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第11話 異世界人とのコンタクト
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「すいませーん。ちょっといいでしょうか?」
ホタルが日本語で農民に話しかける。
「!”#$%&’」
少し離れた場所にいる俺達には、まったく意味が解らない言葉で返事が返ってきていた。
ホタルにはちゃんと通じていることを願うばかりだ。
◇◆◇◆
ホタルにはちゃんと伝わっていた。
「どうしたんだい? 変わった格好をしてるな」
「ちょっと遠くの国から来たものですから、この街を偶然見つけることができたんですが、少しお話を伺ってもいいですか?」
「遠くの国って? まさか海を越えてきたのかい?」
「あ、はい。そうです」
「あの、魔獣だらけの海を越えて来るとか凄い冒険者さんなんだね。それで何のようだい?」
「ちょっと色々聞きたい事があるので、時間が掛かっても構いませんか?」
「ああ、畑の様子を見に来ただけで、後は別に用もないから構わないよ」
そう返事をしてもらうと、少し離れた場所から子供連れの女性が姿を現す。
「あんた、何やってるんだい? 若い女性にデレデレしてるんじゃないよ」
「ああ、別にデレデレなんかしてねぇよ。このお嬢さんたちが話しを聞きたいって言ってるんだ。お前も一緒に聞いてやりな」
「あの、私達にも連れがいるので、一緒に食事でもしながら話しませんか? さっき林の中でウルフを倒したので」
「へー、そいつは凄いな。ウルフなんて群れで現れるから、俺達じゃとても戦えないよ。連れの人は何処にいるんだい?」
ミッシェルが気を利かせて「私が隊長たち呼んでくるよ」と言って、他のメンバーが居る方向へ向かって歩いて行った。
「えーと、私の他に六人程います。私以外はこの国の言葉が理解できないので、会話は私とお願いしますね。私の名前はホタルって言います」
「そうなのかい、俺の名前はヨーゼフだ。それでここに居るやかましいのが、俺の嫁でマルサと娘のマーニャだ」
「すてきな奥さんと娘さんですね。ちょっと待って下さい。私の国のお菓子がありますから、お嬢さんにプレゼントします」
「あら、あなた分かってるじゃない、ちょっと聞いた? 素敵な奥さんだって」
「馬鹿、社交辞令って言葉を知らないのか? マルサ」
「食事って、ここで食べるのか?」
「はい、そのつもりでしたけど駄目ですか?」
「この辺りで肉を焼いて匂いを立てると、モンスターが寄って来る事もあるから、作業小屋へ行きましょう、一応キッチンやテーブルもあるから」
「それは助かります。連れが来るまでもう少しお待ちくださいね」
そう言いながら、バックパックからチョコレートを出して、マーニャちゃんへと手渡した。
「お姉ちゃんこれなに?」
「私の国のお菓子で、『チョコレート』っていうんだよ! 甘くて美味しいから食べて見て」
マーニャちゃんはお母さんのマルサさんのほうを見て、食べていいかの確認をする。
「いいよ」と言われて箱を開けて摘まんだ。
「あっまあああああああい」
「美味しいでしょ?」
「うん!」
マーニャちゃんは満面の笑顔で喜んでくれた。
「ねえ、お姉ちゃんママにもあげていい?」
「勿論だよ、優しいねマーニャちゃんは」
「ママ! 食べて見て、すっごく美味しいんだよ」
そう言われてチョコレートを食べたマルサさんも、目をみひらいていた。
「美味しいわねぇ。こんなにたっぷりお砂糖が使ってあるお菓子なんて……ホタルさんはもしかして、お貴族様なんですか?」
「ちっがいますよぉ。私の国では平民でも、お菓子は簡単に手に入るだけです」
「そうなのかい、随分恵まれた国なんですね」
そんな話をしてると、ミッシェルさんが他の五人を連れて戻ってきた。
他のメンバー達は言葉が通じないので、私が替りに一人ずつ自己紹介をして、先輩たちは頭だけを下げていた。
◇◆◇◆
ミッシェルが俺達を呼びにきた。
「無事に言葉は通じたのか?」
アンドレ隊長がミッシェルに確認をする。
「私にはさっぱり何を喋ってるのか解らなかったですけど、ホタルが返す返事はちゃんと理解できたので、話の流れとしてはあの農民の方の作業小屋で、みんなでお食事をしながら、話をしようという感じですね」
「そうか、それなら大丈夫そうだな。アダム、調味料は持って来ているのか?」
「はい、中世ヨーロッパ辺りの文化なら香辛料など価値が高いかもしれないと思ってある程度は持ってきています」
「ここは大事なポイントだから、農民の方と仲良くなる為に腕を振るってくれ」
「了解です。腕によりをかけて料理します」
「ダニエルの金貨の価値も確認できればいいが、農民では金貨を触る機会は少なそうだな……」
「それでも両替商の場所を聞いたり、街への入場方法を確認したりはできるでしょうから助かりますね」
ミッシェルと共に農民の方とホタルが話してる場所へ、行くと自己紹介を済ませ、農民のヨーゼフさん一家が笑顔で迎え入れてくれた。
ホタルの社交性が高くて良かったよ。
先ほどのウルフのロース肉をアダムさんが手際よく調理して、香辛料もたっぷりと使ったステーキを焼き上げた。
一緒に持って来ていた赤ワインを振りかけ、フランベするとヨーゼフさん一家の三人が少しびっくりしていた。
マーニャちゃんが「お肉凄くいい匂いがしてるね、ママ」と、目を輝かせて見ている。
その間にホタルは、ヨーゼフさんに当り障りのない質問をしていた。
「ウルフの肉は、よく食べられるんですか?」
「いやー、魔獣の肉はいつでもは食べれないな。魔物化していない家畜の肉よりずっと値段も高いからな。魔獣の中ではウルフは比較的出回っているが、それでも一人前銀貨二枚は取られるから、俺達みたいな農民じゃ中々食べれないさ」
「あの、この国のお金の価値を教えてもらってもいいですか?」
「ああ、構わないが、そんなことも調べないでこの国に来るとか、随分行き当たりばったりな旅だな?」
「予定外の嵐に巻き込まれてしまったので、この国に来たのは偶然なんですよ」
「そうだったのか、それは大変だったな。お金の価値の話だったな。この国の通貨はゴルだ。一ゴルが鉄貨一枚で、十ゴルで銅貨一枚、百ゴルが白銅貨一枚で、千ゴルが銀貨一枚、一万ゴルが小金貨一枚で、十万ゴルが金貨一枚だ。それより大きな金額の取引は、金の延べ棒で行われる。重さが基準だな」
「そうなんですね、小金貨か金貨は手元に持たれて無いですよね?」
「あ、マルサ。小金貨一枚くらいなら持って無いか?」
「あるわよ、虎の子の小金貨だから無くさないでおくれよ?」
そう言って、マルサさんが革の巾着袋の中から、小さな金貨を一枚取り出した。
「すいません少し良く見せて下さい」
私が金貨を持ってみたが、重さは五グラムも無いだろう。
真ん中に穴が開いていて、丁度日本の五円玉のようだ。
ダニエルさんがその小金貨を見て「ピンクゴールドだな。重さは三.五グラムくらいだ」と言った。
「ダニエルさん。ピンクゴールドって何ですか?」
「ジュエリーによく使われる金で、銅が混ぜてあるんだ。地球の基準だと七十五パーセントの金に二十五パーセントの銅とパラジウムで色を調節するんだが、この見た目だと五十パーセントくらいの金に銀と銅で混ぜてあるんじゃないかな?」
「凄い詳しいですね」
「ああ。以前は貴金属店で働いてたことがあったからな」
「それなら、カジノのゴールドコインは結構な価値になりそうですね」
「だと思う」
お金の価値の話をしているうちにアダムさんがステーキを焼き上げ、一人ずつのお皿なんて無かったから、大きなお皿に手際よく一口大にカットして、五キログラム分くらいのステーキを乗せた。
フォークも無いから、どうしようかと思ってたら、竹を削って作った俺達のはとってもなじみの深い『カトラリー』お箸が出された。
ホタルがヨーゼフさんに聞いてくれた。
「この国の食事は、お箸を使うのが普通なんですか?」
「そうですよ、ホタルさんの国では違うのかい?」
「私とアズマはお箸が普通ですけど他の方はフォークを使う事が多いですね」
「へぇ、フォークなんてこの国じゃお貴族様達くらいしか使わないよ」
「そうなんですね、冷める前にいただいてしまいましょう」
そう言って、まず、ヨーゼフさんから箸を付けた。
「うめぇなこれ。こんなの王都のレストランでも食べれないんじゃないのか?」
その言葉を待ってたかのように、マルサさんとマーニャちゃんも箸をつける。
「美味しいわねぇ、こんなご馳走をありがとうございます」
とマルサさんが言い、マーニャちゃんは無言でパクパク食べていた。
「皆さんもどうぞ召し上がって下さいな」
マルサさんに言われて、全員で箸をつけた。
意外に、俺とホタル以外の五人も上手に箸を使っている。
今度はホタルが、アンドレ隊長たちに言葉をかける。
「皆さん箸を使うのお上手なんですね?」
「ああ、『ダービーキングダム』に寿司レストランがあったからな。船のクルーたちは乗船前に教育があるんだよ」
「そうだったんですね」
五キログラムもあったステーキは、十人で食べるとあっという間になくなった。
パンやスープも無く、純粋に肉だけだったからこんなもんなのかな?
味は、ウルフとか硬くて臭いかと思ってたら、思いのほか柔らかくて美味しかった。
脂身は少ないが、きめの細かい赤身から旨味が溢れ出してくる。
「アダムさん流石、一流シェフですね」
「初めての食材だったが、中々に興味深い肉だった。もっと設備の整ったキッチンで、手の込んだ料理を作りたくなったよ」
「楽しみにしてますね」
食事を終えて、それぞれヨーゼフさんに聞きたい事を書き出して貰って、ホタルが質問をする事にした。
ホタルが日本語で農民に話しかける。
「!”#$%&’」
少し離れた場所にいる俺達には、まったく意味が解らない言葉で返事が返ってきていた。
ホタルにはちゃんと通じていることを願うばかりだ。
◇◆◇◆
ホタルにはちゃんと伝わっていた。
「どうしたんだい? 変わった格好をしてるな」
「ちょっと遠くの国から来たものですから、この街を偶然見つけることができたんですが、少しお話を伺ってもいいですか?」
「遠くの国って? まさか海を越えてきたのかい?」
「あ、はい。そうです」
「あの、魔獣だらけの海を越えて来るとか凄い冒険者さんなんだね。それで何のようだい?」
「ちょっと色々聞きたい事があるので、時間が掛かっても構いませんか?」
「ああ、畑の様子を見に来ただけで、後は別に用もないから構わないよ」
そう返事をしてもらうと、少し離れた場所から子供連れの女性が姿を現す。
「あんた、何やってるんだい? 若い女性にデレデレしてるんじゃないよ」
「ああ、別にデレデレなんかしてねぇよ。このお嬢さんたちが話しを聞きたいって言ってるんだ。お前も一緒に聞いてやりな」
「あの、私達にも連れがいるので、一緒に食事でもしながら話しませんか? さっき林の中でウルフを倒したので」
「へー、そいつは凄いな。ウルフなんて群れで現れるから、俺達じゃとても戦えないよ。連れの人は何処にいるんだい?」
ミッシェルが気を利かせて「私が隊長たち呼んでくるよ」と言って、他のメンバーが居る方向へ向かって歩いて行った。
「えーと、私の他に六人程います。私以外はこの国の言葉が理解できないので、会話は私とお願いしますね。私の名前はホタルって言います」
「そうなのかい、俺の名前はヨーゼフだ。それでここに居るやかましいのが、俺の嫁でマルサと娘のマーニャだ」
