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29.「……お願い、ユニ。命令しないで……俺を止めないで」
しおりを挟む「……もっと……もっとちょうだい、ユニ……もっと……」
「……ぁっ……うぅンっ……あっ……ンっンんっ」
魔力をあげるだけなので少しの間の接触で済むだろうと思っていたが、それは甘かったようだ。
シリルはもっとと強請り、逃さないとばかりに身体をさらに密着させていく。
息が苦しくて逃げ腰になると、これ以上離れていかないように後頭部に手を回してもきた。
まずい。
このままではまずい。
腰がゾクゾクして、妙な気分になってきた。
身体中が熱いし、気持ちよさが積み重なっていっている。
(……早く、終わって)
そうじゃないと、このまま快楽に呑み込まれてしまいそうになる。
「……ンっ……も、もう……」
「……お願い、ユニ。命令しないで……俺を止めないで」
「そんな……ずるいぃ……ひぁっ!」
もうおしまいだとシリルを止めようとするも、命令しないでと乞われてしまった。
それどころか、先に進むように服の中に手を差し込み、脇腹を撫でてきたのだ。
「ま、待って、殿下っ」
「足りない……全然足りないよ、ユニ。――キスだけじゃ足りない」
「えぇ?!」
ベッドの上に引き倒され、シリルが覆いかぶさってくる。
彼の動きは大胆になってきて、ユニの服を脱がし、手や唇を身体中に這わせてきた。
「……あぁっ……はぁっあっ……ン……ンぁっ」
乳房や、胸の頂は特に丹念に弄られる。
そんなところを触っても魔力を得ることはできないのに。
それなのに執拗に触られると、まるで愛撫を受けているような気分になる。
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