47 / 57
ドワブ教2
しおりを挟む
連行されていた者たちは、スラムで捕まえられた人族が400人、エルフや獣人はいなかった。
キメラオーガの製造の犠牲者はエルフや獣人から人になっているようだ。
エルフや獣人は、殺し尽くされたということか……
怒りが込み上げる!
俺たちは粉々になった神殿を調査することにした。
調査している間に、グレーに頼んで人族を、ゴンドラでシルティ国に運んでもらう。
事情を説明するためにエメットにも同行する。
俺たちは、壊れた神殿に近づいていく。
壊れた神殿の中には、神の像ではなく、見るものに恐怖を感じさせる像が飾ってある。
志願兵たちに教典のようなものがないか探させるとともに、生き残りがいないかも慎重に調査させる。
ただし教会の地下は危険なので入るのを止めさせる。
「レッド、ドワブ教というのは聞いたことがある? この像を今までに見たことある?」
「いや、分からないし、見たこともないな」
ここは女神様に聞いてみるしかないか。
「今から女神様に聞いてみる」
『女神様! お願いします。この神殿は何なのか教えて下さい!』と、頭の中で念じる。
女神様の念話が頭の中に聞こえてくる。
「フウタ! たくさんのエルフ族や獣人族や人族たちを救ってくれたみたいですね。ありがとう! この神殿は邪教徒の神殿です」
『女神様! この神殿で祀られている邪神は、神様たちで何とかしていただけないでしょうか? 邪神であろうと、相手が神様では俺たちが何とかできるはずがありません!』と、頭の中で念じる。
「邪教の神は、元々私たちの仲間でした。堕落して邪教の神となったのです。邪教の神は我ら神に任せて下さい。もしもフウタが邪教の神と直接対峙しないといけなくなったら、あなたに神の力を一時的に授けましょう。だから安心して下さい」
『女神様……俺はのんびり過ごせる転生を望んでいたのですよ……邪教の神と戦うなんて……無茶苦茶です!』と、頭の中で再び念じる。
「あなたならできるわよ! 私の知り合いの神が、あなたなら大丈夫と言っていましたからね」
そんな……元の世界の神って誰なの?
「ここで頑張って、あなたも神の仲間入りをしなさいよ。最初は神見習いですけどね。それに、ここまで関わっておいて、今更放り投げられないでしょ!」
神見習いとか興味ないのだけどな……
あら! 女神様いなくなっちゃった。
女神様が俺に対してどんどん気安くなってきている気がするのだが。
そういうことでいいのかな!
生き残りはいないようだ。
教典も手に入ったし、スラムで捕らえられた人たちもシルティ城に送り届けた。
ゴザリア国の王都に移動するかな。
「レッド、アンジェ、エメット、女神様に聞いてみたら、元々神様たちの仲間だった神が、堕落して邪教の神となったそうだ。しかし邪神の方は神様たちが何とかしてくれるから安心せよということだ」
「フウタ、いくらドラゴンといえども、邪神には勝てないと思うぞ! 邪神の方は女神様が何とかしてくれるというのは本当なのか!」
「さすがに、神様は嘘をつかないと思うよ!」
「それならいいのだけど」
俺たちは王都に戻ることにした。
王都はキメラオーガ軍の攻撃で落城寸前だった。
キメラオーガ軍を見る限り、さらなるドーピングはされていないようだった。
志願兵たちを王都から少し離れた場所に降ろして「キメラオーガの動きがとまったら、前回と同様にキメラオーガにされてしまった同胞たちを、苦しみから救ってあげてほしい」と伝える。
俺とレッド、アンジェ、エメットでキメラオーガ軍の殲滅に向かう。
上空から戦況を眺めると、キメラオーガ軍が優勢だ。
しかし、エルフや獣人を奴隷にして苦しめたゴザリア国の奴らを守ってやる気にならない。
まったくならないぞ!
