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幼馴染(男)と地味女子三人の勇者パーティー(役立たず)
勇者パーティーとは思えない体
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「な、何だよこれ! 何したんだよ! ジン!」
「い、嫌あああああ!!!!! み、見ないでえええええ!!!!!」
衆人環視の中、突然ケントはパンツ一枚で上半身裸、サラはブラとパンツを着けた状態の下着姿になった為、二人共恥ずかしそうに自らの手で隠して、騒ぎ出す。
これくらいの事したってバチは当たらないよなあ?
お前らのミスで少なくとも百人以上の人間が死んでるんだからさ?
丁度良いから反省しろ。
殺されないだけありがたいと思え。
「お、おい! ジン! 何か言えよ! そんな黙ってマジマジと俺達の恥ずかしい姿を見るな!」
「キ、キモいキモいキモい!!! 黙ってこっち見んな上野!」
「黙るなって? じゃあ、一つ言わせて貰おうか。はあ……やっぱり予想通りだ」
女神の黒の力で、忌避の力以外の女神の加護を奪われたケントとサラが下着のみの姿になったのを見て、俺は溜め息しか出てこなかった。
一応コイツらは、女神イーリスに選ばれたこの国の勇者だ。
だから魔王討伐という名目で様々な人間から俺が金額を把握出来ない程の大金を受け取っていたはずなのだが。
「お前ら、金なんざ腐るほど多くの人間から貰っていたはずだろ? それなのに、装備品に使った金がゼロって……そんな事あり得るか?」
「なっ!? ……そ、そんな事無いよな? な! サラ!」
「う、うん! ちゃ、ちゃんと装備品にもお金掛けてるよね! というか、私の剣と鎧返してよ! 女の子を大勢の人の前で下着だけの状態でいさせるなんて、上野マジ最低! キモい! 変態! こっち見んな!」
「そうだぞジン! 勇者パーティーにこんな事をしてタダで済むと思うなよ!」
はい、嘘確定。
だって、女神の黒の能力って俺より実力が下で、尚且つ魔王討伐をする勇者パーティーとして不適格もしくは死亡した女神の加護を持つ人間から女神の加護を奪って、その加護の力をパワーに変える能力です。(イーリスの説明によると)
だから、女神の黒にこの世界で買った普通の装備品を奪うなんて能力はありません。
ケントとサラが下着姿のみになったって事は、召喚された時に女神イーリスの手で作られた剣や鎧を装備してから現在に至るまで二年間変えていないんだろうな。
何一つ装備が残らなかったというのはコイツらが、装備品に使った金がゼロという決定的な証拠なんですよ。
能力強化のアクセサリーとか身に付けてない辺り、本当に装備品に金使ってないんだな。
二年間でこの国の様々な人間から貰った金、一体何に使ったんだよ。
まあ、女神の黒の能力を教えるなんて事はしたくないから、黙っておくけど。
メリサさんの質問もスルーしよう。
何したんですか? って言われても女神の黒の力を使ったって言うしか無いし。
それに、言いたい事はもう一つあるし。
「うわあ……下着姿だから気付いたけど、腕も足も細いのに腹だけは出てるのかよ……。最悪だな……情けねえ……醜い体しやがって……これが魔王討伐する勇者パーティーの体かよ? ねえ、メリサさん?」
「……ジンさんが話したく無いと言うのなら、そんな露骨に話を逸らさなくても詮索しませんよ?」
「いやいや、話を逸らした訳じゃないですよ。ただ、あれが魔王討伐する勇者パーティーの体型に見えます?」
「確かに……酷いですね……。全く鍛えていないのが分かります。贅肉より筋肉を付けて貰いたいですね」
辛辣!
メリサさんストレートに言い過ぎ!
流石に怒られますよ?
しかし、ケントとサラの反応は違ったものだった。
「おいおい、何で!? 何でだよ!? メリサちゃんの話している言葉が理解出来ない! サ、サラお前はどうだ!?」
「ア、アタシも! しかも周りの人達が何話しているかも分かんない! な、何で!? 何で何で!?」
どうやらケントとサラはメリサさんの言葉が理解出来なくなっているみたいだ。
当たり前だよね。
女神の加護、異世界言語理解の能力も俺が奪ったし。
……まあその前に、ケント。
メリサさんをメリサちゃんなんて呼ぶな、百年早い。
「ねえ、メリサさん。ケントがメリサちゃんって呼んでるんだけど仲良かったの?」
「気持ち悪い! 仲なんて良くありませんよ! 彼に夜の奉仕をしろと迫られたのが、私が魔法使いを辞める切っ掛けになったんですから!」
「うわあ……そんな事言ってたのかよ……マジで最低だな……それで断られて逆ギレかよ……勇者として以前に男として終わってんな……ケント」
忌避の力以外の全ての女神の加護を奪うのは少しやり過ぎか? って思ったけど全然やり過ぎじゃなかったな。
こんな最低な奴が幼馴染とか最悪だよ。
「……メリサさん、行きましょうか。目的は達成したんで」
「良いですけど……こんな大勢の人に囲まれている状態で逃げられますか?」
逃げられない事は無いな、だってケントの女神の剣、女神の紫も奪ったし。
確か、イーリスから聞いた話だと女神の紫の能力は様々な能力を持つ毒。
ケントとサラ、バカ魔法使いを含めたギャラリー連中を麻痺毒で動けなくすれば良いだけだし。
だが、そんな事はする必要は無いみたいだ。
大勢のギャラリーが何故か沸き立つ。
そして、こんな声が聞こえる。
「お、おい! アレ! 魔法剣姫だろ!」
「王都から姿を消したんじゃ!?」
「間違いねえ! あれはサンドラ・ロジャースだ!」
一人の女性が現れ、ギャラリー達がその人を俺達の元まで行かせる為に道を開ける。
凛々しく、美しい彼女は人目を気にする事なく堂々と歩いてくる。
「やあ、ジンくん。……って何で勇者ケントと剣士サラはあんな格好なの?」
うん。
それは後で説明するけど。
何でサンドラさん、カムデンメリーに来てるの?
「い、嫌あああああ!!!!! み、見ないでえええええ!!!!!」
衆人環視の中、突然ケントはパンツ一枚で上半身裸、サラはブラとパンツを着けた状態の下着姿になった為、二人共恥ずかしそうに自らの手で隠して、騒ぎ出す。
これくらいの事したってバチは当たらないよなあ?
お前らのミスで少なくとも百人以上の人間が死んでるんだからさ?
丁度良いから反省しろ。
殺されないだけありがたいと思え。
「お、おい! ジン! 何か言えよ! そんな黙ってマジマジと俺達の恥ずかしい姿を見るな!」
「キ、キモいキモいキモい!!! 黙ってこっち見んな上野!」
「黙るなって? じゃあ、一つ言わせて貰おうか。はあ……やっぱり予想通りだ」
女神の黒の力で、忌避の力以外の女神の加護を奪われたケントとサラが下着のみの姿になったのを見て、俺は溜め息しか出てこなかった。
一応コイツらは、女神イーリスに選ばれたこの国の勇者だ。
だから魔王討伐という名目で様々な人間から俺が金額を把握出来ない程の大金を受け取っていたはずなのだが。
「お前ら、金なんざ腐るほど多くの人間から貰っていたはずだろ? それなのに、装備品に使った金がゼロって……そんな事あり得るか?」
「なっ!? ……そ、そんな事無いよな? な! サラ!」
「う、うん! ちゃ、ちゃんと装備品にもお金掛けてるよね! というか、私の剣と鎧返してよ! 女の子を大勢の人の前で下着だけの状態でいさせるなんて、上野マジ最低! キモい! 変態! こっち見んな!」
「そうだぞジン! 勇者パーティーにこんな事をしてタダで済むと思うなよ!」
はい、嘘確定。
だって、女神の黒の能力って俺より実力が下で、尚且つ魔王討伐をする勇者パーティーとして不適格もしくは死亡した女神の加護を持つ人間から女神の加護を奪って、その加護の力をパワーに変える能力です。(イーリスの説明によると)
だから、女神の黒にこの世界で買った普通の装備品を奪うなんて能力はありません。
ケントとサラが下着姿のみになったって事は、召喚された時に女神イーリスの手で作られた剣や鎧を装備してから現在に至るまで二年間変えていないんだろうな。
何一つ装備が残らなかったというのはコイツらが、装備品に使った金がゼロという決定的な証拠なんですよ。
能力強化のアクセサリーとか身に付けてない辺り、本当に装備品に金使ってないんだな。
二年間でこの国の様々な人間から貰った金、一体何に使ったんだよ。
まあ、女神の黒の能力を教えるなんて事はしたくないから、黙っておくけど。
メリサさんの質問もスルーしよう。
何したんですか? って言われても女神の黒の力を使ったって言うしか無いし。
それに、言いたい事はもう一つあるし。
「うわあ……下着姿だから気付いたけど、腕も足も細いのに腹だけは出てるのかよ……。最悪だな……情けねえ……醜い体しやがって……これが魔王討伐する勇者パーティーの体かよ? ねえ、メリサさん?」
「……ジンさんが話したく無いと言うのなら、そんな露骨に話を逸らさなくても詮索しませんよ?」
「いやいや、話を逸らした訳じゃないですよ。ただ、あれが魔王討伐する勇者パーティーの体型に見えます?」
「確かに……酷いですね……。全く鍛えていないのが分かります。贅肉より筋肉を付けて貰いたいですね」
辛辣!
メリサさんストレートに言い過ぎ!
流石に怒られますよ?
しかし、ケントとサラの反応は違ったものだった。
「おいおい、何で!? 何でだよ!? メリサちゃんの話している言葉が理解出来ない! サ、サラお前はどうだ!?」
「ア、アタシも! しかも周りの人達が何話しているかも分かんない! な、何で!? 何で何で!?」
どうやらケントとサラはメリサさんの言葉が理解出来なくなっているみたいだ。
当たり前だよね。
女神の加護、異世界言語理解の能力も俺が奪ったし。
……まあその前に、ケント。
メリサさんをメリサちゃんなんて呼ぶな、百年早い。
「ねえ、メリサさん。ケントがメリサちゃんって呼んでるんだけど仲良かったの?」
「気持ち悪い! 仲なんて良くありませんよ! 彼に夜の奉仕をしろと迫られたのが、私が魔法使いを辞める切っ掛けになったんですから!」
「うわあ……そんな事言ってたのかよ……マジで最低だな……それで断られて逆ギレかよ……勇者として以前に男として終わってんな……ケント」
忌避の力以外の全ての女神の加護を奪うのは少しやり過ぎか? って思ったけど全然やり過ぎじゃなかったな。
こんな最低な奴が幼馴染とか最悪だよ。
「……メリサさん、行きましょうか。目的は達成したんで」
「良いですけど……こんな大勢の人に囲まれている状態で逃げられますか?」
逃げられない事は無いな、だってケントの女神の剣、女神の紫も奪ったし。
確か、イーリスから聞いた話だと女神の紫の能力は様々な能力を持つ毒。
ケントとサラ、バカ魔法使いを含めたギャラリー連中を麻痺毒で動けなくすれば良いだけだし。
だが、そんな事はする必要は無いみたいだ。
大勢のギャラリーが何故か沸き立つ。
そして、こんな声が聞こえる。
「お、おい! アレ! 魔法剣姫だろ!」
「王都から姿を消したんじゃ!?」
「間違いねえ! あれはサンドラ・ロジャースだ!」
一人の女性が現れ、ギャラリー達がその人を俺達の元まで行かせる為に道を開ける。
凛々しく、美しい彼女は人目を気にする事なく堂々と歩いてくる。
「やあ、ジンくん。……って何で勇者ケントと剣士サラはあんな格好なの?」
うん。
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何でサンドラさん、カムデンメリーに来てるの?
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