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ぽっちゃり女勇者と後三人誰だよ…の勇者パーティー(壊滅状態)
王は呆れたり怒ったり
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「こんな時間に来客とは失礼な客人だと思っていたが……貴様か、サンドラ」
歓迎とは程遠い、何か言いたげな表情をしながら王様は玉座に座り呆れている。
か、帰りてえ……。
王様の周りにいる護衛の人達も、こんな時間に来やがって……って顔してるし。
「お久しぶりですねえ、王様。あれ? 元気なさそうじゃないですか?」
「貴様のせいだ、貴様の。この城には二度と戻らんと言っていた貴様が来たのだ。余程の事があったのだろう? ……なんだ、その男は? 貴様の新しい恋人か?」
王様の視線が、サンドラさんから俺に移る。
どこをどう見たら、俺がサンドラさんの恋人に見えるんだ。
「あはは、顔はカッコいいけど元彼と一緒で彼も女好きだから、ちょっと恋人にするのはイヤかな?」
「……」
おい、誰だ? サンドラさんに俺が女好き(美人のみ)って話した奴は?
告白もしてないのに、王様の前でフラれたじゃねえかよ。
「何だ違うのか。フム……だがあの一件以来、関わる男は選ぶと言っていた貴様が連れているのだから、女好きが気にならんほどの男なのだな。名前は何と言うのだ?」
「え? ああ……ジンって言います」
名前を聞かれたので、答える。
あえて名字は答えなかった。
この世界の人間に、元の世界の名字を言っても理解されないだろうし。
すると王様は一瞬呆れた表情をした後、思い出したかのように何故か納得しだす。
そして、確かめるように聞いてくる。
「こういう場ではフルネームで答えるのが、正解なのだ。もう一度聞こう、名前は?」
「あ、そうなんですか。名字は上野です。そして名前が仁です。上野仁がフルネームです」
俺のフルネームを聞いた王様は、やっぱりだと言いながら頷く。
何がやっぱりなんだ?
「ウエノ・ジン……。やはり、勇者ケント殿と一緒だ。彼のフルネームは、ワタナベ・ケント。確か、名字が名前より先に来るんだったな。ケント殿が元々住んでいた世界の国では。そして、他の三人もそれは一緒だった。それを思い出したのだ」
「それはそうですよ、王様。ジンくんは勇者ケント……ああ、元勇者ケントと一緒に女神に召喚されてこの世界に来たんですから。しかも幼馴染です」
「何!? まさかとは思っていたが、やはりか! ……ん、元勇者?」
俺がケント達と一緒に女神に召喚されてこの世界に来たということよりも、サンドラさんがケントの事を元勇者と呼ぶことの方が王様は気になったみたいだ。
「ああ……それはママとファウンテンの兵士達のからの王様への報告書を見れば分かりますよ。あんまり怒らないで下さいね。後、そこに書いてある事は全て本当です」
王様の側近らしき人が、サンドラさんから報告書を受け取る。
メリサさんが持ってたはずだけど、預かっていたのか。
側近が、報告書が入っている封筒の封を開けて、王様へと渡す。
残念ながら、その報告書に目を通した王様はサンドラさんのあんまり怒らないでねというお願いもむなしく、激怒する。
「な、何だと!? おい! 今すぐ、勇者パーティー全員を呼んでこい! どういう事だ! カムデンメリーからの応援が到着する前に、勇者パーティーがファウンテンを離れた為、ヴェルディアの部下に襲われて、ファウンテンは壊滅状態! 死者は数百人を超えるだと!?」
側近、護衛の人達も王様の激怒、そして言った内容に驚き、戸惑っている。
……しかもマジかよ。
俺が確認しただけで百人以上の死者だったから、もっと多くの人が死んでいるんだろうなとは思っていたけど、死者数百人って。
大分、増えてるじゃねーか。
「あーすいません。もうファウンテンに急いで帰らせちゃいました。襲って来ている魔物は少ないから対処出来るけど、怪我人も多いし、街の修復も手伝って貰いたいから、そっちに兵士達を割きたいって理由で、魔物避けとして必要なんです」
「あの勇者パーティー共……おかしいと思ったのだ。やけに来るのが早いと思っていたら、約束を破ったのか……」
ははっ、とうとう王様からも役立たずって呼ばれちゃったよ、ケント達。
あー完全に終わったな。
「報告書の続きもちゃんと読んで下さい。書かれているのはそれだけじゃないはずです」
「おお、そうだった。馬鹿共に対して腹を立てたせいで、続きを読むのを忘れていた。ほう、貴様がその男を連れている理由が書かれているな」
また王様が俺の方を見る。
一体何だ。
何が報告書の中に書かれている?
「礼を言うぞ、ジンとやら。ヴェルディアの部下が使役する魔物を大量に討伐したらしいな。兵士達からの報告に書いてある。ん!? ケルベロスも倒したのか!? あの、ヴェルディアの番犬を!?」
「そうなんですよ! 王様! ジンくんがケルベロス倒しちゃったんです! しかも、たった一人でです!」
「ほう……なるほどな。貴様がジンの女好きを許容する訳だな。勇者ケントなどよりもはるかに強く、役に立つ男なのだから」
褒められるのは嬉しいが、なんか嫌だな。
余計な事を頼まれそうで。
しかし、そんな俺の予想は当たってしまう。
「フム……その力を見込んで、少し頼みたいことがある」
ほらな。
大抵、人が人を褒める時は何か頼みたい事がある時なんだよ。
歓迎とは程遠い、何か言いたげな表情をしながら王様は玉座に座り呆れている。
か、帰りてえ……。
王様の周りにいる護衛の人達も、こんな時間に来やがって……って顔してるし。
「お久しぶりですねえ、王様。あれ? 元気なさそうじゃないですか?」
「貴様のせいだ、貴様の。この城には二度と戻らんと言っていた貴様が来たのだ。余程の事があったのだろう? ……なんだ、その男は? 貴様の新しい恋人か?」
王様の視線が、サンドラさんから俺に移る。
どこをどう見たら、俺がサンドラさんの恋人に見えるんだ。
「あはは、顔はカッコいいけど元彼と一緒で彼も女好きだから、ちょっと恋人にするのはイヤかな?」
「……」
おい、誰だ? サンドラさんに俺が女好き(美人のみ)って話した奴は?
告白もしてないのに、王様の前でフラれたじゃねえかよ。
「何だ違うのか。フム……だがあの一件以来、関わる男は選ぶと言っていた貴様が連れているのだから、女好きが気にならんほどの男なのだな。名前は何と言うのだ?」
「え? ああ……ジンって言います」
名前を聞かれたので、答える。
あえて名字は答えなかった。
この世界の人間に、元の世界の名字を言っても理解されないだろうし。
すると王様は一瞬呆れた表情をした後、思い出したかのように何故か納得しだす。
そして、確かめるように聞いてくる。
「こういう場ではフルネームで答えるのが、正解なのだ。もう一度聞こう、名前は?」
「あ、そうなんですか。名字は上野です。そして名前が仁です。上野仁がフルネームです」
俺のフルネームを聞いた王様は、やっぱりだと言いながら頷く。
何がやっぱりなんだ?
「ウエノ・ジン……。やはり、勇者ケント殿と一緒だ。彼のフルネームは、ワタナベ・ケント。確か、名字が名前より先に来るんだったな。ケント殿が元々住んでいた世界の国では。そして、他の三人もそれは一緒だった。それを思い出したのだ」
「それはそうですよ、王様。ジンくんは勇者ケント……ああ、元勇者ケントと一緒に女神に召喚されてこの世界に来たんですから。しかも幼馴染です」
「何!? まさかとは思っていたが、やはりか! ……ん、元勇者?」
俺がケント達と一緒に女神に召喚されてこの世界に来たということよりも、サンドラさんがケントの事を元勇者と呼ぶことの方が王様は気になったみたいだ。
「ああ……それはママとファウンテンの兵士達のからの王様への報告書を見れば分かりますよ。あんまり怒らないで下さいね。後、そこに書いてある事は全て本当です」
王様の側近らしき人が、サンドラさんから報告書を受け取る。
メリサさんが持ってたはずだけど、預かっていたのか。
側近が、報告書が入っている封筒の封を開けて、王様へと渡す。
残念ながら、その報告書に目を通した王様はサンドラさんのあんまり怒らないでねというお願いもむなしく、激怒する。
「な、何だと!? おい! 今すぐ、勇者パーティー全員を呼んでこい! どういう事だ! カムデンメリーからの応援が到着する前に、勇者パーティーがファウンテンを離れた為、ヴェルディアの部下に襲われて、ファウンテンは壊滅状態! 死者は数百人を超えるだと!?」
側近、護衛の人達も王様の激怒、そして言った内容に驚き、戸惑っている。
……しかもマジかよ。
俺が確認しただけで百人以上の死者だったから、もっと多くの人が死んでいるんだろうなとは思っていたけど、死者数百人って。
大分、増えてるじゃねーか。
「あーすいません。もうファウンテンに急いで帰らせちゃいました。襲って来ている魔物は少ないから対処出来るけど、怪我人も多いし、街の修復も手伝って貰いたいから、そっちに兵士達を割きたいって理由で、魔物避けとして必要なんです」
「あの勇者パーティー共……おかしいと思ったのだ。やけに来るのが早いと思っていたら、約束を破ったのか……」
ははっ、とうとう王様からも役立たずって呼ばれちゃったよ、ケント達。
あー完全に終わったな。
「報告書の続きもちゃんと読んで下さい。書かれているのはそれだけじゃないはずです」
「おお、そうだった。馬鹿共に対して腹を立てたせいで、続きを読むのを忘れていた。ほう、貴様がその男を連れている理由が書かれているな」
また王様が俺の方を見る。
一体何だ。
何が報告書の中に書かれている?
「礼を言うぞ、ジンとやら。ヴェルディアの部下が使役する魔物を大量に討伐したらしいな。兵士達からの報告に書いてある。ん!? ケルベロスも倒したのか!? あの、ヴェルディアの番犬を!?」
「そうなんですよ! 王様! ジンくんがケルベロス倒しちゃったんです! しかも、たった一人でです!」
「ほう……なるほどな。貴様がジンの女好きを許容する訳だな。勇者ケントなどよりもはるかに強く、役に立つ男なのだから」
褒められるのは嬉しいが、なんか嫌だな。
余計な事を頼まれそうで。
しかし、そんな俺の予想は当たってしまう。
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