荒野で途方に暮れていたらドラゴンが嫁になりました

ゲンタ

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ドワブ教2

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連行されていた者たちは、スラムで捕まえられた人族が400人、エルフや獣人はいなかった。
キメラオーガの製造の犠牲者はエルフや獣人から人になっているようだ。
エルフや獣人は、殺し尽くされたということか……

怒りが込み上げる!

俺たちは粉々になった神殿を調査することにした。
調査している間に、グレーに頼んで人族を、ゴンドラでシルティ国に運んでもらう。
事情を説明するためにエメットにも同行する。

俺たちは、壊れた神殿に近づいていく。
壊れた神殿の中には、神の像ではなく、見るものに恐怖を感じさせる像が飾ってある。

志願兵たちに教典のようなものがないか探させるとともに、生き残りがいないかも慎重に調査させる。
ただし教会の地下は危険なので入るのを止めさせる。

「レッド、ドワブ教というのは聞いたことがある? この像を今までに見たことある?」
「いや、分からないし、見たこともないな」

ここは女神様に聞いてみるしかないか。
「今から女神様に聞いてみる」

『女神様! お願いします。この神殿は何なのか教えて下さい!』と、頭の中で念じる。
女神様の念話が頭の中に聞こえてくる。

「フウタ! たくさんのエルフ族や獣人族や人族たちを救ってくれたみたいですね。ありがとう! この神殿は邪教徒の神殿です」

『女神様! この神殿で祀られている邪神は、神様たちで何とかしていただけないでしょうか? 邪神であろうと、相手が神様では俺たちが何とかできるはずがありません!』と、頭の中で念じる。

「邪教の神は、元々私たちの仲間でした。堕落して邪教の神となったのです。邪教の神は我ら神に任せて下さい。もしもフウタが邪教の神と直接対峙しないといけなくなったら、あなたに神の力を一時的に授けましょう。だから安心して下さい」

『女神様……俺はのんびり過ごせる転生を望んでいたのですよ……邪教の神と戦うなんて……無茶苦茶です!』と、頭の中で再び念じる。

「あなたならできるわよ! 私の知り合いの神が、あなたなら大丈夫と言っていましたからね」

そんな……元の世界の神って誰なの?

「ここで頑張って、あなたも神の仲間入りをしなさいよ。最初は神見習いですけどね。それに、ここまで関わっておいて、今更放り投げられないでしょ!」

神見習いとか興味ないのだけどな……

あら! 女神様いなくなっちゃった。
女神様が俺に対してどんどん気安くなってきている気がするのだが。
そういうことでいいのかな!

生き残りはいないようだ。
教典も手に入ったし、スラムで捕らえられた人たちもシルティ城に送り届けた。
ゴザリア国の王都に移動するかな。

「レッド、アンジェ、エメット、女神様に聞いてみたら、元々神様たちの仲間だった神が、堕落して邪教の神となったそうだ。しかし邪神の方は神様たちが何とかしてくれるから安心せよということだ」

「フウタ、いくらドラゴンといえども、邪神には勝てないと思うぞ! 邪神の方は女神様が何とかしてくれるというのは本当なのか!」
「さすがに、神様は嘘をつかないと思うよ!」

「それならいいのだけど」

俺たちは王都に戻ることにした。

王都はキメラオーガ軍の攻撃で落城寸前だった。
キメラオーガ軍を見る限り、さらなるドーピングはされていないようだった。

志願兵たちを王都から少し離れた場所に降ろして「キメラオーガの動きがとまったら、前回と同様にキメラオーガにされてしまった同胞たちを、苦しみから救ってあげてほしい」と伝える。

俺とレッド、アンジェ、エメットでキメラオーガ軍の殲滅に向かう。
上空から戦況を眺めると、キメラオーガ軍が優勢だ。
しかし、エルフや獣人を奴隷にして苦しめたゴザリア国の奴らを守ってやる気にならない。
まったくならないぞ! 

しかし放っておけば2時間もしないうちにジレネ軍は壊滅するだろうから、このままという訳にはいかないか。
まずは、キメラオーガ軍をコントロールしている念話騎士を何とかしよう。

レッドに念話騎士を探してもらった。
「騎士団の中にはいないぞ。あの壊れかけた建物の中に隠れてコントロールしているみたいだ」

なるほど、前回とは違うパターンにしたようだな。
しかし念話騎士が見つかることなどありえないと思ってくれているうちは、キメラオーガ軍を討伐することは容易いな。

壊れかけた建物に向けて、グレネードランチャーの弾を撃ち込み続ける。
壊れかけた建物が完全に粉々になった。
キメラオーガ軍の動きが止まる。

キメラオーガ軍の動きが止まったのを見て、騎士団逃げ出し始める。
「レッド! アンジェ! エメット! 3人は騎士団を始末してくれ。生き残りから、ユニマ国とエーデリア国のドワブ教の拠点の場所を聞き出してくれ。無理はしないでいい。神殿の奴らと同じで、頭がおかしくなっているかもしれないからな」

志願兵たちがキメラオーガ軍に向かって走っている。
キメラオーガは彼らに任せよう。

レッドとアンジェ、エメットが戻ってくる。
騎士団は「ドワブ教バンザイ」としか言わなかったそうだ。
全員洗脳とか無茶苦茶だな。

「城に向かおう」

レッドの背から城の様子を眺めると、城を守っていた騎士と兵士の死体だらけだ。
王宮の前で着地し、王宮の中に入る。
城の内部は死体だらけだ。

血の匂いがする。
キメラオーガの死体もある。
守備兵が必死の抵抗をしたことが分かる。

生き残った騎士が俺たちのところにやって来て、女王のジレネのところに案内してくれる。
部屋にはベッドに寝かされたジレネがいるが、既に瀕死の状態だ。

「キメラオーガを作り出せないように、神殿を粉々にしてきたぞ。城を攻めているキメラオーガも騎士たちも全員始末したぞ!」

瀕死のジレネが目を開ける。
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