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エピローグ01
しおりを挟む『地上』と『天空』——。
『人間』と『竜王』——。
普段交わることのない2つの種族が交わった時——。
✩.*˚✩.*˚✩.*˚
「なールメアってばー」
ドスッ、と少し盛り上がった場所に青年が乗っかる。
「ぐえ……っ」と呻き声が青年の下から声が聞こえる。
「ん……っ、な、んだ……南波斗……?」
「やぁーっと起きたぁ」
もそっ、と小さく身じろぐ金髪の青年——ルメア。
ルメアの上に乗っかっている南波斗は、にんまり、と笑って、彼の唇におはようのキスをした。
「んっ!?」
「ふふっ。おはよぉ、ルメア」
突然のキスに驚いたルメアは、重かった瞼を勢いよく持ち上げて、南波斗をじっと見つめた。
「……おはようの……キスのつもり……?」
「そうだけど?」
「…………」
しばらく無言になったルメアだが、ふっ、と頬を緩めて南波斗の頬を撫でた。
「……おはよう」
優しい声色に、南波斗の心臓はドキッと跳ねる。
「っ……」
むくっ、と起き上がったルメアは、南波斗の頭を撫でながら「そういえば」呟いた。
「ケルラが、結婚相手を見つけたんだとさ」
「ほぉー……それはおめでたいなっ」
「相手、男だけど」
「ごふっ……」
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でも、今は誰が見てもケルラは幸せそうだから、みんな静かに見守っている。
「あれ? 知らなかったのか?」
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「し、知らねぇよっ!? はっ? え、い、いつから!?」
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「……俺……やっぱ嫌われてんのかな……?」
唐突にそう言い出した南波斗に、ルメアはぎょっとするが、それから「あはは」と声に出して笑った。
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