しかし放っておけば2時間もしないうちにジレネ軍は壊滅するだろうから、このままという訳にはいかないか。
まずは、キメラオーガ軍をコントロールしている念話騎士を何とかしよう。
レッドに念話騎士を探してもらった。
「騎士団の中にはいないぞ。あの壊れかけた建物の中に隠れてコントロールしているみたいだ」
なるほど、前回とは違うパターンにしたようだな。
しかし念話騎士が見つかることなどありえないと思ってくれているうちは、キメラオーガ軍を討伐することは容易いな。
壊れかけた建物に向けて、グレネードランチャーの弾を撃ち込み続ける。
壊れかけた建物が完全に粉々になった。
キメラオーガ軍の動きが止まる。
キメラオーガ軍の動きが止まったのを見て、騎士団逃げ出し始める。
「レッド! アンジェ! エメット! 3人は騎士団を始末してくれ。生き残りから、ユニマ国とエーデリア国のドワブ教の拠点の場所を聞き出してくれ。無理はしないでいい。神殿の奴らと同じで、頭がおかしくなっているかもしれないからな」
志願兵たちがキメラオーガ軍に向かって走っている。
キメラオーガは彼らに任せよう。
レッドとアンジェ、エメットが戻ってくる。
騎士団は「ドワブ教バンザイ」としか言わなかったそうだ。
全員洗脳とか無茶苦茶だな。
「城に向かおう」
レッドの背から城の様子を眺めると、城を守っていた騎士と兵士の死体だらけだ。
王宮の前で着地し、王宮の中に入る。
城の内部は死体だらけだ。
血の匂いがする。
キメラオーガの死体もある。
守備兵が必死の抵抗をしたことが分かる。
生き残った騎士が俺たちのところにやって来て、女王のジレネのところに案内してくれる。
部屋にはベッドに寝かされたジレネがいるが、既に瀕死の状態だ。
「キメラオーガを作り出せないように、神殿を粉々にしてきたぞ。城を攻めているキメラオーガも騎士たちも全員始末したぞ!」
瀕死のジレネが目を開ける。
キメラオーガの製造の犠牲者はエルフや獣人から人になっているようだ。
エルフや獣人は、殺し尽くされたということか……
怒りが込み上げる!
俺たちは粉々になった神殿を調査することにした。
調査している間に、グレーに頼んで人族を、ゴンドラでシルティ国に運んでもらう。
事情を説明するためにエメットにも同行する。
俺たちは、壊れた神殿に近づいていく。
壊れた神殿の中には、神の像ではなく、見るものに恐怖を感じさせる像が飾ってある。
志願兵たちに教典のようなものがないか探させるとともに、生き残りがいないかも慎重に調査させる。
ただし教会の地下は危険なので入るのを止めさせる。
「レッド、ドワブ教というのは聞いたことがある? この像を今までに見たことある?」
「いや、分からないし、見たこともないな」
ここは女神様に聞いてみるしかないか。
「今から女神様に聞いてみる」
『女神様! お願いします。この神殿は何なのか教えて下さい!』と、頭の中で念じる。
女神様の念話が頭の中に聞こえてくる。
「フウタ! たくさんのエルフ族や獣人族や人族たちを救ってくれたみたいですね。ありがとう! この神殿は邪教徒の神殿です」
『女神様! この神殿で祀られている邪神は、神様たちで何とかしていただけないでしょうか? 邪神であろうと、相手が神様では俺たちが何とかできるはずがありません!』と、頭の中で念じる。
「邪教の神は、元々私たちの仲間でした。堕落して邪教の神となったのです。邪教の神は我ら神に任せて下さい。もしもフウタが邪教の神と直接対峙しないといけなくなったら、あなたに神の力を一時的に授けましょう。だから安心して下さい」
『女神様……俺はのんびり過ごせる転生を望んでいたのですよ……邪教の神と戦うなんて……無茶苦茶です!』と、頭の中で再び念じる。
「あなたならできるわよ! 私の知り合いの神が、あなたなら大丈夫と言っていましたからね」
そんな……元の世界の神って誰なの?
「ここで頑張って、あなたも神の仲間入りをしなさいよ。最初は神見習いですけどね。それに、ここまで関わっておいて、今更放り投げられないでしょ!」
神見習いとか興味ないのだけどな……
あら! 女神様いなくなっちゃった。
女神様が俺に対してどんどん気安くなってきている気がするのだが。
そういうことでいいのかな!
生き残りはいないようだ。
教典も手に入ったし、スラムで捕らえられた人たちもシルティ城に送り届けた。
ゴザリア国の王都に移動するかな。
「レッド、アンジェ、エメット、女神様に聞いてみたら、元々神様たちの仲間だった神が、堕落して邪教の神となったそうだ。しかし邪神の方は神様たちが何とかしてくれるから安心せよということだ」
「フウタ、いくらドラゴンといえども、邪神には勝てないと思うぞ! 邪神の方は女神様が何とかしてくれるというのは本当なのか!」
「さすがに、神様は嘘をつかないと思うよ!」
「それならいいのだけど」
俺たちは王都に戻ることにした。
王都はキメラオーガ軍の攻撃で落城寸前だった。
キメラオーガ軍を見る限り、さらなるドーピングはされていないようだった。
志願兵たちを王都から少し離れた場所に降ろして「キメラオーガの動きがとまったら、前回と同様にキメラオーガにされてしまった同胞たちを、苦しみから救ってあげてほしい」と伝える。
俺とレッド、アンジェ、エメットでキメラオーガ軍の殲滅に向かう。
上空から戦況を眺めると、キメラオーガ軍が優勢だ。
しかし、エルフや獣人を奴隷にして苦しめたゴザリア国の奴らを守ってやる気にならない。
まったくならないぞ!
しかし放っておけば2時間もしないうちにジレネ軍は壊滅するだろうから、このままという訳にはいかないか。
まずは、キメラオーガ軍をコントロールしている念話騎士を何とかしよう。
レッドに念話騎士を探してもらった。
「騎士団の中にはいないぞ。あの壊れかけた建物の中に隠れてコントロールしているみたいだ」
なるほど、前回とは違うパターンにしたようだな。
しかし念話騎士が見つかることなどありえないと思ってくれているうちは、キメラオーガ軍を討伐することは容易いな。
壊れかけた建物に向けて、グレネードランチャーの弾を撃ち込み続ける。
壊れかけた建物が完全に粉々になった。
キメラオーガ軍の動きが止まる。
キメラオーガ軍の動きが止まったのを見て、騎士団逃げ出し始める。
「レッド! アンジェ! エメット! 3人は騎士団を始末してくれ。生き残りから、ユニマ国とエーデリア国のドワブ教の拠点の場所を聞き出してくれ。無理はしないでいい。神殿の奴らと同じで、頭がおかしくなっているかもしれないからな」
志願兵たちがキメラオーガ軍に向かって走っている。
キメラオーガは彼らに任せよう。
レッドとアンジェ、エメットが戻ってくる。
騎士団は「ドワブ教バンザイ」としか言わなかったそうだ。
全員洗脳とか無茶苦茶だな。
「城に向かおう」
レッドの背から城の様子を眺めると、城を守っていた騎士と兵士の死体だらけだ。
王宮の前で着地し、王宮の中に入る。
城の内部は死体だらけだ。
血の匂いがする。
キメラオーガの死体もある。
守備兵が必死の抵抗をしたことが分かる。
生き残った騎士が俺たちのところにやって来て、女王のジレネのところに案内してくれる。
部屋にはベッドに寝かされたジレネがいるが、既に瀕死の状態だ。
「キメラオーガを作り出せないように、神殿を粉々にしてきたぞ。城を攻めているキメラオーガも騎士たちも全員始末したぞ!」
瀕死のジレネが目を開ける。
10
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説


【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。


元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる