185 / 402
第一六〇話 シャルロッタ 一六歳 ハーティ防衛 一〇
しおりを挟む
「……な、なんて女だ……」
目の前で獰猛な笑みを浮かべている白銀の戦乙女を見て、黒烏達は畏怖しつつも油断なくその間合いを詰めていく。
地面には容赦なく切り捨てられた黒装束の男が三名絶命して転がっているが、先ほどシャルロッタ・インテリペリへと飛びかかったこの三名がどうやって切り捨てられたのか、彼らの目には全く見えなかった。
見た目は華やかだが、倒された男たちはまるですさまじい切れ味の刃物で両断されたかのように真っ二つにされており、じわじわと血が地面に広がっているのが見える。
「……少しはやるのかとおもったら、やっぱりザコね」
「……なんだと?」
「相手するのもかわいそうだから、逃げるなら今のうちになさい? すこしだけ待ってあげる」
シャルロッタはあくまでも笑みを絶やさずにそう告げる……可憐で美しい笑みの下に明らかな侮蔑、弱者を見て興味を失ったとでも言わんばかりの感情が目の奥に見え隠れしているのがわかった。
黒烏達の誇りに傷をつけられた、と感じたのか彼らの中にどす黒い感情が芽生える……盗賊組合の実行部隊としては歴史が浅いものの、かなりの実力者をそろえているはずの部隊なのだ。
だが意思に反して彼らの肉体は言うことを聞かない……目の前に立っている令嬢、いや彼女の全身から放たれている圧倒的な存在感に気圧されているからだ。
「……な、舐めやがって……」
「黒烏を甘く見ると……」
「甘く見るもなにも……皆様の攻撃はわたくしに届かない、ついでに言うとその刃物に付着している毒物、その程度ではわたくしの命には届きませんのよ?」
シャルロッタはあくまでも余裕の表情を崩さない……実際に黒烏達の得物には強力な致死性の毒物が塗られているのだが、それすらも効果がないとでもいうのだろうか?
その毒物は大型の魔物ですら一撃で昏倒する強力なものなのだが……だが、そもそも彼女の間合いに入ることすら難しい状態でどうやって毒を体内に入れれば良いのだろう。
「頭……」
「ああ、一斉に囲むぞ」
黒烏達がシャルロッタの周囲を囲むように配置を変えていく……その連携した動きは相手を幻惑するような不思議なリズムで構成されており、それを見たシャルロッタは動きの見事さに感心したのか軽く口笛を吹いた。
彼女も恐ろしく強いが、背後を守るような位置に立っている黒い幻獣ガルムも要注意だ……彼女が契約しているという情報は流れていたが、まさかあれほど大きな幻獣を使役しているとは考えていなかった。
だがガルムは積極的にこちらへと仕掛けてくる様子はなく、どうやらシャルロッタ自身が何らかの意図をもって幻獣を前に出していないらしい。
「ガルムを前に出さないのは余裕か? ずいぶん舐められたものだな」
「ユルを前に出したら一瞬で終わっちゃうからよ、それくらい差があるんですのよ?」
じりじりと距離を詰めながら周りを不規則な速度で周回する黒烏達を身ながら、優雅にほほ笑むシャルロッタの言葉は恐ろしく辛辣だ。
彼女の愛称から考えると恐ろしいほどのギャップがあるが、第一王子派が王都にいたころの彼女へと査問会を開いたとき、契約しているガルムだけでなく彼女自身もかなり反抗的な態度だった、と一部の貴族達からは評されている。
「確かに認める……令嬢という外見ではなく、お前はやはり何かを隠し持っていた……だがッ!」
その言葉と同時に黒烏達が一斉にシャルロッタへと向かって跳躍する……その動きの見事さ、連携の美しさは流石に数々の任務を達成してきた凄腕の暗殺者集団であると思わされるほど統制が取れており、普通の騎士などでは気が付けばその身を幾重にも貫かれてしまうであろう速度を持っていた。
