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第一二話 勇武転入試験 〇二
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「黄色は……正直合ってねえな……転入決まったら正式なスーツ作るだろうし、アタシの知ってるデザイン事務所紹介してやるよ」
「……お願いします……」
筆記試験はそれほど難しくなく、一般知識などの問題が多く採用されており、一時間程度で無事終了した……緊張することもなく普通に考えれば解けるレベルだったのはありがたかった。
問題は……次の実技試験、模擬戦闘方式で転入希望者同士の対戦が待っており、僕は試験用に希望者へ貸し出されている模擬戦闘用のヒーロースーツ……黄色いスーツを着用している。
これは実際にヒーローが着用しているスーツと同じ素材で作られており、伸縮性が高く破れにくい特殊な合成繊維で作られていると説明を受けている。
ただ、千景さんが苦笑しながら僕の着用しているお試しスーツを摘んだりしているのを見ると、相当に似合っていないのだろうな……お試しだから仕方ない、うん。
「ショックウェーブの推薦者、海棠 伊万里の登録されている才能は水流……注釈では体から水を放射できる能力の持ち主だそうだ」
「水流?! 放射するって言ってもヒーローでは、絶対いないレベルで普通の能力ですよね?」
「水を出すという才能の持ち主は一般人に多いから参考にならないし、特性的にも攻撃的ではないからな……ショックウェーブは何考えてやがるんだ」
千景さんが眉を顰めてスマートフォンの画面を見ているが、確かに水流を持っている人でも、手のひらから水を出すのが精一杯という人しか見たことないな。
液体能力保持者の体内で生成できる水は外部からある程度補充をしておかないと、脱水症状を起こすという欠点があり、人間水筒のような扱いもできないという話だったはずだ。
青い髪の綺麗な横顔を思い出して、少しだけドキッとする……あんなに綺麗な横顔をした女性は今までほとんど見たことがなかった……正直あの子に拳を叩き込めるような自信は僕にはない。
「……千裕、いいから無心で拳を叩き込め、どうせ傷なんか治癒能力者がいれば簡単に治せるし、お前らの命の危険に関わるような戦いはさせねえよ」
千景さんが少し表情の曇った僕を見て、軽く小突いてくる……お見通しのようだ。僕は千景さんに頷くと、深く息を吸い込む……ファイアスターターとの戦いの際をずっと思い返していて、僕はあの時呼吸の仕方を変えていたことに最近気がついた。
なんというか……普通に呼吸しているのではなく、魂の奥底まで呼吸を取り入れ、そして身体中に染み渡るように吐き出す……真の意味で深い呼吸をしていたような気がする。
「ふううううっ……なんとなくですけど、落ち着きました……」
「そういやお師匠様も言ってたな……ピンチの時こそ深く静かに呼吸しろって……そこにヒントがあるかもしれねえな……千裕、頑張れよ」
「はいっ!」
「ふーむ……今回の推薦者は二名……一人は水流、もう一人は強化ね……普通すぎるな……」
勇武高等学園二年白組担当教員である一級ヒーロー、ハイプレッシャー……本名雄蛭木 克巳は手元のタブレットを操作しながら転入希望者のデータを眺めている。
今回の転入希望者の能力次第では彼が受け持つことになっているため、相当真剣にパーソナルデータを読み返すが、そこに書かれている文字はごく普通……これでヒーローを目指すというのか? どういうことなんだ?
そこへ、ヒーロースーツを着用したライトニングレディ……千景が右側にドカリと腰を下ろし、左にはショックウェーブ……茅萱が座ったことで左右を見て困った表情を浮かべ、慌てたように二人に話しかける。
「あ、あの……なんで自分の両隣に座るんですか? 席……他の場所も空いてますよね?」
「あ? ここが空いてたのとムカつくやつの隣に座りたくねえんだよ、お前盾になれや」
「ええ……? 盾って……」
千景が煽るような表情で雄蛭木を挟んで茅萱の顔を見ながら答えるが、彼はそんな言葉もどこ吹く風で流している。
大きくため息をつくと、雄蛭木は再びタブレットに視線を動かすが……千景が舌打ちしながら、自分を挟んで茅萱を睨みつけていることに気がついて、流石に助け舟を求めて茅萱の脇腹に軽く肘を当てる。
茅萱はそれに気がつくと両肩をすくめるような仕草をしながら千景の方向は見ずに彼女へと話しかけた。
「ライトニングレディ……そんな言葉遣いでは愛されるヒーローになれないよ」
「はっ……アタシの評価知ってんだろ? 時代遅れとか腕力バカとか、ネット見たらそんな評価しか乗ってねえよ」
「それでも君はファイアスターターを倒して、実力を示したじゃないか。俺は尊敬してますよ……速度と格闘しか能がないって言ってもね」
「あ?! 何偉そうにアオりくれてんだ……今ここでお前をブチのめしてもいいんだぜ?」
「ま、まった! お二人が転入生より先に退場になりますよ!? 落ち着いてください!」
立ち上がった千景の体に軽く電流のようなものが走り、それと同時に茅萱の表情が変わるとゆっくりと立ち上がるが……真ん中に座っている雄蛭木は慌てた様子で立ち上がると二人に落ち着くようにと仕草で促し、少しの間睨み合っていた二人が軽く息を吐いてから黙って席に座り直す。
舌打ちをして別の方向を見る千景と、黙って試合会場を見つめる茅萱……なんでもうこの二人は仲が悪いんだ……胃が痛くなるような気分で雄蛭木は座ると、再びタブレットに目を通し始める。
「……才能だけ見るととても推薦に値するような二人に見えないのですが……何か理由があるのでしょうか?」
「そりゃあるに決まってんだろ」
「ありますよ、ちゃんとね……」
千景と茅萱が同時に雄蛭木に答え、それに気がついた二人がお互いの顔を見合わせてから再びイラついたように別の方向を向く……雄蛭木はその二人の反応を見て何を考えているかはわからないが、どうやら隠し球を持っている希望者なのだ、ということに気がつく。
強化……肉体を強化し、筋力や脚力を上昇させるいわゆるバフ系の才能で、その能力の強度によってはスポーツ選手などに推薦される才能だ。
ただ一般的には超強力な才能とはみなされておらず、ヒーローとして登録されているものもいるが、現在では重いものを持ち上げる救助や、怪我人を抱えて走ったりという裏方に近い仕事をこなすものが多い。
水流……体内の水分および摂取した水を利用して、水を生成することができる才能で、一般的にも比較的メジャーな能力の一つだ。
通常摂取した水の量に応じて同じ量の水を生成できると言われていて、体内の水分を使うことで生成する水を増やすこともできるが、使いすぎると脱水症状を起こす。
はっきり言って攻撃的な才能ではないため、この能力でヒーローになったものは過去一人も存在していない。
「つまり書かれてる情報にはないものがある……とお二人はおっしゃるのですか?」
雄蛭木がタブレットから顔をあげて、左右に座る超級ヒーローに話しかけるが千景は黙って頷き、茅萱は満足そうに頷く……確かに海棠候補生の注釈に水を放射できる、と書かれているが一般的に考えても水流で生成できる水の量は摂取した水の量に比例するため攻撃手段とはならないはずだ。
だが茅萱は試験場へと入ってくる青い試験用スーツ姿の海棠 伊万里を見つめて不敵に笑う……その表情にはお茶の間で見せている人気者のヒーローとは違う、そんな余裕の表情を浮かべている。
「まあ、見ててください……伊万里はね、一般的な能力ではない逸脱した能力の持ち主……逸脱者なんですよ」
「……お願いします……」
筆記試験はそれほど難しくなく、一般知識などの問題が多く採用されており、一時間程度で無事終了した……緊張することもなく普通に考えれば解けるレベルだったのはありがたかった。
問題は……次の実技試験、模擬戦闘方式で転入希望者同士の対戦が待っており、僕は試験用に希望者へ貸し出されている模擬戦闘用のヒーロースーツ……黄色いスーツを着用している。
これは実際にヒーローが着用しているスーツと同じ素材で作られており、伸縮性が高く破れにくい特殊な合成繊維で作られていると説明を受けている。
ただ、千景さんが苦笑しながら僕の着用しているお試しスーツを摘んだりしているのを見ると、相当に似合っていないのだろうな……お試しだから仕方ない、うん。
「ショックウェーブの推薦者、海棠 伊万里の登録されている才能は水流……注釈では体から水を放射できる能力の持ち主だそうだ」
「水流?! 放射するって言ってもヒーローでは、絶対いないレベルで普通の能力ですよね?」
「水を出すという才能の持ち主は一般人に多いから参考にならないし、特性的にも攻撃的ではないからな……ショックウェーブは何考えてやがるんだ」
千景さんが眉を顰めてスマートフォンの画面を見ているが、確かに水流を持っている人でも、手のひらから水を出すのが精一杯という人しか見たことないな。
液体能力保持者の体内で生成できる水は外部からある程度補充をしておかないと、脱水症状を起こすという欠点があり、人間水筒のような扱いもできないという話だったはずだ。
青い髪の綺麗な横顔を思い出して、少しだけドキッとする……あんなに綺麗な横顔をした女性は今までほとんど見たことがなかった……正直あの子に拳を叩き込めるような自信は僕にはない。
「……千裕、いいから無心で拳を叩き込め、どうせ傷なんか治癒能力者がいれば簡単に治せるし、お前らの命の危険に関わるような戦いはさせねえよ」
千景さんが少し表情の曇った僕を見て、軽く小突いてくる……お見通しのようだ。僕は千景さんに頷くと、深く息を吸い込む……ファイアスターターとの戦いの際をずっと思い返していて、僕はあの時呼吸の仕方を変えていたことに最近気がついた。
なんというか……普通に呼吸しているのではなく、魂の奥底まで呼吸を取り入れ、そして身体中に染み渡るように吐き出す……真の意味で深い呼吸をしていたような気がする。
「ふううううっ……なんとなくですけど、落ち着きました……」
「そういやお師匠様も言ってたな……ピンチの時こそ深く静かに呼吸しろって……そこにヒントがあるかもしれねえな……千裕、頑張れよ」
「はいっ!」
「ふーむ……今回の推薦者は二名……一人は水流、もう一人は強化ね……普通すぎるな……」
勇武高等学園二年白組担当教員である一級ヒーロー、ハイプレッシャー……本名雄蛭木 克巳は手元のタブレットを操作しながら転入希望者のデータを眺めている。
今回の転入希望者の能力次第では彼が受け持つことになっているため、相当真剣にパーソナルデータを読み返すが、そこに書かれている文字はごく普通……これでヒーローを目指すというのか? どういうことなんだ?
そこへ、ヒーロースーツを着用したライトニングレディ……千景が右側にドカリと腰を下ろし、左にはショックウェーブ……茅萱が座ったことで左右を見て困った表情を浮かべ、慌てたように二人に話しかける。
「あ、あの……なんで自分の両隣に座るんですか? 席……他の場所も空いてますよね?」
「あ? ここが空いてたのとムカつくやつの隣に座りたくねえんだよ、お前盾になれや」
「ええ……? 盾って……」
千景が煽るような表情で雄蛭木を挟んで茅萱の顔を見ながら答えるが、彼はそんな言葉もどこ吹く風で流している。
大きくため息をつくと、雄蛭木は再びタブレットに視線を動かすが……千景が舌打ちしながら、自分を挟んで茅萱を睨みつけていることに気がついて、流石に助け舟を求めて茅萱の脇腹に軽く肘を当てる。
茅萱はそれに気がつくと両肩をすくめるような仕草をしながら千景の方向は見ずに彼女へと話しかけた。
「ライトニングレディ……そんな言葉遣いでは愛されるヒーローになれないよ」
「はっ……アタシの評価知ってんだろ? 時代遅れとか腕力バカとか、ネット見たらそんな評価しか乗ってねえよ」
「それでも君はファイアスターターを倒して、実力を示したじゃないか。俺は尊敬してますよ……速度と格闘しか能がないって言ってもね」
「あ?! 何偉そうにアオりくれてんだ……今ここでお前をブチのめしてもいいんだぜ?」
「ま、まった! お二人が転入生より先に退場になりますよ!? 落ち着いてください!」
立ち上がった千景の体に軽く電流のようなものが走り、それと同時に茅萱の表情が変わるとゆっくりと立ち上がるが……真ん中に座っている雄蛭木は慌てた様子で立ち上がると二人に落ち着くようにと仕草で促し、少しの間睨み合っていた二人が軽く息を吐いてから黙って席に座り直す。
舌打ちをして別の方向を見る千景と、黙って試合会場を見つめる茅萱……なんでもうこの二人は仲が悪いんだ……胃が痛くなるような気分で雄蛭木は座ると、再びタブレットに目を通し始める。
「……才能だけ見るととても推薦に値するような二人に見えないのですが……何か理由があるのでしょうか?」
「そりゃあるに決まってんだろ」
「ありますよ、ちゃんとね……」
千景と茅萱が同時に雄蛭木に答え、それに気がついた二人がお互いの顔を見合わせてから再びイラついたように別の方向を向く……雄蛭木はその二人の反応を見て何を考えているかはわからないが、どうやら隠し球を持っている希望者なのだ、ということに気がつく。
強化……肉体を強化し、筋力や脚力を上昇させるいわゆるバフ系の才能で、その能力の強度によってはスポーツ選手などに推薦される才能だ。
ただ一般的には超強力な才能とはみなされておらず、ヒーローとして登録されているものもいるが、現在では重いものを持ち上げる救助や、怪我人を抱えて走ったりという裏方に近い仕事をこなすものが多い。
水流……体内の水分および摂取した水を利用して、水を生成することができる才能で、一般的にも比較的メジャーな能力の一つだ。
通常摂取した水の量に応じて同じ量の水を生成できると言われていて、体内の水分を使うことで生成する水を増やすこともできるが、使いすぎると脱水症状を起こす。
はっきり言って攻撃的な才能ではないため、この能力でヒーローになったものは過去一人も存在していない。
「つまり書かれてる情報にはないものがある……とお二人はおっしゃるのですか?」
雄蛭木がタブレットから顔をあげて、左右に座る超級ヒーローに話しかけるが千景は黙って頷き、茅萱は満足そうに頷く……確かに海棠候補生の注釈に水を放射できる、と書かれているが一般的に考えても水流で生成できる水の量は摂取した水の量に比例するため攻撃手段とはならないはずだ。
だが茅萱は試験場へと入ってくる青い試験用スーツ姿の海棠 伊万里を見つめて不敵に笑う……その表情にはお茶の間で見せている人気者のヒーローとは違う、そんな余裕の表情を浮かべている。
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