上 下
14 / 26

14

しおりを挟む
 
 ロキの言葉に、まだ痙攣の止んでいない内側がさらに潤んだ。

 果てたばかりだというのに、すでに次の快感を期待している。

 続く絶頂感に浸りくたりとベッドに身を預けている間、身体にロキの唇が触れた。

 背骨に添って丁寧に口付けが降り、柔らかい感触にじりじりと煽られる。

「華奢だなあ」

 クレオに対して言うでもなく呟いたロキのキスがうなじに触れる。

 皮膚の薄い部分を唇がかすめていき、じれったい熱が湧く。

「っん……」

 濡れたざらつきに擦られ思わず声が洩れた。

「首、弱いなあ」

 ロキは楽しそうに言いながらキスを続けた。

 首元だけでは飽きたらず、肩、腕、指先へとくまなく唇が寄せられる。

「体勢、変えようね」

 いまだ衰えない怒張を埋められたまま彼の手が足に添った。

「片足曲げて、体は横向きに」

 ロキの手を借りながら緩慢に体を動かす。

「色っぽい顔。いつもよりとろとろ」

 覆い被さってきたロキと唇が重なる。

 数度角度を変え柔らかさを味わってから離れた。

「足、抱えるね」

 曲げた方の足をロキが自身の肩に掛けた。

 互いの足が交差してより深い挿入感になる。

 ゆるく始まったロキの律動は瞬く間に激しさを増した。

 ようやく落ち着いたクレオの体はすぐに熱を思い出し、みるみる快楽の渦へと飲み込まれていく。

 容赦なく最奥を穿たれ内側がきゅうきゅうと締まる。

「足、びくびくしっぱなしだね」

 愉悦で震えるクレオの足にロキが口付ける。

 まともに言葉を紡ぐことも出来ずに、クレオはただただ揺さぶられ嬌声を零し続けた。

 もう何度目かわからない果ての気配に蜜壺が痙攣を始める。

「またイっちゃう? かわいいね」

 さらに打ちつけが速められた。

「僕もイくよ、ッ……」

 強く穿たれ、クレオは腹の熱を弾けさせた。

 まだ動き続ける杭は締めつけられる圧をものともせずに内側を擦り続ける。

 果てたはずなのに、絶え間なく与えられる摩擦でクレオの熱が冷めない。

 揺らされ鳴かされ続け、声が枯れかけた頃ようやくロキの律動が止んだ。

 怒張を最奥へ押しつけどくどくと吐精している。

「……っ、は」

 ようやく勢いを失った杭がクレオの中から出ていく。

 普段よりも長い時間咥え込んでいたせいか、彼がいなくなってしまった内側がひどく寂しい。

「そんな切ない顔しないでよ」

 抱えていたクレオの足をゆっくり降ろしながらロキが言った。

「寂しくなっちゃって……」

 素直に気持ちを伝えると、嬉しそうであり困ったようでもある笑顔でロキの顔が寄った。

 触れるだけのキスが降る。

「とろけた顔でかわいいこと言われると、困ったな」

 クレオの顔にかかる髪を払いながらロキが言う。

「またすぐに抱きたくなっちゃう」

 濃い雄の色香を漂わせた碧眼に見つめられ、ずくりと腹の奥が震えた。

「けど今日は我慢するよ。クレオちゃんに無理させたくないし」

 指の背で頬を柔らかく撫でられる。

 心地よい感触に一気に眠気が襲ってきた。

「眠っていいよ」

 額に触れた彼の唇の記憶を最後に、クレオは意識を手放した。


 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪

奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」 「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」 AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。 そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。 でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ! 全員美味しくいただいちゃいまーす。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

【完結】大学で人気の爽やかイケメンはヤンデレ気味のストーカーでした

あさリ23
恋愛
大学で人気の爽やかイケメンはなぜか私によく話しかけてくる。 しまいにはバイト先の常連になってるし、専属になって欲しいとお金をチラつかせて誘ってきた。 お金が欲しくて考えなしに了承したのが、最後。 私は用意されていた蜘蛛の糸にまんまと引っかかった。 【この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません】 ーーーーー 小説家になろうで投稿している短編です。あちらでブックマークが多かった作品をこちらで投稿しました。 内容は題名通りなのですが、作者的にもヒーローがやっちゃいけない一線を超えてんなぁと思っています。 ヤンデレ?サイコ?イケメンでも怖いよ。が 作者の感想です|ω・`) また場面で名前が変わるので気を付けてください

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

閉じ込められて囲われて

なかな悠桃
恋愛
新藤菜乃は会社のエレベーターの故障で閉じ込められてしまう。しかも、同期で大嫌いな橋本翔真と一緒に・・・。

人形な美貌の王女様はイケメン騎士団長の花嫁になりたい

青空一夏
恋愛
美貌の王女は騎士団長のハミルトンにずっと恋をしていた。 ところが、父王から60歳を超える皇帝のもとに嫁がされた。 嫁がなければ戦争になると言われたミレはハミルトンに帰ってきたら妻にしてほしいと頼むのだった。 王女がハミルトンのところにもどるためにたてた作戦とは‥‥

処理中です...