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二日ぶりに制服に袖を通し碧は深呼吸をして部屋から出た。
「おはよ」
「おはよう、今日から学校だけどほんとに何ともない?大丈夫?」
心配そうに聞いてくる母に何度も頷き、並べられた朝食に手をつける。そこに、どどどっ!と階段を転がるように下りてくる虹志がリビングに入って来た。
「虹、おはよ。朝ごはん食べちゃいなさい」
「あぁ」
ぶっきらぼうな返事をしながらダイニングテーブルにどかっと座る。碧は貴斗が家に来た時から虹志と会話らしい会話をしていなかった。虹志が何故あんなに苛立つような態度を取ったのか未だに不明で本人から聞こうにも話しかけれるような態度ではなく碧は悶々としながら目の前の弟に視線を向けた。
「んだよっ、気持ちわりーな、チラチラ見てくんな」
相変わらずの減らず口に碧もイラっとしたが、今日から登校日ということもあり気持ちを落ち着かせ朝食に集中することにした。
「.....お前、大丈夫なのか?」
「んっ?何が?」
“なんでわかんねーんだよ!”と言いたげな表情を向けられるが碧がさっぱり理解していないことに気づき虹志は深い溜息をついた。
「あいつ、昔何回か碧のスマホにかけてきた奴だろ?何となく声に聞き覚えあったから.....」
(あー、それで...)
この前の態度に納得し、碧は複雑な表情を浮かべた。
「まぁ、大丈夫かって言ったらそうじゃないけど.....今回ばっかりは仕方ないしあの頃とは関係も変わってるから」
碧の曖昧な内容に虹志は茶碗に入っていたご飯をかきこみ持っている箸を碧に向けた。
「前も言ったけど泣きついても助けてやんねーからな.......でも...どうしてもっていう時は...まぁ、なんだ、話くらいは聞いてやるから.....ご馳走様っ!」
勢いよく席を立ち食器を片付けにいそいそとシンクに持って行く時、チラッと見えた横顔は少し赤らんでいるようにも見え碧は思わず小さく吹き出した。そんな碧を虹志は恥ずかしそうに睨みつけそのまま洗面所へと向かって行った。
(ありがと、虹)
虹志の想いに少しくすぐったさを感じながら碧も残っているおかずをパクついた。
☆☆☆
「桐野さんっ!大丈夫だった?!私があの時一緒に付き添っていればあんなことにはなんなかったのに」
教室の中に入ろうとした時、教室から工藤が今にも泣きそうな表情で碧に突進してきた。
「わっ!おっ、おはよ工藤さん。大丈夫だから、念の為様子見で休んだだけで、ほらっ!この通り怪我もなかったし」
工藤を安心させるべく碧は大袈裟に身体を動かし何ともないことをアピールした。
「ほんと良かったー、でもあの時阿部くんが行かなかったらって思うと...」
「んっ?」
碧のキョトンとした表情に工藤も同じくキョトンとした表情を向けた。
工藤の話はこうだった。
彼女が碧と別れ教室に戻る途中、亜梨咲から声をかけられたらしい。碧同様、普段から接点がなく会話もしたことがほぼない人物からだったから何事かと吃驚していると、亜梨咲から碧の居場所を聞かれ経緯を説明すると無言のまま碧がいるであろう方へと向かって行ったとのことだった。
「でね、その後阿部くんが来て“松本知らない?”って聞かれたから桐野さんのとこ向かったこと話したら顔色変えて追っかけるように猛ダッシュで行っちゃったの...実は私も気になってそのあとを追ったらあんなことになってて。既に二人とも倒れてる状態だったんだけどその時の阿部くん、桐野さんを守るように倒れてて...こんなこと言ったら不謹慎だと思うけどなんか王子様に守られてるお姫様みたいに見えたんだよね」
申し訳なさそうにへへ、と笑みを溢しながら工藤はその時の状況を話してくれた。
「そうなんだ...そういえば、松本さんはどうしてる?さっき下駄箱見たらまだ来てないみたいだったけど」
いつもならとっくに登校している亜梨咲の姿はなく碧は少し言いにくそうに工藤に尋ねてみた。
「あー、松本さんはあの日以来学校には来てないよ。目の前でクラスメイトが二人落っこちたからショックだったのかしら...彼女、特に阿部くんにはご執心だから。私が見た時、松本さんは踊り場のとこで蒼褪めて座り込んでたわね」
「そっか...」
少なからず落ちる原因を作ったにしても彼女が全て悪かったわけではないし工藤の話の内容では彼女の所為で落下したとはなっていない、しかも彼女の性格からして自分のせいで落ちたなんて言うわけもないし思うわけもない、なら何故あの日から休んでるのか...貴斗が怪我をしたのは知っているだろうからその時点で彼女が貴斗を放っておくとは思えない......碧が考え込んでいると背後から後頭部を軽くポンと叩かれた。
「桐野さん、工藤さん、おはよ」
「あっ、おはよう。阿部くんも今日から登校なのね、二人とも元気そうでほんと良かった。でも腕は痛々しいね」
「いや、ヒビだからここまで大袈裟にしなくてもいいんだけど今日は念の為ね。明日からは多分包帯で固定するだけで大丈夫だと思うんだけど」
