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異世界&冒険者
宿と貨幣
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無事宿の場所が分かったので俺達は宿に向かって歩きだした。
人も少ないので気になったことを話題に挙げる。
「そういえばこの世界って風呂はあるのか?」
「うーん、私達が読んできた物だと無いところが多かったわね。ね、サーシャちゃん、この世界ってお風呂とかある?」
「お風呂……ですか。聞いたこと無いですね」
やっぱり無いのか……。
「普段はどうやって体洗ってるの?」
「普段は川ですね。こういう街だと濡れタオルで拭く方が主流だと思います」
「濡れタオルねぇ。むぅ、無い物は仕方ない、我慢するかぁ」
「そうだな。今後見つけた時に入ろう」
無い物ねだりしたってどうにもならないし。
そんなことを話していると宿に着いた。外見は普通の家のようで木造の三階建てみたいだ。看板がなければ宿だと気付かなかっただろう。
中に入ると五十歳近くの女性が受付をしていた。
「いらっしゃい。一人部屋二つと二人部屋一つ、三人部屋が三つ空いてるよ。一人部屋は金貨一枚、二人部屋は銀貨七枚、三人部屋は銀貨五枚だよ。朝と夜の二食を付けるなら銀貨五枚追加だ。どうする?先に言っておくが部屋の広さは全部同じだよ」
部屋の広さは同じか……。
ん?金貨?金なんて持ってないぞ俺!?
「愛花、金ある?」
「そういえば持ってないわね。アイテムボックスとかに入ってないのかしら?」
「入れてないのに入っているはずないだろう」
「違うわよ、あの神様お茶目だったからちょっとはあるんじゃないのかと思ったのよ」
……なんか癪に触るがあいつを信じて調べてみるか。
ええっと、念じればいいんだよな。
『ステータス』
アイテムボックス
・金貨五十枚
あったよ。あっちゃたよ。いや助かったけど!助かったけどさ!
マジで入ってるとは思わなかった。
「あった。金貨五十枚」
「ほら!言った通りじゃない」
「なんか悔しい」
とりあえず今度あったら文句を言っておこう。
理不尽だろうがなんだろうが気にしない。それが俺!
……すみません。おふざけが過ぎました。
「なんでもいいけど、泊まるのかい?泊まるのなら部屋決めて金払ってくれ」
おっと、待たせ過ぎたようだ。
「部屋はどうする?」
「海斗が一人、私達が三人でいいわよ」
「いいのか?」
「ええ。男と女で別れた方がいいでしょ?」
「それもそうだな。二人もそれでいい?」
へたれな俺が襲うわけ無いけどな!
自分で言ってて悲しくなってきた……。
もうちょっとメンタル鍛えよ……。
「私は大丈夫です」
「私もそれでいいよー!」
「ご飯はどうする?」
「つけておきましょう。どこで食べられるのかまだ調べてないし」
「そうだな。じゃあ一人部屋一つに三人部屋一つ、食事付きで頼む」
一軒もないなんてことはありえないと思うけどな。
「それなら金貨二枚だよ」
「えっと、念じれば取り出せるのか?」
「はい、そうです」
言われた通りにやってみると無事取り出せた。
「これでいいか?」
「はいよ。二階の突き当たり、左右の二部屋だ。夜ご飯は七時から九時の間だね。それ以外は食べられないから気をつけるんだよ」
「分かった」
俺と愛花でそれぞれ鍵を受け取り各々部屋へと入る。
部屋はなんの変哲もない部屋だった。窓際にベッドがあり、近くに椅子とテーブルがあるだけの部屋だ。一人部屋ならこんなものだろう。
部屋にいてもやることがないので愛花達の部屋へ移動する。
コンコンッ
「入っていいか?」
「どうぞー」
許可を貰い三人の部屋に入る。
構造は大体同じでベッドが三つに増え、机が大きくなり椅子の数が増えているだけだった。
当然だが部屋の大きさはほとんど同じなのでこちらの方が圧倒的に狭い。
「なにか部屋の事で気になることあったか?」
「特にないわね。どちらかというと部屋の事よりお金の方が気になるわね」
金貨とかの価値についてなら、俺も気になっていたところだ。
「それもそうだな。二人とも、説明頼んでいいか?」
「分かりました」
「はーい!」
サーシャとミーシャの二人が詳しく説明してくれた。
要約するとこうなる。
鉄貨一枚が日本円でいう一円。
銅貨一枚が十円。
銀貨一枚が百円。
大銀貨一枚が千円。
金貨一枚が一万円。
大金貨一枚が百万円。
白金貨一枚が一億円。
という事らしい。
鉄貨を基準にして金貨まで十倍、それ以降は百倍というふうに価値が上がるようだ。
「じゃあ今の私達の残金は日本円でいうと四十八万円ってことね」
「そうなるけど……。愛花の方のアイテムボックスにはなにも入ってなかったのか?」
「あるにはあるけど……。天の鍵とかいう訳の分からないアイテムだけよ」
「それ絶対後で何かしら使うアイテムじゃねーか!お前無くすなよ!」
あれだろ!?ゲームとかであるストーリー後半で必要になる重要アイテム!
なんでそんなものがあるんだか……。
どちらにしろ今は使わないから放置だが。
「大丈夫よ。私こういう面白そうなアイテムは絶対無くさないから」
「ならいいけど。でもそっちにはお金は入ってなかったか。ま、これでお金のことも分かったしそろそろ冒険者ギルドに行くか」
「そうね。日が暮れない内に行っちゃいましょう」
俺達は宿を出て冒険者ギルドへと向かって行った。
人も少ないので気になったことを話題に挙げる。
「そういえばこの世界って風呂はあるのか?」
「うーん、私達が読んできた物だと無いところが多かったわね。ね、サーシャちゃん、この世界ってお風呂とかある?」
「お風呂……ですか。聞いたこと無いですね」
やっぱり無いのか……。
「普段はどうやって体洗ってるの?」
「普段は川ですね。こういう街だと濡れタオルで拭く方が主流だと思います」
「濡れタオルねぇ。むぅ、無い物は仕方ない、我慢するかぁ」
「そうだな。今後見つけた時に入ろう」
無い物ねだりしたってどうにもならないし。
そんなことを話していると宿に着いた。外見は普通の家のようで木造の三階建てみたいだ。看板がなければ宿だと気付かなかっただろう。
中に入ると五十歳近くの女性が受付をしていた。
「いらっしゃい。一人部屋二つと二人部屋一つ、三人部屋が三つ空いてるよ。一人部屋は金貨一枚、二人部屋は銀貨七枚、三人部屋は銀貨五枚だよ。朝と夜の二食を付けるなら銀貨五枚追加だ。どうする?先に言っておくが部屋の広さは全部同じだよ」
部屋の広さは同じか……。
ん?金貨?金なんて持ってないぞ俺!?
「愛花、金ある?」
「そういえば持ってないわね。アイテムボックスとかに入ってないのかしら?」
「入れてないのに入っているはずないだろう」
「違うわよ、あの神様お茶目だったからちょっとはあるんじゃないのかと思ったのよ」
……なんか癪に触るがあいつを信じて調べてみるか。
ええっと、念じればいいんだよな。
『ステータス』
アイテムボックス
・金貨五十枚
あったよ。あっちゃたよ。いや助かったけど!助かったけどさ!
マジで入ってるとは思わなかった。
「あった。金貨五十枚」
「ほら!言った通りじゃない」
「なんか悔しい」
とりあえず今度あったら文句を言っておこう。
理不尽だろうがなんだろうが気にしない。それが俺!
……すみません。おふざけが過ぎました。
「なんでもいいけど、泊まるのかい?泊まるのなら部屋決めて金払ってくれ」
おっと、待たせ過ぎたようだ。
「部屋はどうする?」
「海斗が一人、私達が三人でいいわよ」
「いいのか?」
「ええ。男と女で別れた方がいいでしょ?」
「それもそうだな。二人もそれでいい?」
へたれな俺が襲うわけ無いけどな!
自分で言ってて悲しくなってきた……。
もうちょっとメンタル鍛えよ……。
「私は大丈夫です」
「私もそれでいいよー!」
「ご飯はどうする?」
「つけておきましょう。どこで食べられるのかまだ調べてないし」
「そうだな。じゃあ一人部屋一つに三人部屋一つ、食事付きで頼む」
一軒もないなんてことはありえないと思うけどな。
「それなら金貨二枚だよ」
「えっと、念じれば取り出せるのか?」
「はい、そうです」
言われた通りにやってみると無事取り出せた。
「これでいいか?」
「はいよ。二階の突き当たり、左右の二部屋だ。夜ご飯は七時から九時の間だね。それ以外は食べられないから気をつけるんだよ」
「分かった」
俺と愛花でそれぞれ鍵を受け取り各々部屋へと入る。
部屋はなんの変哲もない部屋だった。窓際にベッドがあり、近くに椅子とテーブルがあるだけの部屋だ。一人部屋ならこんなものだろう。
部屋にいてもやることがないので愛花達の部屋へ移動する。
コンコンッ
「入っていいか?」
「どうぞー」
許可を貰い三人の部屋に入る。
構造は大体同じでベッドが三つに増え、机が大きくなり椅子の数が増えているだけだった。
当然だが部屋の大きさはほとんど同じなのでこちらの方が圧倒的に狭い。
「なにか部屋の事で気になることあったか?」
「特にないわね。どちらかというと部屋の事よりお金の方が気になるわね」
金貨とかの価値についてなら、俺も気になっていたところだ。
「それもそうだな。二人とも、説明頼んでいいか?」
「分かりました」
「はーい!」
サーシャとミーシャの二人が詳しく説明してくれた。
要約するとこうなる。
鉄貨一枚が日本円でいう一円。
銅貨一枚が十円。
銀貨一枚が百円。
大銀貨一枚が千円。
金貨一枚が一万円。
大金貨一枚が百万円。
白金貨一枚が一億円。
という事らしい。
鉄貨を基準にして金貨まで十倍、それ以降は百倍というふうに価値が上がるようだ。
「じゃあ今の私達の残金は日本円でいうと四十八万円ってことね」
「そうなるけど……。愛花の方のアイテムボックスにはなにも入ってなかったのか?」
「あるにはあるけど……。天の鍵とかいう訳の分からないアイテムだけよ」
「それ絶対後で何かしら使うアイテムじゃねーか!お前無くすなよ!」
あれだろ!?ゲームとかであるストーリー後半で必要になる重要アイテム!
なんでそんなものがあるんだか……。
どちらにしろ今は使わないから放置だが。
「大丈夫よ。私こういう面白そうなアイテムは絶対無くさないから」
「ならいいけど。でもそっちにはお金は入ってなかったか。ま、これでお金のことも分かったしそろそろ冒険者ギルドに行くか」
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