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 向かい合って座り、互いの肌が密着している。

 下着の隙間から指が侵入してきて、うるむ入り口をゆるく擦られた。

 動かしにくいのかぎこちない指使い。

 逆にもどかしくて煽られる。

「もう濡れてますね。下着、脱ぎましょうか」

 促されるがまま両足を抜いていく。

「背中にクッションを敷いて、ちょっと体起こしましょうか」

 夜着の裾だけめくられ、彼の前に秘められた場所をさらす体勢になる。

「そのまま、愛されるとこ見ててください」

 入り口を、わざと水音が立つようにさすられる。

 完全に寝そべっているわけではないので、イリオが蜜口をいじる様子がしっかりと見えた。

 淡く沸いていたもどかしさが、次第に色濃い官能へと変わっていく。

 ただ、割れ目の蕾や中で得られる快感と比べるとささやかな刺激。

 物足りなくて、すぐに最奥がじれったくなって腰が揺れる。

「襞が指に吸い付いてくる」

 ひくつき始めたそこを撫でながら、うっとりした声色でイリオが呟いた。

 入りそうで入らないぎりぎりの部分を何度も彼の指が往復していく。

「すごくとろとろですね」

 イリオが、エラの愛液をまとう自身の指をまじまじ見つめる。

 もちろんエラ自身にもよく見える位置で。

「ほら、これ全部エラさんから」

 改めて見せつけられる。

 かっと頬に熱が集まる感覚がした。

「も……やめてよ……」

 両手で彼の手を抑え込み、視界から隠す。

「照れてる顔、可愛い」

 額に触れるだけのキスが降り、愛撫が再開される。

 入り口をゆったり撫でる指に反応し腰が揺れた。

 びくびく震えてしまう振動で、たくし上げられた夜着の裾が秘処へ落ちる。

「エラさん。服、持っててください」

 再び裾を持ち上げたイリオにそのまま握らされる。

「よく見えます」

 自分で服をめくり生肌を晒すのはなかなかに羞恥を煽られる。

「そのままで」

 彼の指が浅瀬に潜り込む。

 少しの圧迫感、それすら気持ち良い。

 イリオの節張った指を中へいざなうように襞が蠢く。

「少し狭くなってるのかな」

 丹念に入り口のすぐ中をほぐされていく。

「自分でしたりしないんですか?」

 穏やかに動く指はそのままに問いかけられる。

「っ、しな、い……」

「そうなんですね」

 少し残念そうな声色で彼が答える。

「ちょっと見てみたかったな。エラさんが自分でしてるとこ」

 思わず情景を想像してしまう。

「あれ? 締まりましたよ?」

 羞恥とわずかな期待が渦巻き体が反応押した。

「今からしてみます?」

「っしな、い……」

「残念です。また今度」

 さりげなくいつかすることにされてしまった。

 その間もイリオの指は休むことなく動き続けている。

 撫でたり押さえたり、隅々まで丹念に触れられていく。

 なのに浅い部分から一向に押し入ってこない。

 本当はもっと奥に欲しいのに。

 無意識に腰が揺れて指を奥へ誘い込もうとしてしまう。

「こら。まだです」

 空いた方の彼の手が割れ目の先へ伸びる。

「勝手に入れちゃわないように、押さえてますね」

 充血した蕾に彼の親指が宛がわれた。

「ッッ……!」

 強烈な快感に貫かれ背が仰け反る。

 押し潰され、くりくりと左右に弄ばれた。

 焦らされた分感じる愉悦が大きくなっている。

 核を擦られるたびに腰が跳ねびりびり痺れた。

 入り口にきゅっと力が入って彼の指を締め付ける。

「中、きついですね。奥も触りますよ」

 締め付けの中を彼の指が掻き分けていく。

 じわじわと奥に進みながら、余すところなく内壁を擦られる。

 イリオの指がざらつきの中、ぷくりとした一点に辿り着いた。

 内側からぐっと押し上げられると同時に表の粒が圧迫される。

 浮き上がる腰を押さえられ動かせない。

 内外同時に刺激され、みるみる腹の奥に熱さが溜まっていく。

 溢れそうになる快感。

 直接的な刺激が強すぎて身を捩るが逃げ場はない。

 避けることを許されない悦を与え続けられ、果ての気配がする。

 中の指をぎゅうぎゅうと締め、体が力んで呼吸が上がってきた。

「まだです、エラさん」

 急に刺激が止められた。

 あともう一歩で溢れそうな快楽が中断されてしまう。

「ぁ、ぅ……イリ、オ」

 中途半端に残された熱がちりちりくすぶり、涙声のような吐息が洩れる。

 荒い息をするエラをそのままにし、彼が避妊具を準備して自身の熱杭に施す。

「まだ足りません。もっとエラさんをとろとろにしたい」

 硬い怒張が濡れそぼる蜜口に押し当てられた。

 寸止めをされた体はすぐに彼へ吸い付く。

「もっと僕を感じてください」
 
 
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