1 / 6
第1話・菜緒の左手
しおりを挟む
立木陵介が妻の姿を最後に見たのは、玄関だった。朝の七時半。正確には見たのではなく、見送ったというのが正解だろう。仕事へと向かう菜緒を、玄関から見送った。その日を境に、菜緒と連絡がとれなくなった。スマホはなく、電話してもラインを送っても返事はない。ラインに至っては既読にもならない。
翌日、陵介は警察に失踪届を出した。近くの露ヶ原交番で、当直の警察官はふてぶしかった。失踪だけで日本国内では年間七万人ほどいる。警察がまともに取り合うはずはない、と陵介はわかっていた。
誘拐されていたらと思うと気が気ではなかった。菜緒を誘拐した犯人は、きっと殺されているだろう。普通の女性ではないのだ。
二カ月前、東京・大阪間の飛行機がハイジャックされた。羽田空港発、伊丹空港着。14時過ぎに飛び立った機内に、複合・国際原子力戦線(Combined International Nuclear Front=CINFr)と名乗る男たち四人が機内で銃を構えた。「これより、この機体は複合・国際原子力戦線(CINFr)の所有物に変わった。あなたたちは、私たちの人質ではあるが、友人だ。だから、手荒な真似はしない。どうか安心して欲しい」
機内で立ち上がった男は皆、目出し帽をかぶっている。目の表情からして、全員四十代だと菜緒が陵介に伝えた。陵介はどうしてそんなことがわかるのか?菜緒に訊ねたが、菜緒は何も答えなかった。菜緒は、器用に口腔内の矯正器具を外し、人差し指に針金を巻き付けた。
ハイジャック犯たちはエジプトなまりのある英語を話していた。四人のうちリーダー格の男は流暢に日本語を話していた。さっき機内を安心させようと、安っぽい詭弁の演説を放った男だ。
誰もが機内でハイジャック犯と目があわないようにしているなか、陵介に頭を下げるようにと伝えたのち、菜緒はおもむろに立ち上がった。
「あのー、トイレ行きたいですけどぉ。妊娠してるんで、その」
日本語を話せるリーダー格の男が部下と思わしき男二名に、菜緒の近くに行くように指示した。
陵介はこのときの様子を一部始終をしっかりと見ていた。下げろと言われた頭を上げて。ハイジャック犯たちにバレないように、見ていた。
新婚旅行に大阪・枚方にある遊園地に行きたいと言ったのは菜緒だった。国内しかも新婚旅行に大阪の枚方とは、と陵介は思った。新幹線で行けばいいものの、菜緒は敢えてこの時間の国内線を選んだ。もっと早い便にして、朝から行動しようと、陵介は菜緒に提案したがすべて却下された。
というよりも菜緒がさっき「妊娠している」と言ったように聞こえた、あれは聞き間違いか?まだそんな肉体関係もない初々しい夫婦なのに、まさか、別の男の子供を身ごもった?陵介はピンチの状況に妄想で頭がいっぱいになっていた。人間は一度にたくさんのことを処理できない。
陵介はこのとき、菜緒が立ち上がったこと、菜緒が頭を下げるように言ったこと、歯の矯正が武器に変わったこと、妊娠していると言ったこと、そしてどうにもこうにもハイジャック犯と戦おうとしていること、同時にこんなに理解不能なことが起これば、処理どころでもないだろう。
「もう、漏れちゃうわよ」
揺れる機内で菜緒をトイレにエスコートしようとする男二人。二人ともマシンガンのような銃を首からぶら下げている。菜緒は花柄のワンピースに、不似合いなスニーカーという姿だった。
わずかな瞬間だった。瞬きするかしないか。男二人の喉から血しぶきが飛び散る。それを見た老婆が叫ぶ。
「ぎゃぁぁあ」
男二人は瞬殺されたのか、膝から人形のように重力に従って崩れ落ちた。口からは泡を吹いている。そこからは、華麗な動きだった。菜緒が。ハイジャック犯のマシンガン二挺は敢えて手にせず、そのまま前方へと走り込む。リーダー格の男はマシンガンを構える。後ろにいた部下の男は拳銃を構え、菜緒に狙いをつけていた。
菜緒は飛んだ。空中を歩くように、客席を蹴りながら前へ前へと進んだ。短い髪は向かい風となった空調に乱される。
