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5 射撃訓練
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その頃。
射撃場では、養成所の生徒たちが自主トレに励んでいた。射撃課題をクリアするために集まっているのだ。中でも、イアンはあせっていた。射撃が苦手なのである。何度やっても標的に弾を集めることができない。このままだと、艦隊で働く夢が潰えるかもしれない。
「俺、ダメかもしんない」
「あきらめんなよ、イアン。まだ、2週間もあるから、練習すれば何とかなるって」
「もう、2週間しかない…」
「宇宙艦の艦橋をめざすって言ってただろ。宇宙を縦横無尽に駆けめぐりたいって」
ブライアンが励ますが、イアンは肩を落としたままだ。
「俺が教えてやるって!」
「ありがたいけど、おまえも俺とどっこいどっこいだろ!」
「そうなんだよな~。教官に頼み込んで個人レッスンでもしてもらうか?」
「俺たちみたいな落ちこぼれ、相手にされないよ…」
仲間たちの、そこそこの腕前を見ては、はあ、とため息を吐く。
そこへ。
ラフな格好の見かけない男が入ってきた。
ふわりとやわらかい雰囲気に包まれている。スレンダーなボディ、蜂蜜色の髪が縁取る顔は、美貌という言葉がまさにぴったりだ。
「あれ、誰?」
「知らないよ」
このジムには不似合いな男(コスモ・サンダーの戦闘員すべてがゴツイ男たちとは限らないが、総じてガタイのいい男が多いのだ)の出現に、目を奪われてしまったのは、イアンとブライアンだけではなかった。
男は養成所の生徒たちの視線を気にもとめずに、最新式の射撃ブースに陣取った。レーザー銃を手に取ると、標的に向かって構える。
その瞬間。
身にまとっていたふわりとした雰囲気が一変した。恐いくらいに張りつめた空気がその男を包んだのだ。ピリッとした空気を破って、レーザーが閃く。普通の銃に比べて、ずっと扱いにくいレーザー銃をいともたやすく扱っていた。
「うっそ! 何メートルある?」
「あの標的、動いてる! 難易度Sだぜ」
イアンたちが思わず叫んだのも無理はないほど、その男の腕は卓越していた。流れるような動作、持ち上げられた腕から次々に繰り出されるレーザー。ゆとりを持たせて伸ばされた腕は反動などありもしないようにびくともしない。またたく間に、ワンカートリッジが終了していた。
「相変わらず、いい腕してますね」
後ろから声がかかった。
「あなたの射撃は見ているだけでうっとりする。今日は勝負をしてもらえないらしい、せめて観戦させてもらうとしますか」
ハワードから連絡を受けたソードが立っていた。
「相変わらず? 俺が下手だったのを知ってるおまえに言われると、嫌みに聞こえるよ」
眉をひそめて男が言う。
「嫌みだなんて、とんでもない」
そうだ。この人の射撃は、最初は滅茶苦茶だったとソードは思い出した。大型銃を支えるには力が足りなかった。ヘタに付いた癖を直すのに苦労していた。毎日、マリオンにしごかれて、泣きそうになりながら、銃と格闘していた。
この男にも、確かに射撃が苦手だったことがあったのだ。
それが、いつの間にかうっとりするほどの腕前になった。トレーニングでカバーしたのか、トップクラスの腕前に。
ソードはハワード・ジム長がトレーニングだけでここまでうまくなれるもんじゃないと評していたのを覚えている。この男は不器用ではあったが、それを凌駕するだけの鍛錬を積んだのだ。才能を秘めていたのかもしれない。
口許を緩めながらそんなことを考えていると、
「俺の射撃訓練は見せ物じゃないんだけど。おまえが認めてくれると、それはそれでうれしいね」
と男が笑った。
「ええっ! あなたが素直に喜んで、笑ってくれるなんて、どうなってるんですか?」
「ふ~ん。ジム長にも言われたけど、俺って、そんなに愛想なかった?」
「つっ! 愛想どころか、近づいたら凍死させられるんじゃないかと、みんな恐がってましたよ。あなたが口にするのは命令か冷酷な叱責だけ、笑顔なんて見たことない…」
「おまえは、いつも俺にじゃれてたじゃない?」
この男の力が卓越しているのは確かだけれど、トレーニングの時には、苦しげに表情が歪み、その目に涙が浮かぶのを知っていたから。血も心も通う自分と同じ少年なのだと思えたから。
「ジムではあなたも、いちメンバーでしたから。……ところで、言い遅れましたが、お帰りなさい」
「ただいま、って! ジム長にも言ったけど、俺は帰ってきた訳じゃなくて、連れ戻されたの。ここに居ることに、まだ、納得してないんだから」
「それじゃあ…、また、出て行ってしまうんですか?」
「できるものなら、そうしてるよっ」
苛立たしげな口調が、男の身動きならない立場を教えていた。
