59 / 129
ぽっちゃり女勇者と後三人誰だよ…の勇者パーティー(壊滅状態)
地獄絵図
しおりを挟む
サキュバスを殺した後、佐藤貴……ああもう面倒くせえ。
どうせ名前覚えてねえんだから佐藤でいいや。
逃げた佐藤を追う為に、フィスフェレムの屋敷の中へ入った。
屋敷への侵入を阻むトラップなどの気配は無いし、サキュバスやインキュバスが潜んでいて、奇襲をしてくるという事もない。
とはいえ、魔王軍幹部フィスフェレムのいる屋敷だからな。
流石に俺も、大胆に突き進む事は出来ない。
むしろこの上ないほど慎重に進んでいる。
それでも、セトロベイーナ軍がサキュバスやインキュバスをほとんど討伐してくれたので大分スムーズに進めている。
サキュバスの数が少ないので、屋敷を巡回しているサキュバスに気付かれることなく女神の紫の毒攻撃で殺せるし、何より、俺がサキュバスに気付かずにいて、背後から攻撃されるという事が無いのがその証拠だ。
それに、フィスフェレムの屋敷の中には多くの部屋があると聞かされてたからな。
一部屋一部屋しらみ潰しに探して、サキュバスやインキュバスを全滅させないと、屋敷の中にいるであろう若い女性達やセトロベイーナ軍の人間をリベッネ達が救助する時に大変だろうし。
にしても、インキュバスは屋敷をほとんど巡回してないって情報は本当だったな。
セトロベイーナ軍の人間の情報によると、屋敷の二階の大部屋でジェノニアの街でさらった女性達に種付けする事に励んでいるので、屋敷を巡回しているのはサキュバス、そして操られているセトロベイーナ軍の人間しかいないと。
ただ……一つだけ気掛かりな事がある。
操られているセトロベイーナ軍の人間は、女神の藍のディサイドで誘惑が解かれているはずなので、そろそろ屋敷や部屋で倒れているセトロベイーナ軍の人間を見かけてもいい頃だ。
だが、屋敷の中では一人も見つけていない。
……誘惑が解かれている事に気付かれて、もう一度サキュバスに操られているのか?
……それならそれで、操られているセトロベイーナ軍の人間を見かけても良いはずなんだが。
嫌な予感を感じつつも、屋敷の一階の部屋を全て調べ終え、部屋にいたり、一階を巡回していたサキュバスも全滅させたので二階へ行く。
◇
「この部屋か……」
二階の大部屋。
つまり、インキュバスがさらった女性達に種付けを行っているという大部屋の前まで着いた。
二階にいたサキュバスは全滅させ、目の前の大部屋以外の部屋は全て調べた。
後は、この部屋と屋敷の最上階である三階、要はフィスフェレムのいる階層と屋上だけだ。
もっとも、三階はフィスフェレムの間と呼ばれていて、ワンフロアとなっている。
つまり三階はフィスフェレムの部屋みたいになっているので、実質後二部屋。
セトロベイーナ軍のおかげでここまでは順調だ。
……ここまでは、な。
結局俺は、セトロベイーナ軍の人間とセトロベイーナの勇者パーティーの三人である、佐藤、伊東、鈴木桃奈の事は見つける事が出来なかった。
となると、この大部屋か三階にいる事になるが……。
「伊東くんに知らせなくちゃ……か」
佐藤の呟いた言葉、そして佐藤がサキュバスに命令をして、俺を襲わせた事が引っ掛かっていた。
とっ捕まえて聞きたい所だが、探しても見つからないのでどうしようもないけど。
となるとこの大部屋を調べるしか無いんだよな。
まあ……この大部屋も、セトロベイーナ軍の人間から聞いた話だと中々の地獄絵図が広がっているらしいが。
口にしたくもないし、思い出したくも無いぐらいだから、中に入るなら覚悟しておいた方が良いと戦場で様々な地獄絵図を見てきたはずの軍の人間が忠告するんだからよっぽどなんだろうけど。
だが一応俺も、ファウンテンとジェノニアという二つの街で地獄絵図を見た。
二つとも中々精神的に来る地獄絵図だった。
あの二つを超えてくるなんて、そうそうない……いや、無いはずだ……無いと思う。
大きく息を吐き、大部屋の扉を開く。
……ああ、なるほど……。
これは、地獄だわ。
地獄絵図だわ。
扉を開け、大部屋へ足を踏み入れた瞬間、耳に入ってきたのはインキュバスに犯され種付けされている女性達の喘ぎ声。
鼻にくる気持ちの悪い悪臭はインキュバス達の体液の臭い。
目に入ったのは行為が済んだのか、インキュバスの体液まみれのまま、裸で放置されている女性達の姿だった。
……ああ、ヤベえわ。
ファウンテンやジェノニアの時に見た地獄絵図とは違う意味でこれは精神的に来る。
「エクスチェンジ、女神の紫。デッドリーポイズン」
無意識に俺は、女神の紫を使っていた。
そして、一瞬にして大部屋にいたインキュバスを全滅させていた。
相変わらず、大部屋の中の臭いはキツい。
だが、ひとまずインキュバスなどという人間じゃない存在に犯されている女性達の喘ぎ声を聞かずに済むだけでも、インキュバスを全滅させた甲斐はある。
……しかし、すぐに女性達の悲鳴の声が上がったが。
当然だろう、突然目の前でインキュバス達が死んだのだから。
俺は大部屋を確認する事も、大部屋の中の女性達を助ける事もなく。
黙って、大部屋を出た。
そして、俺はフィスフェレムの間へと繋がる三階への階段へ向かった。
大部屋の中を探して、佐藤、伊東、鈴木桃奈の三人やセトロベイーナ軍の人間を見つけるべきかもしれない。
ディサイドを使って、女性達を正気に戻すべきかもしれない。
だが、俺には出来なかった。
あの地獄のような部屋に留まりたくなかった。
そして、あの大部屋にいた女性達の事を救える自信が無かったからだ。
ディサイドを使って、今の女性達を正気にさせたらどうなる?
記憶があるんだぞ。
体へのダメージも残ってるんだ。
あのままの状態で、正気にさせる?
そんな残酷な事、俺には出来ないし、出来なかった。
たとえ、この世界の人間を好きじゃなくても。
「必ず討伐してやる……フィスフェレム」
そう呟きながら、フィスフェレムの間へと繋がる階段を登っていた。
どうせ名前覚えてねえんだから佐藤でいいや。
逃げた佐藤を追う為に、フィスフェレムの屋敷の中へ入った。
屋敷への侵入を阻むトラップなどの気配は無いし、サキュバスやインキュバスが潜んでいて、奇襲をしてくるという事もない。
とはいえ、魔王軍幹部フィスフェレムのいる屋敷だからな。
流石に俺も、大胆に突き進む事は出来ない。
むしろこの上ないほど慎重に進んでいる。
それでも、セトロベイーナ軍がサキュバスやインキュバスをほとんど討伐してくれたので大分スムーズに進めている。
サキュバスの数が少ないので、屋敷を巡回しているサキュバスに気付かれることなく女神の紫の毒攻撃で殺せるし、何より、俺がサキュバスに気付かずにいて、背後から攻撃されるという事が無いのがその証拠だ。
それに、フィスフェレムの屋敷の中には多くの部屋があると聞かされてたからな。
一部屋一部屋しらみ潰しに探して、サキュバスやインキュバスを全滅させないと、屋敷の中にいるであろう若い女性達やセトロベイーナ軍の人間をリベッネ達が救助する時に大変だろうし。
にしても、インキュバスは屋敷をほとんど巡回してないって情報は本当だったな。
セトロベイーナ軍の人間の情報によると、屋敷の二階の大部屋でジェノニアの街でさらった女性達に種付けする事に励んでいるので、屋敷を巡回しているのはサキュバス、そして操られているセトロベイーナ軍の人間しかいないと。
ただ……一つだけ気掛かりな事がある。
操られているセトロベイーナ軍の人間は、女神の藍のディサイドで誘惑が解かれているはずなので、そろそろ屋敷や部屋で倒れているセトロベイーナ軍の人間を見かけてもいい頃だ。
だが、屋敷の中では一人も見つけていない。
……誘惑が解かれている事に気付かれて、もう一度サキュバスに操られているのか?
……それならそれで、操られているセトロベイーナ軍の人間を見かけても良いはずなんだが。
嫌な予感を感じつつも、屋敷の一階の部屋を全て調べ終え、部屋にいたり、一階を巡回していたサキュバスも全滅させたので二階へ行く。
◇
「この部屋か……」
二階の大部屋。
つまり、インキュバスがさらった女性達に種付けを行っているという大部屋の前まで着いた。
二階にいたサキュバスは全滅させ、目の前の大部屋以外の部屋は全て調べた。
後は、この部屋と屋敷の最上階である三階、要はフィスフェレムのいる階層と屋上だけだ。
もっとも、三階はフィスフェレムの間と呼ばれていて、ワンフロアとなっている。
つまり三階はフィスフェレムの部屋みたいになっているので、実質後二部屋。
セトロベイーナ軍のおかげでここまでは順調だ。
……ここまでは、な。
結局俺は、セトロベイーナ軍の人間とセトロベイーナの勇者パーティーの三人である、佐藤、伊東、鈴木桃奈の事は見つける事が出来なかった。
となると、この大部屋か三階にいる事になるが……。
「伊東くんに知らせなくちゃ……か」
佐藤の呟いた言葉、そして佐藤がサキュバスに命令をして、俺を襲わせた事が引っ掛かっていた。
とっ捕まえて聞きたい所だが、探しても見つからないのでどうしようもないけど。
となるとこの大部屋を調べるしか無いんだよな。
まあ……この大部屋も、セトロベイーナ軍の人間から聞いた話だと中々の地獄絵図が広がっているらしいが。
口にしたくもないし、思い出したくも無いぐらいだから、中に入るなら覚悟しておいた方が良いと戦場で様々な地獄絵図を見てきたはずの軍の人間が忠告するんだからよっぽどなんだろうけど。
だが一応俺も、ファウンテンとジェノニアという二つの街で地獄絵図を見た。
二つとも中々精神的に来る地獄絵図だった。
あの二つを超えてくるなんて、そうそうない……いや、無いはずだ……無いと思う。
大きく息を吐き、大部屋の扉を開く。
……ああ、なるほど……。
これは、地獄だわ。
地獄絵図だわ。
扉を開け、大部屋へ足を踏み入れた瞬間、耳に入ってきたのはインキュバスに犯され種付けされている女性達の喘ぎ声。
鼻にくる気持ちの悪い悪臭はインキュバス達の体液の臭い。
目に入ったのは行為が済んだのか、インキュバスの体液まみれのまま、裸で放置されている女性達の姿だった。
……ああ、ヤベえわ。
ファウンテンやジェノニアの時に見た地獄絵図とは違う意味でこれは精神的に来る。
「エクスチェンジ、女神の紫。デッドリーポイズン」
無意識に俺は、女神の紫を使っていた。
そして、一瞬にして大部屋にいたインキュバスを全滅させていた。
相変わらず、大部屋の中の臭いはキツい。
だが、ひとまずインキュバスなどという人間じゃない存在に犯されている女性達の喘ぎ声を聞かずに済むだけでも、インキュバスを全滅させた甲斐はある。
……しかし、すぐに女性達の悲鳴の声が上がったが。
当然だろう、突然目の前でインキュバス達が死んだのだから。
俺は大部屋を確認する事も、大部屋の中の女性達を助ける事もなく。
黙って、大部屋を出た。
そして、俺はフィスフェレムの間へと繋がる三階への階段へ向かった。
大部屋の中を探して、佐藤、伊東、鈴木桃奈の三人やセトロベイーナ軍の人間を見つけるべきかもしれない。
ディサイドを使って、女性達を正気に戻すべきかもしれない。
だが、俺には出来なかった。
あの地獄のような部屋に留まりたくなかった。
そして、あの大部屋にいた女性達の事を救える自信が無かったからだ。
ディサイドを使って、今の女性達を正気にさせたらどうなる?
記憶があるんだぞ。
体へのダメージも残ってるんだ。
あのままの状態で、正気にさせる?
そんな残酷な事、俺には出来ないし、出来なかった。
たとえ、この世界の人間を好きじゃなくても。
「必ず討伐してやる……フィスフェレム」
そう呟きながら、フィスフェレムの間へと繋がる階段を登っていた。
0
お気に入りに追加
133
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる