上 下
20 / 26

20

しおりを挟む
 
 ロキに背を向けたまま、クレオは頷いて受け入れた。

 背後でふっと笑う気配がする。

「ちょっと赤いね」

 耳の輪郭が淡く食まれた。

「はだけちゃったの、恥ずかしかった?」

 じっくりと耳を舐め上げながら、吐息交じりの呟きが吹き込まれる。

 耳元にキスをしながらも、彼の両手はクレオの肌を優しく撫で続けた。

「昨日、ロキに着せてもらったのに……ッ」

 彼の指先が胸の飾りに触れ、鼻にかかった甘い吐息が零れた。

 触れるか触れないかの加減で、尖りのまわりを丸く縁取るように指先が滑っていく。

 あと少しの距離なのに、まだ核心には届かない。

「僕もびっくりしちゃった。けど」

 耳の裏に吸いつかれた。

 ちりついた感触の後、柔らかな唇が何度も押し当てられる。

「色っぽい」

 ロキのキスは首筋にそって降りていく。

 鎖骨の辺りをなぞって居た唇は、肩に到達して甘噛みに変わる。

「こっち向いて?」

 促されるまま身を転がし仰向けになる。

 衣服を掴んでいた手を拘束されフトンへ沈められた。

 きちんと着直していないユカタは再びはだけ、ロキの前に肌をさらす。

 覆い被さる彼の唇が鎖骨に触れ、そのまま谷間へキスが落とされていく。

「かわいく尖ってる」

 胸の先端にロキが口付ける。

 唇が触れただけなのに、すでに昂ったそこはじくじくした快感を腰へ落とす。

 ついばむようにキスをされ、その度に体が小さく跳ねる。

 熱い舌がまとわりつき、ねっとりと舐め上げられた。

 濡れてざらつく感触が先端の表面に引っかかって快感が溢れる。

 硬くした舌先をぐりぐりと押し込まれた。

 みるみる快感が生まれ腹の奥へ重く溜まる。

 ふくらみに埋まった尖りは逃げ場がなく、与えられる刺激を余すことなく受け取ってしまう。

 気持ちいいことしか考えられなくなって、クレオの意思とは関係なく腰がじれったく揺れた。

「こっち、物足りないの?」

 ロキの膝が下着越しに秘処を圧迫した。

 揺するように刺激され、振動で腹の奥から愉悦が湧く。

「まだこっちを可愛がりたいな。もうちょっと待ってて」

 ロキは丹念に胸の先を舐め上げながら、下腹にはゆるい刺激を与え続ける。

 胸は快感を逃がしてもらえないのに、秘園はじれったく高められていく。

 全部自分の体なのにいいように翻弄されて、悦で思考がくらくらしてくる。

「ぅ、ん……ロキ」

 クレオの我慢が限界に来てしまった。

 気持ちいいところ全部を触ってほしくて、押しつけられた彼の膝をふとももで強く挟んで拘束する。

「触ってってば……」

 腰を揺らし、蜜口をロキに擦りつける。

 下着で擦れてわずかに悦が湧いた。

 やられっぱなしでは不服なので、クレオは自身の膝で彼の中心を軽く撫でた。

「っ……」

 ロキは息を詰め動きを止めた。

 彼の下着越しに怒張をゆるく擦る。

「は、ぁ……っ」

 途端にロキは甘い吐息を洩らし始めた。

 が、ここで摩擦をやめる。

 触れるか触れないかのぎりぎりで彼の杭に膝を添わせた。

「っ、いじわるが上手だね。クレオちゃんは」

 にっと片側の口角を上げて余裕ぶって笑うロキだが、彼の中心は物欲しそうにひくついているのが伝わってくる。

「いいよ。もっといっぱい愛してあげる」


 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪

奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」 「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」 AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。 そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。 でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ! 全員美味しくいただいちゃいまーす。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

ヤンデレ義父に執着されている娘の話

アオ
恋愛
美少女に転生した主人公が義父に執着、溺愛されつつ執着させていることに気が付かない話。 色々拗らせてます。 前世の2人という話はメリバ。 バッドエンド苦手な方は閲覧注意です。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。

待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。

日常的に罠にかかるうさぎが、とうとう逃げられない罠に絡め取られるお話

下菊みこと
恋愛
ヤンデレっていうほど病んでないけど、機を見て主人公を捕獲する彼。 そんな彼に見事に捕まる主人公。 そんなお話です。 ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

処理中です...