甘い嘘と罪悪な恋

なかな悠桃

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「澪、自分から約束しといて悪い。急遽、部の集まり入って遅くなるかもしんねーから先帰って」

授業が終わり教室では皆それぞれ帰宅の準備をする者、部活動の準備をする者がいる中、部活に入っていない澪の元へ長身の男子生徒が机の前に立ち現れた。

「そうなんだ・・・うん、わかった。頑張ってね」

「あぁ、ほんと悪いな」

手を合わせ謝るポーズを見せ彼、貴島きじま昇多しょうたは部室へと向かうため数人の同じバレー部の男子生徒と共に教室を後にした。

昇多はバレー部のキャプテンで180センチもある長身、端正な顔立ちに性格も硬派、同学年からはもちろん別学年からも人気のある男子生徒だったが本人は全く興味がないのかあまり女子生徒とは関わることはなかった。


「なーにぃー?今日はとは帰れないの?」

「涼ちゃん重いよ、ってか旦那じゃないし」

背後からニヤ付きながら伸し掛かってきた人物に澪は迷惑そうに文句を言う。

「だったら今日久しぶりに買い物でも行かない?」

澪と同じクラスメイトで親友の一ノ瀬涼子が澪の席の前にある椅子に腰かけた。

「買い物か・・・今手持ち少ないしなー」

「ってかさー、あんたたちの関係ってなんなんだろうねー。私からしてみれば貴島、澪のこと好きだと思うんだけどな」

澪の机に片手で頬杖を付き目の前にいる親友に溜息を浴びせると苦笑いを浮かべ再び帰り支度を始める。

「前にも言ったでしょ、私一年の時に振られてるって・・・まぁ私たち中学から一緒だしそのせいで距離感が他の人より近いだけ。それに彼女いるみたいだし」

「でも直接言われたわけじゃないし噂の域でしょ?」

「・・・・・・はいっ!この話はもうお終い!治りかかってる傷口抉ったんだから今日はなんか奢ってもらうからねー」

澪は冗談ぽく涼子に笑い椅子から立ち上がったと同時に机に置いてあった自身のスマホのディスプレイにメッセージが届いた。何気に画面を開くとある画像も一緒に送られてきた。

「・・・ごめん、やっぱ急用出来ちゃった、急ぎだから先出るね、ほんとごめんね」

「あっ!ちょっ!みおっ?!」

澪はメッセージを見た瞬間、周りに見られないようスマホを急いでリュックに片付け涼子の言葉を聞くまでもなく慌ただしく教室を出て行った。




☆☆☆
「こういう呼び出し方やめて。それに今日はじゃないよ」

「んー、そうなんだけど無性に澪に会いたくなっちゃって♡にしても早かったね・・・まぁ流石にあの写真見られたくないか・・・

人気のない資料室、その窓付近でスラッとした長い脚を組みながら椅子に座りスマホを弄る男子生徒が澪に笑顔で話す。その対極で澪の表情は硬く険しいものだった。


“まだ教室だよね?今から5分以内に資料室まで来て。遅れたり無視したらコレ昇多に送るよ”

メッセージと送られてきた画像は胸元まで肌をさらけ出す姿が写り、表情は事後を彷彿させるような紅潮した表情が写し出されていた。

「ねぇ・・・いつまでこんな「澪、鍵閉めて」

男の抑揚のない声色に澪は一瞬身体を強張らせ言う通りに内鍵を閉めた。

「澪、おいで」

冷ややかな笑みを浮かべながら澪を手招きするが、なかなか進まない重い足取りをそれでも澪はなんとか男の前まで向かった。男は椅子から立ち上がり微笑むと澪を優しく抱き締める。昇多より頭一つ分低く、体つきも細めだが程よい筋肉質の体格は澪の身体をすっぽりと覆った。男は無言で俯く澪を先ほどよりも少し強めに抱き締めた。

「・・・もうこんなこ、んッ!」

澪の言葉を遮るように男は澪の顎先を指で軽く上げ反論する言葉を無理やり口唇くちびるで塞いだ。舌を捻じ込み深くなるキスに澪は身体を小さく震わせるがそれ以上の抵抗はせず男のされるがままになっていた。

