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第二〇四話 シャルロッタ 一六歳 暴風の邪神 〇四
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「今日は随分と風が強いねえ……」
インテリペリ辺境伯領にある村の一つ、ブリミアー村で宿屋を営んでいるラミナは窓の外を見て、はぁ……とため息をついた。
この村で彼女の曾祖父が宿屋を営んでから、交易や冒険者組合の仕事で村を訪れる旅人を相手に営業を続けてきていたが、今年の冬は寒すぎたこともあって客の入りが少ない。
村人相手の酒場なども併設はしているが、旅人よりもお金を持っていないためラミナの宿では主に旅人を相手に商売を続けている。
轟々と音を立てて風が響いている……彼女が宿の主人となってから四〇年以上ここまで吹雪くのは珍しいと思っていた。
狩に出た村の男たちが話していたっけ、極端に魔獣の数が減ってしまっていると……これも異常な気象のせいだろうか。
ぼおっと考え込んでいたラミナを見て、若い村人が少し不満気に彼女へと話しかける。
「ねえおばちゃん……頼んだのまだ?」
「ああ、ごめんよ……ほい、お待ち」
テーブルに手に持った大きめの皿に乗せた肉料理を置くと、注文をした若い村人が目を輝かせながらがっつき始める……食料の供給などは絶たれていないが、それでもじわじわと金額が上がってきている。
仕方ないことだ、領都エスタデルとの交通もかなり苦労しているという話だし肉類は狩猟で得たものや、飼育している豚や鶏などのものが主になってきている。
冬を越せるのか……? という心配事もあったが、それでも長きにわたって辺境伯領を統治しているインテリペリ伯爵家が手をこまねいているとは思えない。
「内戦なんて起きてるっていうし、王国はどうなっちまうのかねえ」
「んー、でも俺らみたいな庶民の暮らしはあんまり変わらないんじゃないか? ここは領の端じゃないし……」
「でもハーティは陥落して酷いことになってるっていうじゃないか」
ラミナの反論に返す言葉がなくなったのか若者は黙って出された肉料理を口へと運んでいく……この宿自慢の肉料理だが、このままの供給状況だと本当に名物も出せなくなっちまうね、と軽くため息をつくと彼女は厨房へと戻っていく。
普段であれば手伝いとして近所に住む若い少女がきているのだが、その子もこの吹雪で病気になってしまっていてこちらへと来れなかったと家族が伝えにきていた。
村の中でも体力に乏しい老人などは、他の村人が助けないと寒さで死んでしまうかもしれないと、吹雪の中走り回っているものすらいるのだ。
「ほんと嫌だ嫌だ……私らどうなっちまうのかねえ……え?」
何気なくぼやいた瞬間だった、ラミナだけではなくテーブルで食事をしていた若者、宿屋だけでなく村全てのあらゆるものが空中へと巻き上げられた。
いきなり突風が吹き荒れる空中へと投げ出された彼女たちは何が起きたのか全く理解できない……暖炉で燃え盛っていた炎も、柱も……視界の中には他の村人たちが固まったようにお互いを見ていた。
暗い暗い夜の闇の中凄まじい冷気と、暗闇の中に静かに燃え盛る赤い二つの瞳がブリミアー村に住む全ての人間を見たかと思うと、次の瞬間彼女たちは地面に向かって急速に落下していく。
何が起きたのかわからない……どうしてこんな……どんどん近づいてくる地面を見つめながら、これが現実だとは思えず……宿の女主人ラミナは何かを喋ろうとした。
だが……夜の闇の中に轟音と共に肉が硬いものへと衝突して砕かれる嫌な音が次々と響いていくのを最後に、ブリミアー村と呼ばれていた小さな村は全滅した。
「ここもか……すでにかなりの勢いで侵攻しているってことか」
「……酷い有様ですね……兵士を連れて来なくて正解です」
地図を確認するとそこはかつてブリミアー村と呼ばれていたはずの場所だった……だがわたくしの視界に入る場所には、ぐちゃぐちゃにまるで恐ろしく高い場所から叩き落とされたかのような、かつて住居だったはずの砕けた木材や、すでに時間が経過しているが、地面へと叩きつけられたかのようなかつて人だったはずの肉片がそこかしこに落ちているのが見える。
近隣の魔獣が食い荒らしたのか、肉片の大半は何かに食いちぎられたかのようにかけており、虫が集って見るに耐えないものとなっている。
スプラッターホラー映画でもここまで酷い光景を描写することは難しいだろう……気分悪くなりそう。
「……凄まじい破壊力ですね……」
「腐っても神ってことよ」
虫の羽音と、腐り始めている肉や汚物の匂い……戦場のような光景がそこには広がっているが、戦場と違うのは一方的に蹂躙され、破壊され……そして虐殺された後であるということだろう。
村はそれほど大きくはないが、一瞬でこの村は破壊し尽くされたのだろう……兵士による攻撃ではここまで地面ごとひっくり返したような跡にはならないはずだ。
それとあちこちには巨大な巨人が歩いた後のように、大きな足跡が開いておりそこにはなぜかぐらぐらと煮えたぎる熱湯が溜まって湯気を上げている。
「火葬しないと……また魔獣が餌場にしてしまうわ」
パチン、と指を鳴らすと付近の人間だった肉片、木材、あらゆるものに火が灯りそれはあっという間に炎をあげて、全てを燃やしていく。
残念ながらわたくしはこの村に住んでいるものたちすべての顔と名前はわからない、だから申し訳ないと思いつつも一緒くたに処理をすることしかできない。
魔獣に食いちぎられた死体はおそらく最初に空中へと投げ出され、地面へと叩きつけられた時までは生きていた人たちだ。
村が襲われた際には魔獣は相当に離れた場所で避難し、暴風の邪神が通り過ぎるのを待っていたのだろう。
その後危険がなくなったと判断した魔獣が、餌にありつけたとばかりに食い荒らしたと言うところかな……木材にへばりついた内臓なんかも食った後があったものな。
ユルも黙ってわたくしの魔法の範囲外になっていた死体へと火をつけてまわっていく……ブリミアー村は確か辺境伯家の記録だと一〇〇名にも満たない小さな村で、商人や冒険者が立ち寄る規模だったはずだ。
「冬を越せないかもって陳情が入ってたから、援助が入るはずだったのに」
「……やはり暴風の邪神ですか?」
「ええ、おそらくね……夢見る淑女は厄介な神格だけど嘘はつかないわ」
暴風の邪神は暴風と吹雪を象徴する神格を得た怪物であり、邪神と言っても差し支えないレベルの超強力な存在である。
神格を得ているが、その意識は吹き荒れる暴風の如く星の間を移動することだけに割いており、別に人を狙って襲ってくるような神ではない。
目的とする場所に到達するまで一直線に移動していくが、その移動に伴い彼の歩いた地面では吹雪、季節によっては暴風が吹き荒れ全てを空へと巻き上げていく。
超強力な竜巻みたいな存在で、いつどこでどのように現れるのかが判別しにくい……レーヴェンティオラでも、季節外れの台風や竜巻なんかは「邪神の怒り」とか言われて怖がられてたものだ。
「普通暴風の邪神は目的を持たずにうろつくから、今回のは明確な意思を持って誘導されていると言ってもいいわ」
「やはり訓戒者による誘導ですかね」
「ま、このタイミングで辺境伯領だけ狙い撃ちなんかおかしいからね」
ある程度残骸や死体を燃やし尽くしたわたくしは側に寄ってきたユルの背中へとひらりと乗る……今回でいえば暴風の邪神の襲撃は予測できなくても、次にどこへ向かうのかは分かり易い。
視線を村だった場所の端へと移していくと、そこには森林の一部が大きく崩壊し地面ごと削り取ったように一直線に伸びているのが見えた。
この方向は最終的にはエスタデルへと向かっている、つまり暴風の邪神を使って領都ごと崩壊させようって魂胆がよくわかる。
ついでに言うならこの神格を呼び出して移動させるだけでも戦力を削げるのだから、コスパがいいと言うことだろうか? 随分舐めた真似をしてくれるものだ。
「この後をついていって、そのうち追いつけるわ」
「そんなもんなんですか?」
「そんなもんよ」
この邪神は強力な気候変動などを起こす代わりに、行動できる時間が極端に短く村一つ破壊したあとすぐに活動をやめている、それくらい気候変動を起こすと言うのはパワーが必要になるのだ。
実際に地図上で見ると、いくつかの村を破壊しているが数自体はそう多くない……そして侵攻方向を考えると、次に狙われる場所は近隣にあるメネタトンという街だ。
まだ破壊されていないはずだ、なぜならわたくしはそこを経由してきているのだから……今から戻れば街を破壊される前に抑えられるはず。
いや、わたくしの勇者としての本能が叫んでいる……「罪なき人々を助けねばならない」と、その本能がわたくしの胸をキュッとしめつけたような気がした。
「……急ぎますね」
「ええ、お願いね……」
ユルの背中で揺られながらわたくしは思考の海へと落ちていく……本来であればそれなりに強力な怪物と戦う程度ならいつもの調子で戦えばいいんだけど、暴風の邪神は神格を得た超強力な天災級の怪物だ。
わたくしが行使している神滅魔法も本来このレベルの怪物を撃滅するために開発されているものなので、確実に相手を倒すためには神滅魔法を使って戦うしかない。
魔力を錬成しながらわたくしは軽い瞑想状態へと入る……暴風の邪神と全力で戦うその瞬間に全てをぶちまけるくらいの勢いで、わたくしは戦おう。
「……確実に倒しますわ、神が敵であろうと……愛するものを守るのがわたくしの役目なのですから」
インテリペリ辺境伯領にある村の一つ、ブリミアー村で宿屋を営んでいるラミナは窓の外を見て、はぁ……とため息をついた。
この村で彼女の曾祖父が宿屋を営んでから、交易や冒険者組合の仕事で村を訪れる旅人を相手に営業を続けてきていたが、今年の冬は寒すぎたこともあって客の入りが少ない。
村人相手の酒場なども併設はしているが、旅人よりもお金を持っていないためラミナの宿では主に旅人を相手に商売を続けている。
轟々と音を立てて風が響いている……彼女が宿の主人となってから四〇年以上ここまで吹雪くのは珍しいと思っていた。
狩に出た村の男たちが話していたっけ、極端に魔獣の数が減ってしまっていると……これも異常な気象のせいだろうか。
ぼおっと考え込んでいたラミナを見て、若い村人が少し不満気に彼女へと話しかける。
「ねえおばちゃん……頼んだのまだ?」
「ああ、ごめんよ……ほい、お待ち」
テーブルに手に持った大きめの皿に乗せた肉料理を置くと、注文をした若い村人が目を輝かせながらがっつき始める……食料の供給などは絶たれていないが、それでもじわじわと金額が上がってきている。
仕方ないことだ、領都エスタデルとの交通もかなり苦労しているという話だし肉類は狩猟で得たものや、飼育している豚や鶏などのものが主になってきている。
冬を越せるのか……? という心配事もあったが、それでも長きにわたって辺境伯領を統治しているインテリペリ伯爵家が手をこまねいているとは思えない。
「内戦なんて起きてるっていうし、王国はどうなっちまうのかねえ」
「んー、でも俺らみたいな庶民の暮らしはあんまり変わらないんじゃないか? ここは領の端じゃないし……」
「でもハーティは陥落して酷いことになってるっていうじゃないか」
ラミナの反論に返す言葉がなくなったのか若者は黙って出された肉料理を口へと運んでいく……この宿自慢の肉料理だが、このままの供給状況だと本当に名物も出せなくなっちまうね、と軽くため息をつくと彼女は厨房へと戻っていく。