前後両側、銃で狙われた菜緒は、後方の男に向かって、手に巻き付けていた歯の矯正器具の針金を投げた。まっすぐ針金は飛び、男の眼を貫いた。そのまま脳にまで達する勢いで、男はさっきの二人のように膝から崩れた。
「撃つぞぉおおお」
リーダー格の男が引き金を引きそうになった。菜緒は乗客の背中を台にして、飛び上がりひらりと舞う。瞬き一つぐらい、あっという間に男の背後を獲った。ワンピースにプリントされた花柄がキレイだった。
「高崎くん、このまま拘束でいい?」
「先輩、はい。おつかれっした」
小声でリーダー格の男がつぶやく。
ハイジャックされた国内線MJS205便はそのまま時間通り伊丹空港に到着。空港内にスタンバイしていた特殊部隊が乗り込み、乗客を誘導し、死亡した三名のテロリストを運び出した。陵介はその様子を座席からじっと眺めていた。菜緒は拘束したリーダー格の男を特殊部隊の隊長らしい男に引き渡した。
乗客たち全員には、菜緒からアナウンスがされた。もしスマホの動画および写真撮影したもの、あればすぐ提出するようにと。この後の特殊部隊の検査で一人一人確認すると説明していた。客室乗務員をウェラブル眼鏡で盗撮していた男二名は、拘束されていった。
菜緒と陵介はケガもしていないということで、簡易なメディカルチェックを受けたのち、そのまま大阪梅田のホテルにチェックインした。電車を乗り継いで梅田に向かったが、終始無言だった。途中で串カツを食べていこうと提案したものの、食いしん坊の菜緒は何も話さない。
ホテルの部屋に着くと菜緒が口を開いた。
「陵介さん、私」
「はい」
「私、日本の諜報部隊の特殊捜査官です」
菜緒の説明はど・ストレートだった。テロリストグループのリーダーの男は後輩。内偵しているうちに、テロの情報を手に入れたものの、格闘には明るくない男だったので、菜緒が派遣されたということだった。
「あんまり詳しく説明すると、陵介さんにも危害がというか、その」
「はい、もう聞きません。菜緒ちゃん、あのひとついいですか?」
「なによ」
菜緒は若干ぶっきらぼうに返事した。
「僕のこと好きなんですかね?」
新婚旅行に来た夫婦の会話ではないなと、わかっていても陵介は聞きたかった。ソファーに座りなおして、陵介は菜緒を見た。
「あったりまえじゃん。だからプロポーズしたんじゃない」
菜緒と陵介は、行きつけの飲み屋で知り合った。以前から気になるなと陵介が思っていた女性が菜緒だった。金曜日の8時、ハッピーアワーが終わる直前にいつも入店する菜緒のために、パイントのビールを注文しておいたのが陵介だった。そこから半年、二人は結婚し、その一か月後新婚旅行でハイジャックに遭遇したのだった。
そしてさらにその一ヶ月、菜緒は失踪した。万一誘拐と言うことも考えられるが、菜緒がまんまと誘拐されるだろうか。もし誘拐なら、相手が心配だ。簡単に殺されてしまう、陵介の心配は複雑だった。
だが、翌日、失踪した菜緒が遺体で発見された。神保町のビルの爆破テロに巻き込まれたらしい。陵介は行方不明になった菜緒のことが気がかりで、仕事中もネットニュースばかりを見ていた。もしかして、何か菜緒に関するニュースが、と不安が高まっていたのだ。
警察からの連絡は淡々としていた。菜緒らしき遺体の一部があるため確認して欲しいというものだった。「らしき」「一部」という言葉に、菜緒でないことを、菜緒であってたまるかという想いが陵介を支配していた。
遺体安置所で菜緒の遺体の一部、菜緒と思わしき左手が見つかったのだ。手の甲には蜘蛛の巣のタトゥがあった。「菜緒の手にタトゥ?」陵介はどう思い返しても、心当たりがなかった。菜緒の手にはタトゥなんて入っていない、それは断言できると。
だが、その左手薬指には陵介が贈った結婚指輪がはめられていた。
翌日、陵介は警察に失踪届を出した。近くの露ヶ原交番で、当直の警察官はふてぶしかった。失踪だけで日本国内では年間七万人ほどいる。警察がまともに取り合うはずはない、と陵介はわかっていた。
誘拐されていたらと思うと気が気ではなかった。菜緒を誘拐した犯人は、きっと殺されているだろう。普通の女性ではないのだ。
二カ月前、東京・大阪間の飛行機がハイジャックされた。羽田空港発、伊丹空港着。14時過ぎに飛び立った機内に、複合・国際原子力戦線(Combined International Nuclear Front=CINFr)と名乗る男たち四人が機内で銃を構えた。「これより、この機体は複合・国際原子力戦線(CINFr)の所有物に変わった。あなたたちは、私たちの人質ではあるが、友人だ。だから、手荒な真似はしない。どうか安心して欲しい」
機内で立ち上がった男は皆、目出し帽をかぶっている。目の表情からして、全員四十代だと菜緒が陵介に伝えた。陵介はどうしてそんなことがわかるのか?菜緒に訊ねたが、菜緒は何も答えなかった。菜緒は、器用に口腔内の矯正器具を外し、人差し指に針金を巻き付けた。
ハイジャック犯たちはエジプトなまりのある英語を話していた。四人のうちリーダー格の男は流暢に日本語を話していた。さっき機内を安心させようと、安っぽい詭弁の演説を放った男だ。
誰もが機内でハイジャック犯と目があわないようにしているなか、陵介に頭を下げるようにと伝えたのち、菜緒はおもむろに立ち上がった。
「あのー、トイレ行きたいですけどぉ。妊娠してるんで、その」
日本語を話せるリーダー格の男が部下と思わしき男二名に、菜緒の近くに行くように指示した。
陵介はこのときの様子を一部始終をしっかりと見ていた。下げろと言われた頭を上げて。ハイジャック犯たちにバレないように、見ていた。
新婚旅行に大阪・枚方にある遊園地に行きたいと言ったのは菜緒だった。国内しかも新婚旅行に大阪の枚方とは、と陵介は思った。新幹線で行けばいいものの、菜緒は敢えてこの時間の国内線を選んだ。もっと早い便にして、朝から行動しようと、陵介は菜緒に提案したがすべて却下された。
というよりも菜緒がさっき「妊娠している」と言ったように聞こえた、あれは聞き間違いか?まだそんな肉体関係もない初々しい夫婦なのに、まさか、別の男の子供を身ごもった?陵介はピンチの状況に妄想で頭がいっぱいになっていた。人間は一度にたくさんのことを処理できない。
陵介はこのとき、菜緒が立ち上がったこと、菜緒が頭を下げるように言ったこと、歯の矯正が武器に変わったこと、妊娠していると言ったこと、そしてどうにもこうにもハイジャック犯と戦おうとしていること、同時にこんなに理解不能なことが起これば、処理どころでもないだろう。
「もう、漏れちゃうわよ」
揺れる機内で菜緒をトイレにエスコートしようとする男二人。二人ともマシンガンのような銃を首からぶら下げている。菜緒は花柄のワンピースに、不似合いなスニーカーという姿だった。
わずかな瞬間だった。瞬きするかしないか。男二人の喉から血しぶきが飛び散る。それを見た老婆が叫ぶ。
「ぎゃぁぁあ」
男二人は瞬殺されたのか、膝から人形のように重力に従って崩れ落ちた。口からは泡を吹いている。そこからは、華麗な動きだった。菜緒が。ハイジャック犯のマシンガン二挺は敢えて手にせず、そのまま前方へと走り込む。リーダー格の男はマシンガンを構える。後ろにいた部下の男は拳銃を構え、菜緒に狙いをつけていた。
菜緒は飛んだ。空中を歩くように、客席を蹴りながら前へ前へと進んだ。短い髪は向かい風となった空調に乱される。
前後両側、銃で狙われた菜緒は、後方の男に向かって、手に巻き付けていた歯の矯正器具の針金を投げた。まっすぐ針金は飛び、男の眼を貫いた。そのまま脳にまで達する勢いで、男はさっきの二人のように膝から崩れた。
「撃つぞぉおおお」
リーダー格の男が引き金を引きそうになった。菜緒は乗客の背中を台にして、飛び上がりひらりと舞う。瞬き一つぐらい、あっという間に男の背後を獲った。ワンピースにプリントされた花柄がキレイだった。
「高崎くん、このまま拘束でいい?」
「先輩、はい。おつかれっした」
小声でリーダー格の男がつぶやく。
