけど、向こうは完全に人類を見下しているので話が通じないようなんです…」
「じゃあ叩くしかない感じですかね？」
「そうなりますね…」


「…じゃあいってらっしゃい」
少しの間沈黙があり、いきなり切り出すようにして異世界に送り出された。
「特に変わっ…てるわ」
日本の都会の風景と似た光景だったのでそこまで違いが無いかと思われたが、車が空を飛んでいるので以前に行ったサイボーグ軍団のいた世界を思い出す、この世界も昭和の時代に考えられた未来の姿に似ていた。
「この世界は特に嫌な感じはないかな…」
サヨが周囲を見回して呟く、どいやらこの世界には神様の加護みたいな者があるようだ。
「それじゃあ早速宇宙人とやらを探さないとなぁ」
辺りを見回すが、ビルと空を飛ぶ車だけしか見えない。
「そういや僕らのロボットってどうなってる？」
「それなら…」
サヨが言いかけると近くで何か大きな者が落ちてきたような音が響いた。
「なんだ？」
下品で大きな笑い声と共にビルが崩れていく音が聞こえる、銃を乱射している音も聞こえるので近ずくのは危険と判断して音がする方向とは反対の方向へ逃走する。