ソードと軽口をたたいているところへ、養成所のウエアを身につけた少年たちが近づいてきた。近くで立ち止まって2人の様子を眺めている。
「ん?」
問いかけるようなエメラルド・グリーンの瞳に、背の高い方がおずおずと切り出した。
「いまの射撃、見ていました。どうしたらあんな射撃ができるようになるんですか」
男は肩をすくめる。叱りとばされなかったのに勇気を得た少年がためらいがちに頼みを口にした。
「あの~。もし…、ご迷惑でなかったら、僕たちに射撃を教えてもらえませんか?」
「教官はいないの?」
「自主トレやってるんです。もうすぐ課題テストだから…」
「僕たち、射撃が下手くそで…」
「課題をクリアできそうにないって?」
少年たちの言葉の続きを、男が引き継いだ。
「はい…」
という返事にかぶって、ソードの叱責が飛んだ。
「おまえらっ! 上官に自分から話しかけてはいけないと、習わなかったのかっ! 基本の基本だぞ。それに、この人は…」
「いいよ、ソード。この子たち、せっぱ詰まってるみたいだ。俺も射撃では苦労したからわかるよ。それに、ここはジムだ。ハワード・ジム長のポリシーを知ってるだろ。トレーニングの前にはみんな平等だって。養成所の生徒も一兵卒も、キャプテンもない」
「それは、そうですが…」
おまえも俺に許可なく話しかけたじゃない。自分はいいの? もしかして、俺に逆らいたいとか? と耳打ちされた台詞が怖い。
「いえ、とんでもありません!」
「じゃ、黙ってて」
ソードの口を封じると、男は2人の少年に向き直る。
「いいよ、教えてあげる。でも、俺は完璧主義だからね。途中でギブアップなんて許さないし、泣き言も聞かないよ。いい?」
意を決したように固くうなずく少年たちに、男は心の中で笑みを浮かべる。
「じゃあ、こっちへ来なさい。ブースに入って」
男が先ほどまで使っていたブースである。生徒たちには使わせてもらえない最新式のブースを指さされ、少年たちが戸惑う。
ぐずぐずしている少年たちに焦れた男が怒鳴った。
「何をしている。時間の無駄だ。さっさと入れ!」
少年たちは、飛び上がってブースにつく。トレーナーは文句を言わなかったが、男が腕を組んで睨んでいた。さきほどまでとガラリと雰囲気が変わっている。どうしていいかわからず、もじもじしている少年たちに厳しい声だ。
「突っ立ってるだけ? 言うことはないのかっ! ソード! こいつら、指導者に対する態度がなってないね。ちゃんと教えてるのか」
トレーナーの長を勤めるソードを呼び捨てである。
話を振られたソードはビクリとして、あわてて少年たちに耳打ちする。
「おまえら、トレーニングを始めるときに、教官にする挨拶があるだろ」
「ご指導、お願いします」
はっとして姿勢を正したイアンとブライアンが大きな声で挨拶をした。
男は満足そうに微笑んだ。
「よし、始めようか」
射撃場では、養成所の生徒たちが自主トレに励んでいた。射撃課題をクリアするために集まっているのだ。中でも、イアンはあせっていた。射撃が苦手なのである。何度やっても標的に弾を集めることができない。このままだと、艦隊で働く夢が潰えるかもしれない。
「俺、ダメかもしんない」
「あきらめんなよ、イアン。まだ、2週間もあるから、練習すれば何とかなるって」
「もう、2週間しかない…」
「宇宙艦の艦橋をめざすって言ってただろ。宇宙を縦横無尽に駆けめぐりたいって」
ブライアンが励ますが、イアンは肩を落としたままだ。
「俺が教えてやるって!」
「ありがたいけど、おまえも俺とどっこいどっこいだろ!」
「そうなんだよな~。教官に頼み込んで個人レッスンでもしてもらうか?」
「俺たちみたいな落ちこぼれ、相手にされないよ…」
仲間たちの、そこそこの腕前を見ては、はあ、とため息を吐く。
そこへ。
ラフな格好の見かけない男が入ってきた。
ふわりとやわらかい雰囲気に包まれている。スレンダーなボディ、蜂蜜色の髪が縁取る顔は、美貌という言葉がまさにぴったりだ。
「あれ、誰?」
「知らないよ」
このジムには不似合いな男(コスモ・サンダーの戦闘員すべてがゴツイ男たちとは限らないが、総じてガタイのいい男が多いのだ)の出現に、目を奪われてしまったのは、イアンとブライアンだけではなかった。
男は養成所の生徒たちの視線を気にもとめずに、最新式の射撃ブースに陣取った。レーザー銃を手に取ると、標的に向かって構える。
その瞬間。
身にまとっていたふわりとした雰囲気が一変した。恐いくらいに張りつめた空気がその男を包んだのだ。ピリッとした空気を破って、レーザーが閃く。普通の銃に比べて、ずっと扱いにくいレーザー銃をいともたやすく扱っていた。
「うっそ! 何メートルある?」
「あの標的、動いてる! 難易度Sだぜ」
イアンたちが思わず叫んだのも無理はないほど、その男の腕は卓越していた。流れるような動作、持ち上げられた腕から次々に繰り出されるレーザー。ゆとりを持たせて伸ばされた腕は反動などありもしないようにびくともしない。またたく間に、ワンカートリッジが終了していた。
「相変わらず、いい腕してますね」
後ろから声がかかった。
「あなたの射撃は見ているだけでうっとりする。今日は勝負をしてもらえないらしい、せめて観戦させてもらうとしますか」
ハワードから連絡を受けたソードが立っていた。
「相変わらず? 俺が下手だったのを知ってるおまえに言われると、嫌みに聞こえるよ」
眉をひそめて男が言う。
「嫌みだなんて、とんでもない」
そうだ。この人の射撃は、最初は滅茶苦茶だったとソードは思い出した。大型銃を支えるには力が足りなかった。ヘタに付いた癖を直すのに苦労していた。毎日、マリオンにしごかれて、泣きそうになりながら、銃と格闘していた。
この男にも、確かに射撃が苦手だったことがあったのだ。
それが、いつの間にかうっとりするほどの腕前になった。トレーニングでカバーしたのか、トップクラスの腕前に。
ソードはハワード・ジム長がトレーニングだけでここまでうまくなれるもんじゃないと評していたのを覚えている。この男は不器用ではあったが、それを凌駕するだけの鍛錬を積んだのだ。才能を秘めていたのかもしれない。
口許を緩めながらそんなことを考えていると、
「俺の射撃訓練は見せ物じゃないんだけど。おまえが認めてくれると、それはそれでうれしいね」
と男が笑った。
「ええっ! あなたが素直に喜んで、笑ってくれるなんて、どうなってるんですか?」
「ふ~ん。ジム長にも言われたけど、俺って、そんなに愛想なかった?」
「つっ! 愛想どころか、近づいたら凍死させられるんじゃないかと、みんな恐がってましたよ。あなたが口にするのは命令か冷酷な叱責だけ、笑顔なんて見たことない…」
「おまえは、いつも俺にじゃれてたじゃない?」
この男の力が卓越しているのは確かだけれど、トレーニングの時には、苦しげに表情が歪み、その目に涙が浮かぶのを知っていたから。血も心も通う自分と同じ少年なのだと思えたから。
「ジムではあなたも、いちメンバーでしたから。……ところで、言い遅れましたが、お帰りなさい」
「ただいま、って! ジム長にも言ったけど、俺は帰ってきた訳じゃなくて、連れ戻されたの。ここに居ることに、まだ、納得してないんだから」
「それじゃあ…、また、出て行ってしまうんですか?」
「できるものなら、そうしてるよっ」
苛立たしげな口調が、男の身動きならない立場を教えていた。
ソードと軽口をたたいているところへ、養成所のウエアを身につけた少年たちが近づいてきた。近くで立ち止まって2人の様子を眺めている。
「ん?」
問いかけるようなエメラルド・グリーンの瞳に、背の高い方がおずおずと切り出した。
「いまの射撃、見ていました。どうしたらあんな射撃ができるようになるんですか」
男は肩をすくめる。叱りとばされなかったのに勇気を得た少年がためらいがちに頼みを口にした。
「あの~。もし…、ご迷惑でなかったら、僕たちに射撃を教えてもらえませんか?」
「教官はいないの?」
「自主トレやってるんです。もうすぐ課題テストだから…」
「僕たち、射撃が下手くそで…」
「課題をクリアできそうにないって?」
少年たちの言葉の続きを、男が引き継いだ。
「はい…」
という返事にかぶって、ソードの叱責が飛んだ。
「おまえらっ! 上官に自分から話しかけてはいけないと、習わなかったのかっ! 基本の基本だぞ。それに、この人は…」
「いいよ、ソード。この子たち、せっぱ詰まってるみたいだ。俺も射撃では苦労したからわかるよ。それに、ここはジムだ。ハワード・ジム長のポリシーを知ってるだろ。トレーニングの前にはみんな平等だって。養成所の生徒も一兵卒も、キャプテンもない」
「それは、そうですが…」
おまえも俺に許可なく話しかけたじゃない。自分はいいの? もしかして、俺に逆らいたいとか? と耳打ちされた台詞が怖い。
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ソードの口を封じると、男は2人の少年に向き直る。
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「じゃあ、こっちへ来なさい。ブースに入って」
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ぐずぐずしている少年たちに焦れた男が怒鳴った。
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トレーナーの長を勤めるソードを呼び捨てである。
話を振られたソードはビクリとして、あわてて少年たちに耳打ちする。
「おまえら、トレーニングを始めるときに、教官にする挨拶があるだろ」
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