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嫉妬は怖いね

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 喫茶店に、物々しい空気が流れる。
 「あ、あの……」
 暁人が口を開くと、すぐにルイに「うるさい」と言われた。
 「ご、めん……」
 ——ルイの声が怖い……
 元から低い声が、より低くなる。
 「ちょっと。俺の暁人くんになにしてんの?」
 「はぁ? 暁人は俺のだよ」
 ——なんの、言い争いだよ……っ!
 暁人は誰のだ、って言う意味不明な内容で言い争っている。
 この状況は、色々おかしい。
 「暁人とは、昨日、キ——」

 「わあぁぁあぁぁあっ!!」


 思いっきり叫んで、ルイの言葉をかき消す。
 「る、ルイっ!!」
 「なんで? いいじゃん」
 ルイの胸ぐらを掴んで、暁人は彼を止める。
 と、ルイは暁人の細い腰を抱き寄せて密着する。
 「なっ……は、離せ……っ」
 「いや。……んで、お前、暁人のナンな訳?」
 急に話を振られた一ノ瀬は、パッと顔を上げる。
 「親友。暁人くんとは幼馴染みだよ」
 「あっそう。じゃあいいや」
 ルイは流し目で一ノ瀬を見る。
 彼の腕の中にいる暁人は、必死にルイの胸板を押すが、ビクともしない。

 「暁人は、俺がもらうから」

 ——なに、言ってるの?
 ルイがよくわからないことを言う。一ノ瀬がその言葉に、過敏に反応する。
 「ダメだ。暁人くんは俺のだよ」
 一ノ瀬も立ち上がり、暁人の細い腕を掴む。
 「わっ……」
 引っ張られた暁人は、ルイの腕の中から離れて、一ノ瀬の胸に倒れかかる。
 「い、一ノ瀬……っ?」
 後ろから抱きしめられて、暁人は戸惑う。よくよく考えれば、ここは喫茶店。
 お店の中だ。
 「暁人。おいで」
 優しい声でルイは、暁人を呼ぶ。「おいで」と、もう一度言われると、暁人は一ノ瀬の腕から抜け出して、ルイの胸に飛び込んだ。
 「っ…………」
 離れていった暁人を見て、一ノ瀬は唇を噛む。
 「いい子だな、暁人」
 ルイは、暁人の柔らかな髪に触れて頭を撫でる。
 ルイの胸に顔を埋める暁人。

 「そういうことだ。じゃあな」
 暁人の華奢きゃしゃな身体を抱きしめ、ルイは店の出口に向かう。
 「あ、待っ……」
 一ノ瀬が暁人に向かって手を伸ばす。
 それに気づいた暁人は、一回足を止める。
 「暁人?」
 「ルイ、あのさ……」
 「…………行ってもいいけど」
 本題を言っていないのに、ルイは暁人の考えを汲み取って先に告げる。

 「でも。行ったら、もう暁人とは会わないから」

 ——なに、それ。もう僕とは会わないの?
 どういうことだろう。暁人に対して、厳しすぎやしないか。
 ルイの目を見ても、あれが冗談ではないことがわかる。
 ——本気で、言ってるんだ……
 暁人がゴクリ、と唾を飲む。
 「……わかっ…………た」
 声を絞り出す。
 「……行かない、から……」
 暁人の声が震える。なぜこんなにも胸が締め付けられるのだろう。
 ルイとは、昨日会っただけなのに。

 「僕を、置いてかないで……」

 ルイの服にしがみ付いて、暁人は懇願こんがんする。
 どうして、寂しいって思うんだろう。

 「置いてく? ありえねぇよ」
 ルイがため息混じりに暁人の言葉を否定する。
 「暁人。おいで」

 手を出されて、暁人はその手を掴む。ルイは目を細めて、暁人を見つめる。
 ちらりと奥にいる一ノ瀬を見たルイは、ふっと笑った。
 「なに? ルイ……」
 また暁人の腰を抱き寄せて、ルイは暁人の頭にキスをする。
 「んっ?」
 片目を閉じて、暁人はルイを見る。
 「なんでもない。行くよ」
 ルイに抱きしめられながら、店を出ていった。



 「待って……ル…………イ……ンンッ」
 喫茶店を出て、ルイに腕を引かれて彼が足を止めた場所は、階段裏だった。
 五十段くらいある階段の下にルイは暁人を連れ込む。
 壁に身体が当たり、暁人は顔を歪める。ヒンヤリしている壁が、暁人の身体を一気に冷やしていく。
 ルイは、暁人の顔の横に両手を着いて閉じ込める。
 暁人が顔を上げた瞬間に、ルイは彼に口付ける。

 「んっ……ふぅ……んぁぅ……」

 息継ぎも許さない激しいキスに、暁人の身体の力は全て抜ける。
 「や……ぁ……ルイ…………」
 息が苦しくなって、暁人は口を離す。
 「はぁ、はぁ……っ」
 肩で息をする暁人を見て、ルイは目を細める。
 「んう……っ!!」
 暁人の顎を持って、口を開けさせる。ルイは、舌をねじ込んで暁人の口内を舐め回す。
 「は……ん……っ。ンンッ、ん……っぅ」
 暁人の舌を引っ張り出して、舌を絡める。ぴちゃぴちゃ、と唾液が絡まり合う。
 その音が暁人の鼓膜を刺激し、ルイの下半身を刺激した。
 「や、だ……ルイ……」
 トロけた顔をして、ルイを見つめる暁人。目には涙が溜まって顔を真っ赤にさせている。
 「ヤベ……ゾクゾクする……」
 ルイが言葉を漏らして、暁人に顔を近づける。

 「暁人、誘ってんの……?」

 「誘ってな……んんぁ……っ!!」

 暁人にまた濃厚なキスをする。
 「んく……っ、ふあぁ……っん」
 ルイはそのまま、暁人の服の中に手を入れて、暁人の素肌を撫で回す。
 「やぁぁ……ルイ、やめて……んぁ」
 腰を撫でられて、暁人は声を我慢できない。
 「あ、だめ……それ以上……上、行かないで……」
 ルイのゴツゴツした手は、どんどん上に上がってくる。
 それ以外上にこられたら、暁人の身体は本当におかしくなってしまう。
 「あ、ん……っルイ……、ルイぃ……!」
 いやいやと首を振る暁人だが、ルイは全く聞かない。
 そのままルイの掌が、暁人の胸に到着する。
 「あぁ……ぅ……っ!」

 「かわいい……」
 ルイに胸の小さな突起を触られて、暁人は悶える。
 くにくに、とルイは人差し指と親指で突起をつまむ。
 「あぁ、やぁん……んく……っ!」
 触られ続けていると、暁人の突起はぷっくりしてきた。
 「固くなった……」
 「言わない…………でぇ……」
 暁人の目から涙が溢れる。
 ガバッとルイは暁人の服を一気に上げて、小さな突起を露わにする。
 「や、やだぁ……っ、やめて、恥ずかしい……ルイ……!」
 「かわいい。ぷっくり、してる」
 「んんぁ……っ!!」
 「暁人、服くわえてて」
 「え……んぐっ……」

 戸惑っている暁人をよそに、ルイは暁人に服を咥えさせる。
 大人しく自分の服を咥える暁人に、ルイはより興奮した。
 「ふー……っ、ふー…………」
 「舐めるよ……?」
 ルイは暁人の突起に顔を近づけて、赤い舌を覗かせた。
 ぺろっと暁人のピンク色の突起を舐める。ビクンッと暁人の身体が震える。
 「あ、ん……っ!! ルイ……ルイ……っ」
 暁人の乳首を舐め続けるルイは、時々強く乳首を吸い付けて舌の上で転がせる。
 「ルイ、怖い……っ! あ、ひゃぁ……っ!」
 暁人はルイの肩を掴んで、強すぎる快楽に耐える。
 ガクガクと膝が震えて、立っているのもやっとの状態になった。
 「本当、暁人はいけないなぁ……」
 唇を離したルイ。その拍子に、暁人の下半身の力が抜ける。
 「おっと……」
 「は……ぁ……」
 ルイが暁人の足の間に、膝を入れて、支える。
 暁人の股間がルイの膝に当たる。
 「や、……なんで……っ」
 「なんで?」
 「こんなこと……するの……?」
 暁人が震える声で、ルイに尋ねる。


 「暁人が他の男にキスされたから」


 「え……」
 ——あ、一ノ瀬に、されたやつか……
 「あと。俺が暁人を好きだから」
 「す、好き……?」
 「あぁ。好き」
 ルイが目を細めて、自分の気持ちを告げる。
 「でも。これは、お仕置き」

 「お仕置き……?」

 馴染みのない単語に、暁人な涙は引っ込んで、首を傾げる。

 「暁人は俺のだ」

 そう言って、ルイはまた暁人のピンク色の乳首を舐めあげる。
 「やぁん……っ!!」
 ぢゅっ、と乳首に吸い付いて、舌先で暁人の乳首を刺激する。
 「はぁあ……っ、んんあぁ……っ!」
 「ん……ふっ……」
 チロチロと乳首がルイの口の中で暴れる。
 「ルイ、ルイ……ぃ!」
 「ん? なに……?」
 ルイが乳首に吸い付きながら、喋る。
 彼の吐息が、唾液でベタベタになった乳首にかかって、暁人は震える。
 「喋らないで、それ、やだ……」
 「なんで?」
 「あぁん……っ!」
 ルイはきっとわかっている。わざとやっているんだ。
 「暁人。言ってごらん」
 「なに、を……?」

 「俺に、なにして欲しい?」

 ルイが妖艶な瞳で暁人を見上げる。
 「は……」
 「早くしないと、勝手にするよ?」
 「あ、ん……」
 ルイは何もされていない乳首に、手を出す。
 「あぁん……っ!」
 ルイの口と、指で、乳首を攻められる。
 その熱が暁人の下半身に溜まっていく。
 「や、あ……ルイ…………っ」
 指先で乳首を引っ掻かれたり、爪でカリカリされると、暁人の身体がビクンビクンっ、と震える。
 左の乳首は今もルイの口の中で、ドロドロに溶かされている。

 「やぁぁ……、ルイぃ……怖い、怖い……っ」

 プルプル震える暁人を見て、ルイはにやぁっと、不敵に笑う。
 「怖くない、怖くない」
 乳首を指の腹でねられる。押し潰されたり、またピンっと弾かれると、暁人の乳首はパンパンに腫れ上がる。
 「んぅあ……っ!」
 「ほら。暁人?」
 ルイがもう一度、暁人に問いかける。
 「言いたくない……言いたく…………ないぃ……っ!」
 首を横に振って、暁人は口を閉じる。
 「言わないんだ?」
 ルイは暁人の言葉に、また笑う。

 「そっか。じゃあいいや」

 パッとルイは暁人から身体を離す。

 「んぇ…………?」

 「なに? 言わないんだろ?」

 ルイは自分の乱れた服を直して、暁人を見る。
 「あ、や……」
 急に熱が離れた暁人は、物欲しそうにルイを見つめる。
 「なに?」
 「ルイ、待って、お願い……」
 暁人は手を伸ばして、ルイの服を掴む。



 「触って……僕に、触って……」



 「いいけど、どこに?」

 ——意地悪……っ!

 触ってくれることになった。でも、具体的な場所を聞かれると、暁人は口を閉ざしてしまう。
 「暁人ー?」
 ニヤニヤしているルイを放っておいて、暁人は小さな声で、触って欲しい場所を告げる。

 「………………………………下……………… 」

 「んー? 分かんないなぁ」
 「っ~~!! 下、触って……っ!」

 暁人がしっかり触って欲しい場所を言うと、ルイは嬉しそうに笑った。
 「いいよ」

 ルイが暁人のズボンに手を掛ける。
 ドキドキと、心臓の音がうるさい。

 ジーっと、ズボンのチャックを下ろされて、暁人のが、ぶるんっ、と姿を見せる。

 「かわいい……こっちもピンク色……」

 ちょん、と触られると、暁人は一段と身体を震わせた。


 「じゃあ、気持ちよく、イかせてあげる」


 ルイがいやらしく笑う。

 暁人は彼の表情を見て、下半身がムクムクと大きくなる。

 「ふっ。大きくなった……」

 「やだ、ごめん……っ」
 「かわいい……」

 ピクピク動く暁人のモノは、ルイの興奮を高める。
 ルイは暁人のモノに顔を近づけて、それを咥えた。


 「やぁあぁ……っ! なに、なに……っ!?」

 「ん、ふ……」

 「ルイ、やだ、やぁ……だ……」




 暁人のモノに喰らいつくルイは、なぜか、嬉しそうだった。
 

 






 
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