「すてきな奥さんと娘さんですね。ちょっと待って下さい。私の国のお菓子がありますから、お嬢さんにプレゼントします」
「あら、あなた分かってるじゃない、ちょっと聞いた? 素敵な奥さんだって」
「馬鹿、社交辞令って言葉を知らないのか? マルサ」
「食事って、ここで食べるのか?」
「はい、そのつもりでしたけど駄目ですか?」
「この辺りで肉を焼いて匂いを立てると、モンスターが寄って来る事もあるから、作業小屋へ行きましょう、一応キッチンやテーブルもあるから」
「それは助かります。連れが来るまでもう少しお待ちくださいね」
そう言いながら、バックパックからチョコレートを出して、マーニャちゃんへと手渡した。
「お姉ちゃんこれなに?」
「私の国のお菓子で、『チョコレート』っていうんだよ! 甘くて美味しいから食べて見て」
マーニャちゃんはお母さんのマルサさんのほうを見て、食べていいかの確認をする。
「いいよ」と言われて箱を開けて摘まんだ。
「あっまあああああああい」
「美味しいでしょ?」
「うん!」
マーニャちゃんは満面の笑顔で喜んでくれた。
「ねえ、お姉ちゃんママにもあげていい?」
「勿論だよ、優しいねマーニャちゃんは」
「ママ! 食べて見て、すっごく美味しいんだよ」
そう言われてチョコレートを食べたマルサさんも、目をみひらいていた。
「美味しいわねぇ。こんなにたっぷりお砂糖が使ってあるお菓子なんて……ホタルさんはもしかして、お貴族様なんですか?」
「ちっがいますよぉ。私の国では平民でも、お菓子は簡単に手に入るだけです」
「そうなのかい、随分恵まれた国なんですね」
そんな話をしてると、ミッシェルさんが他の五人を連れて戻ってきた。
他のメンバー達は言葉が通じないので、私が替りに一人ずつ自己紹介をして、先輩たちは頭だけを下げていた。
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ミッシェルが俺達を呼びにきた。
「無事に言葉は通じたのか?」
アンドレ隊長がミッシェルに確認をする。
「私にはさっぱり何を喋ってるのか解らなかったですけど、ホタルが返す返事はちゃんと理解できたので、話の流れとしてはあの農民の方の作業小屋で、みんなでお食事をしながら、話をしようという感じですね」
「そうか、それなら大丈夫そうだな。アダム、調味料は持って来ているのか?」
「はい、中世ヨーロッパ辺りの文化なら香辛料など価値が高いかもしれないと思ってある程度は持ってきています」
「ここは大事なポイントだから、農民の方と仲良くなる為に腕を振るってくれ」
「了解です。腕によりをかけて料理します」
「ダニエルの金貨の価値も確認できればいいが、農民では金貨を触る機会は少なそうだな……」
「それでも両替商の場所を聞いたり、街への入場方法を確認したりはできるでしょうから助かりますね」
ミッシェルと共に農民の方とホタルが話してる場所へ、行くと自己紹介を済ませ、農民のヨーゼフさん一家が笑顔で迎え入れてくれた。
ホタルの社交性が高くて良かったよ。
先ほどのウルフのロース肉をアダムさんが手際よく調理して、香辛料もたっぷりと使ったステーキを焼き上げた。
一緒に持って来ていた赤ワインを振りかけ、フランベするとヨーゼフさん一家の三人が少しびっくりしていた。
マーニャちゃんが「お肉凄くいい匂いがしてるね、ママ」と、目を輝かせて見ている。
その間にホタルは、ヨーゼフさんに当り障りのない質問をしていた。
「ウルフの肉は、よく食べられるんですか?」
「いやー、魔獣の肉はいつでもは食べれないな。魔物化していない家畜の肉よりずっと値段も高いからな。魔獣の中ではウルフは比較的出回っているが、それでも一人前銀貨二枚は取られるから、俺達みたいな農民じゃ中々食べれないさ」
「あの、この国のお金の価値を教えてもらってもいいですか?」
