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しおりを挟む向き合ってフトンの上に正座する。
なんだか落ち着かず、互いに視線を彷徨わせていた。
「……緊張してきちゃった」
「わ、私も……」
ロキを見ると表情が硬くそわそわしている。
自分も同じ顔をしているんだろうな、と思うとおかしくなって吹き出してしまった。
クレオにつられてロキも笑う。
「やっぱり、初夜って特別だね」
ロキがクレオの左手を取り、指先で指輪をなぞる。
「クレオちゃん、僕の奥さんになってくれてありがとう」
改めて言葉にされると込み上げてくるものがある。
「こちらこそ。ロキと夫婦になれて、嬉しい」
ロキの真摯な視線に射抜かれる。
吸い寄せられるように顔が寄り唇が重なった。
何度もかわした口付けなのに、どこか特別に感じる。
角度を変えながら存分に互いの唇を味わう。
触れ合ったままゆったりとフトンへ沈められた。
「クレオちゃん」
手にロキの指先が絡められる。
「好き」
頬やこめかみに唇が押し当てられていく。
「大好き」
キスと一緒に言葉が降ってくる。
「私も。ロキが大好きだよ」
それに答えたくて、繋がれていない方の手を彼の後頭部に添え柔らかく撫でた。
ふわりと優しく微笑んだ後、ロキはクレオの耳元へ唇を寄せる。
ちゅっと軽い音を立てながら耳の輪郭がなぞられていく。
おだやかな刺激に肌が震える。
そのままキスは首筋を辿り鎖骨へ降りた。
凹凸に添って丁寧に唇が押し当てられていく。
ひとつひとつの口付けからロキの慈愛が沁み込んでくるみたいで心地いい。
「帯、解くね」
丁寧な手つきで衣服が解かれていく。
時間をかけて前をはだけられ、その間も体にロキの視線が降り注ぐ。
「綺麗」
じっくりと観察される。
肌を見られることは初めてではないのに、無性に恥ずかしさが込み上げた。
「隠さないで」
咄嗟に体を覆おうとしていた両手は呆気なく捕まる。
そのまま指先が絡み拘束された。
ロキが胸に覆い被さってくる。
彼の髪が肌に触れてくすぐったい。
再びキスの雨。
なだらかな丘にくまなく唇が押し当てられていく。
愛おしく感じていたその口付けも、なかなか悦を得られないことに次第に焦れてきた。
柔らかい唇は心地いいのに、もっと鋭い快感が欲しくて腹の奥がもどかしくなる。
「もう尖ってる」
胸の先端は期待ですでに主張を始めていた。
「まだ触ってないのにね」
ロキの鼻先が尖りに触れ、わずかに愉悦が湧く。
が、彼は核心ではなくその周辺ばかりにキスを落とす。
わざと焦らされている。
そう理解していながらも、その先を懇願するように揺れる腰を止めることはできなかった。
「ここ、どうしてほしい?」
胸元でロキが囁く。
吐息が肌をかすめてわずかに甘く震える。
上目遣いで微笑む彼はどこか楽しそう。
クレオの限界を見極めたうえで焦らしてくる。
「ねえ、言って?」
笑顔で意地悪なことを要求してくる。
「……いっぱい、して?」
最後は恥じらいよりも欲望が上回り、結局クレオは懇願してしまう。
「うん」
答えるが早いか、ロキの唇が先端に吸いつく。
「いっぱい、してあげる」
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