左肩にリュックのショルダーストラップを掛け右腕にはアームスリングを付けた貴斗が後ろから現れた。
工藤は二人の顔を見ながら安堵していた。工藤は自分の所為であんな事が起きてしまったと悔いていたので心底安心した様子で碧たちに視線を向けた。
「もし、また具合が悪くなったら遠慮なく言ってね」
「工藤さんありがとう」
きっかけはどうであれ、あまり関わることがなかった工藤と話すことができ碧は少し嬉しかった。
お礼を言うと同時に予鈴が鳴り席についてない生徒たちはそれぞれ自分の場所へと戻って行き、碧たちも自分の席へと向かおうとした時、
「碧、昼休みに屋上来て」
貴斗が耳元で囁きそのまま何食わぬ顔で自席へと向かった。周りの友人たちに話しかけられ笑顔で話す貴斗に碧は何とも言えない感情で見つめていた。
☆☆☆
碧は薄暗い階段を上り、すでに施錠が解かれた屋上の扉を開けた。開けると同時に日差しが降り注ぎ少し目を細め碧は屋上へと出た。
「こんなとこに呼び出して何の用ですか?」
すでに屋上で寝そべっている貴斗の前に行き見下ろしながら言い放った。
「まぁ、いいから座んなよ」
貴斗は起き上がり地面をパンパンと掌で叩き座るよう促し、碧は軽く息を吐きその場にわり坐の形で座り込んだ。
「ちょっと!何やって!!」
碧が座ると再びごろんと寝転がり貴斗の頭が碧の腿の上に乗り膝枕の体勢になっていた。
「やめてよ!誰かに見られたらどうすんのよ」
「大丈夫だって、こんなとこ俺らと碧の友だちしか来ないから」
そう言うと貴斗は気持ちよさそうに目を閉じていた。呆れた碧は先ほど同様軽く溜息を吐き空を見上げた。
「......腕痛い?」
「まぁ、ヒビとはいえ痛いよ」
「...私のせいでごめんなさい」
「なんでー?俺が勝手にやったことなんだから」
目を閉じたまま貴斗は左手で碧の頬を撫でるように触れた。いつもの碧ならまず膝枕の時点で抵抗を見せるが今はそんな気になれず払いのけることなく貴斗の好きなようにさせていた。
「あのさ、ほんとに貴斗のお世話するの?」
「うん、碧のご両親の許可は貰ったし何より碧も了承してくれたからね、って言っても学校ではしなくていいから...また変なのに碧が絡まれても困るからね」
貴斗の声色が一瞬、無機質で冷淡な響きを感じ取り碧は畏怖したが、すぐにいつもの貴斗に戻っていた。
「一つ聞きたいんだけど...まつも「ねぇ、今日からお願いできるよね?」
碧の言葉を遮り、貴斗は起き上がるとまるで仔犬のような表情で碧を見つめてきたため思わず吹き出してしまった。
「うん、でも一緒に帰ると目立っちゃうしな」
「うちの生徒が通らないとこに迎えの車来てもらうことになってるからそこで待ち合わせしよっか、それなら見つかることはないと思うから。あとで地図送るよ」
「わかった、とりあえず私もう戻るね。何かあったら連絡するから」
「わかった、俺も何かあったら連絡する。とりあえずもうちょっとここにいるから」
貴斗の言葉に碧は頷き、その場を離れるため立ち上がろうとした時、貴斗に引き寄せられ軽く唇が重なった。
「なっ!」
「家では手出さないって言っちゃったけど学校ではしないとは約束してないしね♪」
「何考えてんのよっ!サイテーッ!!」
機嫌よく笑顔で手を振る貴斗をよそに碧は不機嫌な表情で足早に屋上を出た。
「油断も隙もないんだからっ」
碧は不機嫌になりながらも何故か心拍数が異常に上がり頬がどんどん熱くなっていることに気づき、落ち着かせようと火照った頬を手で仰ぎながら階段を下りた。今までだって何度も貴斗に強引で不意打ちのようなキスをされていたのに今日に限って妙な感情が沸き上がり、自身の唇が熱く痺れるような感覚に襲われた。碧は払拭するべく頬を力いっぱい叩き急ぎ足で教室へと戻って行った。
「おはよ」
「おはよう、今日から学校だけどほんとに何ともない?大丈夫?」
心配そうに聞いてくる母に何度も頷き、並べられた朝食に手をつける。そこに、どどどっ!と階段を転がるように下りてくる虹志がリビングに入って来た。
「虹、おはよ。朝ごはん食べちゃいなさい」
「あぁ」
ぶっきらぼうな返事をしながらダイニングテーブルにどかっと座る。碧は貴斗が家に来た時から虹志と会話らしい会話をしていなかった。虹志が何故あんなに苛立つような態度を取ったのか未だに不明で本人から聞こうにも話しかけれるような態度ではなく碧は悶々としながら目の前の弟に視線を向けた。
「んだよっ、気持ちわりーな、チラチラ見てくんな」
相変わらずの減らず口に碧もイラっとしたが、今日から登校日ということもあり気持ちを落ち着かせ朝食に集中することにした。
「.....お前、大丈夫なのか?」
「んっ?何が?」
“なんでわかんねーんだよ!”と言いたげな表情を向けられるが碧がさっぱり理解していないことに気づき虹志は深い溜息をついた。
「あいつ、昔何回か碧のスマホにかけてきた奴だろ?何となく声に聞き覚えあったから.....」
(あー、それで...)