ハイジャックされた国内線MJS205便はそのまま時間通り伊丹空港に到着。空港内にスタンバイしていた特殊部隊が乗り込み、乗客を誘導し、死亡した三名のテロリストを運び出した。陵介はその様子を座席からじっと眺めていた。菜緒は拘束したリーダー格の男を特殊部隊の隊長らしい男に引き渡した。
乗客たち全員には、菜緒からアナウンスがされた。もしスマホの動画および写真撮影したもの、あればすぐ提出するようにと。この後の特殊部隊の検査で一人一人確認すると説明していた。客室乗務員をウェラブル眼鏡で盗撮していた男二名は、拘束されていった。
菜緒と陵介はケガもしていないということで、簡易なメディカルチェックを受けたのち、そのまま大阪梅田のホテルにチェックインした。電車を乗り継いで梅田に向かったが、終始無言だった。途中で串カツを食べていこうと提案したものの、食いしん坊の菜緒は何も話さない。
ホテルの部屋に着くと菜緒が口を開いた。
「陵介さん、私」
「はい」
「私、日本の諜報部隊の特殊捜査官です」
菜緒の説明はど・ストレートだった。テロリストグループのリーダーの男は後輩。内偵しているうちに、テロの情報を手に入れたものの、格闘には明るくない男だったので、菜緒が派遣されたということだった。
「あんまり詳しく説明すると、陵介さんにも危害がというか、その」
「はい、もう聞きません。菜緒ちゃん、あのひとついいですか?」
「なによ」
菜緒は若干ぶっきらぼうに返事した。
「僕のこと好きなんですかね?」
新婚旅行に来た夫婦の会話ではないなと、わかっていても陵介は聞きたかった。ソファーに座りなおして、陵介は菜緒を見た。
「あったりまえじゃん。だからプロポーズしたんじゃない」
菜緒と陵介は、行きつけの飲み屋で知り合った。以前から気になるなと陵介が思っていた女性が菜緒だった。金曜日の8時、ハッピーアワーが終わる直前にいつも入店する菜緒のために、パイントのビールを注文しておいたのが陵介だった。そこから半年、二人は結婚し、その一か月後新婚旅行でハイジャックに遭遇したのだった。
そしてさらにその一ヶ月、菜緒は失踪した。万一誘拐と言うことも考えられるが、菜緒がまんまと誘拐されるだろうか。もし誘拐なら、相手が心配だ。簡単に殺されてしまう、陵介の心配は複雑だった。
だが、翌日、失踪した菜緒が遺体で発見された。神保町のビルの爆破テロに巻き込まれたらしい。陵介は行方不明になった菜緒のことが気がかりで、仕事中もネットニュースばかりを見ていた。もしかして、何か菜緒に関するニュースが、と不安が高まっていたのだ。
警察からの連絡は淡々としていた。菜緒らしき遺体の一部があるため確認して欲しいというものだった。「らしき」「一部」という言葉に、菜緒でないことを、菜緒であってたまるかという想いが陵介を支配していた。
遺体安置所で菜緒の遺体の一部、菜緒と思わしき左手が見つかったのだ。手の甲には蜘蛛の巣のタトゥがあった。「菜緒の手にタトゥ?」陵介はどう思い返しても、心当たりがなかった。菜緒の手にはタトゥなんて入っていない、それは断言できると。
だが、その左手薬指には陵介が贈った結婚指輪がはめられていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
空の船 〜奈緒の事件帳〜
たまご
ミステリー
4年前、事故で彼氏の裕人(ヒロト)を失った奈緒(ナオ)は、彼の姉である千奈津(チナツ)と未だ交流を続けていた。あくる日のこと、千奈津が「知人宅へ一緒に行って欲しい」と頼み込んだことで、奈緒は、千奈津に同行するが、知人宅を訪れると、知人の夫が倒れているのを発見してしまい…。
霊山の裁き
聖岳郎
ミステリー
製薬会社のMRを辞め、探偵となった空木健介。登山と下山後の一杯をこよなく愛する探偵が、初の探偵仕事で事件に巻き込まれる。初仕事は不倫調査の尾行だったが、その男は滋賀県と岐阜県の県境に位置する霊仙山の廃屋で死体で見つかった。死体は一体誰?さらに、空木の元に、女性からの手紙が届き、山形県の霊山、月山に来るように依頼される。その月山の山中でも、死体が発見される。転落死した会社員は事故だったのか?
とある製薬会社の仙台支店に渦巻く、保身とエゴが空木健介によって暴かれていく山岳推理小説。
時の呪縛
葉羽
ミステリー
山間の孤立した村にある古びた時計塔。かつてこの村は繁栄していたが、失踪事件が連続して発生したことで、村人たちは恐れを抱き、時計塔は放置されたままとなった。17歳の天才高校生・神藤葉羽は、友人に誘われてこの村を訪れることになる。そこで彼は、幼馴染の望月彩由美と共に、村の秘密に迫ることになる。
葉羽と彩由美は、失踪事件に関する不気味な噂を耳にし、時計塔に隠された真実を解明しようとする。しかし、時計塔の内部には、過去の記憶を呼び起こす仕掛けが待ち受けていた。彼らは、時間が歪み、過去の失踪者たちの幻影に直面する中で、次第に自らの心の奥底に潜む恐怖と向き合わせることになる。
果たして、彼らは村の呪いを解き明かし、失踪事件の真相に辿り着けるのか?そして、彼らの友情と恋心は試される。緊迫感あふれる謎解きと心理的恐怖が交錯する本格推理小説。
意識転移鏡像 ~ 歪む時間、崩壊する自我 ~
葉羽
ミステリー
「時間」を操り、人間の「意識」を弄ぶ、前代未聞の猟奇事件が発生。古びた洋館を改造した私設研究所で、昏睡状態の患者たちが次々と不審死を遂げる。死因は病死や事故死とされたが、その裏には恐るべき実験が隠されていた。被害者たちは、鏡像体と呼ばれる自身の複製へと意識を転移させられ、時間逆行による老化と若返りを繰り返していたのだ。歪む時間軸、変質する記憶、そして崩壊していく自我。天才高校生・神藤葉羽は、幼馴染の望月彩由美と共に、この難解な謎に挑む。しかし、彼らの前に立ちはだかるのは、想像を絶する恐怖と真実への迷宮だった。果たして葉羽は、禁断の実験の真相を暴き、被害者たちの魂を救うことができるのか?そして、事件の背後に潜む驚愕のどんでん返しとは?究極の本格推理ミステリーが今、幕を開ける。
隠蔽(T大法医学教室シリーズ・ミステリー)
桜坂詠恋
ミステリー
若き法医学者、月見里流星の元に、一人の弁護士がやって来た。
自殺とされた少年の死の真実を、再解剖にて調べて欲しいと言う。
しかし、解剖には鑑定処分許可状が必要であるが、警察には再捜査しないと言い渡されていた。
葬儀は翌日──。
遺体が火葬されてしまっては、真実は闇の中だ。
たまたま同席していた月見里の親友、警視庁・特殊事件対策室の刑事、高瀬と共に、3人は事件を調べていく中で、いくつもの事実が判明する。
果たして3人は鑑定処分許可状を手に入れ、少年の死の真実を暴くことが出来るのか。
蠱惑Ⅱ
壺の蓋政五郎
ミステリー
人は歩いていると邪悪な壁に入ってしまう時がある。その壁は透明なカーテンで仕切られている。勢いのある時は壁を弾き迷うことはない。しかし弱っている時、また嘘を吐いた時、憎しみを表に出した時、その壁に迷い込む。蠱惑の続編で不思議な短編集です。
特殊捜査官・天城宿禰の事件簿~乙女の告発
斑鳩陽菜
ミステリー
K県警捜査一課特殊捜査室――、そこにたった一人だけ特殊捜査官の肩書をもつ男、天城宿禰が在籍している。
遺留品や現場にある物が残留思念を読み取り、犯人を導くという。
そんな県警管轄内で、美術評論家が何者かに殺害された。
遺体の周りには、大量のガラス片が飛散。
臨場した天城は、さっそく残留思念を読み取るのだが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる