一人旅日記

赤羽律紀

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2006年3月 青森県

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 秋田の旅から半年が経ち、今度は青森県へ行くことになった。
 初日は3月11日。今回利用したのが、八戸まで延びた東北新幹線。「はやて」号に乗ったが、これまで遠いと思われていた青森が近く感じられた。
「青森も近くなったもんだなぁ」
 と、つくづく思い知った。
 午前11時台に到着すると100円の運賃で行ける路線バスで八食センターへ。着くと昼食はお目当てのせんべい汁定食に決めた。
 せんべい汁は、南部せんべいの中でも専用に作られた「かやき煎餅」を醤油ベースの豚や鶏の出汁で具材と共に煮立てる八戸ならではの郷土料理だ。東北の太平洋側の北中部は、冷夏をもたらすやませに見舞われ、小麦や雑穀が稲作の不作対策として収穫されてきた。天保の大飢饉の際に八戸藩で生まれたとされる。
 出汁に絡んだかやき煎餅と具材が旨味を引き出していてお腹も心も満たされた。その後に南部せんべいと八戸の地酒を購入し、自宅に宅急便で送った。
 さらに八戸線に乗り、鮫駅で降りて種差海岸にある蕪島へ。カモメが舞う中で蕪嶋神社に参拝し、旅の成就を祈願した。ただ、カモメが多く舞うために無事辿り着けるかどうかとヒヤヒヤさせられた。
 その後なんだかんだあって宿があるホテルメッツ八戸に着いた。そして、列車で三沢市にある古牧温泉へ立ち寄り入浴で訪れた。当時は古牧グランドホテルだったが、今は青森屋として星野リゾートの系列に入っている。立ち寄り入浴で露天風呂に入ったが、温泉の良さを実感し、ゆっくり浸かった。そして八戸に戻ると八戸の海の幸を夕食に頂いた。
 そして、2日目の3月12日。朝食を済ませると特急「スーパー白鳥」号で青森駅へ。途中から雪が降り、同じ青森でも違いがあることに気づいた。青森駅に降り立つとすぐに「津軽海峡冬景色」の歌碑がある青森港へ。昭和52年に発表されたこの曲で石川さゆりさんはアイドルから演歌歌手へと路線変更し、この年の紅白歌合戦に初出場を果たした。昔は北海道に向かうには青函連絡船で向かうしかなかった。その名残が駅の近くにあることを実感した。
 そして、青森県の物産観光館の「アスパム」へ行き、東北4大祭りの一つであるねぶた祭りの臨場感を体験した。青森駅を後にし、次に向かったのは浅虫温泉。青森市内で海沿いに位置する浅虫温泉は、前日見た2時間ドラマに触発されて行きたいと思っていた。
 まずは昼に近くの食堂でラーメンを頂いた後にその中でも版画家の棟方志功ゆかりの宿である「椿館」で立ち寄り入浴をした。露天風呂に浸かるなどして浅虫温泉の良さを実感した。
 そして、再び八戸に戻ると駅近くの観光案内所の「はちのへ総合プラザ」で八戸三社大祭のミニ山車を見て回った。そして、夕食にほたての貝焼を食べた後に午後6時発の帰りの新幹線に乗り込んで帰宅の途についた。青森の旅は心もお腹も満たしてくれた旅であった。
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