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33.「俺の全部を君にあげる」
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そう思いながらも、心は「やめろ」と命令しろとは訴えない。
ユニだって本当は欲しい。
今すぐにでも縋り付いて全部奪ってと言ってしまいたい。
――シリルのすべてがほしいと。
「お願い……シリル様のすべてを、私にちょうだい」
挿入れてほしいというだけでは足りない。
身体だけでは足りない。
もっともっと、深く。
心までほしいというユニの欲深さが、口走らせた。
「俺の全部を君にあげる」
シリルは熱い吐息交じりでそう言い、誓いを立てるようにキスをしてきた。
「――ンんっ!」
そして、自身の熱塊をユニの秘所に潜り込ませてきた。
大きくて硬いものが自分の中を割り開き、奥へ奥へと進んでいく。
穿たれている間もキスで蕩かされ、ユニは痛みを破瓜の痛みをどこか遠いものに感じながら受け入れ続けた。
痛みが快楽で上書きされていく、そんな感じだ。
痛みで呻くより、キスの心地よさに酔いしれてしまう。
湧き上がる悦びと、多幸感と。
どうしようもないほどの愛と。
それらに包み込まれながら、ユニは自分がシリルのものになり、シリルもまた自分のものになったことを実感した。
奥を穿たれ、揺さぶられ。
膣壁を大きく擦り上げられる快楽に咽び泣く。
「……はぁ……あぁン……あっあっ……ひぁっ!」
もし、明日シリルの魔法が解けて彼の熱が冷めたとしても、それでも。
この幸せはたしかなものだ。
色褪せない、ユニの幸せ。
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