普段であれば手伝いとして近所に住む若い少女がきているのだが、その子もこの吹雪で病気になってしまっていてこちらへと来れなかったと家族が伝えにきていた。
村の中でも体力に乏しい老人などは、他の村人が助けないと寒さで死んでしまうかもしれないと、吹雪の中走り回っているものすらいるのだ。
「ほんと嫌だ嫌だ……私らどうなっちまうのかねえ……え?」
何気なくぼやいた瞬間だった、ラミナだけではなくテーブルで食事をしていた若者、宿屋だけでなく村全てのあらゆるものが空中へと巻き上げられた。
いきなり突風が吹き荒れる空中へと投げ出された彼女たちは何が起きたのか全く理解できない……暖炉で燃え盛っていた炎も、柱も……視界の中には他の村人たちが固まったようにお互いを見ていた。
暗い暗い夜の闇の中凄まじい冷気と、暗闇の中に静かに燃え盛る赤い二つの瞳がブリミアー村に住む全ての人間を見たかと思うと、次の瞬間彼女たちは地面に向かって急速に落下していく。
何が起きたのかわからない……どうしてこんな……どんどん近づいてくる地面を見つめながら、これが現実だとは思えず……宿の女主人ラミナは何かを喋ろうとした。
だが……夜の闇の中に轟音と共に肉が硬いものへと衝突して砕かれる嫌な音が次々と響いていくのを最後に、ブリミアー村と呼ばれていた小さな村は全滅した。
「ここもか……すでにかなりの勢いで侵攻しているってことか」
「……酷い有様ですね……兵士を連れて来なくて正解です」
地図を確認するとそこはかつてブリミアー村と呼ばれていたはずの場所だった……だがわたくしの視界に入る場所には、ぐちゃぐちゃにまるで恐ろしく高い場所から叩き落とされたかのような、かつて住居だったはずの砕けた木材や、すでに時間が経過しているが、地面へと叩きつけられたかのようなかつて人だったはずの肉片がそこかしこに落ちているのが見える。
近隣の魔獣が食い荒らしたのか、肉片の大半は何かに食いちぎられたかのようにかけており、虫が集って見るに耐えないものとなっている。
スプラッターホラー映画でもここまで酷い光景を描写することは難しいだろう……気分悪くなりそう。
「……凄まじい破壊力ですね……」
「腐っても神ってことよ」
虫の羽音と、腐り始めている肉や汚物の匂い……戦場のような光景がそこには広がっているが、戦場と違うのは一方的に蹂躙され、破壊され……そして虐殺された後であるということだろう。
村はそれほど大きくはないが、一瞬でこの村は破壊し尽くされたのだろう……兵士による攻撃ではここまで地面ごとひっくり返したような跡にはならないはずだ。
それとあちこちには巨大な巨人が歩いた後のように、大きな足跡が開いておりそこにはなぜかぐらぐらと煮えたぎる熱湯が溜まって湯気を上げている。
「火葬しないと……また魔獣が餌場にしてしまうわ」
パチン、と指を鳴らすと付近の人間だった肉片、木材、あらゆるものに火が灯りそれはあっという間に炎をあげて、全てを燃やしていく。
残念ながらわたくしはこの村に住んでいるものたちすべての顔と名前はわからない、だから申し訳ないと思いつつも一緒くたに処理をすることしかできない。
魔獣に食いちぎられた死体はおそらく最初に空中へと投げ出され、地面へと叩きつけられた時までは生きていた人たちだ。
村が襲われた際には魔獣は相当に離れた場所で避難し、暴風の邪神が通り過ぎるのを待っていたのだろう。
その後危険がなくなったと判断した魔獣が、餌にありつけたとばかりに食い荒らしたと言うところかな……木材にへばりついた内臓なんかも食った後があったものな。
ユルも黙ってわたくしの魔法の範囲外になっていた死体へと火をつけてまわっていく……ブリミアー村は確か辺境伯家の記録だと一〇〇名にも満たない小さな村で、商人や冒険者が立ち寄る規模だったはずだ。
「冬を越せないかもって陳情が入ってたから、援助が入るはずだったのに」
「……やはり暴風の邪神ですか?」
「ええ、おそらくね……夢見る淑女は厄介な神格だけど嘘はつかないわ」
暴風の邪神は暴風と吹雪を象徴する神格を得た怪物であり、邪神と言っても差し支えないレベルの超強力な存在である。
神格を得ているが、その意識は吹き荒れる暴風の如く星の間を移動することだけに割いており、別に人を狙って襲ってくるような神ではない。
目的とする場所に到達するまで一直線に移動していくが、その移動に伴い彼の歩いた地面では吹雪、季節によっては暴風が吹き荒れ全てを空へと巻き上げていく。
超強力な竜巻みたいな存在で、いつどこでどのように現れるのかが判別しにくい……レーヴェンティオラでも、季節外れの台風や竜巻なんかは「邪神の怒り」とか言われて怖がられてたものだ。
「普通暴風の邪神は目的を持たずにうろつくから、今回のは明確な意思を持って誘導されていると言ってもいいわ」
「やはり訓戒者による誘導ですかね」
「ま、このタイミングで辺境伯領だけ狙い撃ちなんかおかしいからね」
ある程度残骸や死体を燃やし尽くしたわたくしは側に寄ってきたユルの背中へとひらりと乗る……今回でいえば暴風の邪神の襲撃は予測できなくても、次にどこへ向かうのかは分かり易い。
視線を村だった場所の端へと移していくと、そこには森林の一部が大きく崩壊し地面ごと削り取ったように一直線に伸びているのが見えた。
この方向は最終的にはエスタデルへと向かっている、つまり暴風の邪神を使って領都ごと崩壊させようって魂胆がよくわかる。
ついでに言うならこの神格を呼び出して移動させるだけでも戦力を削げるのだから、コスパがいいと言うことだろうか? 随分舐めた真似をしてくれるものだ。
「この後をついていって、そのうち追いつけるわ」
「そんなもんなんですか?」
「そんなもんよ」
この邪神は強力な気候変動などを起こす代わりに、行動できる時間が極端に短く村一つ破壊したあとすぐに活動をやめている、それくらい気候変動を起こすと言うのはパワーが必要になるのだ。
実際に地図上で見ると、いくつかの村を破壊しているが数自体はそう多くない……そして侵攻方向を考えると、次に狙われる場所は近隣にあるメネタトンという街だ。
まだ破壊されていないはずだ、なぜならわたくしはそこを経由してきているのだから……今から戻れば街を破壊される前に抑えられるはず。
いや、わたくしの勇者としての本能が叫んでいる……「罪なき人々を助けねばならない」と、その本能がわたくしの胸をキュッとしめつけたような気がした。
「……急ぎますね」
「ええ、お願いね……」
ユルの背中で揺られながらわたくしは思考の海へと落ちていく……本来であればそれなりに強力な怪物と戦う程度ならいつもの調子で戦えばいいんだけど、暴風の邪神は神格を得た超強力な天災級の怪物だ。
わたくしが行使している神滅魔法も本来このレベルの怪物を撃滅するために開発されているものなので、確実に相手を倒すためには神滅魔法を使って戦うしかない。
魔力を錬成しながらわたくしは軽い瞑想状態へと入る……暴風の邪神と全力で戦うその瞬間に全てをぶちまけるくらいの勢いで、わたくしは戦おう。
「……確実に倒しますわ、神が敵であろうと……愛するものを守るのがわたくしの役目なのですから」
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※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
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