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15.「フフフ……これがご褒美、ね」
しおりを挟む自分の中ではご褒美といえばこれだが、さすがにシリルにするわけにはいかない。
だが、相手は王族だ。
頭を触るなどとんでもない。
「すみません。私、そもそもご褒美をもらった経験がないので、頭を撫でるしか思いつかず……」
「あぁ、それいいね」
「……え?」
「頭撫でられたい」
「本気ですか?」
「本気」
ほら、どうぞと言わんばかりにシリルは膝を曲げてユニと目線を同じにしてくれる。
期待を込めた目で見つめられて、これは本当に撫でなければならない流れでは? と気付いてしまった。
こんなことを本当にしていいか分からなかったが、何も持たないユニにはこれくらいしかできない。
そろりと手を伸ばし、シリルの金色の髪の毛の上に手を置いた。
そしてそっと撫でつける。
(なんて手触りのいい……)
最初は恐る恐るだったが、徐々にシリルの髪の毛の滑らかさに感動してついつい夢中になって撫でまくってしまっていた。
「フフフ……これがご褒美、ね」
「あ! え、っと、その……すみません、これしか思いつかなくて」
くすぐったそうに笑うシリルに驚いて手を離し、頭を下げる。
やはり不敬だっただろうかと不安になったが、シリルは嬉しそうに微笑んでいた。
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