しかし……黒烏達は理解していなかった、彼らの前に立っている人物はここではない別の世界で最強とまで言われ、世界を破滅に導こうとする魔王を少数の仲間と共にうち滅ぼした本物の勇者なのだということを。
「とったぁっ!」
「……え?」
まるで動こうとしない彼女の身体に武器が突き刺さったかのようにみえた次の瞬間、彼女の姿は幻獣ガルムと共にその場から姿を消していた。
何が起きたかわからない黒烏達はお互い何もない空間へと武器を突き出した状態で視線を交わし、呆然とした表情を浮かべる。
どこへ? あの女はどこへ行ったのだ?! 気配すら感じさせず、それよりもこちらが武器を突き出すまではその場にいたはずのシャルロッタとガルムがその場にいないという状況に、脳が理解できずに混乱している。
「……だから言ったでしょ? 相手にならないから逃げてもいいと」
「え?」
彼らの背後からいきなり声をかけられ驚きつつ背後へと視線を動かすと……まるで無傷のシャルロッタ・インテリペリがそこには立っている。
彼女の手に握られていたはずの剣は姿を消し、彼女は黒烏達へと手を伸ばしている……ガルムも彼女の傍にいない、どこへ行った?! と考える間もなく彼女の突き出した手のひらを中心に紅蓮の炎が生み出されていく。
その炎は恐ろしいまでの魔力が集中し、すさまじい密度で収斂したことによりまばゆい輝きを放っていた。
「……火炎炸裂」
シャルロッタの放った言葉と同時に黒烏達の視界が真っ赤に染まる……火炎炸裂、幻獣ガルムのユルが多用している炎系中位魔法の一つだが、彼女が解き放った魔力は常人のそれではなく……黒烏のリーダーのみが辛うじて着弾前に大きく身を投げ出すようにその場から飛んだものの、それ以外の暗殺者たちは地面をえぐるような爆発とともに言葉通り、肉体を蒸発させられ悲鳴を上げることなく絶命する。
ゴウウッ! というすこし鈍い炸裂音と共に空間が焼き払われたことに、リーダーの顔に恐怖と絶望の色がにじみ出る。
何とか身体を投げ出したことで蒸発こそ避けれたが、爆発の余波で大きく跳ね飛ばされシャルロッタから少し離れた場所に叩きつけられ、全身に鈍い痛みを感じながらも意識を保っている。
「な、あ……嘘だろ……こんな、こんな威力は……」
火炎炸裂はある程度修行と学習をした魔法使いなら扱える中級魔法の一つだ。
威力は高く、まっすぐに着弾地点へと到達し爆発する……使用者の魔力に応じて着弾速度や爆発半径が広がるといわれているが、この魔法で生み出される炎は強力だが肉体を蒸発させるほどの威力は持っていない……はずだった。
仲間たちが一瞬で蒸発した場所には、大きく地面が抉られ炭化した光景が広がっており、尋常ではない高熱が空間ごと焼き払ったことがわかる。
「込める魔力を調節することで魔法の威力は上がる……だけどこのやり方って実は効率があまりよくないの、一人の人間が一つの魔法に込められる魔力はそれほど多くないし、威力を増やすためには乗算で消費される魔力の桁がかわっていくからね」
「な、なにを……お前は本当に何者なんだ……」
「だけど魔力を込めることを許容できるだけのキャパシティがあるだけで低位魔法であっても人を殺すだけの威力を作り出せる……人によってはこれだけで魔力を消費し尽くすわ」
シャルロッタは掌の上に小さな氷の塊を作り出す……その形は低位魔法としても知られる氷の矢そのものだったが、彼女の掌に出現した氷の矢はパキパキという音を立てて周囲に冷気の渦を作りながら凄まじい勢いで形を大きく変化させ、手投げ槍程度の大きさへとその姿を変えていった。