「ああ、構わないが、そんなことも調べないでこの国に来るとか、随分行き当たりばったりな旅だな?」
「予定外の嵐に巻き込まれてしまったので、この国に来たのは偶然なんですよ」
「そうだったのか、それは大変だったな。お金の価値の話だったな。この国の通貨はゴルだ。一ゴルが鉄貨一枚で、十ゴルで銅貨一枚、百ゴルが白銅貨一枚で、千ゴルが銀貨一枚、一万ゴルが小金貨一枚で、十万ゴルが金貨一枚だ。それより大きな金額の取引は、金の延べ棒で行われる。重さが基準だな」
「そうなんですね、小金貨か金貨は手元に持たれて無いですよね?」
「あ、マルサ。小金貨一枚くらいなら持って無いか?」
「あるわよ、虎の子の小金貨だから無くさないでおくれよ?」
そう言って、マルサさんが革の巾着袋の中から、小さな金貨を一枚取り出した。
「すいません少し良く見せて下さい」
私が金貨を持ってみたが、重さは五グラムも無いだろう。
真ん中に穴が開いていて、丁度日本の五円玉のようだ。
ダニエルさんがその小金貨を見て「ピンクゴールドだな。重さは三.五グラムくらいだ」と言った。
「ダニエルさん。ピンクゴールドって何ですか?」
「ジュエリーによく使われる金で、銅が混ぜてあるんだ。地球の基準だと七十五パーセントの金に二十五パーセントの銅とパラジウムで色を調節するんだが、この見た目だと五十パーセントくらいの金に銀と銅で混ぜてあるんじゃないかな?」
「凄い詳しいですね」
「ああ。以前は貴金属店で働いてたことがあったからな」
「それなら、カジノのゴールドコインは結構な価値になりそうですね」
「だと思う」
お金の価値の話をしているうちにアダムさんがステーキを焼き上げ、一人ずつのお皿なんて無かったから、大きなお皿に手際よく一口大にカットして、五キログラム分くらいのステーキを乗せた。
フォークも無いから、どうしようかと思ってたら、竹を削って作った俺達のはとってもなじみの深い『カトラリー』お箸が出された。
ホタルがヨーゼフさんに聞いてくれた。
「この国の食事は、お箸を使うのが普通なんですか?」
「そうですよ、ホタルさんの国では違うのかい?」
「私とアズマはお箸が普通ですけど他の方はフォークを使う事が多いですね」
「へぇ、フォークなんてこの国じゃお貴族様達くらいしか使わないよ」
「そうなんですね、冷める前にいただいてしまいましょう」
そう言って、まず、ヨーゼフさんから箸を付けた。
「うめぇなこれ。こんなの王都のレストランでも食べれないんじゃないのか?」
その言葉を待ってたかのように、マルサさんとマーニャちゃんも箸をつける。
「美味しいわねぇ、こんなご馳走をありがとうございます」
とマルサさんが言い、マーニャちゃんは無言でパクパク食べていた。
「皆さんもどうぞ召し上がって下さいな」
マルサさんに言われて、全員で箸をつけた。
意外に、俺とホタル以外の五人も上手に箸を使っている。
今度はホタルが、アンドレ隊長たちに言葉をかける。
「皆さん箸を使うのお上手なんですね?」
「ああ、『ダービーキングダム』に寿司レストランがあったからな。船のクルーたちは乗船前に教育があるんだよ」
「そうだったんですね」
五キログラムもあったステーキは、十人で食べるとあっという間になくなった。
パンやスープも無く、純粋に肉だけだったからこんなもんなのかな?
味は、ウルフとか硬くて臭いかと思ってたら、思いのほか柔らかくて美味しかった。
脂身は少ないが、きめの細かい赤身から旨味が溢れ出してくる。
「アダムさん流石、一流シェフですね」
「初めての食材だったが、中々に興味深い肉だった。もっと設備の整ったキッチンで、手の込んだ料理を作りたくなったよ」
「楽しみにしてますね」
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