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11 総督との面会
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数日が過ぎた。
「着替えなさい」
いつも通りの、丁寧だがそっけない命令とともに、マリオンに衣服を手渡された。
久しぶりに目にするコスモ・サンダーの制服。もう、二度と身につけることはないと思っていた。上下に分かれた機能的な戦闘用のジャンプスーツは誂えたようにピタリとカラダに馴染んだ。
マリオンは着替える姿を冷めた目で眺めていた。
「行きますよ」
本部へ連れてこられてから、初めて部屋を出た。すれ違う男たちがマリオンに敬意を表して通路を譲る。譲りながらも、こちらを好奇の目で見ているのがわかった。
案内されたのは総督の執務室ではなく病棟であった。無言の問いかけにマリオンは応えることもなく、いちばん奥、特別室の扉を開く。
広いスペースの手前には応接用のソファが、一角には執務用の机が置かれている。
しかし、そこは間違いなく病室であった。奥に据えられたベッドの周辺に病状を点検するモニターが点滅し、ベッド上の人間を拘束するかのように点滴のくだが、いくつも付けられていた。
「…!」
マリオンはベッドサイドに歩み寄ると片膝をついた。
「総督、お加減はいかがですか。レイモンドを連れて参りました…」
「……おお、そうか、マリオン。ご苦労だった。レイモンドはどこにいる?」
マリオンに促されて、俺はベッドサイドに立った。ベッドに横たわっていたのは、やつれ果てた総督だった。
「……っ」
「顔を見せておくれ」
言われてベッドの上にかがみ込むと、総督の手が伸びてきて頬にふれた。折れそうなほど細い指…。
「よく、戻ってきた…」
無理矢理、連れ戻されたのだが、反論することもできずにコクンとうなずく。
「どれほど、この日を待ち望んだことか…」
力尽きてパサリとベッドに落ちた総督の手を、思わず握った。
どうしてこんな姿に…。あれほど頑強で溌剌としていた人が…。
「総督、……俺のせいですか? 俺があなたを撃ったから?」
総督はゆるやかに首を振った。
「いや、違う。おまえのせいじゃない。病のせいだ。むしろ、おまえに会うまでは死ねないと命をつないできた」
「総督……、俺は処罰を受けるために戻ってきました。俺は殺されても文句の言えないことをあなたにした。どうぞ好きにしてください」
見せしめに殺されても構わないと言うと、総督が微笑んだ。
「おまえに撃たれてベッドに縛り付けられている時、わしはおまえを捕まえたらどうしてやろうかと、さんざん考えたぞ。
思うままにむち打って、泣き叫ぶのを見てやろうとか。両手両足の腱を切って動けないようにしてやろうとか、狭い檻に死ぬまで閉じこめてやろうとか、…あらゆる妄想をした。
だが…、気が付いた。あの時、わしを殺すつもりはなかったんだろう? あの距離でおまえが撃ちそこなうはずがない。それに、たとえ撃ちそこなったとしても留めをさすこともできた。違うか?」
「……はい」
「やはり…、おまえはわしを殺すつもりはなかったのだな。そうか」
総督は深く考え込んでいるようだった。
「…、おまえを好きにするにも。残念だが、いまは引き金を引く力さえなさそうだ」
弱々しい姿を見ているのが無性に哀しかった。途切れ途切れの言葉が、いまにも消えてしまいそうで。
耳を澄ましていなければ聞き取れないほどの小さな声が、ひび割れたくちびるからもれる。
「おまえに逃げられるほど、わしは酷い男だったか?」
いいえとレイモンドがかぶりを振る。
あなたは俺をスラムから拾いあげてくれた。
マリオンから教育を受ける機会を与えてくれた。
宇宙を飛ぶきっかけを作ってくれた。
思えば、あなたはただ、総督としての勤めを果たしていただけ。黙っている俺を見て、総督がマリオンに目をやった。
「マリオン、もうレイモンドに罰を与えたのか?」
「いえ。それは総督の権利であり、義務ですから…」
「おまえがレイモンドの教育係だろう? レイモンドが逃げ出していちばん辛い目にあったのはおまえだ。それなのに何の罰も与えていないのか?」
「一度、殴りました」
「それだけか。はあ、おまえの自制心は見上げたものだ。なあ、マリオン。わしが死んだら…」
「総督! 気の弱いことを言われてはなりません。元気になって、あなたにレイモンドを罰してもらわなくては。わたしが受けた以上の罰を与えていただかないと、わたしは気が済みません」
「そうだな。おまえには八つ当たりをした。済まなかった。
だが、いまのわしにレイモンドを罰するのは無理だ。おまえに任せる。二度と逃げ出さぬように、厳しく罰しておいてくれ。殺さん程度にな…」
にやりと笑ってそれだけ言うと、総督は疲れたと言ってベッドに沈み込んだ。
「承知しました、総督。また、明日、参ります。レイモンド、戻りますよ」
病室を出て、廊下を歩く合間に問いかける。
「マリオン?」
「総督に頼まれましたから、おまえに鞭を当てることにします」
斜め下から見上げた俺に、マリオンは平静な顔で応えた。
俺は鞭の痛さを思い出して身震いした。だが…、マリオンがこうと決めたら逆らっても無駄なことは知り尽くしていた。
思った通り。
俺は容赦ない痛みに泣きわめいただけでなく、その後しばらくの間、仰向けにも寝られず、椅子にも座れなかった。
それからも毎日、総督の病室を訪れた。ベッドサイドに跪き、総督が目を覚ますのを待つ日もあった。弱々しい呼吸が止まらないだろうかとハラハラしながら総督の寝顔を見守っている、考えると不思議だ…。
総督は俺がいるのに気が付くと、いつも話をせがんだ。
「コスモ・サンダーから、どんな風に逃げ出したんだ?」
「あの少年は、どうなった?」
「おまえは何をして暮らしていたんだ?」
「付き合っている女がいるのか?」
「おまえの宇宙船はどんな船だったんだ?」
病気でなかったら総督に厳しく尋問されただろう。だが俺は結局のところ、尋問されて話すより多くのことを問わず語りに話したと思う。
総督の質問はあちこちに飛んだ。話している途中で、眠りに落ちることもあった。俺はできるだけ楽しい話題を選んで、面白おかしく話して聞かせた。
リュウを育てるのに苦労したこと。
傭兵からクーリエになって、超一流の評判を得ていたこと。
いろんな町の酒場で女を口説き、楽しんだこと。
クリスタル号で宇宙を飛び回ったこと。
小惑星帯が好きだったこと。
リュウのせいでインシャラーに迷い込んで、危うく命を落としかけたこと。
リュウのことはもちろん、ランディやルーインのこと。
メタル・ラダー社の社長に惑星開発を任せたいと言われたことまで話した。
きいてもらえているのかどうかはわからなかったが、話をするのが俺の務めのように感じたのだ。
「ほお?」「そうか」「すごいな」「無茶なことを!」
総督は目を丸くしたり、微笑んだり、顔を引きつらせて苦しそうに笑ったりした。
このまま、平和な時が続いてくれればいい。囚われの身でありながら、そんなことを思うほど。
「着替えなさい」
いつも通りの、丁寧だがそっけない命令とともに、マリオンに衣服を手渡された。
久しぶりに目にするコスモ・サンダーの制服。もう、二度と身につけることはないと思っていた。上下に分かれた機能的な戦闘用のジャンプスーツは誂えたようにピタリとカラダに馴染んだ。
マリオンは着替える姿を冷めた目で眺めていた。
「行きますよ」
本部へ連れてこられてから、初めて部屋を出た。すれ違う男たちがマリオンに敬意を表して通路を譲る。譲りながらも、こちらを好奇の目で見ているのがわかった。
案内されたのは総督の執務室ではなく病棟であった。無言の問いかけにマリオンは応えることもなく、いちばん奥、特別室の扉を開く。
広いスペースの手前には応接用のソファが、一角には執務用の机が置かれている。
しかし、そこは間違いなく病室であった。奥に据えられたベッドの周辺に病状を点検するモニターが点滅し、ベッド上の人間を拘束するかのように点滴のくだが、いくつも付けられていた。
「…!」
マリオンはベッドサイドに歩み寄ると片膝をついた。
「総督、お加減はいかがですか。レイモンドを連れて参りました…」
「……おお、そうか、マリオン。ご苦労だった。レイモンドはどこにいる?」
マリオンに促されて、俺はベッドサイドに立った。ベッドに横たわっていたのは、やつれ果てた総督だった。
「……っ」
「顔を見せておくれ」
言われてベッドの上にかがみ込むと、総督の手が伸びてきて頬にふれた。折れそうなほど細い指…。
「よく、戻ってきた…」
無理矢理、連れ戻されたのだが、反論することもできずにコクンとうなずく。
「どれほど、この日を待ち望んだことか…」
力尽きてパサリとベッドに落ちた総督の手を、思わず握った。
どうしてこんな姿に…。あれほど頑強で溌剌としていた人が…。
「総督、……俺のせいですか? 俺があなたを撃ったから?」
総督はゆるやかに首を振った。
「いや、違う。おまえのせいじゃない。病のせいだ。むしろ、おまえに会うまでは死ねないと命をつないできた」
「総督……、俺は処罰を受けるために戻ってきました。俺は殺されても文句の言えないことをあなたにした。どうぞ好きにしてください」
