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第1話 当たった!
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「先輩、やばくないですか?」
「ああ、ちょっと不安だな」
ここは世界一周クルーズを行っている豪華客船『ダービーキングダム』の中だ。
さながら中世ヨーロッパの社交パーティのような、ディナータイムを楽しんでいた時だった。
昼過ぎまではベタ凪で、どこまでも広がる青い空と海を満喫出来ていたが、ディナータイムが始まる直前辺りから、急激に風雨が強まってきた。
そして悪い予感は的中し、俺と職場の後輩であった女性『蘭蛍』の乗っていた船に雷が直撃した。
二、三度照明が明滅し、その直後に全長三百メートル、横幅三十二メートルもある乗客二千名、クルー二百名の見事な艦体は海中深くに引きずり込まれるようにその姿を消した。
◇◆◇◆
一月前
今日は日曜日、週末の楽しみである競馬場に訪れている。
東京の一流とは言えない私立大学を現役で卒業したものの就職活動には失敗し、二十九歳にして派遣勤務の俺は手取り二十万円の給料で生活している訳で、決して裕福な環境ではない。
勤務している会社は外資系のネット通販大手企業だが、俺の仕事は倉庫管理だから特別な技能も必要は無い。
まぁ休みはきちんととれるし、そこまでブラックでもないんだけど、将来を考えると不安は募る一方だ。
当然のように結婚相手はおろか、ここ数年は彼女と呼べる人もいない。
両親はまだ健在だが兄弟も居ない俺は後、数年もすれば田舎に戻って地元で職を探す事になるのかな?
そんな俺でも夢が見れる馬券は【WIN5】。
指定された五つのレースの一着馬を全て当てる馬券だ。
毎週二十四通りの二千四百円だけ、この馬券を買って楽しむのが俺のここ三年間ほどの週末の過ごし方である。
毎レースを買う訳じゃ無いから家でテレビでも見ながらネット投票をした方が良さそうなもんだが、競馬場で実際に走る姿を応援することに意義があるのが競馬ファンってもんなんだよ!
まぁ俺の買うWIN5はほとんどの場合、複数の競馬場の準メインとメイン競争で行われるので、応援すべき競争は昼の二時以降になる。
投票自体はネット投票で行い、俺はゴール地点に近い場所に陣取って競争を楽しんでいた。
今日の俺の予想では、中波乱、大波乱、中波乱、中波乱、堅い、と予想した。
まぁ高額をかける事は俺にはできないので、中波乱二点買い、大波乱三点買い、堅い一点買いの賭け方なんだけどね。
俺なりの予想で穴馬を見つけ出して、一番人気と組み合わせて買う様にしている。
この三年間で三回ほど的中もさせている。
最高は百万円を少し超える程の配当だった。
ボーナスも無い派遣勤務の俺には十分に魅力的な配当だ。
比較的現実的な俺は、決して無理はせず一週間に二千四百円以上を投資する事もなかった。
だが、この日の俺の感は冴えわたっていた。
対象レースが三レース終わった時点で、八番人気、十四番人気、七番人気と、この時点で既に残り票数、百票を切るという展開だったのだ。
その時だった。
「あれ? 小栗先輩じゃないですか」
そう声を掛けて来た女性の声に振り向く。
そこには、会社の後輩で今年の春に新入社員(もちろん正規雇用)で入社した蘭さんの姿があった。
背は百五十センチメートルに届かないほどだが、目鼻立ちははっきりしてショートカットの良く似合う美人というよりは可愛い女性だ。
何よりも胸のふくらみが平均よりは大きくて、独身男性からの評価がとても高い。
まぁ俺の様な非正規の派遣社員には高嶺の花だけどな。
「ああ、蘭さんだっけ。君も競馬なんてするんだ?」
「ええ。大学では競馬研究会に所属してました!」
「一人で来てるの?」
「来た時には女の子三人と男の子二人の五人連れだったんですけど、他の四人はそれぞれカップルだったし、早々に負けちゃって、映画見に行くって言いだしたから私だけ残ってたんです」
「あれ? じゃぁ蘭さんは勝ってるの?」
「えーと、正確には負けては無い状態ですね。WIN5で後二レースが一番人気で決まれば勝てますけど……」
「凄いね。あと百票も残って無いから当たれば最低五百万円以上の配当じゃん」
「そうですね。結構ドキドキしてます。あの……もし当たったら不安だから先輩一緒に居てもらってもいいですか?」
「ああ、馬券、競馬場で買ったんだね。そりゃぁ心配だね。いいよ当たったらボディガードしてあげるよ」
「ありがとうございます。当たったら美味しい物驕りますね!」
そして対象の第四レース目は、またしても十番人気の穴馬券で決着した。
「あーあ。夢破れたりです。会社辞めれると思ったのになぁ」
だが俺はその時力強くこぶしを握り締めていた。
「あ、ああ。外れちゃったんだ。残念だったね。っていうか蘭さん会社辞めようとか思ってるの?」
「うーん。ちょっとやりたい方向性が違うって言うか、このまま我慢して続けるより本当にやりたい仕事をした方が良いと思ってですね。まだ二十二歳だから間に合うかなって? でも資金が無いとそれもなかなか踏み出せないです」
「そうなんだね。俺は派遣だから正規雇用で働いてるってだけでも羨ましいけどな」
「そうなんですね……でも先輩? こぶし握りしめてませんでした? 今のレース取ったんですか?」
そう聞かれた俺は、ちょっと小声で「リーチかかっちゃった」と告げた。
「え? まさかWIN5ですか? 残り票数一票じゃ無いですか?」
「マジ? 俺だけなんだ……当たったら一体いくらなんだろ?」
「売り上げが八億円くらいだったはずですから、きっと上限の六億円かも……」
「目立つとヤバいから、小声でお願い」
「あ、スイマセン。それで最後は何を買われてるんですか?」
「うん。一番人気だね」
「凄い! じゃぁ今度は私がボディーガードで付いてますね」
「俺はネット購入だから大丈夫だよ」
「あ、そうなんですか? でも……当たったら食事連れてってください!」
「彼氏に怒られない?」
「私はそんな人いませんよ。海外留学とかしたいですから特定の人と付き合うのはもっと先ですね」
「そうなんだ」
そんな話をしている間に、メインの対象レースがゲートインを迎えた。
単勝一番人気のこの馬はスタートから先頭に立ち快調に後続を引き離した。
俺はこぶしを握り締めながら勝利を確信した。
最後の直線。
俺は一番人気の馬だけを見続けていた。
握りしめたこぶしは、爪が肉に食い込みうっすら血が滲んでいるが、そんなことに気付きもしないくらいに集中している。
ゴール前わずか三メートルの所で、いきなり後続の馬が一気に伸びて躱しそのままゴールイン。
俺は呆然となった。
「ああああああああああ、俺の六億がぁああああああああ」
「ちょっと先輩、ヤバいです視線集まってます」
「ああ、外しちゃったから、集まっても関係ないよ」
「ちょっと先輩、すぐに移動しましょう」
そう言った蘭さんが、俺の手を引っ張って早々に競馬場から俺を連れだした。
「どうしたの? 蘭さん」
蘭さんが、スマホで競馬中継をネットラジオで鳴らした。
「先輩、恐らく当たってます」
「え? なんで?」
「後ろで落馬があって、その時に落馬した馬と接触したのが一着馬だったんですよ」
「えええええええええええええええ、まじか!」
「はい、まじです」
スマホから確定放送が流れていた。
『一着入選の三番『アテウマ』号は最後の直線で妨害の為、失格となりました。確定、一着十二番『ヨカッタネ』号………………なおWIN5は的中票数一票払戻金額【六億円】となります』
俺は握りしめたこぶしを天に突き上げた。
まるで昇天した『ラ〇ウ』のように。
「先輩、凄いですね。寿司行きますか?」
「そ、そうだな。どこかいいところ知ってるか?」
「ちょっとスマホで当日予約取れるところ探してみます」
俺は自分のスマホを操作しながら、六億円の配当を自分の口座へと移動させていた。
「ああ、ちょっと不安だな」
ここは世界一周クルーズを行っている豪華客船『ダービーキングダム』の中だ。
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昼過ぎまではベタ凪で、どこまでも広がる青い空と海を満喫出来ていたが、ディナータイムが始まる直前辺りから、急激に風雨が強まってきた。
そして悪い予感は的中し、俺と職場の後輩であった女性『蘭蛍』の乗っていた船に雷が直撃した。
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一月前
今日は日曜日、週末の楽しみである競馬場に訪れている。
東京の一流とは言えない私立大学を現役で卒業したものの就職活動には失敗し、二十九歳にして派遣勤務の俺は手取り二十万円の給料で生活している訳で、決して裕福な環境ではない。
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両親はまだ健在だが兄弟も居ない俺は後、数年もすれば田舎に戻って地元で職を探す事になるのかな?
そんな俺でも夢が見れる馬券は【WIN5】。
指定された五つのレースの一着馬を全て当てる馬券だ。
毎週二十四通りの二千四百円だけ、この馬券を買って楽しむのが俺のここ三年間ほどの週末の過ごし方である。
毎レースを買う訳じゃ無いから家でテレビでも見ながらネット投票をした方が良さそうなもんだが、競馬場で実際に走る姿を応援することに意義があるのが競馬ファンってもんなんだよ!
