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50、最高の初体験

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 泉水がジャージを下げると、猛ったペニスが勢いよく露出した。力強く脈打ち、雄々しく反り返ったそれを目の当たりして、一季はほう……とため息をつく。

「……は、入るんかな……これ」
と、不慣れな手つきでコンドームを被せながら、泉水が不安げに呟いている。一季はもぞりと起き上がり、手間取っている泉水の手に触れ、代わりにコンドームを装着した。

「あっ、ありがとうございます……」
「い、いいえ……」

 この長大なペニスに貫かれ、最奥を突き上げられるのかと想像するだけで、自然と吐息が熱くなる。泉水のそれはカリの部分がきゅっとくびれていて、ものすごく魅惑的な形状だ。ここで前立腺を擦られたらどうなっちゃうんだろう……と、一季は溢れそうになるよだれをごくりと飲み下す。

 ゴムを装着し終えているというのに、一季がいつまでもペニスから手を離さないものだから、泉水がやや戸惑い気味にこんなことを言った。

「……あ、あの、ごめん」
「……へっ? な、何がですか?」
「その……無駄にでかくて、すみません……。い、いややんな、一季くんの…………あ、あな、あそこ、小さいのに……」
「い、いやいやいや! 全然! 全然大丈夫ですよ!」

 あまりにも美味しそう過ぎて目が離せなかっただけです——などと言えるわけもなく、一季は慌てて首を振った。

 確かに、泉水のそれはかなりのサイズ感だ。一季は慣れた身体であるとはいえ、最初の圧迫感はかなりのものだろう。

 だが、内からの絶頂を知った一季の肉体は、圧迫感の先にある快感を既に求め、じんじんと疼いているのだ。

 若干気後れしている様子の泉水の上に、一季は自ら跨った。そしてローションを手に取り、自らの後孔に塗り広げ、泉水のペニスをもたっぷりと濡らしていく。すると泉水が、「あうっ♡」と息を吐いた。

「あ、あの……この体勢で、大丈夫なん?」
「大丈夫ですよ。……ほら……触ってみてください。泉水さんが欲しくて、欲しくて……こんなにひくひくしちゃってる」

 泉水の手を尻に持って行き、ローションでぬるぬるにとろけたアナルに触れさせる。すると泉水は「ぅあ……エロ……」と熱っぽいため息を漏らし、くるりと円を描くように、一季の窄まりに指を這わせた。

「ぁ……ん。もう……挿れても、いいですか?」
「も、ももっ、もちろんです……!!」
「じゃあ、いきますね」

 一季は微笑み、泉水の剛直を自らアナルにあてがうと、ゆっくり、ゆっくりと腰を落とし始めた。ぬるとろにとろけた一季の窄まりに、泉水の先端が、ゆっくりと飲み込まれていく。

「あ……ぅ、あっ……一季くん……っ……」
「ん、っ……おっきぃ……。さすがにちょっと、キツい、ですね……ハァっ……」

 小刻みに腰を揺らしながら、慎重に。すると泉水はがしっと一季の腰を両手で掴み、苦しげに眉を寄せて長い息を吐いている。
 一季の窄まりがきつすぎて、痛みを感じているのかもしれない……と、一季はやや不安になった。

「いたい、ですか……?」
「ん、ちがっ……も……めちゃ、きもちよくて……はぁっ……おれ、はぁっ……」
「ほんとに……?」
「ほ、ほんと……です。……はぁっ、あかん、やばい、一季くん……っ」

 切なげに眉を寄せ、一季を見つめる泉水の表情に、きゅうんと胸が締め付けられる。一季は思わず泉水の首にしがみつき、深く熱いキスをした。

 泉水もすぐに一季を抱き返し、キスの深度がぐっと増す。舌を絡め合っていると、やや圧迫感に競り負けていた結合部から、甘い快感が滲み始めた。

 その先を知りたくて、一季はさらに腰を落とした。亀頭がくっぽりと飲み込まれ、泉水が「んぅっ♡」と声を漏らした。

「はぁ……いずみさん、あ、っ……さきっぽ、はいっちゃった……っ……」
「ふぅ……っ……すごい、一季くんのナカ……。気ぃ抜いたら、いってまいそ……」
「やだ、だめっ……まだ……! ハァっ……もっと、もっと奥まで、きてほしいから……っ」
「大丈夫、だいじょぶ……、がんばる……はぁっ……」

 先端をうまく飲み込めてしまえば、あとは比較的容易かった。キスをしながら腰を揺らして、一季はとうとう、泉水のペニスを根元まで受け入れた。

「んぅう…………ンっ……奥、きてる……ッ……」
「も、もうあかん、あかんスゴイ……ハァっ……。一季くん、痛く、ない……?」

 はぁ、はぁと肩で息をしながら、泉水が一季を気遣った。優しい眼差しで見つめられ、大きな両手で腰を包まれる。一季はこくこくと何度も頷き、ぎゅっと目を閉じて泉水と額を触れ合わせた。

 体内を、めいいっぱい満たす泉水のペニスは、否応なしに一季のイイところに触れている。ちょっとした身体の震えだけで、声を上げてしまいそうに気持ちがいい。


 ——すごい、スゴイっ……。嘘みたいだ……。ナカ、こんなに気持ちいいなんて……っ……信じられないよ……。


「はぁっ……あ、ん、いずみさんで、いっぱい……ハァっ……」
「あっ、そんな……しめつけられたらっ……。動きたく、なるから……」
「動いて、いいですよ……?」

 一季の許可を得て、たまりかねたように、泉水が腰を上下に動かし始めた。そうして中を擦られるたび、一季の口からは「あ! あッ!」と甘い悲鳴が漏れ、すっかり勃ち上がったペニスの先端から、とぷとぷと透明な体液が溢れだす。

 すると泉水が、着たままだった一季のシャツを脱がせにかかった。すっぽりとシャツを抜かれ、全裸になった一季の肢体を、泉水は愛おしげに抱きしめる。

「一季くん……っ……好き。大好きやで……はぁっ……」
「いずみ、さん……っ、僕も、すき……っ」

 一季が拙い口調で気持ちを返すと、ぐ、ぐんっ、と泉水の腰の動きが激しくなる。細い一季の腰を掴んで、下から猛々しく突き上げてくるのだ。

 一季は夢中になって泉水の身体にしがみつき、「あ、あァっ! いずみさんっ……! イイ、っ……すごいよぉっ……!」と涙声で乱れに乱れた。

 すると、さっき経験したばかりの快楽の大波が、再び一季の最奥から湧き上がってくる気配を感じた。一季はぽろぽろと涙を流しながら、手繰り寄せるように泉水に縋った。

「あ、あ! いずみさん、いずみさ……スゴイのきちゃう……っ、ァ、ああっ、んっ……!」
「ほ、ほんま? 俺ので、イッてくれはるんですか……?」
「あっ……ァ、やだ……ぁ、ああっ、イくっ……イくぅっ…………!!」


 さっきよりも激しい絶頂感が、一季を襲った。
 全身に高圧電流でも流されているのではないかと錯覚するほどに、一季の全身はびくびくと震え、あまりの刺激の強さに涙が溢れた。


 ——はァっ……すごい……なにこれ……。僕、こんな……こんなの、初めて……。


 ぐったりと脱力する一季を抱き留めながら、泉水がふう……と深いため息をついている。

 涙に濡れたまつ毛をゆっくりと持ち上げると、泉水の熱いため息が耳をくすぐった。

「……はぁ……ごめ、……俺も、つられてイってしもた」
「いずみさんも、きもちいい……? 僕……こんなの、初めてで……」

 うまく呂律が回らない。くらくらしながらそんなことを尋ねると、泉水は少し身体を離し、一季を見つめて微笑んだ。そして、汗ばんだ肌を密着させながら、深いキスを何度も交わす。とろけるほど、心地がよかった。

「めちゃくちゃ、気持ちいいです。……はぁ……もう、全然おさまらへん……」
「ふあ、まだ、かたい……」
「感じてる一季くん、かわいくて、エロくて……。もう俺、頭おかしくなりそうや」
「あっ……」

 結合部はそのままに、泉水はとさりと一季をベッドに横たえた。一度放ったと言うわりには、泉水のペニスはまだまだしっかりとした硬さをもっている。

 横たわった一季は自ら脚を開いて、泉水がやりやすいように腰を突き出す。すると泉水は、一季の腰をしっかりと掴み、正常位で腰を打ち付け始めた。ぱんっ、ぱんっ、と肌のぶつかる音がいやらしく、さらに興奮してしまう。

 ついさっきまで童貞だったとは思えないほど、深く雄々しいピストンだ。ひりついた表情で一季を穿つ泉水の姿をうっとりと見上げながら、一季は甘い声で喘いだ。

「あっ……あ、あッ、ん、っ」
「ごめん、気持ちよすぎて、止まらへん……ハァっ……」
「ぼくも、です……。ぼくもっ……あ、ぁっ、あンっ」
「一季くん……かわいい、めっちゃかわいい。はっ……好き、大好きやで」