咥内を蹂躙され歯列を舌でなぞるように舐め上げられ、澪は苦しさから少し息が荒くなり口端からは唾液がつっ・・・と流れ零れる。

「澪、これはが変わらず仲良くいられるためなんだからね」

口唇をゆっくり放し男は澪の額にわざとリップ音を鳴らし軽く口づけした。そのまま男は澪の制服のブレザーの釦とリボンのホックを外し側にあった長机に置いた。シャツの上から膨らみに手をやると柔柔と触れ、そのたびに澪から小さく漏れる息が零れる。

「ふふっ、感じすぎ、声出すと誰かに気づかれるかもよ」

男は悪戯な笑みで自分の唇に長い人差し指を当て“シー”とポーズをとった。厭らしい笑みを浮かべ勿体振るかのようにシャツの釦を上からゆっくり一つ一つ外し、澪の透き通る肌が露わになっていく。所々、小さな鬱血痕が薄っすら見られそれに欲情するかのように男は澪の細い首筋に口唇を這わせ舌で舐め、時折ちりっとした痛みを植え付けられる。その痛みは鎖骨、胸元へと及びそのたびに澪は声が漏れそうになるのを耐えた。

ブラジャーのカップ上辺を指でクイっと下げると中から小さくぷっくりとした淡い先端が露わになり男は舌先でちろちろと舐め上げる。

「ん・・・んんっ、待っ・・・」

「待たないよー♡」

澪は男の頭部を離そうと手で抵抗するがまったくビクともせず逆に手を掴まれそのまま長机に寝かされ男が覆い被さってきた。

その間にも執拗なほど先端を舐められ強く吸われるたびに下腹部がヒクつき自身の下着が張り付くような感覚に襲われる。

「乳首舐めただけでこんなに濡らすなんて澪ちゃん厭らしくなったねー♡」

「あァっ、ヤっ、触っちゃ・・・っん、あんっ」

スカートを捲し上げショーツ越しに撫でるように中指で行ったり来たり弄られ澪は身体を小さく痙攣させる。クロッチ部分から指がスルリと這入り込み、溢れ出る膣口部分を優しく撫で上げそのたびにくちゅ、くちゅと厭らしい水音が鳴った。浅い部分だけを執拗に触れられているせいか歯痒さで澪は腰をヒクつかせる。その状況に男は恍惚な表情で苦しそうにしている澪を上から眺め、自身の上唇を舌で舐め上げ意地悪な笑みを浮かべる。

「どうして欲しい?澪の口で言ってくれないとずっとこのままだよ?」

男は熟れ紅潮し苦しそに口呼吸する澪の唇を指でなぞりながら耳元で優しい声色で囁く。澪は苦しさで涕が滲む目元で頭上にいる男の顔はぼやけていたが口角が上がる口元だけはハッキリとわかった。

「も・・・ぅ、お、願・・・い、だか・・・ら・・・・・・挿、れ・・・て」

声が上ずりながら懇願する澪に嬉しそうな表情を浮かべる男は制服のズボンポケットに入れてあった避妊具を取り出し袋を歯で破り口で咥える。カチャカチャとバックルを外す生々しい音を響かせた。チャックを下げトランクスの前開きの部分から硬くなった竿を取り出し避妊具を手慣れたようにスルスルと着けていく。男は澪のショーツを片脚だけ外しM字に大きく開かせ自身の屹立しガチガチになった竿を澪の濡れ溢れる膣口に擦りながらゆっくり侵入させてゆく。

「あっ・・・はっ、うぅ・・・あァんっ・・・っん」

「澪、声抑えて」

硬く大きな圧迫は膣壁を押し広げ脳天にまで届くほどゾクゾクっとした感覚に襲われ無意識にナカにある陰茎を締め上げる。

「はっ、み・・・お、そんな、いきなり締めないでよ、っく、今軽くイキそうに、なったんだけど」

腰をゆっくり打ち付ける男の息も次第に荒く動きも激しくなっていく。上から我慢するように声を漏らす男の表情、声がなんとも婀娜めいてそれだけで澪の心臓は締め付けられる。

「今日なんかヤバいかも・・・澪、もうイっていい?」

男は懇願するように澪の頬に手を置き撫で、澪自身も限界が近く大きく何度も頷くと男は澪の膝裏に手を入れ更に奥へと貫いていく。そのたびに澪は啼き男は自身の口でそれを塞ぐようにキスをする。抽挿が激しくなり長机がギシギシと激しく音を立て下半身からも厭らしい水音が大きくぐちゅぐちゅと室内に響き渡る。

「んっっ!んんーーっっ」

澪が膣内なかをぎゅうっと締め上げると男は呻き声と共にナカで陰茎が大きく数回膨張するかのように震え、ピクピクと何度か小さな震えが終わるとその後糸が切れたように男は澪に覆い被さった。

互いに息を切らしハァハァと肩で息をしていると男は涕でぐちゃぐちゃになった澪の目尻に優しく指先で拭い頭を撫でた。男は身体を起こし膣内に挿れていた陰茎をずるりと抜き出し手際よく避妊具の後始末をした。

澪も乱れた髪を手櫛で直しながら互いに無言のまま来た時と同じ状態へと衣服を戻していく。

「暗くなってきたし家まで送るよ」

「・・・大丈夫だよ、一人で「送るから」

澪の言葉を遮り着替え終わったのを確認すると男は澪の手を取り資料室を出た。先ほどまで薄明るかった冬空は時間の割にはもう暗く光が届かない場所は暗闇に近い状態となっていた。



「あれ?お前らまだいたの?」

玄関に向かう途中、前から見慣れた人物に声を掛けられその瞬間、澪は繋いでいた手を勢いよく離した。

「お疲れー昇多♪今日って部活休みじゃなかったっけ?」

「あぁ、そうだったんだけど急にミーティング入っちまって・・・ってか澪もともも帰ってなかったんだ、こんな時間まで何してたんだ?」

「実はさ・・・・・・『英語でわかんないとこあるから教えて』って澪に迫られてさー、今まで図書室でお勉強♡そのせいで今日の合コン断ったんだから今度穴埋めしろよ」

倫は強張る澪を横目で一瞥し澪の頭をノックするように“コンッ”と軽く小突き笑いながら昇多に応えた。

「合コンって・・・倫もそろそろ落ち着けよな、遊んでばっかいたらいつか刺されるぞ」

呆れたように話す昇多に倫はおどけたように笑っていた。

「じゃあ、久々に三人で帰りますかねー。澪、行こ」

小さく震える澪の背中をポンと軽く叩くように押し出し倫は昇多の元へと足を進めた。心拍数が一気に上がり心臓が今にも口から飛び出す勢いを必死で抑え澪は二人に笑顔を向けた。



☆☆☆
「じゃ俺、バスだから」

倫は二人と別れ、別の方向へと歩き出し残された澪と昇多は倫と逆方向へと歩き出す。

「倫と勉強って珍しいな」

「あー・・・うん、先生に聞きに行こうと思ったら職員室にいなくて、どうしようかウロウロしてたらたまたま会って。声かけたらOKもらえてね・・・ほら、倫って見た目と違って頭良いから」

澪は先ほどまでのことをさもなかったかのように笑顔で嘘を吐く・・・。

「そっか、まー、あと数カ月もすれば受験生活が待ってるし卒業したらこうやって三人で帰れることもなくなってくんだな、・・・って言っても倫とはそんなに帰ってなかったか」

「・・・そうだね、毎回違う女の子と帰ってるし」

「なぁ、澪・・・あのさ」

昇多が何かを言いかけた時、澪のスマホの着信音がリュックから鳴り響く。澪は急いで取り出すとディスプレイには倫の名前が表示されていた。

「・・・もしもし、どうしたの?」

『澪・・・さっき言い忘れたんだけどシャツの第一釦留めた方がいいよ、さっきの昇多に見られちゃうかも』

「澪?」

通話が切れても尚固まったまま動かない澪を昇多は不思議そうに見つめその行動で澪は咄嗟に襟付近を手でぎゅっと抑えた。

「私の教科書、間違って自分の鞄に入れて持って帰っちゃったんだって。そんなこと一々言わなくていいのにね」

「だな」

引き攣ってるであろう表情に気づかれないようすぐさま昇多より少し前を歩く。そんな澪の後ろ姿を昇多は優しく微笑んだ。

「澪、もうちょっとで誕生日だな、なんか欲しいもんとかある?」

「えー、いきなりどうしたの?!今までだって貰ったことないのに急に」

「まぁ、俺そういうの疎かったから何あげていいかわかんなくて。でも今年は」

「何言ってんのよ、そんなのかの・・・」

澪は自身の言おうとした言葉を呑み込み、立ち止まると後ろにいる昇多に振り返った。

「もう、17歳になるのか・・・なんかあっという間だったな・・・・・・昇多のプレゼント、期待しないで待ってるよ」

襟付近をぎゅっと力いっぱい押さえながら澪はにこっと微笑んだ。
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