犬系バーテンダーは薬師の彼女を溺愛する

山吹花月

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　蜜口に押し付けられたイリオの先端がくっと入り込む。

　指とは比べ物にならない太さが入り口を押し開いた。

　先走って期待をした入り口がきゅっと締まる。

「っ……、エラさん、締めちゃだめですって」

　息を詰めたイリオが余裕なく眉を寄せながらも微笑む。

「ぁっごめん、痛かった？」

　無意識とはいえ彼を締め付けてしまった。

「逆です」

　膝裏が抱えられて開かれる。

「気持ち良すぎて、困ってます」

　困っているようには見えない雄々しい表情。

　熱のこもった視線で見下ろされる。

「すごく良いです、エラさん」

　じりじりと怒張が押し入ってきた。

　記憶にある彼の物よりも質量が多い気がする。

「ぁ、なんか、大き……」

　腹の中が満たされる感覚が心地よくて意識がふわふわする。

　思わず感じたことをそのまま言葉にしてしまった。

「っ」

　イリオの動きがぴたりと止まる。

　まだ彼のすべては入りきっていない。

「イリオ？」

「……エラさん、わざとやってます？」

　なんのことかわからない。

「煽るなって話です。ただでさえ久し振りに触れるから昂ってるのに」

「全然そう見えない」

　余裕があるとさえ思っていた。

「必死に隠してるんです」

「そうなの？」

　膝裏を掴むイリオの手に力がこもり、さらに足が開かれた。

　無防備に敏感な部分をさらしている自身の姿に羞恥が湧く。

「もう黙って。奥まで入りますよ」

　じりじりと彼の熱が割り入ってくる。

　ゆっくり内壁を擦られ押し入られてくる感覚が気持ち良い。

「エラさん」

　イリオが覆い被さってきた。

　体を寄せてくることでさらに奥へと入る。

　髪から頬を撫でられキスが降っていく。

　柔らかい唇が心地いい。

　下唇に淡く吸い付かれてぴくりと体が跳ねた。

　ふにふにとした感触が官能的に甘い。

　彼の舌先でちろちろと舐められる。

　ゆるく唇を開くとそのまま舌が押し入ってきた。

　熱くてざらざらして気持ちが良い。

　もっと欲しくて、ざらつきに懸命に自身の舌を絡める。

　キスで口内を愛されながら、彼の手が上半身を撫でる感触に気付く。

　夜着越しにくすぐられ、裾から両手が侵入してくる。

　すでに硬くなっているふたつの尖りが指に挟まれた。

　側面を擦られ、じくじくとした快感が湧く。

　合わさる唇の間からくぐもった吐息が零れた。

「っ……締まる」

　先端から与えられた快楽が腰へ落ち、咥え込んでいる彼の熱を圧迫してしまう。

「もっと気持ち良くしたい」

　イリオのキスが唇から顎を通って首筋をかすめる。

　夜着をめくられ、胸の先端へ吸い付かれた。

　濡れた舌が絡まりぞくぞくする。

　気持ち良くて、また中がきゅっと締まった。

　入ったままの彼の形がわかってしまいそうなほど、内側が震え締まる。

　乳首をねっとり舐め上げられ腰が揺れる。

　もどかしくなってしまった。

　なのに彼は腰を動かさない。

「ね、イリオ……」

「なんですか？」

　すっとぼけた返事が返ってくる。

「動いてくれないの？」

「まだです。もうちょっとさせてください」

　そう言って胸の愛撫へ戻る。

　じれったくてしょうがない。

　煽られた熱はくすぶり、中にも刺激が欲しくてたまらない。

「ねえ、イリオ……中」

「待って、もう少し」

「も……擦ってってば」

　羞恥に構っていられないほど腹の奥が疼いている。

　涙声のようになりながら彼に訴える。

「っ……もう、エラさんはほんとに。……はあ、やっぱりだめだな」

　彼が胸への愛撫をやめて体を起こした。

　膝を持ち上げ、ぐっと腰を押し付けられ最奥がわななく。

「もっとエラさんを気持ち良くしたかったけど、僕がもう限界になっちゃった」

「充分、気持ち良いってば」

　自身が焦れて限界なのを隠したくて、口調が少し強がったようになってしまった。

「もっとしたいんです、僕が。今度は頑張りますから」

　ゆっくり抽挿が始まる。

　待ち望んだ刺激にきゅっと中が痙攣した。

「また今度、もっととろとろにします」

　すぐに甘ったるい嬌声が洩れる。

「ここ、良さそうでしたよね？」

　指で押し上げられていた浅瀬を突かれる。

　腹の奥から悦が込み上げた。

　中はぎゅうぎゅうと彼の杭を締め付け、半開きの唇からは喘ぎが零れ続ける。

　イリオの手がエラの腹を撫でた。

「痛かったり苦しかったりしたら言ってくださいね？」

　彼の拳が下腹部に宛がわれ、ゆっくり押し込まれた。

「っ！」

　擦られる中が外から圧迫されて熱杭に押さえつけられる。

　そこを擦り上げられ余計に気持ち良い。

　声と痙攣が堪えられない。

「良さそうですね」

　エラの弱い部分ばかり穿たれる。

　追い立てられ、足に力が入り悦が溢れそうになったところで動きを止められた。

「奥も擦りますから」

　腕が引かれ体を起こされる。

　自身の体重が結合部に伝わり、さらに奥へ怒張が入り込む。

　奥に触れる張り出しが気持ち良い。

　愉悦で足が震えて自身の体を支えられない。

　彼の首にすがるが、最奥の良いところにずっと彼の先端が押し付けられて、もう自分の力だけでは体勢を保てなくなっていた。

　ゆるく揺すられているだけなのに、中が快楽で満ちて痙攣を続ける。

　背と臀部を支えているイリオの両手がなければ倒れてしまいそう。

　必死で彼の首元へ腕を巻きつけ刺激を受け入れる。

「耳元で喘がれると、無理っ」

　突如両手で腰を掴まれピストンが激しくなる。

　奥の弱いところばかり穿たれ、みるみる熱が溜まっていく。

　なすすべなく激しく突き上げられ嬌声を零すことしかできない。

　じらされつくした体は歓喜に震え、すぐに達して彼を締め続ける。

「もう少し、ですからっ」

　果てるエラをイリオは穿ち続けた。

　一度絶頂したのに何度も甘くゆるく果て続けている。

　イリオが息を詰める気配がし、一層激しく突かれ彼の動きが止まる。

　どくどくと震える怒張を蜜壺で感じた。

「ッエラさん……。好きです、エラさん」

　息も整わないまま荒々しく唇が貪られた。

「好き……大好き」

　切実な声で呼ばれ、きゅうと心臓が締め付けられた気がした。

　イリオに応えたくてキスを返す。

　さらに甘く吸い付く口付け。

　快楽の余韻に浸る心地よい時間が過ぎていった。

　

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