上 下
6 / 26

しおりを挟む

「楽にしててね」

 風呂から寝室までロキに抱き上げられ移動し、ベッドに横たえられる。

 果てたこともありクレオは多少なりとも体力を消耗していたのでくたりとシーツに身を預けた。

「水、飲もうか」

 ロキが水を口に含み、そのまま口付けてクレオの口内へ注ぐ。

 喉の乾きが潤っていく心地よさとキスの快感でふわふわとした多幸感が湧き上がる。

「もっと飲む?」

「ん……」

 頷きながらクレオはロキの顔を引き寄せキスをする。

「まだ水ないよ?」

 笑いながら、今度はロキが唇を寄せ口付けを交わす。

「ロキとのキス、好き」

 ずっと夢見ていた愛しい人とのキスが心地よくて、クレオはうっとりと呟く。

「僕も好き。もっとしよっか」

 唇を重ね、ふたりでベッドに沈み込む。

 薄く開いた視界がロキでいっぱいになる。

 睫毛が長くて綺麗だな、と舌を絡ませながらぼんやりと考えていると、彼の瞼がゆっくりと開いた。

 まっすぐ見つめられながら、じゅくりと音を立てて舌先が吸われる。

 絡め合う快感とは違う悦に背筋が甘く震えた。

 数度吸いつきちゅっと軽い音を立てて舌が解放された。

「もっとくっつきたいな。クレオちゃん、横向ける?」

 体を転がすと背中にロキが密着した。

 しっとりと肌が合わさる感覚が気持ちいい。

「はい、腕枕」

 後ろから伸ばされたロキの腕へ頭を預ける。

「体勢つらくない?」

「うん、ロキは平気?」

「大丈夫。いっぱいくっつけて気持ちいい」

 耳にロキの唇が寄る。

 触れるだけのキスで耳の輪郭がなぞられていく。

「肌、綺麗」

 ロキの手がクレオの肩に触れ、二の腕をなぞり肘から指先へ滑っていく。

 淡く触れているだけなのに官能が煽られ、ぴくりと小さく肩が跳ねた。

「ねえクレオちゃん。ここ」

 ロキの手が脇腹を撫で下腹に伸びる。

 秘核を軽く擦り蜜口へ指先が触れた。

「ここも自分で触るの?」

 入り口を押すように刺激され、徐々に気持ちよくなってくる。

「ねえ、答えてよ」

 円を描くように襞が撫でられる。

「んっ……さわ、る……」

 じわじわ滲んでくる愉悦と期待でくぐもった吐息が洩れた。

「中は?」

「少し、だけ」

 ゆっくりとロキの指が押し入ってきた。

 自身のものとは全く違い、太くてごつごつした感覚。

「でも狭いね。クレオちゃん指細いからかな」

 ごく浅い部分の内壁を丁寧に擦られる。

「痛くない?」

「っ、うん」

 痛みはないがじれったい。

 撫でられるうちにだんだんと水音が大きくなり、動きがなめらかさを増す。

 襞をさすりながら指が中へ進んできた。

 腹側のふくれた部分を探り当てられ押し上げられると、奥からじゅっと熱が滲む感覚がする。

「締まったね。ここ好き?」

「ん、好き」

 ゆっくりと指が動き抜き差しされ、ごつごつとした関節が引っかかって中を刺激する。

 擦られていくのが気持ちよくてさらに中が締まった。

 体の奥に愉悦が溜まってきてじれったさに腰が揺れる。

「こっちも一緒に触ろうね」

 腕枕をしている方の手がふくらみを捕らえた。

 先端がつままれこりこりと擦られる。

 すぐに快感を思い出した尖りはみるみる硬く主張を始める。

 一気に悦が押し寄せ内側がひくひくと震えた。

「気持ちよさそうだね。よかった」

 耳にキスが降り舌が這わされた。

 くちゅくちゅといやらしく響く水音で聴覚からも犯されていく。

「指、増やすね。痛かったら言ってね」

 クレオが頷くともう一本ロキの指が慎重に割り入ってきた。

 未知の圧迫感にさらに力がこもってしまう。

「力、抜いて」

 頬やこめかみにキスが降る。

 唇の柔らかさとロキの優しい声色に徐々にこわばりが解けていく。

 蜜壺の緊張がほぐれたところで再び指が動き始めた。

 うるんだ中はすぐに快楽を拾い始めた。

 襞がロキの指に絡みつき締め上げる。

 胸の愛撫も合わさりみるみる甘い声が零れ始めた。

 確実に昂っていくのを感じる。

 どんなに腰が揺れてもロキの指は離れず、的確に中の弱い部分ばかりを圧迫されるので気持ちよさが散らせない。

 急に訪れた鋭い刺激に一層甲高い声が零れた。

「ッ、ぁっ、そこ一緒にしちゃ……ッ!」

 ロキの親指が秘核をぐりぐりと押し潰している。

 充血してふくれたそこはびりびりと快感を生み出していく。

 押し寄せる悦に抗うことができず瞬く間に絶頂を迎え、入ったままのロキの指をぎゅうぎゅうと締めつけた。

「イくとこかわいい」

 掠れた声が耳元をくすぐるのさえ気持ちがいい。

「もうちょっと解した方がいいかな」

「え?」

 クレオの呼吸が整ってきたところでロキが言った。

 充分過ぎるほど丁寧に解されていると思っていたので、クレオは思わず聞き返していた。

「その……」

 ロキが気まずそうに言い淀んだ。

「想像してたよりクレアちゃんの中、狭くて……あと」

 ぐっと腰が押し付けられた。

「大きさが心配で……僕の」

 臀部に当たる質量は風呂で感じたものよりも存在感を増していた。

 男性は昂っているのに中断することは苦しいと聞いたことがある。

「試してみよう」

 初めて受け入れることに不安はあるが、それよりも大好きな彼を受け入れたい気持ちが勝った。

「でもクレオちゃんに痛い思いさせたくないし」

「たくさん解してくれたし、大丈夫かもしれないじゃない」

 思案顔のロキの頬を包んで視線を合わせる。

「私は今ロキとひとつになりたいと思ってる。ロキは違うの?」

「もちろん僕もそうだよ」

「なら決まり」

 ロキに触れるだけのキスを送った。

「ありがとうクレオちゃん。ゆっくりするから」



 
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪

奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」 「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」 AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。 そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。 でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ! 全員美味しくいただいちゃいまーす。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

ヤンデレ義父に執着されている娘の話

アオ
恋愛
美少女に転生した主人公が義父に執着、溺愛されつつ執着させていることに気が付かない話。 色々拗らせてます。 前世の2人という話はメリバ。 バッドエンド苦手な方は閲覧注意です。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。

待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。

日常的に罠にかかるうさぎが、とうとう逃げられない罠に絡め取られるお話

下菊みこと
恋愛
ヤンデレっていうほど病んでないけど、機を見て主人公を捕獲する彼。 そんな彼に見事に捕まる主人公。 そんなお話です。 ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

処理中です...