見せしめに殺されても構わないと言うと、総督が微笑んだ。
「おまえに撃たれてベッドに縛り付けられている時、わしはおまえを捕まえたらどうしてやろうかと、さんざん考えたぞ。
思うままにむち打って、泣き叫ぶのを見てやろうとか。両手両足の腱を切って動けないようにしてやろうとか、狭い檻に死ぬまで閉じこめてやろうとか、…あらゆる妄想をした。
だが…、気が付いた。あの時、わしを殺すつもりはなかったんだろう? あの距離でおまえが撃ちそこなうはずがない。それに、たとえ撃ちそこなったとしても留めをさすこともできた。違うか?」
「……はい」
「やはり…、おまえはわしを殺すつもりはなかったのだな。そうか」
総督は深く考え込んでいるようだった。
「…、おまえを好きにするにも。残念だが、いまは引き金を引く力さえなさそうだ」
弱々しい姿を見ているのが無性に哀しかった。途切れ途切れの言葉が、いまにも消えてしまいそうで。
耳を澄ましていなければ聞き取れないほどの小さな声が、ひび割れたくちびるからもれる。
「おまえに逃げられるほど、わしは酷い男だったか?」
いいえとレイモンドがかぶりを振る。
あなたは俺をスラムから拾いあげてくれた。
マリオンから教育を受ける機会を与えてくれた。
宇宙を飛ぶきっかけを作ってくれた。
思えば、あなたはただ、総督としての勤めを果たしていただけ。黙っている俺を見て、総督がマリオンに目をやった。
「マリオン、もうレイモンドに罰を与えたのか?」
「いえ。それは総督の権利であり、義務ですから…」
「おまえがレイモンドの教育係だろう? レイモンドが逃げ出していちばん辛い目にあったのはおまえだ。それなのに何の罰も与えていないのか?」
「一度、殴りました」
「それだけか。はあ、おまえの自制心は見上げたものだ。なあ、マリオン。わしが死んだら…」
「総督! 気の弱いことを言われてはなりません。元気になって、あなたにレイモンドを罰してもらわなくては。わたしが受けた以上の罰を与えていただかないと、わたしは気が済みません」
「そうだな。おまえには八つ当たりをした。済まなかった。
だが、いまのわしにレイモンドを罰するのは無理だ。おまえに任せる。二度と逃げ出さぬように、厳しく罰しておいてくれ。殺さん程度にな…」
にやりと笑ってそれだけ言うと、総督は疲れたと言ってベッドに沈み込んだ。
「承知しました、総督。また、明日、参ります。レイモンド、戻りますよ」
病室を出て、廊下を歩く合間に問いかける。
「マリオン?」
「総督に頼まれましたから、おまえに鞭を当てることにします」
斜め下から見上げた俺に、マリオンは平静な顔で応えた。
俺は鞭の痛さを思い出して身震いした。だが…、マリオンがこうと決めたら逆らっても無駄なことは知り尽くしていた。
思った通り。
俺は容赦ない痛みに泣きわめいただけでなく、その後しばらくの間、仰向けにも寝られず、椅子にも座れなかった。
それからも毎日、総督の病室を訪れた。ベッドサイドに跪き、総督が目を覚ますのを待つ日もあった。弱々しい呼吸が止まらないだろうかとハラハラしながら総督の寝顔を見守っている、考えると不思議だ…。
総督は俺がいるのに気が付くと、いつも話をせがんだ。
「コスモ・サンダーから、どんな風に逃げ出したんだ?」
「あの少年は、どうなった?」
「おまえは何をして暮らしていたんだ?」
「付き合っている女がいるのか?」
「おまえの宇宙船はどんな船だったんだ?」
病気でなかったら総督に厳しく尋問されただろう。だが俺は結局のところ、尋問されて話すより多くのことを問わず語りに話したと思う。
総督の質問はあちこちに飛んだ。話している途中で、眠りに落ちることもあった。俺はできるだけ楽しい話題を選んで、面白おかしく話して聞かせた。
リュウを育てるのに苦労したこと。
傭兵からクーリエになって、超一流の評判を得ていたこと。
いろんな町の酒場で女を口説き、楽しんだこと。
クリスタル号で宇宙を飛び回ったこと。
小惑星帯が好きだったこと。
リュウのせいでインシャラーに迷い込んで、危うく命を落としかけたこと。
リュウのことはもちろん、ランディやルーインのこと。
メタル・ラダー社の社長に惑星開発を任せたいと言われたことまで話した。
きいてもらえているのかどうかはわからなかったが、話をするのが俺の務めのように感じたのだ。
「ほお?」「そうか」「すごいな」「無茶なことを!」
総督は目を丸くしたり、微笑んだり、顔を引きつらせて苦しそうに笑ったりした。
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