この前の態度に納得し、碧は複雑な表情を浮かべた。
「まぁ、大丈夫かって言ったらそうじゃないけど.....今回ばっかりは仕方ないしあの頃とは関係も変わってるから」
碧の曖昧な内容に虹志は茶碗に入っていたご飯をかきこみ持っている箸を碧に向けた。
「前も言ったけど泣きついても助けてやんねーからな.......でも...どうしてもっていう時は...まぁ、なんだ、話くらいは聞いてやるから.....ご馳走様っ!」
勢いよく席を立ち食器を片付けにいそいそとシンクに持って行く時、チラッと見えた横顔は少し赤らんでいるようにも見え碧は思わず小さく吹き出した。そんな碧を虹志は恥ずかしそうに睨みつけそのまま洗面所へと向かって行った。
(ありがと、虹)
虹志の想いに少しくすぐったさを感じながら碧も残っているおかずをパクついた。
☆☆☆
「桐野さんっ!大丈夫だった?!私があの時一緒に付き添っていればあんなことにはなんなかったのに」
教室の中に入ろうとした時、教室から工藤が今にも泣きそうな表情で碧に突進してきた。
「わっ!おっ、おはよ工藤さん。大丈夫だから、念の為様子見で休んだだけで、ほらっ!この通り怪我もなかったし」
工藤を安心させるべく碧は大袈裟に身体を動かし何ともないことをアピールした。
「ほんと良かったー、でもあの時阿部くんが行かなかったらって思うと...」
「んっ?」
碧のキョトンとした表情に工藤も同じくキョトンとした表情を向けた。
工藤の話はこうだった。
彼女が碧と別れ教室に戻る途中、亜梨咲から声をかけられたらしい。碧同様、普段から接点がなく会話もしたことがほぼない人物からだったから何事かと吃驚していると、亜梨咲から碧の居場所を聞かれ経緯を説明すると無言のまま碧がいるであろう方へと向かって行ったとのことだった。
「でね、その後阿部くんが来て“松本知らない?”って聞かれたから桐野さんのとこ向かったこと話したら顔色変えて追っかけるように猛ダッシュで行っちゃったの...実は私も気になってそのあとを追ったらあんなことになってて。既に二人とも倒れてる状態だったんだけどその時の阿部くん、桐野さんを守るように倒れてて...こんなこと言ったら不謹慎だと思うけどなんか王子様に守られてるお姫様みたいに見えたんだよね」
申し訳なさそうにへへ、と笑みを溢しながら工藤はその時の状況を話してくれた。
「そうなんだ...そういえば、松本さんはどうしてる?さっき下駄箱見たらまだ来てないみたいだったけど」
いつもならとっくに登校している亜梨咲の姿はなく碧は少し言いにくそうに工藤に尋ねてみた。
「あー、松本さんはあの日以来学校には来てないよ。目の前でクラスメイトが二人落っこちたからショックだったのかしら...彼女、特に阿部くんにはご執心だから。私が見た時、松本さんは踊り場のとこで蒼褪めて座り込んでたわね」
「そっか...」
少なからず落ちる原因を作ったにしても彼女が全て悪かったわけではないし工藤の話の内容では彼女の所為で落下したとはなっていない、しかも彼女の性格からして自分のせいで落ちたなんて言うわけもないし思うわけもない、なら何故あの日から休んでるのか...貴斗が怪我をしたのは知っているだろうからその時点で彼女が貴斗を放っておくとは思えない......碧が考え込んでいると背後から後頭部を軽くポンと叩かれた。
「桐野さん、工藤さん、おはよ」
「あっ、おはよう。阿部くんも今日から登校なのね、二人とも元気そうでほんと良かった。でも腕は痛々しいね」
「いや、ヒビだからここまで大袈裟にしなくてもいいんだけど今日は念の為ね。明日からは多分包帯で固定するだけで大丈夫だと思うんだけど」
左肩にリュックのショルダーストラップを掛け右腕にはアームスリングを付けた貴斗が後ろから現れた。
工藤は二人の顔を見ながら安堵していた。工藤は自分の所為であんな事が起きてしまったと悔いていたので心底安心した様子で碧たちに視線を向けた。
「もし、また具合が悪くなったら遠慮なく言ってね」
「工藤さんありがとう」
きっかけはどうであれ、あまり関わることがなかった工藤と話すことができ碧は少し嬉しかった。
お礼を言うと同時に予鈴が鳴り席についてない生徒たちはそれぞれ自分の場所へと戻って行き、碧たちも自分の席へと向かおうとした時、
「碧、昼休みに屋上来て」
貴斗が耳元で囁きそのまま何食わぬ顔で自席へと向かった。周りの友人たちに話しかけられ笑顔で話す貴斗に碧は何とも言えない感情で見つめていた。
☆☆☆
碧は薄暗い階段を上り、すでに施錠が解かれた屋上の扉を開けた。開けると同時に日差しが降り注ぎ少し目を細め碧は屋上へと出た。
「こんなとこに呼び出して何の用ですか?」
すでに屋上で寝そべっている貴斗の前に行き見下ろしながら言い放った。
「まぁ、いいから座んなよ」
貴斗は起き上がり地面をパンパンと掌で叩き座るよう促し、碧は軽く息を吐きその場にわり坐の形で座り込んだ。
「ちょっと!何やって!!」
碧が座ると再びごろんと寝転がり貴斗の頭が碧の腿の上に乗り膝枕の体勢になっていた。
「やめてよ!誰かに見られたらどうすんのよ」
「大丈夫だって、こんなとこ俺らと碧の友だちしか来ないから」
そう言うと貴斗は気持ちよさそうに目を閉じていた。呆れた碧は先ほど同様軽く溜息を吐き空を見上げた。
「......腕痛い?」
「まぁ、ヒビとはいえ痛いよ」
「...私のせいでごめんなさい」
「なんでー?俺が勝手にやったことなんだから」
目を閉じたまま貴斗は左手で碧の頬を撫でるように触れた。いつもの碧ならまず膝枕の時点で抵抗を見せるが今はそんな気になれず払いのけることなく貴斗の好きなようにさせていた。
「あのさ、ほんとに貴斗のお世話するの?」
「うん、碧のご両親の許可は貰ったし何より碧も了承してくれたからね、って言っても学校ではしなくていいから...また変なのに碧が絡まれても困るからね」
貴斗の声色が一瞬、無機質で冷淡な響きを感じ取り碧は畏怖したが、すぐにいつもの貴斗に戻っていた。
「一つ聞きたいんだけど...まつも「ねぇ、今日からお願いできるよね?」
碧の言葉を遮り、貴斗は起き上がるとまるで仔犬のような表情で碧を見つめてきたため思わず吹き出してしまった。
「うん、でも一緒に帰ると目立っちゃうしな」
「うちの生徒が通らないとこに迎えの車来てもらうことになってるからそこで待ち合わせしよっか、それなら見つかることはないと思うから。あとで地図送るよ」
「わかった、とりあえず私もう戻るね。何かあったら連絡するから」
「わかった、俺も何かあったら連絡する。とりあえずもうちょっとここにいるから」
貴斗の言葉に碧は頷き、その場を離れるため立ち上がろうとした時、貴斗に引き寄せられ軽く唇が重なった。
「なっ!」
「家では手出さないって言っちゃったけど学校ではしないとは約束してないしね♪」
「何考えてんのよっ!サイテーッ!!」
機嫌よく笑顔で手を振る貴斗をよそに碧は不機嫌な表情で足早に屋上を出た。
「油断も隙もないんだからっ」
碧は不機嫌になりながらも何故か心拍数が異常に上がり頬がどんどん熱くなっていることに気づき、落ち着かせようと火照った頬を手で仰ぎながら階段を下りた。今までだって何度も貴斗に強引で不意打ちのようなキスをされていたのに今日に限って妙な感情が沸き上がり、自身の唇が熱く痺れるような感覚に襲われた。碧は払拭するべく頬を力いっぱい叩き急ぎ足で教室へと戻って行った。
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