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しおりを挟む玄関に入った途端唇が奪われた。
容赦なくロキの舌が押し入り、熱く濡れた感触が口内をねぶっていく。
クレオはすぐに気持ちよくなってしまって体の力が抜け始める。
倒れないように必死で彼にしがみつく。
「いい顔」
唇が解放され、鼻先が触れ合う距離で見つめられる。
鏡を見なくても自分が快楽にとろけた表情になっていることは容易に想像できた。
「僕だけのえっちな顔」
クレオの頬を撫でながらロキが嬉しそうに言った。
「一緒に入ろ」
ロキはクレアとの入浴がすっかり気に入ったらしい。
食後落ち着いたところで手を引かれ浴室へ連れられる。
「はい、腕抜くよ」
脱衣からなにからすべてを手伝いたがるので非常に照れくさい。
だが、嬉しそうにしているロキを見るとついつい許してしまう。
シャワーの前で向かい合ったロキは両手いっぱいにもこもこの泡を作った。
クレオの手を取り、手の甲から手首、肘へと丁寧に泡を乗せていく。
なめらかな泡の感触の合間に彼の指先の硬さが肌を撫でる。
体が反応してクレオの肩がぴくりと跳ねた。
「くすぐったい?」
甘い疼きを自覚しながらも、どう答えたものかとクレオは考えてすぐに言葉が出なかった。
「それだけじゃないよね。買い物中も反応してたし」
手が取られ、泡まみれのロキの指が絡みつく。
「手も感じるんだね」
指の股から指先に向かって丁寧に撫でられる。
掌や指の付け根をなぞられ焦らされていく。
「他も洗ってあげるからね」
ロキの手が手首から上へ滑り肩へ辿り着く。
首筋に添って撫で上げられ、鎖骨から胸へと下がっていく。
ふくらみがなめらかな泡に包まれた。
ゆっくり円を描くように撫でられ、ロキの手が何度も胸の先端をかすめる。
「もう立ってる。かわいいね」
そう言いながら核心には触れない。
「っ、ぅ……ん」
じれったさと期待でくぐもった吐息が洩れた。
「ロキ……」
上目遣いで訴えるも、ロキは柔らかく微笑んだまま。
「なあに?」
相変わらず手は肌を撫でるばかりで尖りは放置されている。
楽しそうに笑っているロキ。
クレオが焦れているのをわかっていて反応を楽しんでいるのは明白だった。
「もう……ロキ……」
いいように翻弄されて悔しさもあったが、それよりも触れられたい気持ちが勝った。
彼の首に腕を回し体を密着させた。
「クレオちゃん?」
ロキの声がわずかに動揺している。
「ちゃんと触ってよ」
胸に残る泡をロキの体へ塗りつけるように擦りつけた。
硬くなった先端がロキの肌で擦れて淡い愉悦が滲む。
クレオ以上に速く強い彼の鼓動が直に伝わってきた。
「っ、クレオちゃん」
噛みつくように唇が奪われた。
ねじ込まれた舌に絡め取られ、濡れたざらつきが擦り合わされる。
ぢゅっと音を立てて舌先を吸われ、かくんとクレオの膝が脱力した。
「どこでそんな誘い方覚えたの?」
ロキの両手で危なげなく支えられた。
下腹にそそり立つ彼の昂ぶりが押し当てられる。
ごりごりと肌を突く感触に、愉悦を思い出した内側がひくりと波打つ。
「全身洗ったら、続きはベッドでしよっか」
両膝に触れたロキの手にゆっくりと足を開かれた。
「お風呂で温まったからかな。赤くてすごく綺麗だよ」
全身をロキの手によって丹念に洗われ、湯舟で体を温めた後ふたりで寝室へ入った。
官能的な触れ合いはなかったものの、ゆったりと触れる彼の手にクレオの体は存分に焦らされ火照っている。
「濡れてるね」
蜜口を撫でたロキの指に、湯ではないとろみが絡みついた。
「ここ、膨れてかわいいな」
うっとりと呟くとロキは秘処に顔を寄せた。
「ッんぁ」
充血した蕾に彼の唇が吸いついた。
鋭い快感が走り腰が跳ねる。
待ち望んだ刺激に早くも襞がひくつき始める。
入り口を探っていた指がゆっくりと押し入ってきた。
濡れたそこはなんの抵抗もなく受け入れる。
ロキの指は迷うことなく腹側の一点を押し上げた。
ちょうど秘核の裏側あたり。
内外両方から的確に責め立てられみるみる腹の奥から愉悦が溢れてくる。
「ぁ、っ、……だめ、ッ!」
クレオが気配を感じた時にはすでに堪えることはできず、呆気なく果てを迎えてしまう。
びくびくと腰が揺れているのにロキの唇は蕾から離れない。
「んっぁ、今は、や、ぁッ」
追い打ちをかけるように強く吸いあげられ、内側がぎゅっと収縮する。
「続けてイっちゃったね。すごくえっち」
やっと唇を離したロキは熱っぽくクレオを見つめながら呟く。
「イったばかりでつらいかもしれないけど」
手早く避妊具を整えた彼の張り出しが蜜口に押し当てられる。
「ッ……!」
予告なくずぶずぶと押し込まれた。
週末で慣らされたそこは柔軟に怒張を受け入れる。
あっという間に奥まで辿り着き、中が彼でいっぱいに満たされた。
「週末あんなにしたのに、朝からずっとしたくて堪らなかったんだ」
彼がゆるく律動を始めた。
果てたばかりの内側はすぐに快楽を生み出し蜜を零す。
ロキの動きが大きくなり、ぐちゅぐちゅと卑猥な水音を立てて中が掻き混ぜられる。
「っ……ごめん、本当に余裕ないや」
「え? ……ぁ、ッ!」
両腕が掴まれ打ち付けが激しくなった。
荒々しく肌がぶつかる音が部屋に響く。
腕が捕まり振動の逃げ場がなく、穿つ衝撃をすべて受け取ってしまう。
また最奥から熱が湧き上がってくる。
それはみるみる膨らみ今にも弾けてしまいそうだ。
「締まる、ッ」
息を詰めたロキは、クレオの中を抉るように腰を押し付けた。
弱いところを突き上げられあられもない嬌声が洩れ続ける。
自身がどんなに乱れているかに気を配ることもできず、ロキに突かれて果てることしか考えられなくなっていた。
足にぎゅっと力が入り溜まった愉悦が弾ける。
まだ律動をやめない熱杭を締め上げた。
最奥へ怒張を押し付け、ロキの動きが止まる。
ベッドの軋む音や嬌声は鎮まり、互いの乱れた呼吸の音だけが部屋を支配する。
「っ、ふ」
くぐもった声を出しながら彼が引き抜かれた。
「すごく気持ちよかったよ」
髪が優しく撫でられ、額にキスが降る。
「大好きだよ、クレオちゃん」
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