その光景を目の当たりにした黒烏のリーダーは呆けたように彼女の掌にある氷の槍を見つめている……これはすでに現在ある魔法学の理解を超えた技術だ。
「まあ、本当に効率悪いからね……おすすめはしないですわ、それにわたくしもこういう細かい技術のあんまり好きじゃないの、やっぱり男の子なら逞しくって大きい方がいいでしょ?」
「……う、うあ……」
次の瞬間、氷の矢を消滅させたシャルロッタ・インテリペリは左人差し指を上空へと向けた。
リーダーが視線を上空へと移していくと、そこには巨大な炎が渦巻く球体が浮かんでおり、まるで小型の太陽がいきなり出現したかのようだった。
火球は渦巻き、時折その表面から炎を吹き出し、紅焔のようにも見えるが……周囲の空気が高温で歪んでみえ、さらに周囲の木々を放射する熱だけで焼き焦がしていく。
だがシャルロッタは黒烏のリーダーを見つめて口元を歪めて咲うと、ゆっくりと左腕を振り下ろしていく。
「この場所は軍隊が通れないように整地しなきゃね、このレベルの魔法を人相手に使うってのはあまり良くないんだけど……地形を変えるには仕方ないの、諦めてね」
「た、助け……助けて……」
「ダメよ、逃げる機会は与えられたのに逃げないのは自分の選択よ? だからその代償を払うだけのこと……冥土の土産に持っていきなさい、神滅魔法獄炎の裁き」
その言葉と同時に渦巻く火球が地面へと落ちていく……視界が真っ白に染まり、全てが焼き尽くされる筆舌に尽くしがたい苦痛が訪れた後、黒烏の意識は暗黒に飲まれていく。
地面へと接触した火球はそのまま半分程度まで地面を削り取っていくと、ある瞬間を境に周囲へと巨大な爆音と共に連鎖的な爆発を繰り返し、地形ごと吹き飛ばしていく。
——その凄まじい轟音は、ハーティで戦闘をしていた第八軍団だけでなく、ハーティ守備隊も含めた戦場にいた全ての兵士の手が止まるほどのものであったと記録されている。
目の前で獰猛な笑みを浮かべている白銀の戦乙女を見て、黒烏達は畏怖しつつも油断なくその間合いを詰めていく。
地面には容赦なく切り捨てられた黒装束の男が三名絶命して転がっているが、先ほどシャルロッタ・インテリペリへと飛びかかったこの三名がどうやって切り捨てられたのか、彼らの目には全く見えなかった。
見た目は華やかだが、倒された男たちはまるですさまじい切れ味の刃物で両断されたかのように真っ二つにされており、じわじわと血が地面に広がっているのが見える。
「……少しはやるのかとおもったら、やっぱりザコね」
「……なんだと?」
「相手するのもかわいそうだから、逃げるなら今のうちになさい? すこしだけ待ってあげる」
シャルロッタはあくまでも笑みを絶やさずにそう告げる……可憐で美しい笑みの下に明らかな侮蔑、弱者を見て興味を失ったとでも言わんばかりの感情が目の奥に見え隠れしているのがわかった。
黒烏達の誇りに傷をつけられた、と感じたのか彼らの中にどす黒い感情が芽生える……盗賊組合の実行部隊としては歴史が浅いものの、かなりの実力者をそろえているはずの部隊なのだ。
だが意思に反して彼らの肉体は言うことを聞かない……目の前に立っている令嬢、いや彼女の全身から放たれている圧倒的な存在感に気圧されているからだ。
「……な、舐めやがって……」
「黒烏を甘く見ると……」
「甘く見るもなにも……皆様の攻撃はわたくしに届かない、ついでに言うとその刃物に付着している毒物、その程度ではわたくしの命には届きませんのよ?」
シャルロッタはあくまでも余裕の表情を崩さない……実際に黒烏達の得物には強力な致死性の毒物が塗られているのだが、それすらも効果がないとでもいうのだろうか?
