9 / 45
第九話 千景お姉さんは怒ってます
しおりを挟む
「龍使い……あれはマジでお師匠様と同じ……本当に、この子……」
腕の中で眠る千裕の頭をそっと撫でながら、千景……ライトニングレディは信じられないものを見た気分でいた。
十七年前に失ったはずの龍使い……確信はしていたが、本当に彼女が探し続けた才能を持っていた……私はやっとお師匠様の後継者を見つけたんだ。
周りでは、気絶したファイアスターターを拘束する警官や、喧騒に気がついた近所の野次馬が集まってきているが、彼女自身は呆然とした気分で千裕を見つめている。
ぼうっとした様子のライトニングレディを見て心配そうな顔をしている警官たちもいる中、旧知でもある担当刑事東風 松葉が彼女へと話しかける。
「ライトニングレディ……事情聴取に協力してくれ、それと彼を病院に連れて行きたいけど……任せてもらっていいかい?」
「ああ……東風刑事……息はしてるからひどく疲労してるだけだと思うよ……その子を頼むよ」
ライトニングレディは名残惜しそうに担架に乗せられて救急車へと運ばれていく千裕を見ており、東風は不思議そうな顔をして彼女を見ていたが、それとは別に超級ヒーローであるライトニングレディを憧れの目で見つめる若い警察官たちを手で追い払っていく。
パトカーへと移動すると、彼女にポケットから取り出した缶コーヒーを手渡し、周りに誰もいないことを確認してから、少しトーンを落とした声でライトニングレディへと話しかける。
「……なあ、ファイアスターターは君が倒したことにするとしても……あの高校生、彼は何者だ? 夜の公園で二人きりって、まさかとは思うけど、変なことしてないだろうな?」
「し、してないッ! アンタ私のことなんだと思ってるの?!」
ヒーローとして豪放磊落なイメージを持つが、それとは裏腹に超奥手で繊細な素顔をしているライトニングレディ……いや千景がそういうことをしてないことは理解しつつも、東風は一応確認する。
千景は真っ赤になって否定するが、慌てっぷりが酷かったため、ジト目で千景を見る東風……同い年で元々高校の同級生だった二人は付き合いも長く、お互いを信頼しているため本音で話すことができる数少ない人物でもある。
「……本当かよ? まあ、お前はそういう遊びとかできなさそうだしな……信じるよ」
「心配かけてごめん……実は勇武に……」
「ん? お前の今の職場だったっけ」
「勇武に転入させるつもりだった……彼の才能……龍使いなの」
その言葉に東風が手に持った缶コーヒーを取り落としそうになり、慌てて掴み直すが……千景は下を向いたままもじもじと、ライトニングレディのイメージとはかけ離れた仕草で恥ずかしそうな顔をしている。
東風は龍使いという言葉を聞いて、一人の男性を思い出した……竜胆 刃……十七年前にヴィランの王との戦闘で命を落とした初代龍使い……千景の才能を見抜き弟子とした他、警察などの公的機関などと連携し、数多くのヴィランを検挙した英雄的存在。
「ま、マジか……十七年探しても見つからなかったってのに……」
「……だから私が鍛えている……勇武で預かって守るために……」
「……でもなんで今頃……お前があれだけ探したってのに……」
東風は訳がわからないという表情で千景に尋ねるが、彼女も黙って首を振るだけだ……確かに表立って龍使いを探し回ったわけではない。
才能検査の検査結果などは希望すれば千景と同じ超級ヒーローだけでなく、一級ヒーローからもチェックすることができるシステムが出来上がっている。
だが……なぜかこの龍使いだけは見つけることができなかった……東風は一つの仮説に気が付き、ハッとして口を覆う。
「まさか……隠されていた? もしくは意図的に改竄されている?」
千景も黙って頷く……何者かが秋楡 千裕という個人の才能情報を改竄、もしくは隠蔽している可能性……それはヴィランの手が才能協会まで伸びているという事実。
味方だと思っていた協会内に潜む悪意……ヒーローとヴィランとの直接的な戦いだけではない、見えない敵の存在……東風は深くため息をつき、千景に尋ねる。
「……俺がヴィラン側だったらどうするつもりだ、警察もそんなに身綺麗ではないぞ」
「……それはない、松葉のことは私が一番わかっている。あなたは私を裏切らない……」
千景の真剣な目を見て、東風は再びため息をつくと、苦笑いを浮かべる……まだ高校生だった頃からの付き合い、初代龍使いに見出された彼女が泣き虫だった自分を克服して成長し、前をまっすぐ見つめる姿を見てきたからこそ、彼女に惹かれヒーローと刑事という立場ながら、ずっとそばにいた彼自身だ。
彼女を裏切るような、失望させるようなことはない……それ以上に彼自身が千景のために、ずっと彼女を見てきた人間として、信じてもらえるように生きているのだから。
「……ありがとう、君に信じてもらえるのは嬉しいよ……だが彼のこと、少し偽装工作が必要になるな……改竄までしてくる相手だ、彼がそのまま龍使いなんて公表できないだろう? 俺の伝手で信頼できる人がいるから色々動いてもらおう」
「はーい、優しくて綺麗な千景お姉さんは怒ってまーす、なぜなら千裕君がいうこと聞かなかったからでーす」
「ぎゃああああ! 折れる! 折れますって!」
笑顔を浮かべた千景さんが僕の体をアルゼンチンバックブリーカーの体勢で逆海老反りに固めている……メリメリと音を立てて背骨が軋む。ファイアスターターとの戦いの後、気絶した僕は病院で目を覚まし……東風刑事から事のあらましを聞くことになった。
ファイアスターターはライトニングレディが倒したことになったこと……これはヒーロー免許のない僕が殴り倒したことになると、ヒーロー協会が定めた規則、そして日本国の法規的にまずいことになるから、と説明を受けている。
「千裕くんはー、アタシの言うこと聞かずに危険なことしたのでー、とりあえず死刑でーす」
「千景さん、まじストップ! 死んじゃう!」
千景さんが本当に僕のことを心配していたよ、と東風刑事から聞いていたものの、病院で意識が戻った後千景さんは何度も僕のことを小突いていて、相当怒っているのがわかった……。
だが、ある程度手加減もしてくれているし、病院送りになった後も両親に必死に土下座をしていたことも聞いているので……優しいんだなとは理解している。
「いやでーす、千景さん本当に怒ってるんでー……本当に……言うこと聞いて逃げろよ馬鹿野郎……ッ!」
「千景……その辺で許してあげなよ……」
千景さんの力が緩む……彼女の悲しそうな表情を見てしまい、僕も多少申し訳ないな、という気持ちになるが彼女の馬鹿力で関節はキメられており、折れちゃいそうなので僕は必死に彼女の腕を叩く。
東風刑事が苦笑いを浮かべながら、千景さんを宥めるが……彼女が目に涙を溜めながら僕の関節をキメ続けるのを止めない。
ため息をつくと……急に真面目な顔になって東風刑事は関節をキメられ続ける僕に話しかけてきた。
「とりあえず、まあ千景の気持ちが晴れるまではそのままだけどさ……事情があって君の才能を別のものに偽装しておく必要があるんだ、当分はこちらで用意したこの……『強化』って名乗るといい。この才能は所持者が多くてバレにくいよ……特性としても速度とパワーを兼ね備えたものだって思うさ」
腕の中で眠る千裕の頭をそっと撫でながら、千景……ライトニングレディは信じられないものを見た気分でいた。
十七年前に失ったはずの龍使い……確信はしていたが、本当に彼女が探し続けた才能を持っていた……私はやっとお師匠様の後継者を見つけたんだ。
周りでは、気絶したファイアスターターを拘束する警官や、喧騒に気がついた近所の野次馬が集まってきているが、彼女自身は呆然とした気分で千裕を見つめている。
ぼうっとした様子のライトニングレディを見て心配そうな顔をしている警官たちもいる中、旧知でもある担当刑事東風 松葉が彼女へと話しかける。
「ライトニングレディ……事情聴取に協力してくれ、それと彼を病院に連れて行きたいけど……任せてもらっていいかい?」
「ああ……東風刑事……息はしてるからひどく疲労してるだけだと思うよ……その子を頼むよ」
ライトニングレディは名残惜しそうに担架に乗せられて救急車へと運ばれていく千裕を見ており、東風は不思議そうな顔をして彼女を見ていたが、それとは別に超級ヒーローであるライトニングレディを憧れの目で見つめる若い警察官たちを手で追い払っていく。
パトカーへと移動すると、彼女にポケットから取り出した缶コーヒーを手渡し、周りに誰もいないことを確認してから、少しトーンを落とした声でライトニングレディへと話しかける。
「……なあ、ファイアスターターは君が倒したことにするとしても……あの高校生、彼は何者だ? 夜の公園で二人きりって、まさかとは思うけど、変なことしてないだろうな?」
「し、してないッ! アンタ私のことなんだと思ってるの?!」
ヒーローとして豪放磊落なイメージを持つが、それとは裏腹に超奥手で繊細な素顔をしているライトニングレディ……いや千景がそういうことをしてないことは理解しつつも、東風は一応確認する。
千景は真っ赤になって否定するが、慌てっぷりが酷かったため、ジト目で千景を見る東風……同い年で元々高校の同級生だった二人は付き合いも長く、お互いを信頼しているため本音で話すことができる数少ない人物でもある。
「……本当かよ? まあ、お前はそういう遊びとかできなさそうだしな……信じるよ」
「心配かけてごめん……実は勇武に……」
「ん? お前の今の職場だったっけ」
「勇武に転入させるつもりだった……彼の才能……龍使いなの」
その言葉に東風が手に持った缶コーヒーを取り落としそうになり、慌てて掴み直すが……千景は下を向いたままもじもじと、ライトニングレディのイメージとはかけ離れた仕草で恥ずかしそうな顔をしている。
東風は龍使いという言葉を聞いて、一人の男性を思い出した……竜胆 刃……十七年前にヴィランの王との戦闘で命を落とした初代龍使い……千景の才能を見抜き弟子とした他、警察などの公的機関などと連携し、数多くのヴィランを検挙した英雄的存在。
「ま、マジか……十七年探しても見つからなかったってのに……」
「……だから私が鍛えている……勇武で預かって守るために……」
「……でもなんで今頃……お前があれだけ探したってのに……」
東風は訳がわからないという表情で千景に尋ねるが、彼女も黙って首を振るだけだ……確かに表立って龍使いを探し回ったわけではない。
才能検査の検査結果などは希望すれば千景と同じ超級ヒーローだけでなく、一級ヒーローからもチェックすることができるシステムが出来上がっている。
だが……なぜかこの龍使いだけは見つけることができなかった……東風は一つの仮説に気が付き、ハッとして口を覆う。
「まさか……隠されていた? もしくは意図的に改竄されている?」
千景も黙って頷く……何者かが秋楡 千裕という個人の才能情報を改竄、もしくは隠蔽している可能性……それはヴィランの手が才能協会まで伸びているという事実。
味方だと思っていた協会内に潜む悪意……ヒーローとヴィランとの直接的な戦いだけではない、見えない敵の存在……東風は深くため息をつき、千景に尋ねる。
「……俺がヴィラン側だったらどうするつもりだ、警察もそんなに身綺麗ではないぞ」
「……それはない、松葉のことは私が一番わかっている。あなたは私を裏切らない……」
千景の真剣な目を見て、東風は再びため息をつくと、苦笑いを浮かべる……まだ高校生だった頃からの付き合い、初代龍使いに見出された彼女が泣き虫だった自分を克服して成長し、前をまっすぐ見つめる姿を見てきたからこそ、彼女に惹かれヒーローと刑事という立場ながら、ずっとそばにいた彼自身だ。
彼女を裏切るような、失望させるようなことはない……それ以上に彼自身が千景のために、ずっと彼女を見てきた人間として、信じてもらえるように生きているのだから。
「……ありがとう、君に信じてもらえるのは嬉しいよ……だが彼のこと、少し偽装工作が必要になるな……改竄までしてくる相手だ、彼がそのまま龍使いなんて公表できないだろう? 俺の伝手で信頼できる人がいるから色々動いてもらおう」
「はーい、優しくて綺麗な千景お姉さんは怒ってまーす、なぜなら千裕君がいうこと聞かなかったからでーす」
「ぎゃああああ! 折れる! 折れますって!」
笑顔を浮かべた千景さんが僕の体をアルゼンチンバックブリーカーの体勢で逆海老反りに固めている……メリメリと音を立てて背骨が軋む。ファイアスターターとの戦いの後、気絶した僕は病院で目を覚まし……東風刑事から事のあらましを聞くことになった。
ファイアスターターはライトニングレディが倒したことになったこと……これはヒーロー免許のない僕が殴り倒したことになると、ヒーロー協会が定めた規則、そして日本国の法規的にまずいことになるから、と説明を受けている。
「千裕くんはー、アタシの言うこと聞かずに危険なことしたのでー、とりあえず死刑でーす」
「千景さん、まじストップ! 死んじゃう!」
千景さんが本当に僕のことを心配していたよ、と東風刑事から聞いていたものの、病院で意識が戻った後千景さんは何度も僕のことを小突いていて、相当怒っているのがわかった……。
だが、ある程度手加減もしてくれているし、病院送りになった後も両親に必死に土下座をしていたことも聞いているので……優しいんだなとは理解している。
「いやでーす、千景さん本当に怒ってるんでー……本当に……言うこと聞いて逃げろよ馬鹿野郎……ッ!」
「千景……その辺で許してあげなよ……」
千景さんの力が緩む……彼女の悲しそうな表情を見てしまい、僕も多少申し訳ないな、という気持ちになるが彼女の馬鹿力で関節はキメられており、折れちゃいそうなので僕は必死に彼女の腕を叩く。
東風刑事が苦笑いを浮かべながら、千景さんを宥めるが……彼女が目に涙を溜めながら僕の関節をキメ続けるのを止めない。
ため息をつくと……急に真面目な顔になって東風刑事は関節をキメられ続ける僕に話しかけてきた。
「とりあえず、まあ千景の気持ちが晴れるまではそのままだけどさ……事情があって君の才能を別のものに偽装しておく必要があるんだ、当分はこちらで用意したこの……『強化』って名乗るといい。この才能は所持者が多くてバレにくいよ……特性としても速度とパワーを兼ね備えたものだって思うさ」
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる