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幼馴染(男)と地味女子三人の勇者パーティー(役立たず)
王都行くのね
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「げっぷ……度の過ぎたもてなしは拷問と同じようなもんだな……」
俺はよく晴れた気持ちの良い朝だというのに、腹をさすりながらゲップをしていた。
昨日一日で色んな事がありすぎた。
ケント達に見切りを付け、魔王討伐のまず第一歩としてケルベロスを討伐し、大金を手に入れ、飯を食った後にケント達のミスのせいで、街を救うハメになる。
そして、あまりのケント達勇者パーティーのお粗末さに無能なのでは? とようやく気づいたのか、街の権力者であるサンドラさんのお母さんにアイツらの事を聞かれた上に、俺の素性を明かさなきゃいけなくなるという。
出来るだけ、俺の素性は明かさずに魔王討伐を達成するつもりだったのに、初日からいきなりこのザマかよ。
……まあ、いい。
その代わりと言ってはなんだが、この国の名前とファウンテンの権力者であるサンドラさんのお母さんの名前を聞けた上に、あの豪華な屋敷に居候させて貰えるようになったんだ。
まず、この国の名前はボルチオール王国。
王都の名前は、カムデンメリー。
元の世界じゃ聞いた事の無い国の名前だ。
カムデンメリーは聞いたことないけど元の世界にも街としてありそう。
そして、このファウンテンの街の権力者で魔法剣姫の二つ名を持つサンドラさんの母親、アイドラ・ロジャースがこれからは俺のサポートをしてくれる。
ラッキー。
あの豪邸に居候させて貰えるから宿代も食費も掛からない上に、これからは俺がやりたい事をやるだけで金が入るんだからな。
その代わりケント達みたいに結果を出せなければ、すぐにこの幸せな生活は終わるから、とっととヴェブナック辺り倒さないとな。
……それは良いんだが、新しい勇者にもてなしをなんて、初日からいきなり豪華絢爛な食事に加えて、夜のご奉仕だなんて言って、美女を二人も俺の部屋に寄越して来るなよ……。
折角の食事が捨てられるのは勿体無いし、作ってくれた人にも悪いから全部食って、わざわざ夜に俺の元へ来てくれたお姉さんにも悪いからご奉仕して貰ったけど。
ケント達が元の世界に帰りたくないって言い始めたのも少し分かるかもしれんな。
あんなもてなしは、元の世界じゃ味わえないだろうし。
……まあ、そんなもてなしを受けていたならこの世界の人間の期待に応えてやれよ。
「おはようございます。今日はよろしくお願いします」
ロジャース邸の前で腹をさすりながら考え事をしていると、ようやく俺の待ち人が来た。
メリサさんだ。
「おはようございます。メリサさんもお忙しいのにすいません」
「いえ、私で良ければ。ですが、ジンさん的にはサンドラさんの方が良かったのでは?」
「いや……それは嫌ですね。あんな号泣した姿を見た翌日に一緒に過ごしたくないです」
「ヤケ酒を飲んでいたので、多分昨日の事なんて覚えていませんよ」
ヤ……ヤケ酒って……。
酒飲み過ぎて街でゲロ吐いたのに、アイドラさんに説教された後、また酒飲んだのかよ……。
そういや、昨日の夕食にサンドラさん来てなかったな。
朝食は俺がいらないって言ったから、サンドラさんがいたかどうか確認出来なかったが。
「では、行きましょうか。ファウンテンの街を案内すればよろしいのですよね?」
「はい、全く分からないんで」
「一日で街全部は無理なので、魔王討伐をするのならば知っておかなければならない所を重点的に案内します」
メリサさんと一緒に街へ向かう。
◇
「本当にこの街の事、何も知らないんですね……」
ファウンテンの街を何も知らない俺に対して、メリサさんは呆れ顔で見てくる。
ケント達勇者パーティーと一緒にこの世界に 来たんだから、ファウンテンに住んでもう二年だからな。
そりゃ何故何も知らないんだって思うのは当然だ。
でも、女神の加護が俺にもあれば、とっくに把握してたし、ヴェルディアも倒してたよ……。
この国の人間の話す言葉が何も分からないのに、ファウンテンの街を把握しろとか無理に決まってるだろ。
ひたすら筋トレと雑魚モンスター狩りに勤しんでたわ!
「とりあえず、街の東側が宿とか武具店で、街の西側が王都方面。街の南側が生活用品とか色々扱っていて、街の北側が海や山方面なんですね」
「ざっくりですね……合ってはいますが」
所詮ファウンテンは一つの街だからな。
メリサさんは魔王討伐をする為なら知っておかなければ……とか言ってたが、絶対王都の方が防具とか色んな装備品の品揃え良いに決まってるからな。
武器は女神の黒があるから必要ないが、防具は買わなければいけない。
今装備している防具は、ケント達が使わない安物を貰ってローテーションしてるだけだし。
「そういえば、ケルベロスを討伐して大金を手に入れたと聞きましたが」
「ええ、ですからこんな安物じゃない防具欲しいんですよね。武器はいらないんで価格より性能優先で新しい防具が欲しいです」
「なるほど……それなら王都の方が良いかもしれませんね……」
やっぱりか。
ファウンテンの事はある程度把握出来たし、王都に行くか。
……まあ、ヴェルディアの城がすぐ近くにあるんだから、武器も防具も王都より揃えとけよと思うけど。
「では、王都に行きますか? 少しお時間を頂きますが?」
「え?」
メリサさん、俺の事王都に連れてってくれるの?
俺はよく晴れた気持ちの良い朝だというのに、腹をさすりながらゲップをしていた。
昨日一日で色んな事がありすぎた。
ケント達に見切りを付け、魔王討伐のまず第一歩としてケルベロスを討伐し、大金を手に入れ、飯を食った後にケント達のミスのせいで、街を救うハメになる。
そして、あまりのケント達勇者パーティーのお粗末さに無能なのでは? とようやく気づいたのか、街の権力者であるサンドラさんのお母さんにアイツらの事を聞かれた上に、俺の素性を明かさなきゃいけなくなるという。
出来るだけ、俺の素性は明かさずに魔王討伐を達成するつもりだったのに、初日からいきなりこのザマかよ。
……まあ、いい。
その代わりと言ってはなんだが、この国の名前とファウンテンの権力者であるサンドラさんのお母さんの名前を聞けた上に、あの豪華な屋敷に居候させて貰えるようになったんだ。
まず、この国の名前はボルチオール王国。
王都の名前は、カムデンメリー。
元の世界じゃ聞いた事の無い国の名前だ。
カムデンメリーは聞いたことないけど元の世界にも街としてありそう。
そして、このファウンテンの街の権力者で魔法剣姫の二つ名を持つサンドラさんの母親、アイドラ・ロジャースがこれからは俺のサポートをしてくれる。
ラッキー。
あの豪邸に居候させて貰えるから宿代も食費も掛からない上に、これからは俺がやりたい事をやるだけで金が入るんだからな。
その代わりケント達みたいに結果を出せなければ、すぐにこの幸せな生活は終わるから、とっととヴェブナック辺り倒さないとな。
……それは良いんだが、新しい勇者にもてなしをなんて、初日からいきなり豪華絢爛な食事に加えて、夜のご奉仕だなんて言って、美女を二人も俺の部屋に寄越して来るなよ……。
折角の食事が捨てられるのは勿体無いし、作ってくれた人にも悪いから全部食って、わざわざ夜に俺の元へ来てくれたお姉さんにも悪いからご奉仕して貰ったけど。
ケント達が元の世界に帰りたくないって言い始めたのも少し分かるかもしれんな。
あんなもてなしは、元の世界じゃ味わえないだろうし。
……まあ、そんなもてなしを受けていたならこの世界の人間の期待に応えてやれよ。
「おはようございます。今日はよろしくお願いします」
ロジャース邸の前で腹をさすりながら考え事をしていると、ようやく俺の待ち人が来た。
メリサさんだ。
「おはようございます。メリサさんもお忙しいのにすいません」
「いえ、私で良ければ。ですが、ジンさん的にはサンドラさんの方が良かったのでは?」
「いや……それは嫌ですね。あんな号泣した姿を見た翌日に一緒に過ごしたくないです」
「ヤケ酒を飲んでいたので、多分昨日の事なんて覚えていませんよ」
ヤ……ヤケ酒って……。
酒飲み過ぎて街でゲロ吐いたのに、アイドラさんに説教された後、また酒飲んだのかよ……。
そういや、昨日の夕食にサンドラさん来てなかったな。
朝食は俺がいらないって言ったから、サンドラさんがいたかどうか確認出来なかったが。
「では、行きましょうか。ファウンテンの街を案内すればよろしいのですよね?」
「はい、全く分からないんで」
「一日で街全部は無理なので、魔王討伐をするのならば知っておかなければならない所を重点的に案内します」
メリサさんと一緒に街へ向かう。
◇
「本当にこの街の事、何も知らないんですね……」
ファウンテンの街を何も知らない俺に対して、メリサさんは呆れ顔で見てくる。
ケント達勇者パーティーと一緒にこの世界に 来たんだから、ファウンテンに住んでもう二年だからな。
そりゃ何故何も知らないんだって思うのは当然だ。
でも、女神の加護が俺にもあれば、とっくに把握してたし、ヴェルディアも倒してたよ……。
この国の人間の話す言葉が何も分からないのに、ファウンテンの街を把握しろとか無理に決まってるだろ。
ひたすら筋トレと雑魚モンスター狩りに勤しんでたわ!
「とりあえず、街の東側が宿とか武具店で、街の西側が王都方面。街の南側が生活用品とか色々扱っていて、街の北側が海や山方面なんですね」
「ざっくりですね……合ってはいますが」
所詮ファウンテンは一つの街だからな。
メリサさんは魔王討伐をする為なら知っておかなければ……とか言ってたが、絶対王都の方が防具とか色んな装備品の品揃え良いに決まってるからな。
武器は女神の黒があるから必要ないが、防具は買わなければいけない。
今装備している防具は、ケント達が使わない安物を貰ってローテーションしてるだけだし。
「そういえば、ケルベロスを討伐して大金を手に入れたと聞きましたが」
「ええ、ですからこんな安物じゃない防具欲しいんですよね。武器はいらないんで価格より性能優先で新しい防具が欲しいです」
「なるほど……それなら王都の方が良いかもしれませんね……」
やっぱりか。
ファウンテンの事はある程度把握出来たし、王都に行くか。
……まあ、ヴェルディアの城がすぐ近くにあるんだから、武器も防具も王都より揃えとけよと思うけど。
「では、王都に行きますか? 少しお時間を頂きますが?」
「え?」
メリサさん、俺の事王都に連れてってくれるの?
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