17 / 40
(17)
しおりを挟む「……も、もぅ、……やだぁ」
とうとう限界がきた私は、ミルくんから顔をそらし足を閉じて、そして隊長の腕に縋った。私の変化に驚いたのか、イグニスさんが指を秘所から引き抜く。
「カレンちゃん……?」
ミルくんも心配そうにこちらを窺い、戸惑っているようだった。
私、よがっている姿を皆の前で晒すことがこんなに恥ずかしいものだと思わなかった。
いつか恋人ができてベッドで睦み合う日がくるだろうとは思ってはいたけれど、まさか相手が一人じゃなくて三人で、しかも同時に愛撫されるなんて想像もしない。
六つの目で身体を隅々まで見られ、六つの手で余すことなく触られて。三つの口が私に言葉を投げかける。
このまま最後までされてしまったら、いったい私はどうなってしまうんだろう。
未知の体験への不安と、そして好奇心とがないまぜになる。
「ほらぁ、イグニスが変なこと言うからカレンちゃん泣いちゃったじゃん。ごめんね~カレンちゃん」
「別に俺は本当のことを言っただけで、変なことは言ってない。それに隊長も似たようなこと言ってただろう」
「お前のは言い方がエグいんだよ! Sか! Sなのか!」
「俺に嗜虐趣味はない」
私が泣き出したことによって慌てたミルくんはイグニスさんを責め、イグニスさんは訳が分からないという顔をしていた。それに対し、ミルくんがますますヒートアップして二人の応酬は盛り上がりを見せる。
私は目まぐるしくやってきていた快楽が一旦止んだことに脱力し、息を荒げながらその様子を見ていた。
すると、私の後ろにいた隊長がクスリと笑う。
「そんなに恥ずかしがることはねぇよ。めちゃくちゃ感じてるカレン、可愛かったぞ?」
「可愛い……って」
「まぁ、最初の慣れないうちはしょうがねぇか。こんな格好させられて恥ずかしがるなって方が無理あるもんな」
私の頭を撫でて労わってくれる隊長は、ついでとばかりに頬擦りもしてきた。顎の髭がじょりじょりとちょっと痛い。
「でも、まぁ……」
ところがされるがままに受け入れていたら、隊長のぽつりと零すような声が耳元で聞こえてきて、頬にキスをされる。
そして私の身体をグイっと上に引き上げてクルリと半回転させ、向かい合わせに膝の上に乗せてきた。
突然視界が回ってびっくりした私はおかげで涙が引っ込み、そしてイグニスさんとミルくんの喧騒も止む。
きょとんとしている私の顔を間近で見つめる隊長は、にんまりと笑う。つい先ほども見た、あの嫌な予感しか感じない爽やかで晴れやかな笑顔だ。
当然のごとく、私の頬も嫌な予感を感じ取って素直に震えた。
「慣れてもらうしかないんだけどな!」
ミルくん……違うよ。Sなのはイグニスさんじゃない。
本当のSは私の目の前にいるよ……。
ハハハ、とから笑いを浮かべた私の身体は、隊長によってふたたびベッドに沈み込んだ。
21
お気に入りに追加
1,644
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる