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酸素が薄くなっていく気がする。
南波斗は必死になって俺の背中にくっついている。
天空に近付くにつれて——当たり前だが——酸素が薄くなっていく。
『生きてるかー?』
「…………っああ! なんとかなっ!」
酸素不足に陥らないように、南波斗には一応術をかけてある。
俺がかけた特殊な術によって、南波斗はこうやって話せているし、息も出来ている。
『そうか。もうすぐで着くぞ』
「分かった!」
そうだ。
本当にもうすぐ着く。
案外早く着きそうだったから、ルメアは力を抜いて飛んでいた。
もう少しだけ南波斗には我慢してもらうことになるが、まあ大丈夫だろう。
時々ルメアが勢いよく雲を突き抜けたりすると、南波斗が「おわぁああああああああっ!!」と悲鳴を上げた。
口を閉じていないと、舌を噛むって忠告したのに。
すると、ルメアの背筋にゾクッとしたものを感じた。
『……ん?』
ゾクッとルメアの脊髄を駆け抜けた感覚を確かめようとして、目線を後方に向けるルメア。
——雲と鳥…………
何だったのだろうか、と思い、ルメアは忘れることにした。
……が、また同じような感覚がして振り返った。
「うわぁああっ!?」
——あ。
完全に南波斗の存在を忘れていた。
振り回してしまった。
『わ、悪い……南波斗』
「っああ、いや……! 俺は平気だ! それよりも、どうかしたのか?!」
『…………誰かがいる気がするんだ』
「ちょっ、おい……。やめてくれ……」
声が小さくなっていく南波斗。
——まぁ……敵ではないか……
ルメアの敵であるのなら、ルメアを見つけた時点ですかさず攻撃を仕掛けてくるはず。
けれどその攻撃をしてこないし、一定の距離を保って行動しているみたいだから、危険ではない。
——気配を感じることが出来ない。
『……誰かいるのか!』
「嘘だろお前、マジか!?」
ルメアの考える、最終手段。
——声をかける。
南波斗は必死になって俺の背中にくっついている。
天空に近付くにつれて——当たり前だが——酸素が薄くなっていく。
『生きてるかー?』
「…………っああ! なんとかなっ!」
酸素不足に陥らないように、南波斗には一応術をかけてある。
俺がかけた特殊な術によって、南波斗はこうやって話せているし、息も出来ている。
『そうか。もうすぐで着くぞ』
「分かった!」
そうだ。
本当にもうすぐ着く。
案外早く着きそうだったから、ルメアは力を抜いて飛んでいた。
もう少しだけ南波斗には我慢してもらうことになるが、まあ大丈夫だろう。
時々ルメアが勢いよく雲を突き抜けたりすると、南波斗が「おわぁああああああああっ!!」と悲鳴を上げた。
口を閉じていないと、舌を噛むって忠告したのに。
すると、ルメアの背筋にゾクッとしたものを感じた。
『……ん?』
ゾクッとルメアの脊髄を駆け抜けた感覚を確かめようとして、目線を後方に向けるルメア。
——雲と鳥…………
何だったのだろうか、と思い、ルメアは忘れることにした。
……が、また同じような感覚がして振り返った。
「うわぁああっ!?」
——あ。
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振り回してしまった。
『わ、悪い……南波斗』
「っああ、いや……! 俺は平気だ! それよりも、どうかしたのか?!」
『…………誰かがいる気がするんだ』
「ちょっ、おい……。やめてくれ……」
声が小さくなっていく南波斗。
——まぁ……敵ではないか……
ルメアの敵であるのなら、ルメアを見つけた時点ですかさず攻撃を仕掛けてくるはず。
けれどその攻撃をしてこないし、一定の距離を保って行動しているみたいだから、危険ではない。
——気配を感じることが出来ない。
『……誰かいるのか!』
「嘘だろお前、マジか!?」
ルメアの考える、最終手段。
——声をかける。
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