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愛人もOKだなんて聞いてません。

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「――――っ、…………これは、けっこうヤバいな」

 隊長にどんな風にすればいいのか教わりながら、屹立に触れる。
 彼の手と同じくらいに熱いそれは、私が手を動かすにつれて硬さを増し、そして時折ビクビクと震えた。
 そのたびに隊長が息を詰めるから気持ちいいんだと思う。
 声と表情と、加えて隊長の指示を頼りに気持ちいところを探っていくと、穂先からも汁が溢れてきてぬめりがよくなってきた。
 
 このくらい強く握っても本当に大丈夫なんだろうか。痛くしたりしないか心配だ。一応隊長はこのくらいがいいっては言ってたんだけど……。

 手を上下に動かして、指の腹で穂先や笠の部分を撫でてみたり。
 みんながいつも指先一つで私を翻弄するのと同じように、私もこの手で隊長を気持ちよくさせている。それって凄い優越感というか、私でも気持ちよくしてあげる事ができるんだっていう悦びでいっぱいになった。

「これ、イグニスにバレたら殺されるかもな」

 隊長の冗談めかした言葉に一瞬首を捻ったけど、なるほどと屹立を握る自分の手を見て合点がいった。

 たしかに手に固執しているイグニスさんなら、何かしらの感情を抱いてもおかしくないシチュエーションだ。ミルくんが私の唇に独占欲を見せるのと同じように、イグニスさんも私の手が好きだから。

 ――――でも。

「隊長ならイグニスさんは赦してくれると思います」

 多分、そうなんだと思う。
 イグニスさんは隊長が最上級に大好きで、隊長ならと何でも許容してしまいそう。それはどこまで赦すものなのかは私には推し量れないけれど。
 でも本当にイグニスさん隊長のこと好きだからなぁ……。十分にあり得る。

 手の中でビクビクと震えるモノを見て、私は少し顔を赤らめた。
 光景が卑猥だなぁ……。
 ここからイグニスさんやミルくんのように白い液が勢いよく出てくるのかと思うと、胸がドキドキした。変にテンションが上がって、それを心待ちにしている自分がいる。

「…………あの、どうです? イキそうですか?」

 一応これでも気にしていた。
 もし手だけでイキそうになっているのであれば、そのまま達してしまえば隊長も楽だろうし、私も嬉しいし。

「意地でも今はイかねぇよ。ここに挿いって、ここで気持ちよくイきたい」
「……はぁ……あぁっ」

 くちゅり。
 小さな音を立てて隊長の指が私の中に挿いってくる。後ろから回された指が二本ゆっくりと沈み込み、深く飲み込んでいった。

「……随分と柔らかくなったな……ここ」
「あぁ……ンぁ……あ、あぁ、……そんなに、したらっ」

 手が上手く動かせない。このままじゃ隊長を気持ちよくさせられなくなってしまう。
 私は隊長の肩に額を当てて喘ぎながらそう訴えると、隊長はなぜかさらに指を激しく動かし始めた。指の数も三本に増やされて、私の気持ちいいところを突いてくる。
 もう私の手はただ添えられるだけのものになってしまい、快楽に負けて握ることすらままならない。
 ちゃんとしたいのにできないと首を横に振ると、隊長はそれを封じるように私の顎を掴んでキスをしてきた。
 私の荒い吐息も、隊長の荒い吐息も。口の中に溢れ出る唾液と共にぐちゃぐちゃになってしまう。

 秘所から指が引き抜かれて、腰を持ち上げられる。
 すると、血管が浮き出るほどにそそり勃つ隊長の屹立が、割れ目に当てがわれた。
 穂先でくにゅくにゅと割れ目を弄ばれて、肉芽も突かれて。その刺激に私がよがり腰を少し浮かせると、そうはさせまいと一気に穿ってくる。
 それは眩暈が起こるほどの衝撃だった。

「ひぁっ……あぁっ!! ……あ、……あっ」

 私の重みと隊長の手で奥へ奥へと潜り込んでくる隊長の屹立。
 大きくて圧迫感が凄くて息一つするだけで中を締め付けてしまい、さらにその質量を体感させられる。膣がきゅうきゅうと締るたびに隊長も気持ちいいらしく、『……くっ』と小さく唸っていた。

「こんなに簡単に俺のを咥えこんで……エッチな身体になったもんだなぁ。随分とイグニスとミルに仕込まれて……。自分で決めたこととはいえ妬けるもんだ」
「……ぁっ、……たい、ちょう?」

 すっかり屹立を飲み込んで私の中がいっぱいになると、隊長は私の身体をベッドの上に押し倒して体勢を変えてくる。
 向かい合って繋がった状態になり先ほどよりは圧迫感はなくなったものの、その代わりに隊長が動いてきた。

「俺だっていつもお前が抱かれているとき、嫉妬しねぇわけじゃねぇんだよ。あの二人に気持ちよさそうに啼かされてるお前を見るたびに、お前を滅茶苦茶にしてやりたかった」
「あぁっ! あっ……ふぁ、あぁ、ン、んぁ……」
「もう無理だってカレンが言ってもこん中に俺の精を全て注ぎ込んで、カレンが気を失っても犯し続けて、ぐっちゃぐちゃにして。お前に負担をかけないようにって言いながらも、そんなこと想像して俺の中で薄汚い欲が渦巻いてたんだよ」

 その思いをぶつけるように隊長の腰が打ち付けてくる。
 隠し続けていた欲望を一気に解放して、言葉のままに私をぐちゃぐちゃに乱して。私の腰を抱えて深く繋がり激しく揺さぶる隊長は、もう余裕のある冷静な彼じゃなかった。

 私が今隊長でいっぱいなように、隊長もまた私でいっぱいなんだ……。
 そう思うと愛おしさが止まらない。
 その激しい思いに応えるように、隊長の背中に手を回してギュッと抱き締めた。

 腰からゾワゾワと伝わってくる痺れ。だんだんとお腹の中に溜まってくる快楽の塊が大きくなって、気持ちよさを助長してくる。
 隊長の屹立が私の膣壁を擦りつけて律動を繰り返し、一等感じるところを見つけた途端にそこを重点的に攻めるような動きに変わった。それに溜まらず私が声を上げれば、さらにグリグリと穂先で虐めてくる。
 結合部からしとどに蜜が溢れ出て、それが隊長の動きを手助けしているのもあるのかもしれない。挿入時よりも圧迫感や苦しさがなくなったおかげで、私はひたすら快楽だけを拾っていた。

 奥の奥まで突かれて、激しく揺さぶられて。
 気が付けば、私は限界ぎりぎりまで追い詰められていた。

「……あっ……ま、ってぇ、……たいちょ、……あぁっ! わ、わたし……わたし……」

 もうこのままイってしまいそう……!

 私は怖かった。
 いつもこうやって追い詰められたら怖くなって『やめて』と言ってしまうので、イグニスさんもミルくんも私を慮って動きを緩めてくれていた。そこから感じやすい肉芽を刺激してイかせてくれていたから、中の快楽だけで達したことはない。

 けれども、隊長はそんなつもりはないようで、構わずに動き続けている。
 それどころかこのままその先に導こうとしているのだ。私が知らない、快楽の向こう側へ。

「やだぁ……もぅ、あっ、あぁン! イっちゃっ……ぅ、イちゃい、ますっ」
「あぁ、イっちまえよ、カレン」

 隊長の肩口に爪を立ててその快楽に最後の最後まで抗った。
 けれども、そうはさせまいと隊長が激しく腰を打ち付けては、その波をもって飲み込もうとしてくる。私はあっという間に激流にさらわれて、抗いがたい痺れが下腹部から駆け上がり、あられもない声を上げた。

「あっ、あっ、……あぁ! ひぁあぁ……っ!!」

 大きなうねりが私を高みへと押し上げて、快楽の塊を弾けさせる。頭の中身がどこかに飛ばされてしまいそうなほどの浮遊感と、恍惚とした心。
 今まで怖い怖いと思っていたのが愚かに思えるくらいに、私の身体は快感に震えていた。

 徐々に手足の力が抜けていって余韻を味わっていた私は、心も身体も蕩けていた。トロトロになって指一つ動かくことができない。動かせばその肌に伝わる刺激ですらも、私には快感として伝わってきてしまいそうなほどに敏感になっているからだ。

 けれども。

「……あっ! だめぇ……まだうごいちゃ、……やぁんっ!!」
「まだまだ……な? もうちょい付き合えよ。好きなだけイっていいからよ」
「たいちょ、まってぇ……あぁ、あっ、あっ」

 隊長は私を休ませてはくれなかった。
 もう達してこれ以上の刺激は私には過ぎたものとして苛んでくるというのに、それでもまだまだだと彼は攻め立てる。

 たしかに隊長にとことん付き合うつもりではいた。その覚悟もしていたつもりだ。
 けれども休みもなく何度もされるなんて……聞いてない!

 待って、待って隊長! ちょっとだけでいいから休憩が欲しい!
 そう訴えたいのに、この口は喘ぎ声しか出さない。というか出せない。
 隊長が言わせてくれないほどに揺さぶってくるのだ。

「言っただろ? 嫌だって言ってもお前をぐちゃぐちゃに犯して、無理だって言ってもこの中に俺のを全部注ぎ込むって。俺はまだ時間がかかるから付き合ってもらうけど、その分うんと可愛がってやるからよ」

 上体を起こし髪を掻き上げて汗を拭う隊長は、意地悪く笑う。

「――――それとも」

 ところが唐突にその動きをピタリと止めて、私の顔を覗き込む。

「辛いんだったらちゃんと手はあるが……どうする?」


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