まぁ俺の買うWIN5はほとんどの場合、複数の競馬場の準メインとメイン競争で行われるので、応援すべき競争は昼の二時以降になる。
投票自体はネット投票で行い、俺はゴール地点に近い場所に陣取って競争を楽しんでいた。
今日の俺の予想では、中波乱、大波乱、中波乱、中波乱、堅い、と予想した。
まぁ高額をかける事は俺にはできないので、中波乱二点買い、大波乱三点買い、堅い一点買いの賭け方なんだけどね。
俺なりの予想で穴馬を見つけ出して、一番人気と組み合わせて買う様にしている。
この三年間で三回ほど的中もさせている。
最高は百万円を少し超える程の配当だった。
ボーナスも無い派遣勤務の俺には十分に魅力的な配当だ。
比較的現実的な俺は、決して無理はせず一週間に二千四百円以上を投資する事もなかった。
だが、この日の俺の感は冴えわたっていた。
対象レースが三レース終わった時点で、八番人気、十四番人気、七番人気と、この時点で既に残り票数、百票を切るという展開だったのだ。
その時だった。
「あれ? 小栗先輩じゃないですか」
そう声を掛けて来た女性の声に振り向く。
そこには、会社の後輩で今年の春に新入社員(もちろん正規雇用)で入社した蘭さんの姿があった。
背は百五十センチメートルに届かないほどだが、目鼻立ちははっきりしてショートカットの良く似合う美人というよりは可愛い女性だ。
何よりも胸のふくらみが平均よりは大きくて、独身男性からの評価がとても高い。
まぁ俺の様な非正規の派遣社員には高嶺の花だけどな。
「ああ、蘭さんだっけ。君も競馬なんてするんだ?」
「ええ。大学では競馬研究会に所属してました!」
「一人で来てるの?」
「来た時には女の子三人と男の子二人の五人連れだったんですけど、他の四人はそれぞれカップルだったし、早々に負けちゃって、映画見に行くって言いだしたから私だけ残ってたんです」
「あれ? じゃぁ蘭さんは勝ってるの?」
「えーと、正確には負けては無い状態ですね。WIN5で後二レースが一番人気で決まれば勝てますけど……」
「凄いね。あと百票も残って無いから当たれば最低五百万円以上の配当じゃん」
「そうですね。結構ドキドキしてます。あの……もし当たったら不安だから先輩一緒に居てもらってもいいですか?」
「ああ、馬券、競馬場で買ったんだね。そりゃぁ心配だね。いいよ当たったらボディガードしてあげるよ」
「ありがとうございます。当たったら美味しい物驕りますね!」
そして対象の第四レース目は、またしても十番人気の穴馬券で決着した。
「あーあ。夢破れたりです。会社辞めれると思ったのになぁ」
だが俺はその時力強くこぶしを握り締めていた。
「あ、ああ。外れちゃったんだ。残念だったね。っていうか蘭さん会社辞めようとか思ってるの?」
「うーん。ちょっとやりたい方向性が違うって言うか、このまま我慢して続けるより本当にやりたい仕事をした方が良いと思ってですね。まだ二十二歳だから間に合うかなって? でも資金が無いとそれもなかなか踏み出せないです」
「そうなんだね。俺は派遣だから正規雇用で働いてるってだけでも羨ましいけどな」
「そうなんですね……でも先輩? こぶし握りしめてませんでした? 今のレース取ったんですか?」
そう聞かれた俺は、ちょっと小声で「リーチかかっちゃった」と告げた。
「え? まさかWIN5ですか? 残り票数一票じゃ無いですか?」
「マジ? 俺だけなんだ……当たったら一体いくらなんだろ?」
「売り上げが八億円くらいだったはずですから、きっと上限の六億円かも……」
「目立つとヤバいから、小声でお願い」
「あ、スイマセン。それで最後は何を買われてるんですか?」
「うん。一番人気だね」
「凄い! じゃぁ今度は私がボディーガードで付いてますね」
「俺はネット購入だから大丈夫だよ」
「あ、そうなんですか? でも……当たったら食事連れてってください!」
「彼氏に怒られない?」
「私はそんな人いませんよ。海外留学とかしたいですから特定の人と付き合うのはもっと先ですね」
「そうなんだ」
そんな話をしている間に、メインの対象レースがゲートインを迎えた。
単勝一番人気のこの馬はスタートから先頭に立ち快調に後続を引き離した。
俺はこぶしを握り締めながら勝利を確信した。
最後の直線。
俺は一番人気の馬だけを見続けていた。
握りしめたこぶしは、爪が肉に食い込みうっすら血が滲んでいるが、そんなことに気付きもしないくらいに集中している。
ゴール前わずか三メートルの所で、いきなり後続の馬が一気に伸びて躱しそのままゴールイン。
俺は呆然となった。
「ああああああああああ、俺の六億がぁああああああああ」
「ちょっと先輩、ヤバいです視線集まってます」
「ああ、外しちゃったから、集まっても関係ないよ」
「ちょっと先輩、すぐに移動しましょう」
そう言った蘭さんが、俺の手を引っ張って早々に競馬場から俺を連れだした。
「どうしたの? 蘭さん」
蘭さんが、スマホで競馬中継をネットラジオで鳴らした。
「先輩、恐らく当たってます」
「え? なんで?」
「後ろで落馬があって、その時に落馬した馬と接触したのが一着馬だったんですよ」
「えええええええええええええええ、まじか!」
「はい、まじです」
スマホから確定放送が流れていた。
『一着入選の三番『アテウマ』号は最後の直線で妨害の為、失格となりました。確定、一着十二番『ヨカッタネ』号………………なおWIN5は的中票数一票払戻金額【六億円】となります』
俺は握りしめたこぶしを天に突き上げた。
まるで昇天した『ラ〇ウ』のように。
「先輩、凄いですね。寿司行きますか?」
「そ、そうだな。どこかいいところ知ってるか?」
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