 つながりあった部分から溢れ出す快感に酔いしれて、一季はうっとりと目を閉じながら泉水の愛撫を感じていた。ぎゅっとシーツを握りしめると、一季の拳を泉水の手が包み込む。

 もっと深い部分まで探ろうとするかのように、泉水がぐっと身を乗り出した。見上げると、整った顔を快楽に染める泉水と視線が絡む。

「あん…………深い……おく、アぁっ……ん……」
「じっとしてると、わかります……。一季くんが、俺のこと……めっちゃ欲しがってくれてること」
「ぁ、あっ……! ゆさゆさされたら、アっ……ぁン……!!」

 根元まで挿入された状態で、腰を上下に揺さぶられる。どこもかしこも泉水に満たされ、逃れようもないほどの快感が再び迫り、一季は我を忘れて泉水の背中に爪を立てた。

「あ! また……イっちゃう……イっちゃいそ……! はぁっ……いずみさん、うぁ、あ、っ……」
「ほんま……? どうされるのが、気持ちええ?」
「はぁっ……はぁ、ンっ……いっぱい、突いて……っ……ハァっ……」
「…………う、うう……かわいすぎるやろ……」

 再び泉水が、激しく腰を振り始めた。結合部からは濡れた音が溢れ出し、肌と肌がぶつかり合う弾けた音が、さっきよりも派手に響いている。

 汗ばんだ泉水の身体にしがみつき、腰に脚を絡める。一季は前後もなく喘ぎ声を上げ、泉水の動きに合わせて自らも腰を振りまくっていた。

「ぁ! ぁ、ぁん! やぁっ……! ぁ、ああっ!」
「一季くん……好きやで、好き……ハァっ……あかん、また俺も、イキそ……っ」
「ふぁ、ァっ……ん!! いずみさん……きもちいい、きもちいいよぉっ……! ハァっ……どうしよう、ぼくっ……ァっ、あぁ……!」

 再び襲いかかる絶頂感に、一季はぎゅううっと全身を縮めた。泉水はそれでも容赦無く、一季を激しく穿ってくる。

 達している最中にさらなる快感で責め立てられ、一季は涙を流しながらかぶりを振り、「やっ……やぁっ……イってる、イってるからっ……ぁ、ああ!」と乱れ狂った。

「俺も……イきそ……っ……。いってもいい……?」

 泉水の切なげな声が耳のすぐそばで聞こえてくる。熱に掠れた低音の声が色っぽく、一季はこくこくと何度も頷いた。
 そしてさらに速度を上げ、雄々しい腰つきで一季を揺さぶる泉水の動きに、一季はまた甘い悲鳴を上げて……。

「あ! ぁんっ……すごい、スゴイ、です……いずみさんの、ァあっ……ん!」
「ハァっ、はぁっ……ごめ、止まらへん、俺っ……はぁ、あ、イく……イくっ……」
「ぼくも、また、きちゃうっ……きちゃう、よぉ……! とまんない、イクの、とまんない……っ、んんぅ…………!!」


 そして、泉水もまた達したらしい。びく、びくっと最奥で吐精する泉水の身体を、一季はぎゅっと抱き締めた。そうしながら、泉水の肩口に顔を埋め、荒ぶった呼吸を整えようと深呼吸をする。


「はぁ…………っ……はぁっ……はぁ……」


 しっとりと汗ばんだ二人の肌が境界を失って、一緒にとろけていってしまいそうな心地がした。初めて体験する甘美な快感で頭が痺れて、うまく頭が回らない。

 うわごとのように泉水の名を呼んでいると、泉水はぐっと腕に力を込めてほんの少し身体を離し、一季の顔を間近で見つめた。

「……ん?」
「童貞……卒業、しちゃいましたね……」
「え……? ははっ……」

 我ながら、もっと気の利いたことが言えないものかと呆れてしまう。だが泉水はふわりと表情を綻ばせ、汗で濡れた一季の髪を優しく梳いた。

「ほんまに……めっちゃ最高の、初体験でした」
「ふふっ……僕も、こんなに幸せなセックスは、生まれて初めてです……」
「ほんま? めっちゃ嬉しい」

 そう言って、心底幸せそうに笑う泉水のことが、愛おしくて愛おしくてたまらない。泣き笑いの熱い涙が、一季の頬を濡らしてゆく。


 一季の心と身体を蝕んでいた、冷たい痛み。
 泉水は大きな優しさで、その全てを洗い流してくれた。


 頬を拭う、泉水の手があたたかい。
 その感触を確かめるように、一季はそっと、泉水の手のひらにキスをした。
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