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第二四八話 シャルロッタ 一六歳 大感染の悪魔 〇八
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「……嫌な視線じゃ……無粋でいけ好かない下衆めが」
六情の悪魔フェリピニアーダが突然そう吐き捨てたのを聞いて、聖女ソフィーヤ・ハルフォードはギョッとした顔で振り返る。
第二階位の悪魔はこの世界に顕現することはこれまでない……自ら召喚した存在としては強力かつ強大すぎるフェリピニアーダの機嫌を損ねた場合、どういう災厄が降りかかるか想像すらできないのだ。
だが、ソフィーヤはこの強大なる六情の悪魔を召喚したことに満足感は覚えている、世界初の快挙と言っても良いのだから。
「どうかした? フェリピニアーダ」
「……神聖なる魔力を持つものが妾を見ておってな……不快なことじゃ」
魔力を遮断して自分を見ているものからの視線を遮ったとはいえ、その存在はかなり厄介だなと彼女は考えていた。
少し前に同格たる大感染の悪魔が顕現していたはずなのだが、今その魔力が消失しておりおそらくではあるが倒されたのだとフェリピニアーダは理解している。
同格の悪魔を倒す存在……相手も消耗しているだろうが、ここで聖女を守りながら戦うのは不利であると判断しての行動だった。
悪魔は目の前の聖女に応じてこの世界へと顕現した、だが今の聖女は自分と同格ではない……それ故に守るべき対象となっている。
「安心せい、妾がいれば大抵の連中は退けることができよう」
「……そうね、貴女は強いわ」
「それがわかるだけ十分優秀じゃなお主は」
ソフィーヤはその言葉に微笑むとのんびりと前を歩いていく……その光景を見ていた神聖騎士団の騎士たちは自らが崇める聖女の背後にいる不気味な怪物の姿に一瞬驚いたように目を見開くが、すぐに敵意をおさめて黙って頭を下げた。
不気味な悪魔の姿だが、聖女が呼び出した存在が邪悪であるはずがないという思い込みなのか、それとも職務に忠実なのか……そのどちらもあっているのだろう。
その光景が滑稽に見えフェリピニアーダはくすくすと笑うと、バカにしたような目で彼らを見つめソフィーヤへと話しかけた。
「……クハハッ! こやつら面白いのぉ……内面でせめぎ合っておる」
「神聖騎士団はお父様の軍隊ですから……それに聖女たる私を裏切ることなど決していないわ」
「それは随分と忠実な軍じゃな、で? 今お前の軍は負けそうになっているのか?」
フェリピニアーダの言葉にソフィーヤは面白くなさそうな表情を浮かべて小声で「そうよ」とだけ伝えた……今現在第二王子派が不利な状況にあることは変わりない。
状況の好転を図って悪魔を召喚したが、第二王子クリストフェル・マルムスティーンの手によって滅ぼされた。
勇者の器、それは聖教においては聖女とともに世界を救うとされる最強の存在……だが器という言葉が示す通り、勇者そのものではなく勇者たりえる人物であるという証でしかない。
過去の何人もの器が認定されたが、その全てが悲劇的な最後を遂げている……クリストフェルも数年前まで謎の病魔に侵され二〇歳までは生きられないだろうと噂されていたのだから。
だが……現実はどういうわけだがクリストフェルは生き延び、今では美しい婚約者と共に第一王子と戦う姿勢を見せ、悪魔を倒してすら見せた。
『……なぜ殿下は病魔を克服したのか……そしてそれを成し遂げるのは自分ではないのか?』
ソフィーヤはその気に食わない真実を考えてしまい、思わず歯噛みをする……感情の揺れが伝わるのか背後にいるフェリピニアーダがクスクスと不快な失笑を漏らしたことにも内心腹が立つ。
聖女とは勇者の側にあってなお一層輝く存在である……幼少期からソフィーヤはそう教えられて育ってきている。
敬虔な女神の使徒であったはずの自分が彼の側におらず、それどころか王国で最も美しいと言われる少女が彼の寵愛を受けているという現状に腹がたつ。
シャルロッタ・インテリペリ……銀色の髪とエメラルドグリーンの瞳を持つ美女……学園に現れた彼女を見てソフィーヤは内心驚いた。
自分が考えていたよりもはるかに彼女は美しかったのだから。
——これならば殿下が見初めるのもわかる気がする。
そう思ってしまった自分に腹が立って仕方がなかった……負けたと思いたくない。
どうにかして彼女を殿下から遠ざけなければと考えていたが、そのうちクリストフェルは王国に反旗を翻すよう行動をとり始めた。
確実にあの女のせい、あの女がいるからこそ彼はおかしくなっている、あの女は殿下を惑わす魔女……そう思うようになっていったのは必然だろうか? それとも誰かに唆されているのだろうか。
機嫌の悪そうな顔で前を歩くソフィーヤをじっと見つめながら、フェリピニアーダは口元を歪めて咲う。
ああ、なんだすでにお手つきじゃない……とソフィーヤの内部に潜む強い魔力を見てそう確信する。
混沌神ノルザルツの眷属たるフェリピニアーダよりも遥か高位の存在、神に愛され神に導かれ……そして神の言葉を代弁する至高の存在。
訓戒者がこの哀れな聖女を誘導しているのだ……であれば自分の役目は一つしかない。
「ソフィーヤ、我が聖女……助言や力を与えて良いか?」
「……有益なのでしょうね?」
「それはもちろん、妾は六情の悪魔、そこら辺にいる吐いて捨てて良いような魔物と同一の存在ではないぞ?」
自信ありげに笑みを浮かべるフェリピニアーダの表情にそこ知れぬ何かを感じたのか、ソフィーヤは背筋がゾッと寒くなったような気がした。
人智の及ばない階位に到達している六情の悪魔の言葉である……信じるより他ないではないか、とさえ思うのだ。
そう考える彼女の肩にフェリピニアーダの細くてしなやかな指が軽く触れた……その感触はそれまでに感じたことのないような電流のような感覚と、そして自分の中にある感情を強く掻き立てられるようなそんな感覚を覚え、ソフィーヤは人目があるにもかかわらず思わず吐息を漏らしてしまう。
「う……あんっ……な、何を……」
「怒り、悲しみ、愛情それらの感情の動きは人間にとって不可欠なものだ、聖女とはいえ人間らしい感情を捨てることはない」
「く、うう……んっ!」
ガクガクと身を震わせて地面へと膝をつくソフィーヤだが、それを見て神聖騎士団員が駆け寄ろうとするのをなんとか手で制すると、荒い息を吐きながら動悸のする心臓を抑えながらなんとか立ち上がる。
くすくす笑うフェリピニアーダはそっと指先を彼女の頬へと這わせる……その動きだけでも自らがおかしくなりそうなくらいの感触と快感を覚えソフィーヤはぼうっとする思考の中なんとか大きく息を吐いて冷静になろうと努める。
そんな気丈な彼女を見て六情の悪魔は満足そうに何度か頷くと、歪んだ笑みを浮かべて笑いながら優しくソフィーヤの耳元で囁いた。
「さすが聖女……妾はお主が気に入った、それ故に全力でお前を支えてやろう、素晴らしい契約を」
「軍をまとめよ! 第一王子派の軍勢へと攻勢を仕掛けるっ!」
クリストフェル・マルムスティーンは周囲の兵士に向かって高らかに宣言する……目の前で悪魔を滅ぼした英雄の言葉に背筋が伸びるような気持ちを掻き立てられ、思わず彼らは背筋を伸ばした。
第一王子派に属するスティールハート軍はすでに軍勢としての機能を果たせていない……暴力の悪魔が味方であるはずの彼らを踏み潰しながら突進したのだから仕方がないことではあるが。
だが今は攻勢に出るべきだ、と彼の中にある何かが囁く……それは幼少期より帝王学や戦術の英才教育を受ける環境にいた彼だからこそ感じるものなのか、彼は剣を振り上げて周りの兵士へと声をかけて鼓舞するべきだと感じたのだ。
「殿下……っ! 今でございますか?!」
「ああ、今しかない……僕にはわかる! 続けるものだけでいい、我に続き進軍せよっ!」
「殿下に続け! ラッパ鳴らせええっッ!」
クリストフェルの気迫に押され、近くにいた小隊長が号令を発する……それに合わせてそれまで強大な悪魔の猛威に呆然としていたはずの第二王子派の兵士達が一斉に隊列を整え直した。
隊列が整ったことを理解したのか、クリストフェルが歩き出す……慌てて彼の後を侍従であるヴィクターとマリアンが続き、やれやれと言わんばかりに何度か首を振った幻獣ガルム族のユルが続く。
彼らに合わせて軍楽隊による進軍ラッパが掻き鳴らされると、その音に合わせて第二王子派……インテリペリ辺境伯軍を中心とした数千の兵士達が一斉に歩き始める。
「殿下……攻勢に出ることは予定されていませんでした」
「わかってる……でも僕にはわかる、今攻勢に出ないと大変なことになると……」
クリストフェルに話しかけたヴィクターは彼の顔を見てギョッとする……クリストフェルの深く優しい青い瞳に仄かな光が宿っているように感じたからだ。
何度か目を擦ってから見直すと、そこには普段のクリストフェルの顔がある……見間違いだっただろうか? だが、進軍を開始した彼らの姿を見ていたスティールハート軍の残党は、慌てて立ち上がると逃げ出し始める。
これはどういうことだろうか? クリストフェルという英雄の誕生を間近にみて、彼が指揮する軍には勝てないと悟ったのか……それとも。
だがそんな潰走し始めているスティールハート軍兵士には目もくれず、クリストフェルは敵軍の主力であるモーターヘッド軍の陣がある場所へと一直線に向かっていく。
「……諸君、この戦い我らが勝利するぞ! クリストフェル・マルムスティーンの名において……勝利を!」
六情の悪魔フェリピニアーダが突然そう吐き捨てたのを聞いて、聖女ソフィーヤ・ハルフォードはギョッとした顔で振り返る。
第二階位の悪魔はこの世界に顕現することはこれまでない……自ら召喚した存在としては強力かつ強大すぎるフェリピニアーダの機嫌を損ねた場合、どういう災厄が降りかかるか想像すらできないのだ。
だが、ソフィーヤはこの強大なる六情の悪魔を召喚したことに満足感は覚えている、世界初の快挙と言っても良いのだから。
「どうかした? フェリピニアーダ」
「……神聖なる魔力を持つものが妾を見ておってな……不快なことじゃ」
魔力を遮断して自分を見ているものからの視線を遮ったとはいえ、その存在はかなり厄介だなと彼女は考えていた。
少し前に同格たる大感染の悪魔が顕現していたはずなのだが、今その魔力が消失しておりおそらくではあるが倒されたのだとフェリピニアーダは理解している。
同格の悪魔を倒す存在……相手も消耗しているだろうが、ここで聖女を守りながら戦うのは不利であると判断しての行動だった。
悪魔は目の前の聖女に応じてこの世界へと顕現した、だが今の聖女は自分と同格ではない……それ故に守るべき対象となっている。
「安心せい、妾がいれば大抵の連中は退けることができよう」
「……そうね、貴女は強いわ」
「それがわかるだけ十分優秀じゃなお主は」
ソフィーヤはその言葉に微笑むとのんびりと前を歩いていく……その光景を見ていた神聖騎士団の騎士たちは自らが崇める聖女の背後にいる不気味な怪物の姿に一瞬驚いたように目を見開くが、すぐに敵意をおさめて黙って頭を下げた。
不気味な悪魔の姿だが、聖女が呼び出した存在が邪悪であるはずがないという思い込みなのか、それとも職務に忠実なのか……そのどちらもあっているのだろう。
その光景が滑稽に見えフェリピニアーダはくすくすと笑うと、バカにしたような目で彼らを見つめソフィーヤへと話しかけた。
「……クハハッ! こやつら面白いのぉ……内面でせめぎ合っておる」
「神聖騎士団はお父様の軍隊ですから……それに聖女たる私を裏切ることなど決していないわ」
「それは随分と忠実な軍じゃな、で? 今お前の軍は負けそうになっているのか?」
フェリピニアーダの言葉にソフィーヤは面白くなさそうな表情を浮かべて小声で「そうよ」とだけ伝えた……今現在第二王子派が不利な状況にあることは変わりない。
状況の好転を図って悪魔を召喚したが、第二王子クリストフェル・マルムスティーンの手によって滅ぼされた。
勇者の器、それは聖教においては聖女とともに世界を救うとされる最強の存在……だが器という言葉が示す通り、勇者そのものではなく勇者たりえる人物であるという証でしかない。
過去の何人もの器が認定されたが、その全てが悲劇的な最後を遂げている……クリストフェルも数年前まで謎の病魔に侵され二〇歳までは生きられないだろうと噂されていたのだから。
だが……現実はどういうわけだがクリストフェルは生き延び、今では美しい婚約者と共に第一王子と戦う姿勢を見せ、悪魔を倒してすら見せた。
『……なぜ殿下は病魔を克服したのか……そしてそれを成し遂げるのは自分ではないのか?』
ソフィーヤはその気に食わない真実を考えてしまい、思わず歯噛みをする……感情の揺れが伝わるのか背後にいるフェリピニアーダがクスクスと不快な失笑を漏らしたことにも内心腹が立つ。
聖女とは勇者の側にあってなお一層輝く存在である……幼少期からソフィーヤはそう教えられて育ってきている。
敬虔な女神の使徒であったはずの自分が彼の側におらず、それどころか王国で最も美しいと言われる少女が彼の寵愛を受けているという現状に腹がたつ。
シャルロッタ・インテリペリ……銀色の髪とエメラルドグリーンの瞳を持つ美女……学園に現れた彼女を見てソフィーヤは内心驚いた。
自分が考えていたよりもはるかに彼女は美しかったのだから。
——これならば殿下が見初めるのもわかる気がする。
そう思ってしまった自分に腹が立って仕方がなかった……負けたと思いたくない。
どうにかして彼女を殿下から遠ざけなければと考えていたが、そのうちクリストフェルは王国に反旗を翻すよう行動をとり始めた。
確実にあの女のせい、あの女がいるからこそ彼はおかしくなっている、あの女は殿下を惑わす魔女……そう思うようになっていったのは必然だろうか? それとも誰かに唆されているのだろうか。
機嫌の悪そうな顔で前を歩くソフィーヤをじっと見つめながら、フェリピニアーダは口元を歪めて咲う。
ああ、なんだすでにお手つきじゃない……とソフィーヤの内部に潜む強い魔力を見てそう確信する。
混沌神ノルザルツの眷属たるフェリピニアーダよりも遥か高位の存在、神に愛され神に導かれ……そして神の言葉を代弁する至高の存在。
訓戒者がこの哀れな聖女を誘導しているのだ……であれば自分の役目は一つしかない。
「ソフィーヤ、我が聖女……助言や力を与えて良いか?」
「……有益なのでしょうね?」
「それはもちろん、妾は六情の悪魔、そこら辺にいる吐いて捨てて良いような魔物と同一の存在ではないぞ?」
自信ありげに笑みを浮かべるフェリピニアーダの表情にそこ知れぬ何かを感じたのか、ソフィーヤは背筋がゾッと寒くなったような気がした。
人智の及ばない階位に到達している六情の悪魔の言葉である……信じるより他ないではないか、とさえ思うのだ。
そう考える彼女の肩にフェリピニアーダの細くてしなやかな指が軽く触れた……その感触はそれまでに感じたことのないような電流のような感覚と、そして自分の中にある感情を強く掻き立てられるようなそんな感覚を覚え、ソフィーヤは人目があるにもかかわらず思わず吐息を漏らしてしまう。
「う……あんっ……な、何を……」
「怒り、悲しみ、愛情それらの感情の動きは人間にとって不可欠なものだ、聖女とはいえ人間らしい感情を捨てることはない」
「く、うう……んっ!」
ガクガクと身を震わせて地面へと膝をつくソフィーヤだが、それを見て神聖騎士団員が駆け寄ろうとするのをなんとか手で制すると、荒い息を吐きながら動悸のする心臓を抑えながらなんとか立ち上がる。
くすくす笑うフェリピニアーダはそっと指先を彼女の頬へと這わせる……その動きだけでも自らがおかしくなりそうなくらいの感触と快感を覚えソフィーヤはぼうっとする思考の中なんとか大きく息を吐いて冷静になろうと努める。
そんな気丈な彼女を見て六情の悪魔は満足そうに何度か頷くと、歪んだ笑みを浮かべて笑いながら優しくソフィーヤの耳元で囁いた。
「さすが聖女……妾はお主が気に入った、それ故に全力でお前を支えてやろう、素晴らしい契約を」
「軍をまとめよ! 第一王子派の軍勢へと攻勢を仕掛けるっ!」
クリストフェル・マルムスティーンは周囲の兵士に向かって高らかに宣言する……目の前で悪魔を滅ぼした英雄の言葉に背筋が伸びるような気持ちを掻き立てられ、思わず彼らは背筋を伸ばした。
第一王子派に属するスティールハート軍はすでに軍勢としての機能を果たせていない……暴力の悪魔が味方であるはずの彼らを踏み潰しながら突進したのだから仕方がないことではあるが。
だが今は攻勢に出るべきだ、と彼の中にある何かが囁く……それは幼少期より帝王学や戦術の英才教育を受ける環境にいた彼だからこそ感じるものなのか、彼は剣を振り上げて周りの兵士へと声をかけて鼓舞するべきだと感じたのだ。
「殿下……っ! 今でございますか?!」
「ああ、今しかない……僕にはわかる! 続けるものだけでいい、我に続き進軍せよっ!」
「殿下に続け! ラッパ鳴らせええっッ!」
クリストフェルの気迫に押され、近くにいた小隊長が号令を発する……それに合わせてそれまで強大な悪魔の猛威に呆然としていたはずの第二王子派の兵士達が一斉に隊列を整え直した。
隊列が整ったことを理解したのか、クリストフェルが歩き出す……慌てて彼の後を侍従であるヴィクターとマリアンが続き、やれやれと言わんばかりに何度か首を振った幻獣ガルム族のユルが続く。
彼らに合わせて軍楽隊による進軍ラッパが掻き鳴らされると、その音に合わせて第二王子派……インテリペリ辺境伯軍を中心とした数千の兵士達が一斉に歩き始める。
「殿下……攻勢に出ることは予定されていませんでした」
「わかってる……でも僕にはわかる、今攻勢に出ないと大変なことになると……」
クリストフェルに話しかけたヴィクターは彼の顔を見てギョッとする……クリストフェルの深く優しい青い瞳に仄かな光が宿っているように感じたからだ。
何度か目を擦ってから見直すと、そこには普段のクリストフェルの顔がある……見間違いだっただろうか? だが、進軍を開始した彼らの姿を見ていたスティールハート軍の残党は、慌てて立ち上がると逃げ出し始める。
これはどういうことだろうか? クリストフェルという英雄の誕生を間近にみて、彼が指揮する軍には勝てないと悟ったのか……それとも。
だがそんな潰走し始めているスティールハート軍兵士には目もくれず、クリストフェルは敵軍の主力であるモーターヘッド軍の陣がある場所へと一直線に向かっていく。
「……諸君、この戦い我らが勝利するぞ! クリストフェル・マルムスティーンの名において……勝利を!」
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