35 / 129
ぽっちゃり女勇者と後三人誰だよ…の勇者パーティー(壊滅状態)
チェンツオーネ到着
しおりを挟む
「ほら、着きましたよ。サンドラさんもメリサさんも起きてください」
「アハハ……このお二人にはちょっと強く魔法を掛けすぎたかもしれません」
セトロベイーナ王国の王都チェンツオーネに到着し、親書を渡す相手セトロベイーナの女王様がいる城にも着いたのに、サンドラさんもメリサさんも全く起きる気配がない。
「まだ朝ですから、女王様も起きたばっかりでしょうし、馬車を城門の前へ置いて置きましょうか」
「女王ちゃん長いからなー朝の準備とか。城門の前で待ってて良いでしょ」
「ね、ねえ。急に来るなって門番達が怒っているよ? 二人ともちょっと来てよ」
女兵士の一人が、門番の兵士に怒られたのか涙目になりながら、俺と喋っていた二人の女兵士を呼びに来る。
確かにセトロベイーナの女王様へ親書を渡しに行きますなんて連絡してないからな。
元の世界みたく電話みたいな連絡手段が無いからどうしようも無いけどね。
「えー……せっかくお望みのボルチオール王国の勇者パーティー引き連れて来たのに? 感謝が足りなくない?」
「すいません……少し門番達が文句言っているみたいなので、話をしてきます……。少々お待ち下さい……」
女兵士達は、門番へ話をつけに行く為に城門へと向かって行ったので、馬車に残される。
うーん、馬車で待っててもサンドラさんもメリサさんも全く起きる気配が無いし、少しこっちの王都を見てみるか。
馬車の窓から見るだけじゃ、チェンツオーネの詳しい状況が分からなかったし。
王都の栄え具合で、この国がどの程度の国なのか分かるし。
馬車を降りて、少し街の方へ行く。
◇
「なるほどね……王都って言ってもこんなもんか」
チェンツオーネの街を二十分程散策して、馬車へと戻ってきた俺は、見た感想を呟いていた。
女兵士達は、まだ門番と話し合いが終わっていないのか、馬車へと戻ってきていないし、サンドラさんとメリサさんも全く起きる気配がないので、独り言を言うしか無かった。
うーん、国の王都とか国の首都って建物が上に凄い高いイメージがあるんだけどな。
チェンツオーネにあるほとんどの建物が平屋ばっかりで、基本的に二階建てが無い。
元の世界のそこら辺の田舎ですら、もっと建物が高いぞ。
役場とか無駄に四階建てだったりするし。
よくばあちゃんが言ってたな、役場なんかに無駄に税金掛けおって! 二階建てで十分やろ! 膝痛いわ! って。
逆に考えると国民の税金を無駄に使っていないって言えるのか?
そもそも沢山税金を納められる程、人がいないってだけのオチだったりして。
ぶっちゃけ、これが王都? って思った。
あまりにも人通りが少なすぎて。
道もところどころ、ヒビが入っていたりして、なんか田舎みたいに思えちゃうんだよ。
兵士の質はセトロベイーナの圧勝だけど、発展具合はボルチオールの圧勝だな。
カムデンメリーはもっと人で賑わっていたし、色んな店があった。
チェンツオーネは、ファウンテン以下だろこれ。
女王様が住んでいる城だけが、メチャクチャ浮いているよ。
「あー疲れた。すいませ~ん勇者様、後三十分くらい待ってろって言われちゃいました」
疲れた様子で女兵士達の一人リベッネが、馬車へと戻って来る。
残りの二人は戻って来なかった。
「あれ? リベッネさんだけですか?」
「やーん! 勇者様に名前で呼ばれちゃった! 疲れが吹っ飛ぶー!」
「はは……」
やっぱり現実って残酷だな。
こんなふざけた事を言っているような女が、ボルチオールの兵士より実力が数段上なんだから。
しかも容姿はそこそこで、巨乳。
良いなあ、人生イージーモードっすね。
俺は異世界の女神の手違いで異世界召喚に巻き込まれた上に、ロクなサポートは受けれなかった。
しかも、元の世界に戻るには魔王討伐しなきゃいけないという人生ハードモードの俺からしたらメチャクチャ羨ましいよ。
あ、俺がイーリスにブチギレてぶっ殺したせいで、自分の手で人生ハードモードにしたんだった。
ハードモードどころか、この二年間ベリーハードモードを超えたヘルモードでしたけどね。
まあ……ここ最近は女神の加護が俺にも発動したお陰でマシにはなってきたけど、それも元クラスメイトが死んだお陰という。
「ふわあ……うるさいな……ってアレ? もう着いたの?」
リベッネの大声によって、サンドラさんが目を覚ました。
昨日のサンドラさんは酒を飲んでないから、目覚めがメチャクチャ良いな。
失礼かもしれないけど、朝からこんなにキレイなサンドラさんは初めて見た。
酒浸りのせいで、酒臭い上に顔がむくんでいたり、顔色が悪かったり、ゲロを吐いていたりなど、とにかく朝のサンドラさんは酷かった。
何度でも言おう。
一生断酒してくれ、サンドラさ……
「あー! ヤバい! 親書に涎垂らしちゃってた! か、乾かさなきゃ!」
「ええ……」
……前言撤回するわ。
やっぱりサンドラさんはサンドラさんだ。
どっか抜けてる。
「ゆ、勇者様? 丁度良かったみたい……ですね?」
「はは……」
大丈夫か?
これからこのメンバーで他国の女王様へ会いに行くんだぜ?
「アハハ……このお二人にはちょっと強く魔法を掛けすぎたかもしれません」
セトロベイーナ王国の王都チェンツオーネに到着し、親書を渡す相手セトロベイーナの女王様がいる城にも着いたのに、サンドラさんもメリサさんも全く起きる気配がない。
「まだ朝ですから、女王様も起きたばっかりでしょうし、馬車を城門の前へ置いて置きましょうか」
「女王ちゃん長いからなー朝の準備とか。城門の前で待ってて良いでしょ」
「ね、ねえ。急に来るなって門番達が怒っているよ? 二人ともちょっと来てよ」
女兵士の一人が、門番の兵士に怒られたのか涙目になりながら、俺と喋っていた二人の女兵士を呼びに来る。
確かにセトロベイーナの女王様へ親書を渡しに行きますなんて連絡してないからな。
元の世界みたく電話みたいな連絡手段が無いからどうしようも無いけどね。
「えー……せっかくお望みのボルチオール王国の勇者パーティー引き連れて来たのに? 感謝が足りなくない?」
「すいません……少し門番達が文句言っているみたいなので、話をしてきます……。少々お待ち下さい……」
女兵士達は、門番へ話をつけに行く為に城門へと向かって行ったので、馬車に残される。
うーん、馬車で待っててもサンドラさんもメリサさんも全く起きる気配が無いし、少しこっちの王都を見てみるか。
馬車の窓から見るだけじゃ、チェンツオーネの詳しい状況が分からなかったし。
王都の栄え具合で、この国がどの程度の国なのか分かるし。
馬車を降りて、少し街の方へ行く。
◇
「なるほどね……王都って言ってもこんなもんか」
チェンツオーネの街を二十分程散策して、馬車へと戻ってきた俺は、見た感想を呟いていた。
女兵士達は、まだ門番と話し合いが終わっていないのか、馬車へと戻ってきていないし、サンドラさんとメリサさんも全く起きる気配がないので、独り言を言うしか無かった。
うーん、国の王都とか国の首都って建物が上に凄い高いイメージがあるんだけどな。
チェンツオーネにあるほとんどの建物が平屋ばっかりで、基本的に二階建てが無い。
元の世界のそこら辺の田舎ですら、もっと建物が高いぞ。
役場とか無駄に四階建てだったりするし。
よくばあちゃんが言ってたな、役場なんかに無駄に税金掛けおって! 二階建てで十分やろ! 膝痛いわ! って。
逆に考えると国民の税金を無駄に使っていないって言えるのか?
そもそも沢山税金を納められる程、人がいないってだけのオチだったりして。
ぶっちゃけ、これが王都? って思った。
あまりにも人通りが少なすぎて。
道もところどころ、ヒビが入っていたりして、なんか田舎みたいに思えちゃうんだよ。
兵士の質はセトロベイーナの圧勝だけど、発展具合はボルチオールの圧勝だな。
カムデンメリーはもっと人で賑わっていたし、色んな店があった。
チェンツオーネは、ファウンテン以下だろこれ。
女王様が住んでいる城だけが、メチャクチャ浮いているよ。
「あー疲れた。すいませ~ん勇者様、後三十分くらい待ってろって言われちゃいました」
疲れた様子で女兵士達の一人リベッネが、馬車へと戻って来る。
残りの二人は戻って来なかった。
「あれ? リベッネさんだけですか?」
「やーん! 勇者様に名前で呼ばれちゃった! 疲れが吹っ飛ぶー!」
「はは……」
やっぱり現実って残酷だな。
こんなふざけた事を言っているような女が、ボルチオールの兵士より実力が数段上なんだから。
しかも容姿はそこそこで、巨乳。
良いなあ、人生イージーモードっすね。
俺は異世界の女神の手違いで異世界召喚に巻き込まれた上に、ロクなサポートは受けれなかった。
しかも、元の世界に戻るには魔王討伐しなきゃいけないという人生ハードモードの俺からしたらメチャクチャ羨ましいよ。
あ、俺がイーリスにブチギレてぶっ殺したせいで、自分の手で人生ハードモードにしたんだった。
ハードモードどころか、この二年間ベリーハードモードを超えたヘルモードでしたけどね。
まあ……ここ最近は女神の加護が俺にも発動したお陰でマシにはなってきたけど、それも元クラスメイトが死んだお陰という。
「ふわあ……うるさいな……ってアレ? もう着いたの?」
リベッネの大声によって、サンドラさんが目を覚ました。
昨日のサンドラさんは酒を飲んでないから、目覚めがメチャクチャ良いな。
失礼かもしれないけど、朝からこんなにキレイなサンドラさんは初めて見た。
酒浸りのせいで、酒臭い上に顔がむくんでいたり、顔色が悪かったり、ゲロを吐いていたりなど、とにかく朝のサンドラさんは酷かった。
何度でも言おう。
一生断酒してくれ、サンドラさ……
「あー! ヤバい! 親書に涎垂らしちゃってた! か、乾かさなきゃ!」
「ええ……」
……前言撤回するわ。
やっぱりサンドラさんはサンドラさんだ。
どっか抜けてる。
「ゆ、勇者様? 丁度良かったみたい……ですね?」
「はは……」
大丈夫か?
これからこのメンバーで他国の女王様へ会いに行くんだぜ?
0
お気に入りに追加
132
あなたにおすすめの小説

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる