1日100回キスチャレンジ※唇以外も可

山吹花月

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1日100回キスチャレンジ※唇以外も可

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「1日に100回キス出来ると思う?」
 ミキはふと浮かんだ疑問をそのまま口に出す。
「唐突だね」
 突拍子もない発言を特に気に留めてもいない口調でタクトが返す。
「今見てるドラマ、すっごいキスするなと思って」
「したいの?」
「したい」
 並んで座っているソファーが軋み、タクトの顔が近付いてくる。
 柔らかく唇が合わさりすぐに離れた。
「素直なミキ可愛い」
「すぐしてくれるタクトのそういうとこ好き」
「やってみる? 1日100回キス」
「やる!」
 嬉しそうに笑うミキにタクトが寄り、再び唇が重なる。
「はい、2回目」
 至近距離でタクトが微笑む。今度はミキから顔を寄せキスをする。
「3回目」
 ちゅ
「4回」
 ちゅ
「5」
 ちゅ
「……なんか作業みたいで面白くなくなってくるね」
 ちゅ 
「そうだな」
 ちゅ
 最初はふたりとも気分が乗って楽しんでいたが、回数を重ねるごとに作業的になる行為に、7、8回目ですでに飽き始めていた。
「これで何回……」
 ミキが口を開いたところにタクトの舌が押し込まれた。油断している彼女の舌を絡め取り唾液を撫でつけていく。ざらざらした表面が擦れて腰に切ない疼きを生んだ。
「ん、ぁ……これ、何回分になるのかな」
 甘さを含んだ吐息を零しながらミキが問う。
「1回だな」
 言い終わるが早いかタクトがミキの唇を塞ぐ。角度を変え食むようにしっとり合わさる。柔らかな心地が気持ちよくてミキの体から力が抜けていく。
「まだ10回だぞ、がんばれ言い出しっぺ」
 くたりとタクトの胸に寄りかかるミキの額にキスが降る。ミキの毛先をタクトの指が弄んでいる。髪の毛から感触が伝わるようで、もどかしい疼きが首筋に走った。
「キス、唇以外でもいいよな」
「……ん?」
 キスの余韻が冷めないミキの答えを待たずにタクトが耳殻に吸いついた。
「ぅあッ」
 急な刺激に肩が跳ねる。あむあむと唇で挟まれ弄ばれてぞくりと悦を煽られる。ぢゅっと水音を立てられ鼓膜から快楽が広がった。熱い舌が耳裏を這い、濡れた肉厚が行き来して肌を敏感にしていく。
「ぁッ、これも……っ1、回?」
「舐めてるだけだから0回」
 タクトは唇が当たらないように舌だけを添わせてくる。ぬるつく刺激にすでに昂るミキの体はぴくぴくと反応していた。
「こん、な……ッ、もたな、いっんッ……」
 音を立て耳裏が吸われた。今までと違う感触に燻る情欲が熱を増す。
「今の何回目かわかる?」
 タクトの息を感じるほど近くで問われ、かかる吐息にすら感じる。
「わかん、な……」
 蕩け始めた思考で考えてみるも、すでにミキはカウントから脱落していた。
 耳朶が食まれ唇で柔らかく挟まれる。
「次が15回目」
 タクトの大きな手で頬を包まれ引き寄せられる。唇が重なり表面が擦り合わされた。押しつけられ形の変えられた唇の隙間から肉厚の舌が入ってくる。絡め取られながらまだ15回か、と回数と自身の昂ぶりのアンバランスさに100回が途方もない数字に思えた。
「大丈夫。体中にいっぱいするから」
 ミキの思考を読み取ったようにタクトが微笑む。回数よりも自身の体が持つのか心配しているミキの真意は伝わっていないようだ。もう一度軽くキスをされ、彼の手が服の上からふくらみを包んだ。
 ゆっくりと沈められる指と同じ速さで首筋にキスが降る。17、18、19、と小さく数えながら下に降りていく。
「20回目はここがいい」
 布越しに胸の飾りを撫でられた。じわりと広がる快感に先が凝り始める。ミキがゆるく頷くと、服の裾がたくしあげられ素肌が晒された。下着から先端だけ出るように掘り起こされる。外気を感じる間もなくタクトの熱い口内へ尖りが含まれた。
 唇で挟んで吸われ、まだ柔らかさが残っていたそこはみるみる硬くしこり立つ。舌でころころと転がされ愉悦を滾らせていく。
「反対側もしてあげあいとね」
 どこか楽しげなタクトの声が聞こえる。すでにそそり立っている逆側の飾りを、飴を舐めるかのように愛撫していく。凝った側面を丁寧に舌先で潤し、吸いながら小刻みに擦られる刺激が下腹部へ響く。潤み始めた蜜壺が素直に快感を受け取りきゅんと収縮した。
 口が離れ濡れた先端が空気に触れて少し冷えた。タクトの熱い手で乳房を下からぐっと持ちあげられ、豊かなふくらみを寄せられる。近付いた乳首に顔を寄せるタクトの息がかかってくすぐったい。
 ぷくりと主張する赤い先端が唇に包まれた。粘膜の柔軟な感覚がしたのも束の間、すぐに離れてしまう。唇で扱くように出し入れされる。硬くした舌先よりも穏やかな刺激。すでに煽られたそこは生易しい心地よさでは物足りなくなっていた。両の飾りへ交互に触れられるたびに快感ともどかしさが募っていく。
「っ、もっと……」
 耐えかね懇願が零れる。
 ミキのおねだりに嬉しそうに目を細めたタクトは、先端に強く吸いついた。急に与えられた強烈な刺激に秘処がきゅんと疼く。反対側も同じく強く吸われる。唇から解放された尖りは休む間もなく指で摘ままれ間断なく愛されている。捏ねられるたびに大きな快感の波が湧きあがりぞくりと背筋を伝う。
 タクトの頭が下がっていきお腹に何度もキスをされる。お腹はくすぐったいのに、弄られ続ける胸の先端は気持ちよくて不思議な感覚になる。
「脇腹、くすぐったい? それとも感じる?」
 聞いてはくるが、くすぐったいと伝えてもやめるつもりはないのだろう。ミキの答えを待たずに唇で食んだり押しつけたり、絶妙に触れるか触れないかの加減でくすぐってくる。こそばゆさの中に快楽が見え隠れし背がしなる。
「んぁっ、ふふっ、どっちも」
 喘ぎと笑みが混じる変な声になる。
 べろりと舐めあげられくすぐったさが愉悦に変わった。濡れたざらざらに肌を撫でられ腰が浮く。
「今のは気持ちいいんだ」
 小さく笑うタクトの息すら快感に変わる。
 胸を責め立てる手は止まらずにさらに下、秘められた場所へタクトの唇が移動して、下着をずらしたそばから恥丘に吸いついていく。
 秘裂の先で充血した蕾に舌が触れる。ちょんちょんと先端で突かれ、その度に入り口がひくひくと蠢いた。きゅっと唇で挟まれ吸いつかれ、鋭い刺激が走り蜜が溢れる。思わず腰が逃げるが引き寄せられ唇が離れない。硬くした舌先でぐりぐり圧迫され快感が止まない。愛液を垂らす蜜口にタクトの指が差し入れられた。蕾の裏側が押され大きな悦楽が噴き出す。中の肉が締まり襞が指に絡みついていく。一気に込みあげた熱が散り、体を跳ねさせミキは果てた。愉悦に収縮する中をタクトの指がゆるく撫でまわしているせいで、散り散りになった快楽が再び局部へ集中していく。
 指が引き抜かれタクトが自身にゴムをつける。果てた余韻と集まり始めた疼きにぼんやりしながらそれを眺めた。目が合うと少し恥ずかしそうにタクトが目を逸らした。
「あんまり見るなよ。……入るよ」
 照れ隠しなのか触れるだけのキスが降る。そのまま近くで視線を絡ませたままゆっくりとタクトが割り入ってくる。張り出したところがちゅるんと飲み込まれた。出っ張りが浅いところをくすぐり腰が跳ねる。そのまま軽く揺すられ中が彼に絡みつくようにひくついた。
 徐々に埋められていく剛直が奥に届き、ミキの中がタクトで満たされた。悦に歪むタクトの表情が扇情的だ。堪らずミキから唇を寄せ舌を差し込む。すぐにタクトの舌が呼応し擦り合わせてくる。一度舌を引き抜き触れて離れるだけのキスを繰り返す。ミキ自身すでにわからなくなっているが、初心を思い出し回数を稼ぐ。しかし我慢出来ずにミキから舌をねじ込みタクトを絡め取った。
 タクトの熱い口内を味わっていると彼の腰が動きを始める。満ち切った中を張り詰めた屹立が行き来する。内壁がくまなく刺激されわななく。奥に辿り着くたび襞がびくびくと脈打ち淫茎を締めあげる。突き入る振動が腹の奥へ響き昂ぶりが溢れるほど蓄積されていく。ゆるい動きが逆に劣情を煽り、すでにミキの蜜壺はとろとろに蕩けていた。
「中、すご……」
 奥の狙ったところに的確に当てながら、タクトがミキの背に手を入れる。
「体起こせる?」
 彼の腕に支えられながら、繋がったまま体を起こす。タクトの胡坐へ乗り、彼の昂ぶりがさらに奥へと埋まる。自分の体重が最奥の快感を生む場所へ彼を密着させずくりと愉悦が沸く。向かい合って繋がっているだけで秘処がきゅんきゅんと疼いてしまう。
「ほら、キス」
 気持ち良さに吐息交じりに甘い声が出てしまう。覗き込むようにタクトの顔が寄せられ吐く息ごと唇を塞がれた。突き入る肉杭をぎゅうぎゅうに抱き締める隘路の淫猥さとは裏腹に、触れるだけで離れていく軽やかなキスを重ねる。
「つらくない?」
 タクトの指先が髪を撫で梳き、うなじを優しく包み込む。彼の体温が伝わり気持ちがいい。
 痛いどころかもっともっとと刺激を欲する体は、ミキが頷くより早く彼を締めつけ快感をねだる。視線を上げると悦楽に揺れるタクトの視線にぶつかる。
 最初はゆるく、次第に大きく下から打ちつけられた。刺さる雄芯が激しく奥を抉る。擦られる襞も穿つ振動もすべてが気持ちよくてミキを追い立てていく。
 ミキの臀部にタクトの両手が埋まり掴まれる。抽挿が激しくなり、迫りくる絶頂感にきゅうきゅうと肉茎を圧迫してしまう。ぐりりと深部に淫柱が食い込みミキの膨れあがった快感が弾けた。体を波打たせながら、搾りあげるかのごとく中の彼を絞めつける。追いかけるようにタクトが脈打ち果てを迎えた。
 息が乱れてうまく呼吸ができない。背中をタクトの熱い掌が摩る。じんわりと温められ次第に呼吸が落ち着いていく。
 タクトの優しい瞳と目が合う。唇を寄せ、今日何度目かのキスをする。離れるのが惜しくて追いかけてもう一度重ねる。唇が離れてまた視線が絡む。少し気恥ずかしくて、どちらからともなく少し笑った。

「結局キス何回出来たんだろうね」
「んー……61回」
 タクトの口からすんなりと回数が出てきて驚く。
「数えてたんだ」
「うん」
 数えながらもミキを快楽で蕩かせ続けたタクトの器用さに心底感心する。
「続きは風呂でするか。一緒に入ろ」
 タクトは当然のように告げる。
「えっ! まだ動けな……」
「全部してあげるよ」
 軽々抱きあげられてしまう。額にタクトの唇が触れる。
「あと38回」
 にっとタクトの口角が上がる。
 楽しげに鼻歌交じりにバスルームへ向かう彼の様子に、きっと100回では終わらないだろうな、とミキは悟った。

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