上 下
9 / 26

しおりを挟む
 
 言葉で答えるより先に秘処がひくつき期待する。

「する?」

 クレオは頷く。

「口で言ってほしいな。俺と、したい?」

 あと数ミリで唇が触れ合いそうな距離でロキが言う。

 青い瞳に射抜かれ視線をそらすことが許されない。

「ロキと、したい」

「ん、しよ」

 嬉しそうに笑ったロキに唇を奪われた。




 避妊具を施したロキの先端が蜜口に添う。

 局部以外は衣服をまとったまま、けれど熱い彼が入り口に触れているのが不思議な感覚にさせる。

「そのままゆっくり腰落とせる?」

 ソファーに座る彼に跨る体勢のクレオ。

「手、首に回してて」

 戸惑っているとロキに促された。

 意を決して腰を沈める。

 彼の張り出しが入り口に押し入ってきた。

「んっ……ぁッ!」

 昨晩よりもスムーズに杭を受け入れたそこはすぐに快楽を見出す。

 気持ちよさに足の力が抜けて一気に怒張を咥え込んでしまう。

「ッ、大丈夫?」

 一瞬息を詰めたロキは眉を寄せ耐えるような表情をしている。

 クレオはすぐに声を出すことができず、何度も頷いて答えた。

「少しこのままじっとしていようか」

 背にロキの手が添い優しく撫でられた。

 心地よくてほっと肩の力が抜ける。

「ッ!」

 安堵の直後、急に下腹の奥が疼き始める。

 中に入っている彼を鮮明に感じるほど内側がきゅうきゅうと締まった。

 動かない怒張が最奥を押し上げ子宮を圧迫する。

 昨日のように擦られているわけではないのに、とクレオは戸惑う。

 ただ入っているだけなのになぜこんなに悦を感じるのかがわからない。

 クレオは息を詰めてロキの首筋に抱きつき、彼の肩に顔を埋め表情を隠した。

「クレオちゃん?」

「んぁッ」

 クレオを心配したロキが動いた拍子に中がわずかに擦られた。

 その些細な刺激にさえ甘い嬌声が洩れるほどクレオは昂っていた。

「…………クレオちゃん」

 ロキの声色が変わり、彼の手がゆっくりと背筋を撫でていく。

「っ、ぁっ、ンッ」

 彼の指が肌をなぞっていくごとに気持ちよさが下腹に落ちていった。

 快感を堪えきれず腰が揺れて、その振動が最奥に触れる熱杭で中を擦りさらに愉悦を生んだ。

「これ、気持ちいい?」

 ロキがわずかに腰を揺らす。

 的確に最奥が狙われクレオは素直に嬌声を零す。

 言葉で答える余裕がなく、されるがまま揺さぶられた。

 悦に浸りきった身体からは力が抜け、足で支えることも出来ず全体重が結合部にのしかかっている。

 押し上げ続けられる最奥がじくじくと快楽を生み、全身に気持ち良さをまき散らす。

「答えて?」

 耳を甘噛みされ軽く果てた。

 びくびくと腰が震え中の彼を締めつける。

「っ……気持ちよかったってことかな?」

 彼の問いにゆるく頷くことで精一杯だった。

「なら、これは?」

 ロキの両手がふくらみを掬い上げた。

 親指が先端に添わされ、くっと押し込まれる。

「ここも一緒に」

「ッ……!」

 尖りをこりこりと押し潰された。

 敏感にそそり立っていたそこはすぐに鋭い快感を受け取る。

「っん、ふ……ぁっ」

 堪えきれず甘ったるい声が零れる。

「やっぱりここ、弱いね。かわいい」

 服越しに容赦なく先端を愛撫された。

 背筋がびくびく震えてさらに力が抜け、貫く杭に自身の重みがかかってしまう。

 ますます彼を深くまで飲み込んだ。

「っクレオちゃん。全部、入ったよ」

「うん、っ、んっ」

 奥への刺激に頷く声さえ嬌声に変わる。

「少し揺らすよ」

 ロキの手がクレオの腰に触れ、前後に擦るように揺すられた。

 最奥のいいところに触れながらそれ以外の部分も怒張に擦られていく。

 ずっと気持ちよくて痙攣が止まらない。

「もう一度こっちも触るから」

 ロキの片手が胸へ添い、布越しでもわかるほどそそり立つ先端がつままれこねられる。

 尖りからのちりちりとした悦と中を摩擦される快感に、クレオはただ揺らされ喘ぐことしかできなくなっていた。

 体の奥から込み上げる感覚に絶頂の気配を感じる。

 こんなに穏やかな動きで果ててしまうことが正常なのかわからずクレオはなにも言い出せなかった。

 が、確実に体の官能は高められていく。

「クレオちゃん」

「っん、……ッ」

 耳元で名を囁かれた拍子に果てを迎えてしまった。

 中の彼を締めつけ腰がびくびくと震えた。

「名前呼ばれてイっちゃったんだ。かわいいね」

 いまだ痙攣するクレオの背にロキの手が優しく触れる。

「ッんぅ」

 なだめるはずのロキの指にさえクレオの身体は愉悦を見出した。

 まだ中の痙攣が収まっていないのに、腰が揺れて内側を彼の杭で擦ってしまう。

「っぁ、ごめ……、止まら、な……ッ」

 自分の体なのに制御できず、もっと快楽が欲しくて気持ちいいところに怒張を押しつけた。

「えっちな誘い方だね、ッ」

 言い終わるが早いか、ロキはクレオの臀部を掴み激しく揺さぶった。

「ぁッ、んっ、ふ、ぁ」

 急に激しく穿たれた中は悦びで震えさらに彼を締めつけた。

 ずっと気持ちよさが続いているのにさらに熱が溢れそうになる。

「んっぁ、また、またイ、く……っ」

「いいよ、何度でもイって?」

 律動は激しさを増し、クレオの唇からはあられもない声が零れ続ける。

「ッ……」

 一層鋭く最奥が貫かれた衝撃で、クレオは再び果てを迎える。

 追うようにロキも動きを止め、びくびくと背を震わせ吐精した。

 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪

奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」 「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」 AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。 そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。 でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ! 全員美味しくいただいちゃいまーす。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

ヤンデレ義父に執着されている娘の話

アオ
恋愛
美少女に転生した主人公が義父に執着、溺愛されつつ執着させていることに気が付かない話。 色々拗らせてます。 前世の2人という話はメリバ。 バッドエンド苦手な方は閲覧注意です。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。

待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。

日常的に罠にかかるうさぎが、とうとう逃げられない罠に絡め取られるお話

下菊みこと
恋愛
ヤンデレっていうほど病んでないけど、機を見て主人公を捕獲する彼。 そんな彼に見事に捕まる主人公。 そんなお話です。 ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

処理中です...