その毒物は大型の魔物ですら一撃で昏倒する強力なものなのだが……だが、そもそも彼女の間合いに入ることすら難しい状態でどうやって毒を体内に入れれば良いのだろう。
「頭……」
「ああ、一斉に囲むぞ」
黒烏達がシャルロッタの周囲を囲むように配置を変えていく……その連携した動きは相手を幻惑するような不思議なリズムで構成されており、それを見たシャルロッタは動きの見事さに感心したのか軽く口笛を吹いた。
彼女も恐ろしく強いが、背後を守るような位置に立っている黒い幻獣ガルムも要注意だ……彼女が契約しているという情報は流れていたが、まさかあれほど大きな幻獣を使役しているとは考えていなかった。
だがガルムは積極的にこちらへと仕掛けてくる様子はなく、どうやらシャルロッタ自身が何らかの意図をもって幻獣を前に出していないらしい。
「ガルムを前に出さないのは余裕か? ずいぶん舐められたものだな」
「ユルを前に出したら一瞬で終わっちゃうからよ、それくらい差があるんですのよ?」
じりじりと距離を詰めながら周りを不規則な速度で周回する黒烏達を身ながら、優雅にほほ笑むシャルロッタの言葉は恐ろしく辛辣だ。
彼女の愛称から考えると恐ろしいほどのギャップがあるが、第一王子派が王都にいたころの彼女へと査問会を開いたとき、契約しているガルムだけでなく彼女自身もかなり反抗的な態度だった、と一部の貴族達からは評されている。
「確かに認める……令嬢という外見ではなく、お前はやはり何かを隠し持っていた……だがッ!」
その言葉と同時に黒烏達が一斉にシャルロッタへと向かって跳躍する……その動きの見事さ、連携の美しさは流石に数々の任務を達成してきた凄腕の暗殺者集団であると思わされるほど統制が取れており、普通の騎士などでは気が付けばその身を幾重にも貫かれてしまうであろう速度を持っていた。
しかし……黒烏達は理解していなかった、彼らの前に立っている人物はここではない別の世界で最強とまで言われ、世界を破滅に導こうとする魔王を少数の仲間と共にうち滅ぼした本物の勇者なのだということを。
「とったぁっ!」
「……え?」
まるで動こうとしない彼女の身体に武器が突き刺さったかのようにみえた次の瞬間、彼女の姿は幻獣ガルムと共にその場から姿を消していた。
何が起きたかわからない黒烏達はお互い何もない空間へと武器を突き出した状態で視線を交わし、呆然とした表情を浮かべる。
どこへ? あの女はどこへ行ったのだ?! 気配すら感じさせず、それよりもこちらが武器を突き出すまではその場にいたはずのシャルロッタとガルムがその場にいないという状況に、脳が理解できずに混乱している。
「……だから言ったでしょ? 相手にならないから逃げてもいいと」
「え?」
彼らの背後からいきなり声をかけられ驚きつつ背後へと視線を動かすと……まるで無傷のシャルロッタ・インテリペリがそこには立っている。
彼女の手に握られていたはずの剣は姿を消し、彼女は黒烏達へと手を伸ばしている……ガルムも彼女の傍にいない、どこへ行った?! と考える間もなく彼女の突き出した手のひらを中心に紅蓮の炎が生み出されていく。
その炎は恐ろしいまでの魔力が集中し、すさまじい密度で収斂したことによりまばゆい輝きを放っていた。
「……火炎炸裂」
シャルロッタの放った言葉と同時に黒烏達の視界が真っ赤に染まる……火炎炸裂、幻獣ガルムのユルが多用している炎系中位魔法の一つだが、彼女が解き放った魔力は常人のそれではなく……黒烏のリーダーのみが辛うじて着弾前に大きく身を投げ出すようにその場から飛んだものの、それ以外の暗殺者たちは地面をえぐるような爆発とともに言葉通り、肉体を蒸発させられ悲鳴を上げることなく絶命する。
ゴウウッ! というすこし鈍い炸裂音と共に空間が焼き払われたことに、リーダーの顔に恐怖と絶望の色がにじみ出る。
何とか身体を投げ出したことで蒸発こそ避けれたが、爆発の余波で大きく跳ね飛ばされシャルロッタから少し離れた場所に叩きつけられ、全身に鈍い痛みを感じながらも意識を保っている。
「な、あ……嘘だろ……こんな、こんな威力は……」
火炎炸裂はある程度修行と学習をした魔法使いなら扱える中級魔法の一つだ。
威力は高く、まっすぐに着弾地点へと到達し爆発する……使用者の魔力に応じて着弾速度や爆発半径が広がるといわれているが、この魔法で生み出される炎は強力だが肉体を蒸発させるほどの威力は持っていない……はずだった。
仲間たちが一瞬で蒸発した場所には、大きく地面が抉られ炭化した光景が広がっており、尋常ではない高熱が空間ごと焼き払ったことがわかる。
「込める魔力を調節することで魔法の威力は上がる……だけどこのやり方って実は効率があまりよくないの、一人の人間が一つの魔法に込められる魔力はそれほど多くないし、威力を増やすためには乗算で消費される魔力の桁がかわっていくからね」
「な、なにを……お前は本当に何者なんだ……」
「だけど魔力を込めることを許容できるだけのキャパシティがあるだけで低位魔法であっても人を殺すだけの威力を作り出せる……人によってはこれだけで魔力を消費し尽くすわ」
シャルロッタは掌の上に小さな氷の塊を作り出す……その形は低位魔法としても知られる氷の矢そのものだったが、彼女の掌に出現した氷の矢はパキパキという音を立てて周囲に冷気の渦を作りながら凄まじい勢いで形を大きく変化させ、手投げ槍程度の大きさへとその姿を変えていった。
その光景を目の当たりにした黒烏のリーダーは呆けたように彼女の掌にある氷の槍を見つめている……これはすでに現在ある魔法学の理解を超えた技術だ。
「まあ、本当に効率悪いからね……おすすめはしないですわ、それにわたくしもこういう細かい技術のあんまり好きじゃないの、やっぱり男の子なら逞しくって大きい方がいいでしょ?」
「……う、うあ……」
次の瞬間、氷の矢を消滅させたシャルロッタ・インテリペリは左人差し指を上空へと向けた。
リーダーが視線を上空へと移していくと、そこには巨大な炎が渦巻く球体が浮かんでおり、まるで小型の太陽がいきなり出現したかのようだった。
火球は渦巻き、時折その表面から炎を吹き出し、紅焔のようにも見えるが……周囲の空気が高温で歪んでみえ、さらに周囲の木々を放射する熱だけで焼き焦がしていく。
だがシャルロッタは黒烏のリーダーを見つめて口元を歪めて咲うと、ゆっくりと左腕を振り下ろしていく。
「この場所は軍隊が通れないように整地しなきゃね、このレベルの魔法を人相手に使うってのはあまり良くないんだけど……地形を変えるには仕方ないの、諦めてね」
「た、助け……助けて……」
「ダメよ、逃げる機会は与えられたのに逃げないのは自分の選択よ? だからその代償を払うだけのこと……冥土の土産に持っていきなさい、神滅魔法獄炎の裁き」
その言葉と同時に渦巻く火球が地面へと落ちていく……視界が真っ白に染まり、全てが焼き尽くされる筆舌に尽くしがたい苦痛が訪れた後、黒烏の意識は暗黒に飲まれていく。
地面へと接触した火球はそのまま半分程度まで地面を削り取っていくと、ある瞬間を境に周囲へと巨大な爆音と共に連鎖的な爆発を繰り返し、地形ごと吹き飛ばしていく。
——その凄まじい轟音は、ハーティで戦闘をしていた第八軍団だけでなく、ハーティ守備隊も含めた戦場にいた全ての兵士の手が止まるほどのものであったと記録されている。
1
お気に入りに追加
831
あなたにおすすめの小説
異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~
ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。
対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。
これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。
防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。
損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。
派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。
其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。
海上自衛隊版、出しました
→https://ncode.syosetu.com/n3744fn/
※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。
「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。
→https://ncode.syosetu.com/n3570fj/
「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。
→https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。
「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」
サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
見習い動物看護師最強ビーストテイマーになる
盛平
ファンタジー
新米動物看護師の飯野あかりは、車にひかれそうになった猫を助けて死んでしまう。異世界に転生したあかりは、動物とお話ができる力を授かった。動物とお話ができる力で霊獣やドラゴンを助けてお友達になり、冒険の旅に出た。ハンサムだけど弱虫な勇者アスランと、カッコいいけどうさん臭い魔法使いグリフも仲間に加わり旅を続ける。小説家になろうさまにもあげています。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる