俺の幼馴染みが王子様すぎる。

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番外編『ジレンマ』

〈1〉

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 空と累がそろって大学に進学してから、二年目の夏休みのこと。

 かたわらで健やかな寝息を立てる小さな背中をトントンと叩きながら、空は今日一番のおおあくびをした。
 薄暗い部屋には、六人の五歳児たちが身を寄せ合うようにして眠っている。子どもたちの愛らしい寝顔に囲まれていると、空まで一緒に寝落ちしそうになってしまう。

 そのとき、保育室の扉がしずしずと細く開いた。はっとして顔を上げると、顔半分でこちらを覗いているあいこ先生と目が合ってギョッとする。

「……そらくーん、どう? 大丈夫?」
「あっ……はい」

 ひそひそと呼びかけられ、空は小声で返事をする。起きあがろうとすると、Tシャツを握っている小さな手に気づき、空はちょっと微笑んだ。そろりそろりとその手を外し、するりと保育室を抜け出した。

 夏休みの間、空は二十四時間保育園『ほしぞら』でアルバイトをしている。
 数年前に引退した顔馴染みの園長先生とスーパーでばったり出会い、その時空は保育士を目指して勉強中だと話をした。
 すると園長先生は丸い顔をぱぁぁぁと輝かせ、「空くんが保育士に……! あらあらまあまあ、なんて素敵なの!」と大いに喜び、そしてちょうど『ほしぞら』で学生アルバイトを募集していると教えてくれたのだった。

 そういえば、夏休みの時期、見慣れない若いお兄さんお姉さんが代わる代わる『ほしぞら』に訪れて、花火やプールをして遊んでくれたことがあったっけ……とそのときぼんやり思い出した。
 普段はほとんどが女の先生だったけれど、その時期は若い男の先生が二、三人増えて、ボール遊びや体操あそびをたくさんしてくれて楽しかった。短期的な関わりではあったけれど、とてもいい刺激になった覚えがある。
 
 それを、今度は自分がやっているのだなと、時の流れに感慨深さを覚えることもしばしばだった。

「寝かしつけまでやってくれてありがとね。もう上がっていいから」
「はい。じゃあ、日誌書いたら帰ります」

 現在は『ほしぞらの』副園長となったあいこ先生は、今はバッサリと潔いショートカットだ。細身のジーンズとエプロンを着こなして、あいも変わらずバリバリと子どもたちを追いかけ回す姿はさすがのプロ。当時から大好きだったあいこ先生を、今は尊敬の眼差しで見つめている。
 自分ごときがどの程度役に立てるのかはわからないけれど、学生時代から現場を知ることができる貴重な機会でもある。

 大学生になってみて改めて、二十四時間保育という現場の特殊さを知り、そして、社会における重要性を知った。こうして小さな子どもを夜も安全に預かってもらえる場があるというのは、多忙な保護者にとってどれだけ救いになるのかということを。

 ——兄ちゃんも、大変だったろうな……。

 自然と、兄の苦労も偲ばれる。もうすぐ空も、母親を亡くした頃の彩人の年齢になる。当時の彩人はすでにホストとして働いていて、空は大学生という違いはあるけれど、この年齢で小さな空をたった一人で育てていたのだ。かえすがえす、彩人には感謝してもしきれないなと思う。

 そして、そんな兄を支え、一緒に空を育ててくれたのが壱成だ。あの頃に彩人にとって、壱成の存在がどれほどの救いになっていたか……。

 日誌を書きながら当時のおぼろげな記憶を思い返していると、コトン、と目の前にお茶が置かれた。あいこ先生がお茶を入れてくれたらしい。

「わ、ありがとうございます」
「いえいえ、今日もありがとう。今週週五で入ってもらっちゃってるけど、大丈夫? 昼間もバイトしてるんだよね」
「はい、そっちは飲食で。兄の友人がやってるお店なんです」
「そんなに働いてて、累くんとは会えてる?」
「あー……」
 
 あいこ先生の問いに、空はぴくりと顔を引き攣らせた。夏休みの昼間は忍の店『hideout』でバイト、そして夕方以降は『ほしぞら』でバイトをしているため、空いた時間はほとんどないのが現状だ。累とはほとんど、会えていない。

 ……会っていない、といったほうが正しいかもしれないが。
 
 空が黙り込んでしまったので、あいこ先生はサッと顔を青くしはじめた。そして「ご、ごめん!! ひょっとしてセクハラっぽかった!? ごめんね!! 変な意味じゃないからね!!」と大慌てで謝られてしまう。

「いえいえ! 全然! 全然そんなことないって! 累……すごく忙しいから、俺も忙しくしてるほうがいいな~と思って……」
「あ、そ、そうなのね」

 大学生になって一番驚いたのは、夏休みが長いこと。
 二ヶ月も休みがあるのだから、高校時代からふんわり計画していた旅行にでも行けたらいいな……と思っていた。だが累が忙しすぎて、大学一年生の夏はほとんど会うことさえできなかった。

 累はソリストとしてすでに知名度が高く、国内のみならず、国外のオーケストラからも引く手数多だ。もちろん最優先されるのは累の大学生活だが、ゴールデンウィークや夏休みなどの長期休みになると、ほとんどオフの日がないといった状況だった。

 母ニコラが依頼を選別しているとはいえ、高校生の頃のように依頼を断りまくることも憚られるようになってきたらしい。コンサートに出演したり取材を受けたりと、とにかく累は毎日忙しい。

 だが、たまのオフには、累は必ず空と過ごす時間を作ってくれた。
「寂しかった」「会いたかった」と、自分以上に空との時間を恋しく思っているらしい累の温もりに包まれながら、会えないでいた時間を埋めるように身体を繋げた。

 累からの揺るぎない愛情を感じることができるからこそ、離れている時間も苦ではない。

 空の前では、いつだって飾らない笑顔を見せる累の可愛らしさに癒されて、ときめいて、溢れんばかりの情熱的な愛撫に蕩けさせられて——このままずっと、こういうペースで二人の関係は続いていくのだろうと思っていた。

「……」
「空くん? どした?」
「ああ……ううん、なんでもない。あっ、これ、すぐ書いちゃいますね!」

 ここ一か月ほどのことを思い返すと、ずんと心が重くなる。気づけば、途中で日誌を書く手が止まっていた。空は慌ててボールペンを握りなおし、カリカリと今日の活動内容について記録してゆく。
 
 その様子を心配そうに見つめるあいこ先生の視線に気づく余裕は、今の空にはとてもなかった。


   +

 
 累のようすが少し変だなと思い始めたのは、大学二年生の夏休みに入ってすぐの頃だった。

 天気予報ではひっきりなしに『今年は猛暑を超えた極暑』『熱中症に注意』という声が聞こえてくるほどに、今年は暑い。朝晩は騒がしい蝉の声でさえ、最も気温の上がる昼過ぎには聞こえなくなってしまうほどの暑さが続いていた。

 この夏休みも、累は昨年と同様にスケジュールが詰まっているらしい。そのぶん、空もアルバイトを詰めたり、涼しい大学の図書館で課題をやったり、兄たちの手助けとなるべく家事に勤しんでみたりしつつ、累と会える日を心待ちにする日々だった。

 はじめは、夏バテでもしているのかなと思っていた。だけど、幼い頃からヴァイオリンのために体力づくりを課されていたこともあって、累はそうとう体力があるほうだ。
 長時間のレッスンに耐えることも、数時間にわたるコンサートをこなすことも、累にとってはさほど苦ではないように見えていた。

 だけど、息がしにくいと感じるほどの湿度の高さや、焼け付くような暑さはこたえるのかもしれないな、と思っていたのだが……。

 だが、セックスをしているとわかる。
 累がなにかに深く悩んでいるということが。

「るいっ……待っ……、ァっ……も、イけない、ん、っ……ん!」

 累とのセックスは、いつも甘い。穏やかで丁寧な愛撫に身体の最奥から蕩けさせられ、自我を失ってしまうほどの快楽に溺れさせられてしまうのが常だった。

 だけど、最近の累のセックスはどこか上の空で、そして、いつになく荒っぽい。空を見つめる青い瞳はどこか昏く、目は合っているのに視線は結び合っていないような感覚があって、抱かれるたび不安になった。

 これまでは、空が「もうやめろっていってんだろー!」と制止すれば、累は必ず行為を止めて、空の身体を労ってくれていた。
 だが、最近の累は空の声になど耳を貸さない。自分の欲望のままに腰を振り、きつく空を抱きしめながら最奥まで貪り尽くす。

「そら、っ……ハァっ……、いやだ、もっと、させて」
「も、むりだって……っ、ンっ、ぁ……ンっ……!!」
「ほら……またイッてる。好きだよね?
奥を、こうされるの」
「ん、んっ、んんんっ……ッ……!」

 うつ伏せにされ、身動きが取れないように真上から組み伏せられる。叩きつけられるように深いピストンを受け止めさせられ、半ば強制的に絶頂させられる。
 これが快楽なのか苦痛なのかもわからないのに、空の内壁は累の屹立にきつくきつくからみつき、累の猛りをさらに加速させてしまう。

 はぁ、はぁっと荒い吐息をうなじに感じる。累の顔が見えないことで、さらに不安を煽られる。

 ただわかるのは、累がとても苦しそうだということ。
 したくもない乱暴なセックスに傷ついているのは累なのではないかと、思わずにはいられなかった。

「るいっ……!! も……やめろって言ってんだろ!!!」
「っ……」

 空はぎゅっとシーツを固く握りしめながら、渾身の大声で累を制止した。ぴたりと腰の動きを止めた累を振り返り、涙に濡れた瞳でキッと睨む。

「そら……」
「いい加減にしろよ、累。俺から離れて」
「っ……ご、ごめん……」

 ずる……と楔が抜き去れられ、ようやく空の身体からも力が抜けた。空はぐったりとシーツの上に倒れ伏し、肩で息をしながら累の背中を盗み見る。

 綺麗な背中だ。しなやかな筋肉に覆われ、美しい稜線を描く見慣れた背中。触れれば柔らかく、あたたかいことを空はよく知っている。

 累は、なかなかこちらを振り向こうとはしなかった。
 冷たい汗でしっとりと濡れた背中をこちらに向けてベッドに腰掛け、右手で額を押さえている。それはとても、苦しげな後ろ姿だった。

 ベッドサイドに腰掛けた累の背中に、空はそっと身を寄せた。肌にぴったりと頬を寄せ、後ろからぎゅっと抱きしめる。
 ぴく、と腕に触れる累の指がかすかに震える。空はそっと身動ぎして、累のうなじに向かって声をかけた。

「累」
「……空、ごめん……。痛かったよね」
「痛くはないけど……苦しかった」
「っ……本当にごめん。空を傷つけるなんて……最低だ」

 累はこちらに向き直り、ぎゅっと空を抱きしめる。
 この腕に包み込まれるたび、安堵と幸福感をもらってきた。だけど今は、累に縋られているように感じる。汗に濡れた累の肌に触れ、空は努めて穏やかな声でこう尋ねた。

「累、どうしたんだよ。変だよ、ここんとこ」
「……」
「ねぇ、なんかあった? 俺、音楽のことはちゃんとわかってあげられないし……あんまり踏み込んじゃいけないのかなって、突っ込んで聞けなかったんだけど……」

 音楽のことで累は悩んでいるのだろうということは、なんとなく察していた。これまでは、大学で受ける講義の話や、数人できたという友人の話、またはコンサートのことや仕事のことを空にもわかるように話してくれていたというのに、最近累の口からは音楽の話が聞こえてこない。

 ——こんなときもっと、ちゃんと累の悩みを解りたいのに……。

 そう思うともどかしくてたまらないが、どう切り込んでいっていいのかもわからない。
 わからないならわからないなりに、もっと無遠慮に突撃したらいいのか……? という迷いもある。だがどうしても、繊細な音の世界にずかずか土足で入り込むようなことはどうしてもできなくて、空もまたひとりでもやもやしていたのだ。

 累の反応を待つあいだも、妙な緊張で落ち着かない。すると累はそっと空を見つめて、物憂げに微笑んだ。
 力無い笑みだが、こうして累が表情を綻ばせているところを見るのは久しぶりだ。なんだか救いをもらえたような気がして、空の頬からも少しだけ力が抜ける。

「……気を遣わせてごめん」
「ううん。ねぇ、累。もし、俺に話して楽になることがあるなら、聞かせてよ」
「うん……ありがとう、空」

 累はため息のようにそう口にすると、目線を持ち上げて虚空を見つめた。言葉を選んでいる様子が伝わってくる。

「最近……なんだかうまく弾けないんだ」
「弾けない?」
「多分、スランプってやつ。これまで一度も経験したことがなかったから、どうしていいかわからなくて」

 そっと持ち上げた自分の左手を、累がじっと見つめている。
 白くて長い指は、ヴァイオリンを弾くためにあつらえたかのように美しい。曲調に合わせて器用に素早く動く累の指先は、ヴァイオリンから力強い旋律を生み出す楽器そのものだ。練習の後、累が必ず指先のケアを怠らないことを、空はよく知っている。

「指が……動かしにくい、ってこと?」

 素人質問すぎて恥ずかしくなるが、悲しげに指を見つめる累の横顔を見ていると、そう訊ねずにはいられない。だが案の定、累は小さく首を傾げた。

「指が……っていうわけじゃないと思うんだ。ただ、前はもっとこう、イメージ通りに弾けてたのに、ここのとこなんとなくうまくいかなくて」
「なんとなく……」
「僕はこういう音が出せるはず、ちゃんと出そう、って思ってるんだけど……何かしっくりこないことばっかりでさ。……弾いてて気持ち悪いっていうか、モヤモヤが消えないんだよね」
「……そうなんだ」

 確かに、累からこんな話を聞くのは初めてだ。
 空ひとりの前でも、聴衆の前で弾く時も、累はいつも心地よさそうに、幸せそうにヴァイオリンを奏でていた。口元に微笑みを湛え、優しい音色でヴァイオリンを歌わせる累の姿は、音楽の神に愛されているとしか言いようがないほどに尊く美しい。

 優しいだけではない。時に激しく、時に切なく、力強い音色で情感を表現する。物腰穏やかな累の中にも、さまざまな激情が潜んでいるはずだ。累はそれらを言葉や態度で表すのではなく、音楽へ昇華して表現しているのだろうと、空は常々感じていた。

 それはつまり、累の心は常に音とともにあるということ。だが、今は上手く音色を放つことができていないという。
 ぐるぐると累の中に滞ったさまざまな感情が、ぐちゃぐちゃに乱れている。荒っぽいセックスは、累の乱れた精神状態を如実に表しているように空には思えた。

 ——天才にもスランプってあるんだな……。なんて声をかけたらいいのか、まったくわかんないよ……。

『気にしないでいい』? 『そのうち治る』? 『上手く弾けてるじゃないか』? ……外野にいる自分が何を言っても、きっと全てが的外れだ。逆に、傷つけてしまうことを言ってしまう可能性だってある。

 ——こんなとき、何を言えたらいいんだろう……。

「まぁ……大学のみんなも、よくあることだって言ってるし。夏目先生も、いい機会だから改めて基本からさらい直していこうって張り切ってるから……なんとかなるよ、そのうち」
「うん……」

 空の戸惑いを読み取ったかのように、累は心なしかしっかりした声でそう言った。だが、無理をしているのが丸わかりだ。
 累はとても、疲れた目をしている。

「同期からは、そもそもこの歳で初めてのスランプってのがありえないって言われるよ。なるべく焦らずに練習しようと思ってる。近々小さい公演もあるし……ステージに立てばまた感覚が戻るかもしれない」
「そっか……。無理しないでね」
「うん」

 頭を優しく撫でられながら与えられた微笑みは、どこかよそよそしいような気がして悲しくなる。もどかしくてもどかしくて、苦しくて、うまく笑みを返せない。

 歪んだ表情を見られたくなくて、空はそっと、累の首筋に額を埋めた。
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